2017年モデル ダイソンV7シリーズ
V8の使い勝手だけをいいとこどりした廉価版
2017年5月25日にダイソンは新しいスティックコードレスクリーナー「Dyson V7」シリーズを発売した。現在、V7シリーズにラインアップされている機種は下記の3機種。
1つ目が、柔らかなローラーで大小のゴミを同時に吸い取るとることができる床用ヘッド(ソフトローラークリーナーヘッド)を標準装備した「Dyson V7 Fluffy」。
2つ目が、硬いナイロンブラシでカーペットからより多くのゴミ掻き出すことができる床用ヘッド(ダイレクトドライブクリーナーヘッド)を標準装備した「Dyson V7 Animalpro」、
3つ目の、同年7月に発売された「Dyson V7 Absolute」には、「V7 Fluffy」と「 V7 Animalpro」に標準装備されている床用ヘッド2つが標準付属されている。
現在、直営ショップでは、「V7 Fluffy」と「 V7 Animalpro」は同じ価格(71,064円)、そして「V7 Absolute」は78,624円で販売されている。今後さらに新しい機種が追加される可能性もあるが、本体の性能は同じでアタッチメントに違いがあると考えてよいだろう。
このページでは実際にV7を購入して、従来モデルと比較しながら全容をお伝えしたい。
ダイソン直営店で購入するメリット
◉2年間のメーカー保証:故障時の往復送料・工賃・部品代はメーカーが保証
◉30日間返品ポリシー:受取後30日以内であれば返品可能(未使用/未開封のみ)
◉分割払い手数料0%:分割払いでお支払いした場合、分割払い手数料が無料
◉送料無料:お買上げ3,000円(税込み)以上で全国どこでも送料無料
◉直販限定モデル:家電量販店やAmazonでは購入できない色が存在
V6とV7とV8 スペックの違い
※人気のFluffyモデルのスペック比較
2015年モデル「V6」の特徴(エントリークラス-入門向け)
一昨年(2015年)に発売された「V6」は、メイン掃除機を託せるほど吸引力+集じん力のある完成されたスティック型クリーナーであった。しかし、通常モードの連続使用時間が16分しか使用できないため、実際に掃除をしてみると狭いスペースを掃除するには十分なスペックであるものの、家一軒(4LDK)のフロアや廊下を掃除するにはスタミナ不足であった。そのため、「いつ充電が切れるかな…」という不安が常につきまとっていた。
2016年モデル「V8」の特徴(フラッグシップ-最上位機)
去年(2016年)に発売された「V8」は、MAXモードの吸引力がアップしたことと、標準モードの連続使用時間が家一軒(4LDK)のフロアや階段を丸ごとカバーできる30分にアップ。さらに、運転音も静かになり、ゴミ捨てやシュラウドのお手入れがストレスフリーに行うことができる「新ゴミ捨て機構」を搭載。現在V8はダイソンから発売されてる現行機種の中で最上位に位置するフラッグシップモデルといえるスペックとなっている。
2017年モデル「V7」の特徴(ミドルクラス-中間位機)
そして、今回(2017年)に新しく発売されたV7は革新的に進化がないうえ、コードレス機を選ぶときに最も重要視する吸込仕事率や連続使用時間もV8より劣っている。そのかわり、運転音の静かさや簡単にゴミ捨てやシュラウドのお手入れができるゴミ捨て機構はV8と同じものを引き継いでいることから、V8の廉価版と見てよいだろう。V6のスタミナやゴミの捨て方に不安がある場合は、使い勝手が強化されたV7をおすすめしたい。
Dyson V7シリーズ スティックタイプの種類
機種名(モデル) | モーターヘッド | 標準付属品アイコン |
V7 Fluffy SV11 FF 2017/5発売 | ||
V7 Animalpro SV11 AN 2017/5発売 | ||
V7 Absolute SV11ABLPRO 2017/7発売 | | |
V7 Slim SV11ABLPRO 2017/7発売 |
2017年7月に新発売されたV7シリーズのスティック機は「V7 Fluffy」と「V7 Animalpro」と「Dyson V7 Absolute」の3種類だったが、2019年3月に「V7 Slim」というモデルが後発で発売された。
それぞれの違いは、標準付属されている「アタッチメント」や「床用モーターヘッド」となる。本体側の仕様はほぼ同じなので、ライフスタイルに合ったモデルを選びたい。ちなみに、今後V7シリーズに新しいモデルが追加されることがあるかもしれないが、本体側の仕様は同じで、モーターヘッドの種類やアタッチメントの有無に違いがあると考えてよいだろう。
V7 Fluffyのヘッドの特徴(フローリングの掃除に最適なモデル)
V7 Fluffyに標準装備されている「ソフトローラークリーナーヘッド」の特徴は、柔らかなナイロンフェルトに覆われた大きなローラーとヘッドの前方を大きく開けたことによって、従来のヘッドでは吸引できなかったヘッドと床の隙間に入らない大きなゴミも、ヘッドを持ち上げてゴミに対してかぶせることなく吸引することができる。さらに、モコモコしたローラーが回転するため、モップがけしたような乾拭き効果も高い。さらには、硬いナイロンブラシが搭載されていないため、髪の毛やペットの毛のような糸状の長いゴミが絡みつきにくい利点も存在する。
V7 Animalproのヘッドの特徴(カーペットやペットに特化したモデル)
V7 Animalproに標準装備されている「ダイレクトドライブクリーナーヘッド」の特徴は、硬いナイロンブラシが搭載されているので、カーペットの奥深くからより多くの微細なゴミを集じんすることができる。カーペットを床に敷いている面積が広い家庭や、カーペットに付着したハウスダストやペットの抜け毛などのアレルギー症状で悩んでいる人はV7 Animalproのほうがおすすめである。ただし、カーペットの集じん性能はどのヘッドよりもピカイチだが、遊び毛を誘発させやすいなどの短所も存在しトレードオフといえる。
V7 Absoluteのヘッドの特徴(2つのヘッドが同梱されている)
V7 Absoluteは「Fluffy」や「Animalpro」より、遅れてから発売されたモデルである。このモデルは「Fluffy」や「Animalpro」に標準装備されているモーターヘッドどちらも同梱されているので一番高額になっている。予算に余裕があり、床にカーペットも敷いているのであれば「Absolute」を選びたい。床が畳やフローリングのみであれば、ダイレクトドライブクリーナーヘッドは不要なので「Fluffy」で十分である。
V7 Slimのヘッドの特徴
2019年3月に発売されたV7 Slimに標準装備されている「カーボンファイバーブラシ搭載モーターヘッド」は、V6以前のモデル(Motorhead)に採用されていた従来のスタンダードモデル。他のヘッドよりコンパクトで軽い特長を持っていることから根強い人気があったため、古いダイソンのヘッドが好きだった人には朗報となった。ブラシバーにはカーボンファイバーブラシとナイロンブラシを搭載しており、フローリングやカーペットから微細なゴミを集じんすることができる。ヘッドと床との隙間が狭い設計になっているため、固形のゴミを吸引することは難しいが、カーペットから微細なゴミを掻きだす集じん力は、「ソフトローラークリーナーヘッド」より優れている。
買う前に知っておきたい
V7のハンディクリーナーの種類
V7 Mattress | モデル | V7 Triggerpro |
イメージ | ||
通常:21WA 強:100WA | 吸込仕事率 | 通常:21WA 強:100WA |
通常:30分 強:6分 | 連続使用時間 | 通常:30分 強:6分 |
○ | コンビネーションノズル | ○ |
○ | スキマノズル | ○ |
○ | ミニソフトブラシ | ○ |
○ | ミニモーターヘッド | ○ |
○ | フトンツール | ○ |
○ | 延長ホース | ○ |
× | ハードブラシ | ○ |
× | カーチャージャー | ○ |
ようやく新ゴミ捨て機構が搭載されたハンディクリーナーが登場
2013年頃からジャパネットタカタがTV通販で紹介していた布団掃除機(レイコップ)が2014年に大ヒット。レイコップは掃除機ランキングの上位を獲得するようになりシェアも急上昇する。この時流に乗り国内の各掃除機メーカーもレイコップが持っていない特長を持った製品を打ち出し市場に参入。現在では各社のPR方法にも大きな変化が生まれている。
一方ダイソンは布団専用の掃除機を発売せず、布団・マット・ソファーの掃除に最適な「フトンツール」や「ミニモーターヘッド」を付属したハンディクリーナーを発売した。その他に「ブラシノズル」や「延長ホース」などのアタッチメントも付属されいるため、布団専用掃除機と違い、目についたゴミから、車内や家具などの掃除ができるメリットは大きい。
前年モデルのV8シリーズはスティッククリーナーのみで、ハンディクリーナーが発売されなかったため、不満をもらしているユーザーも少なからずいた。新モデル(V7シリーズ)には、新しいハンディクリーナーが2機種発売され、V8から搭載された新ゴミ捨て機構が搭載されたハンディクリーナーを必要としていた人には朗報である。
現在、V7のハンディ機は、本体カラーやアタッチメントの有無などで、2機種が発売されている。普段は家で使用し、たまに車内の掃除で使う程度であれば、標準付属品が同梱されている「V7 Mattress」を選ぶとよいだろう。家では使用せず車内専用として使うのであれば、標準付属品に加え、マットにこびり付いた汚れに最適な「ハードブラシ」や、車内で充電ができる「シガーソケット12V充電器」が付属されている「V7 Triggerpro」を選ぶと良いだろう。
ちなみに、標準付属されていない「各アタッチメント」や、壁に収納しながら充電ができる「収納用ブラケット」は、「ダイソンの公式ページ」「話そうダイソンお客様相談室」「Amazon」からも購入可能である。Amazonに販売されているものは、海外で販売されている正規品の並行輸入品なので、価格が安い利点があるが保証期間がつかない。
V7のゴミの捨て方
ひと手間かけて従来モデルの不満を解消
一昨年(2015年)発売された「V6」以前のモデルには、ワンタッチ式のゴミ捨て機構が採用されており、スイッチを押すことにより、ダストボックスの底フタがパカッと開いて溜まったゴミを落とせる仕様だった。しかし、ワンタッチでゴミ捨が簡単にできると謳っているものの、実際はダストボックスとシュラウドの間にゴミが挟まったり、シュラウドに綿埃や髪の毛のような糸状のゴミが絡みつくことがあるため、ゴミ捨てやお手入れが面倒だと不満を漏らしているユーザーも多かった。
一方、「V7」のゴミ捨て機構は、去年(2016年)発売されたダイソンの最高峰モデル「V8」に新しく追加された「レバー式のゴミ捨て機構」が採用されている。レバー式は半手動の操作を加わえることによって、前述した従来モデルが不得意としていたゴミもしっかり押し出すことができる。ゴミ捨てやダストボックス内のお手入れが簡単に行えるポイントを重視する場合は迷わずV6より、V7やV8を選びたい。
V7の運転音
ダイソンの独特の「キーン」がこもった音になり静か
去年発売された現在フラッグシップモデルであるV8は、愚直に吸引力を追求してきた従来モデルと違い、本体内部に遮音性能がある吸音材が施された。公式の発表によると、この騒音対策によって、従来モデルより運転音が約50%も軽減されているという。音を数値で表すことができる騒音計で稼働音を測定してみると、V8は前年モデルのV6より標準モードの騒音値が8dBほど低減されたうえ、ダイソン独特のキーンという金属音がこもった感じになり、体感でもより静かになった。
新モデルV7もV8と基本的な本体構造は変わっていないため、V8と同じく運転音が静かになっている。従ってV6以前の機種からの乗り換えであれば、V7はかなり静かに感じるだろう。ただし、ダイソン独特な金属音はまだ残っているので、初めて使うユーザーには少しうるさいと感じるかもしれない。ちなみに、音の大きさで批判レビューが目立つダイソンであるが、2016年モデルから標準モードの運転音が劇的に静かになっており、国内メーカーのモデルのほうがうるさいくらいである。
V7の重量
モデル | 発売日 | 本体重量 | 延長管&ヘッド 装着時 |
V6 | 2015年 | 1.29kg | 2.34kg |
V7 | 2017年 | 1.44kg | 2.40kg |
V8 | 2016年 | 1.58kg | 2.61kg |
女性が使うにはまだまだ重たい
去年(2016年)発売されたV8はバッテリー容量が増えたため、稼働時間が従来モデルより大幅にアップした。そのため、現行機種の中で本体重量が一番重い短所も存在し、掃除をしていると手首に負担がかかりやすい。V7は稼働時間が削られたためV8より本体重量が少し軽くなっている。しかし、V8と同じゴミ捨て機構が搭載されているので、V6以前のモデルと比較するとずっしりとしていて本体重量だけがネックとなる。
ダイソンは他社の製品と比べると本体やモーターヘッドが重たいので、力ののない女性やシニアの人が持ち上げた時に重たいと感じる人は非常に多いことだろう。重量にウェイトを置くのであれば、家電量販店に陳列されているダイソンの製品を手にとってみることをおすすめする。「重たくて無理だな…」と感じたのであれば、軽さや取り回しさを重視している国内メーカーのハイエンドモデルを選択肢に入れるとよいだろう。