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各メーカーの18Vのフラッグシップ機で検証してみることに

【コードレスクリーナー】マキタ vs ハイコーキ vs リョービの吸引力対決

サブ機のコードレスクリーナーと言えば昔からマキタが有名

電動工具メーカーの充電式クリーナーといえば、スティックコードレスクリーナーの歴史が古いマキタの製品が有名である。その歴史の古さは、現在主流となっているリチウムイオンバッテリーが充電式電動工具に採用される前から販売しているほど。

同社は当初、電圧の低い家庭用モデルを販売していたが、後発で発売された建設現場などで使われるプロ用モデルはさらに吸引力が強いことから、家庭で使われる機会も年々増えているという。

競合メーカーが力を入れたことによりマキタ一強時代が終わる

しかし、現在はマキタの競合メーカーであるハイコーキ(元日立工機)やリョービも充電式スティッククリーナーに力を入れ始め、2弾目、3弾目となる新モデルは吸引力の面でマキタを凌駕。工具メーカーでマキタ一強時代は2015年頃に終わってしまったのである。

そしていよいよマキタが重い腰を上げたのか、2019年にブラシレスモーターを搭載した18Vシリーズのモデルを投入。グレードアップした新モデルが発売されたのは実に10年ぶり。新モデルはリョービのBHC-1800と同じクラストップの吸込仕事率60Wを実現している。

4年ぶりにどのメーカーが吸引力が強いのか比較を行うことに

そんなこんなで、電動工具メーカーのパワフルな18Vシリーズのスティック機が欲しいけど、現在はメーカー各社から吸込仕事率の高いモデルがラインアップされていることから、どれが一番吸引力が強いのか迷っている人も多いのではなかろうか。

そこで当サイトでは吸引力の指標となる吸込仕事率が高いマキタ・ハイコーキ・リョービの3社のフラッグシップ機の吸引力の強さを比較。吸込仕事率を求めることはできないが、風速やダンボールを持ち上げる枚数でパワーの強さを判断することに。

4年前の比較では日立工機(ハイコーキ)がマキタを凌駕

工具メーカー(スティック機)の構図

2010~2013年:マキタ一強の時代が続いていた
2014年:日立工機(ハイコーキ)の新モデルがマキタを凌駕
2015年~2018年:リョービの新モデルがマキタと日立工機を凌駕
2019年:マキタが18Vの新モデルを発売(比較してみた)New

当サイトでは2014年に日立工機からR14DSAL(14.4V)とR18DSAL(18V)が発売されたときに、マキタの18VシリーズのCL180FD(18V)とパワーの比較対決を行っている。

このとき日立工機(ハイコーキ)の14.4Vシリーズの「R14DSAL」がマキタの18Vの「CL180FD」を凌駕してしまったため、18Vシリーズの「R18DSAL」のでる幕はなかった。


そして、翌年(2015年)にリョービからクラストップ(吸込仕事率60W)のBHC-1800が発売。体感でも数値でも日立工機より大きな差があったため、比較するまでもないと思い検証動画をアップロードしなかった。

追記:リョービのBHC-1800が発売されたときに、日立工機のR18DAと同等のR18DSALと比較をしていたようだ。結果はR18DAが持ち上げられなかったダンボール(10枚)をBHC-1800が軽々と持ち上げて圧勝。

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いざ尋常に勝負!マキタ VS ハイコーキ VS リョービ

体感の吸引力が強いのはどの電動工具メーカーのクリーナー?

ざっくりまとめると

●体感で1番目に強く感じたのはリョービ(BHC-1800
●体感で2番目に強く感じたのはマキタ(CL281FD
●マキタとハイコーキ(R18DA)に大きな差は感じなかった
●マキタだけ手で塞いだときに強い圧を感じた

まずはじめに本体の吸込口に手をあててどのモデルが吸引力が強いのか比較してみることにした。

わたしの体感では頭一つ抜けて吸引力が強いと感じたのがリョービであった。次にマキタが強いと感じたが、マキタとハイコーキの差は“わずかな差”だった。ハイコーキの吸込口の内径はマキタよりわずかに広いことから、このわずかな差というのは吸込口内径が関係しているものだと思った。

ただし、3機種の中でマキタのモデルだけ吸込口を手で防いだ際に粘るような強さ(強い圧力)を感じた。これは負荷がかかった際に速度変動率が小さい「ブラシレスモーター」を新たに採用しているからだろう。

このことから、これからのすべての比較検証で1位をとるのはリョービ。そして、マキタとハイコーキがいい勝負をして2位争いをすると予想していた。だがしかし結果は予想外の方向に…

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風速が強いのはどの電動工具メーカーのクリーナー?

ざっくりまとめると

●吸気風が1番目に速かったのはマキタ(CL281FD-54.2m/s
●吸気風が2番目に速かったのはリョービ(BHC-1800-53.5m/s
●吸気風が3番目に速かったのはハイコーキ(R18DA-48.3m/s
●マキタとリョービの差はわずかだった
●高機能フィルタを装着した場合、紙パック式のリョービが1番高速
追記:マキタ(CL282FD-51.8m/s動画はこちら

次に比較したのはストレートパイプ内で発生している風速だ。モーターやバッテリーが生み出す吸気風は内径を細く絞ることで高速化することが可能なため、(速い風速)=(吸引力が強い)とは言い難いが、各電動工具メーカーのストレートパイプの内径やヘッドの設計に大差がないため、風速計で最高風速を測定して対決させてみた。

結果は、マキタとハイコーキに目詰まりしにくい「高機能フィルター」を取り付けた場合、リョービの紙パック式が一番強い風速が発生していた。次に排気性能を落として「フェルトのフィルター」をマキタとハイコーキに取り付けて比較した場合では、わずか0.7m/sの差であるがマキタがリョービを抜いた。

わたしの体感の吸引力ではリョービが一番強いと感じたので、マキタがリョービと競ったのは予想外であった。また、同等と思っていたマキタとハイコーキの風速に大きな差が生じたのも予想外の展開。次のダンボールを吸い上げる比較テストでは、間違いなくハイコーキが最初に脱落するだろうと予想も変わった。

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ダンボールをたくさん持ち上げられるのはどの電動工具メーカーのクリーナー?

ざっくりまとめると

●マキタ(CL281FD)は22枚のダンボールを持ち上げられた
●リョービ(BHC-1800)は19枚のダンボールを持ち上げられた
●ハイコーキ(R18DA)は13枚のダンボールを持ち上げられた
追記:マキタ(CL282FD)は18枚のダンボールを持ち上げられた(動画

最後に床用ヘッドを装着した状態でダンボールを吸い上げられる枚数を競う対決をさせてみた。

なおこの対決は本体のパワー対決のため、メーカー各社の本体には同じマキタのストレートパイプとTヘッドを装着している。また、持ち上げているダンボールはアマゾンの底にしかれているものを使用。一番上にしているダンボールには切り目が入っており、毎回同じダンボールを上にして検証(※モーターが焼き付くことがあり自己責任)。

まずはじめに最初に脱落しそうなハイコーキでダンボールが何枚持ち上げられるか検証すると13枚までならなんとか吸い上げることができた(カメラを回したときは吸い上げられなかった)。

次にマキタで吸わせると13枚のダンボールを軽く吸い上げることができた。まだまだ力に余裕があったため、ダンボールの枚数を一気に6枚増やした19枚をマキタとリョービで吸い上げるとどちらも持ち上げることができた。当然ハイコーキは19枚のダンボールを持ち上げることができず、吸込仕事率の数値通りパワーに差があることを確証。

さらにダンボールを1枚増やした20枚で挑戦。すでにダンボールの束は辞典のように分厚くなり、10.8Vや14.4Vシリーズのモデルではビクともしない重さになっている。マキタとリョービも限界が近づいていることが分かるほど吸い上げるのに必死な感じがしたが、どちらもなんとかダンボール20枚を持ち上げることができた。

そして、そろろそろ決着がつきそうなため、バッテリーを満充電+冷却し万全の状態で21枚重ねたダンボールにトライ。ここでマキタは何度かダンボールを落としてしまうものの最終的にカメラの位置まで持ち上げることができた。一方のリョービは数センチほどの高さまで持ち上げることはできたが、カメラがある高さまで持ち上げることができなかった。

最後にダンボール22枚を持ち上げられるかマキタで挑戦するとなんとか持ち上げることができた。次にリョービで試したみると21枚目のときと同じように高い位置まで持ち上げるのが難しい状態であった。おまけでハイコーキでも試してみたが1mmも浮かせることはできなかった。重量挙げ対決では1位マキタ、2位リョービ、3位ハイコーキの結果となった。

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BHC-1800/R18DA/CL281FD/CL282FD 真空度 比較

高い圧力を引き出しているのはどの電動工具メーカーのクリーナー?

ざっくりまとめると

●リョービ(BHC-1800-紙パック)7.01kpa
●マキタ(CL281FD-フェルトフィルター)7.69kpa
●マキタ(CL281FD-高機能フィルター)7.50kpa
●マキタ(CL282FD-紙パック)7.84kpa
●ハイコーキ(R18DA-フェルトフィルター)4.18kpa
●ハイコーキ(R18DA-高機能フィルター)4.11kpa

掃除機のパワー対決で風速とダンボールを持ち上げられる枚数だけでは種目数が少ないうえ信ぴょう性にかけると思い、大気圧より低い圧力(真空度)を測定できる真空計を使って、どのモデルが一番強い圧力を引き出しているのか対決させてみた。基本的に真空度の高いほうが、重い固形のゴミを勢いよく吸い上げると考えてよいだろう。

なお、アナログ仕様の真空計では細かい数値まで読み取れなかったため、デジタルのマノメーター(差圧計)を使用。基本的にマノメーターは2つの場所の圧力の差を測定するものだが、2つある一方の差込口をそのままにしておくことで、大気圧との差圧を測定することが可能。

検証の結果は意外なことに風速とダンボールを持ち上げられる対決で3位だった、マキタの(CL282FD-紙パック)が7.84kpaと一番強い圧力を叩きだす。また、リョービが高機能フィルターを装着したCL281FDに少し劣ったのも意外であった。吸込仕事率が劣っているハイコーキのR18DAがビリになるのは予想通りであったが、1位のCL282FDと約2倍近い差が開いたのも意外であった。

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結局どのメーカーのモデルが一番吸引力が強いの?

結局どの電動工具メーカーのモデルが一番吸引力が強いの?

ゴミの除去率や効率は吸引力で決まらない!?

ぶっちゃけた話し、掃除機が部屋の床を綺麗にするのに吸気風のスピードや物を持ち上げる重さは関係ない。なぜなら、フロアのゴミの除去率はヘッドの設計や集じん方式によって大きく左右するからだ。このため、特に大手家電メーカーの掃除機のパワーヘッドやサイクロン式のダストカップセットは改良されることが多く、毎年独自の特徴を打ち出した新モデルが投入されている。

また、吸い取るゴミの種類によっては18Vシリーズのモデルはオーバースペックとなることもある。例えば、家庭に落ちている微細な塵・埃や重量の軽い髪の毛をフローリングから吸引する場合、10.8V/14.4V/18Vシリーズどのモデルを使っても掃除効率に大きな差がないからである。ただし、電動工具メーカーのようにヘッドの設計が同じだった場合、吸い取るゴミの量が多かったり、ペット用のトイレ砂のように重いゴミの場合は電圧の高いモデルが有利となる。

 

1位 マキタ/CL281FD(白フィルタ使用時)
2位 リョービ/BHC-1800(紙パック使用時)
3位 マキタ/CL282FD(紙パック使用時)
4位 ハイコーキ/R18DA(白フィルタ使用時)

個人的な感想(パワーが強いと思ったモデル)

ざっくりまとめると

●ハイコーキ(R18DA)が一番吸引力が弱い
●マキタ(CL281FD)とリョービ(BHC-1800)の吸引力は同等だと感じた
●モーターに負荷がかかった場合はマキタ(CL281FD)のほうが有利
●標準付属品の高機能フィルタを使用した場合、リョービのほうが上(未確認)
▼モーターに負荷がかかるシーン
・カーペットの掃除をしたとき
・重たいゴミを大量に吸引したとき
・フィルターが目詰まりしはじめたとき

電動工具メーカーのスティックコードレスクリーナーの場合、標準装備されている「床用ヘッド」や「ストレートパイプ」、そして別販売されている「サイクロンアタッチメント」*1の設計が非常に似ているため、とにかくパワーを重視したい場合は18Vシリーズで吸込仕事率の高いモデルを選ぶとよいだろう。(*1:ハイコーキは吸い込んだ空気とゴミを遠心分離するサイクロンアタッチメントなし)

当サイトの検証ではどのモデルが一番吸引力が強いとは断言できないため、個人的な感想となるが、経験と検証の結果から一番吸引力が弱かったのはハイコーキの(R18DA)。そして、マキタの(CL281FD)とリョービの(BHC-1800)の吸引力はスペック(吸込仕事率60W)通り同等であると感じた。

ただし、マキタの新モデルは負荷がかかったときにモーター速度が減速しにくい「ブラスレスモーター」を採用しているため、モーターに負荷がかかる「重たいゴミを大量に吸引する場合」「フィルターが目詰まりしはじめたとき」「ヘッドと床の隙間がなくなるカーペットを掃除したとき」は、マキタの(CL281FD)のほうが若干有利だと判断。

【2019年版】18V コードレス掃除機 マキタ・リョービ・ハイコーキ音の比較
大手電動工具メーカーの18Vシリーズ(フラッグシップ機)がでパワー対決をしたの機会に運転音の比較も行ってみた。いつも騒音計で騒音値を測定しても大きな差は現れないが、3モデル同時に駆動させると頭ひとつ抜いて爆音なのがリョービのBHC-1800。次に耳につくような不快な音を響き渡らせてるのはハイコーキのR18DA。そして、この2モデルに運転音をかき消されているのがマキタの新モデルである。1:28のシーンが実際に近い運転音で、電動工具メーカー特有の甲高い音が大幅に低減されている。どのモデルも吸引力は強く満足できるレベルであるが、あまり大きな音をだせない環境ではマキタの騒音カットされている新モデルがおすすめだ。

追記

ざっくりまとめると

●マキタの紙パック式(CL282FD)も比較するべきだった(追記済)
●次に新モデルがでるとしたらハイコーキ?!
●36Vに対応したモデルがでるとマキタとリョービはすぐに太刀打ちできない

差出人: k様
題名: R18DSALとCL281FDの比較メッセージ本文:
会社業務でHIKOKIのR18DSALを使用しており新たなコードレス掃除機購入を検討しています。
マキタのCL281FDRFWはカタログスペック上の吸込み仕事率は上回りまっているようですが、実際の所どの程度違うのかわかりません。
本当にR18DSALよりパワーがあるのか実際に使用した場合のパワーの違いを教えて下さい。実際に吸い込むゴミは鉄の削りカスや5mm程のガラス片等です。–
このメールはコードレス掃除機マニアの比較サイト(マキタ菌)のお問い合わせフォームから送信されました

なお、この記事は上の問い合わせの返信した内容を元に作成。記事を作成している途中に思ったことは、リョービ(BHC-1800)の集じん方式は紙パック式のため、マキタの紙パック式モデル(CL282FD)も比較するべきであった。後日、検証を行いたい。

検証した結果:CL281FDとCL282FDは同じ吸込仕事率のうえ、紙パックとフェルト式のフィルターの集じん補修率は同等のため、近い数値をだせると思っていたが、風速はリョービ(BHC-1800)より1.7m/s低い結果となった。ダンボールもCL282FDと同じ枚数を持ち上げられると予想していたが、2番手のリョービ(BHC-1800)より1枚少ない18枚しか吸い上げられなかった。

今回検証を行ったリョービのモデルは2015年に発売されたBH-1800Lで4.0Ahのバッテリーが付属されたモデル。翌年(2016年)にバッテリー容量が5.0Ahのバッテリーを付属したモデル(BH-1800L5)を発売しており、バッテリーの容量が変化した場合に若干パワーに差が生じる可能性あり。ちなみにマキタに使用したバッテリーはCL282FDに標準付属されている3.0Ahのバッテリー。ハイコーキは一番高容量タイプの6.0Ahを使用。

ハイコーキに使用したモデル(R18DA)は2017年に発売されているが、2014年に発売された(R18DSAL)がベースとなったモデルとなり、スイッチ方式が変わっているだけである。このため、今回比較したメーカーの中で一番最初に新モデルを投入する可能性が高い。その場合、マキタやリョービのモデルに匹敵、もしくはそれ以上のモデルが投入される可能性が高い。また、同社はバッテリーの電圧を(18V⇔36V)に切り替えられるバッテリーを導入しており、36V(AC電源に匹敵)に対応したモデルが発売した場合、現行のマキタやリョービはすぐに太刀打ちできる製品をだせないだろう。