本当にダイソンのファンヒーターの電気代は高いのか?
仕様から計算するのではなく、実際に購入して測定してみた!
ダイソンが販売している[扇風機][ヒーター][空気清浄]3つの機能が搭載された空調機を購入したので、実際に消費する電力を測定して電気代がいくらかかるのか調べてみました。
特にHot + Coolの口コミでは電気式ファンヒーターの電気代が高いと言われているので、電気料金が値上げが相次ぐなか、購入しようか迷っている人も多いのではないでしょうか?
Hot + Coolの仕様から電気代を算出しているサイトもありますが、ここでは実際の電気代はいくらかかるのか?実際にPure Hot+Coolを購入して、消費電力から電気料金を計算してみました。
Dysonの空調家電の中でヒーターや空気清浄機能が搭載されているシリーズ
Dyson Hygienic Mist | エアマルチプライアー | エアマルチプライアー | Dyson Hot+Cool | Dyson Hot+Cool | Dyson Cool | Dyson Cool | Dyson Hot+Cool | Dyson Hygienic Mist | Dyson Pure Cool | Dyson Pure Cool Link | Dyson Pure Cool Me | Dyson Pure Cool Link | Dyson Pure Cool Link | Dyson Pure Cool | Dyson Pure Cool | Dyson Pure Cool Link | Dyson Pure Cool Link | Dyson Pure Cool | Dyson Purifier Cool | Dyson Pure Hot + Cool | Dyson Pure Hot + Cool | Dyson Pure Hot + Cool Link | Dyson Pure Hot+Cool Link | Dyson Pure Hot + Cool | Dyson Purifier Hot+Cool | Dyson Pure Humidify+Cool | Dyson Purifier Humidify+Cool | Dyson Purifier Humidify + Cool Formaldehyde |
MF01 | AM02 | AM03 | AM04 | AM05 | AM06 | AM07 | AM09 | AM10 | AM11 | DP01 | BP01 | DP01 | DP03 | DP04 | TP00 | TP02 | TP03 | TP04 | TP07 | HP00 | HP01 | HP02 | HP03 | HP04 | HP07 | PH01 | PH03 | PH04 |
扇風機 | 扇風機 | 扇風機 | 扇風機 | 扇風機 | 扇風機 | 扇風機 | 扇風機 | 扇風機 | 扇風機 | 扇風機 | 扇風機 | 扇風機 | 扇風機 | 扇風機 | 扇風機 | 機扇風機 | 扇風機 | 扇風機 | 扇風機 | 扇風機 | 扇風機 | 扇風機 | 扇風機 | 扇風機 | 扇風機 | 扇風機 | 扇風機 | 扇風機 |
ヒーター | ヒーター | ヒーター | ヒーター | ヒーター | ヒーター | ヒーター | ヒーター | ヒーター | ||||||||||||||||||||
空気清浄機 | 空気清浄機 | 空気清浄機 | 空気清浄機 | 空気清浄機 | 空気清浄機 | 空気清浄機 | 空気清浄機 | 空気清浄機 | 空気清浄機 | 空気清浄機 | 空気清浄機 | 空気清浄機 | 空気清浄機 | 空気清浄機 | 空気清浄機 | 空気清浄機 | 空気清浄機 | 空気清浄機 | ||||||||||
加湿器 | 加湿器 | 加湿器 | 加湿器 | 加湿器 |
ダイソンのファンヒーター付き空調家電の購入を検討している人の中には、電気代のことなんてあまり気にしておらず、空調家電の省スペース化が目的だったり、片付けや整理整頓が苦手だから購入しよおうとしている人もいらっしゃるのではないでしょうか?
なぜなら、同社の空調家電で一番多くの機能が搭載されているモデルは、「扇風機」「ヒーター」「空気清浄機」が搭載されているため、省スペースで狭い部屋もスッキリし、季節毎の石油ファンヒーターや扇風機の出し入れが不要になるメリットもあるからです。
ダイソンの空調家電はすべてのシリーズに「扇風機」「ヒーター」「空気清浄機」の3機能が搭載されているわけではないので、購入する際は注意が必要です。最近はインフルエンザの予防や、お肌のトラブルを予防する加湿器が搭載されたモデルもラインナップされています。
Dyson Hot+Cool | Dyson Pure Hot + Cool | Dyson Pure Hot + Cool | Dyson Pure Hot + Cool Link | Dyson Pure Hot+Cool Link | Dyson Pure Hot + Cool | Dyson Purifier Hot+Cool | |
型式 | AM09 | HP00 | HP01 | HP02 | HP03 | HP04 | HP07 |
扇風機 | 扇風機 | 扇風機 | 扇風機 | 扇風機 | 扇風機 | 扇風機 | |
ヒーター | ヒーター | ヒーター | ヒーター | ヒーター | ヒーター | ヒーター | |
空気清浄機 | 空気清浄機 | 空気清浄機 | 空気清浄機 | 空気清浄機 | 空気清浄機 | ||
フィルター | なし | 360° グラスHEPAフィルター | 360° グラスHEPAフィルター | 360° グラスHEPAフィルター | 360° グラスHEPAフィルター | 360° グラスHEPAフィルター活性炭フィルター | 一体型リサイクルグラスHEPA・活性炭フィルター |
ディフューズドモード | ● | ● | |||||
オートモード | ● | ● | ● | ● | |||
ナイトモード | ● | ● | ● | ● | |||
Dyson Linkアプリ | ● | ● | ● | ● | |||
LCDディスプレイ | ● | ● | |||||
首振り機能 | ● | ● | ● | ● | ● | ● 0~350° | ● 0~350° |
上下角度調整 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
現行モデルと歴代モデルにヒーター機能が搭載されているモデルを調べたところ、上記の7機種に温風を暖房機能が搭載されているようです。
予算を抑えたい場合は、空気清浄機能が搭載されていないモデル[AM09]が割安となりますが、古いモデルは生産中止になると入手が難しくなります。
1台3役(扇風機・ヒーター・空気清浄機)のモデルを選びたい場合は、型式が[HP00][HP01][HP02][HP03][HP04][HP07]から始まるモデルが選択肢となります。わたしはこの中で一番機能が少なくて割安なモデルHP00を購入しました。HP00の価格を(価格.com)で観察していたところ、最安値は40,700円でしたが、身を刺すような寒さとなった12月末から値上がりしているようです。
従来モデルより部屋を早く温めたい場合や、部屋全体に浄化された温かい空気を送りたい場合は、消費電力が1,200W→1,400Wにアップし、350°首振り機能を搭載しているHP04やHP07が最適です。HP07は製品の密閉性を従来より高めることで、微粒子の捕集効率が向上しています( PM 0.1/99.95%)。その他に「グラスHEPAフィルター」と「活性炭フィルター」2種類のフィルターが一体型となり、フィルター交換が簡単になっています。
Dyson Pure Hot + Coolの電気代(扇風機/ファンヒーター)
扇風機(空気清浄機能)の電気代
風量 | 消費電力 | 電気代(1時間使用時) |
---|---|---|
1 | 6.7W | \0.18 |
2 | 8.6W | \0.23 |
3 | 10.8W | \0.29 |
4 | 13.6W | \0.36 |
5 | 16.8W | \0.44 |
6 | 20.7W | \0.55 |
7 | 24.7W | \0.65 |
8 | 30.0W | \0.79 |
9 | 35.4W | \0.94 |
10 | 42.0W | \1.11 |
▼使用した製品
扇風機を使用した際の消費電力は約7~42(W)なので、個人的に電気料金は気になりませんでした。一番消費電力が大きい風量(10)にしても1時間1円ほどの電気代なので、1日中つけっぱなしにしてもわずか24円ほどとなるからです。一ヶ月中つけっぱなしにしていても1,000円以下の電気料金だということを考えると、夏場にハードな使い方をしたり、空気清浄機として一日中稼働しても、毎月くる電気代の明細書を見ても驚かないでしょう。
ただし、ダイソンの空調機やフィルターで濾過した綺麗な空気を前面に排出し、扇風機やヒーターの風を送風しているため、ヒーターを切って空気清浄機として使用した場合、寒い時期には涼しい風が不快になることがあります。このため、人に風があたる場合にPure Hot + Coolを設置する場合は、本体側面から45℃の角度で風を排出できる機能(ディフューズドモード)が搭載されたモデルを選ぶとよいでしょう。
ファンヒーターの電気代
風量 | 消費電力 | 電気代(1時間使用時) |
---|---|---|
1 | 950W | \25.16円 |
2 | 978W | \25.90円 |
3 | 1,002W | \26.53円 |
4 | 1,024W | \27.12円 |
5 | 1,040W | \27.54円 |
6 | 1,062W | \28.12円 |
7 | 1,085W | \28.73円 |
8 | 1,106W | \29.34円 |
9 | 1,123W | \29.74円 |
10 | 1,150W | \30.45円 |
▼使用した製品
ファンヒーターを使用した際の消費電力は1000W以上となるため、石油式ファンヒーターやエアコンに比べると電気代は割高となります。ずっと掃除機や電子レンジを使っているような消費電力のため、1日の使用時間が長いと一ヶ月の電気料金の明細書が来たときに驚くことでしょう。購入が省スペース化などの目的で電気代が気にならない人には問題となりませんが、電気料金を重視したい場合はダイソンのような消費電力が大きい電気式ファンヒーターはおすすめできません。
ヒーターの温度設定は1~37℃まで調整可能となっていますが、室温が設定温度に達するとヒーターが自動停止する仕組みとなっているため、ヒーターの温度を下げても消費電力は変わらないままとなり、節電効果はありませんでした。また、外気温の影響を受けやすい気密性が低い木造住宅でヒーターの温度を20~22℃に設定しても、風が排出される1m~2m先が22℃になるだけで、部屋全体が22℃になるわけではないので、ヒーターが自動で停止することもありませんでした。
風量を下げた場合は、モーターの回転数が下がり消費電力が小さくなるため、風量を下げるほど節電効果が高まります。しかし、風量1と風量10の電気代の差は1時間で約5円くらいのため、大きな節電効果が得られるわけではありません。風量1と10では1日10時間使用しても一ヶ月にかかる電気代が約1,500円程度の差なので、最初は一番強い風量にしていましたが、部屋の温度が10℃以下になるほど寒い日は、風量を小さくしたほうが暖かく感じました(風速が速いと温風が冷えるため?)。
各シリーズの消費電力(仕様)
型式 | AM09 | HP00 | HP01 | HP02 | HP03 | HP04 | HP07 |
涼風 | 5.4/26W | 5/39W | 5.1/40W | 5.1/40W | 5/44W | 6/40W | 6/40W |
温風 | 1,200W | 1,200W | 1,200W | 1,200W | 1,200W | 1,400W | 1,400W |
電気代(ヒーター) | 31.78円 | 31.78円 | 31.78円 | 31.78円 | 31.78円 | 37.07円 | 37.07円 |
上はダイソンのヒーター機能を搭載した空調機(Hot + Cool)の最大風量の消費電力(メーカーが開示している仕様)から、ヒーター使用時の電気代を計算した数字です。
従来モデル(AM09~HP04)までのモデルは今回検証に使用したモデル(HP00)と同等の電力を消費するため、ヒーター使用時の電気代は1時間約30円前後になると考えたほうがよいでしょう。
新しいHP04とHP07はヒーター性能がパワーアップしており部屋を温める早さが向上していますが、消費電力も大きくなっているため、ヒーター使用時の電気代は従来機よりやや割高になります。
Dyson ヒーター使用時の節電対策
風量を弱くしたり、首振り機能を切っても大きな節電効果は得られない
dysonのHot+CoolやPure Hot+Coolは、ヒーターの温度設定や風量を下げたり、首振り機能をOFFにしても、大きな節電効果に繋がりませんでした。首振り機能を使用したときにモーターが消費する電力は数ワット、風量はファンの回転数を最大にしても50W以下のため、首振り機能をOFFにして、風量を1にしても1時間に節約できる料金は1~2円というレベルです。
また、Hot+Coolは室温が設定温度に達すると自動停止機能が働く節電機能がありますが、空気は温度が高いと上へ、低いと下へ移動する性質があるため、本体下部で温度を測定している自動停止機能が働くことは少なかったです。このため、部屋の室温が暖かくなったと感じたら、自身でスイッチを切るしか大きな節電効果は得られませんでした。
熱損失の割合が大きい窓に断熱シートを貼る
(一社)日本建材・住宅設備産業協会によると、室内の床・壁・天井・開口部などから暖房時の熱が逃げる割合が上記の通りとなっており、特に窓から熱が逃げる割合が一番高いそうです。直接外気に触れて冷えやすい窓からの熱損失割合は58%となっており、暖房で温めた空気を流出させてしまう大きな要因となっています。
このため、設定した温度に達するとヒーターがOFFになる自動停止機能を利用したり、自身でスイッチをOFFにして節電する場合、暖めた部屋の温度をすぐに下げないように、窓に断熱性が高い「窓用断熱シート」や、冷気が入り込みやすいサッシと窓枠のあいだに「隙間ガードシール」を貼り、温まった部屋の温度が下がりにくくするなどの対策が節電効果に一番有効だと考えられます。
実際にTwitterで窓用断熱シートの口コミを見ると、暖房効果が激的に上がり、結露がしにくくなるという肯定的なレビューが多く見られました。その他に、床に断熱シートとジョイントマットを敷いたり、壁に断熱材と似ている構造の吸音ボードを壁に貼ったりすることで断熱効果が向上するようです。窓や床に断熱シートを敷く程度なら簡単にできそうなのですぐに実践できそうですね。
サッシやドアの隙間を隙間テープで防ぐ
空気は温度の変化によって密度が変わります。暖かい空気は密度が大きくなるのに対して、冷たい空気は密度が小さくなるため、冷たい空気は下へ、暖かい空気は上へと移動します。このため、暖房で部屋をあたためると暖かい空気は上昇し、高い場所にある隙間から室外へと逃げていきます。このとき、部屋内では負圧が生じるため、サッシやドアの隙間から外の空気が勢いよく入り込んできます。
ニトムズが販売しているサッシの隙間を防ぐ「パイルフィット」、ドアの下からの隙間を防ぐ「ドア下部シールテープ」や、引き戸の隙間を防ぐ「新ソフトテープ」を貼ることで、隙間から侵入してくる冷気を軽減させることができます。暖まった部室温が下がりにくくなるため、ヒーターをOFFにする時間が増え、節電効果を得られます。
サーキュレーターを使って部屋の空気を循環させる
空気はお風呂の水と同じように温度によって重さが変わる性質を持っているため、(暖かい空気は軽いため上へ↑)、(冷たい空気は思いため下へ↑)と移動します。このため、Hot + Coolのヒーターで部屋を暖めると、温かい空気は上にたまり、冷たい空気下にたまるため、人がいる床下付近は冷気がたまりやすくなってしまいます。
実際にヒーターをつけているにもかかわらず室温が18℃以上にあがらず、ぜんぜん体が暖まらないことがありました。そこで、Hot + Coolの首の角度を下にさげて、サーキュレーターを天井に向けて対流を作ったところ、かなり寒い日でも20℃以上をキープすることができたうえ、ヒーターを切っても長く部屋が暖かく感じるようになりました。
ダイソン|空調家電の全機種を一覧表で比較
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