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[2段サイクロン式ユニット]と[サイクロンアタッチメント]の吸引力比較(ハイコーキ/マキタ)

[2段サイクロン式ユニット]と[一段式サイクロンアタッチメント]吸引力比較

ハイコーキとマキタのサイクロンアタッチメントの吸引力比較

ハイコーキのR36DA(SC)に標準装備されている[2段サイクロン式ユニット]と、マキタの外付け式[1段サイクロンアタッチメント]の吸引力比較を行ってみた。サイクロンを2段式にすることにより、1段式よりフィルターが目詰まりしにくくなるメリットがあるものの、強い吸引力や慣れたゴミ捨て方法にウェイトを置きたい人もいるのではないだろうか。

R36DA(フィルター+プレフィルター)

R36DA(フィルター+プレフィルター)吸引力

風速:34m/s
真空度:1.6kpa

いい機会なのでサイクロンユニットを取り外したダストケース集じん方式でも風速と真空度も測定してみると、R36DAに従来の不織布のフィルターとプレフィルターを組み合わせた集じん方式が一番吸引力が強い結果となった。

ただし、ダストケース集じん方式だと、ゴミはフィルターの手前にたまらずに、フィルターに付着するため、ゴミ捨て時にダストカップを開けた瞬間に埃や塵が舞い上がりやすいことと、目詰まりしたフィルターはブラシでは掃き取れないデメリットが存在。

従来のフィルターの汚れ

マキタ菌
マキタ菌

個人的にはゴミ捨て時の不衛生さとお手入れにはうんざりしてくる集じん方式なので、どんなに吸引力が強くなろうと、集じん方式を先祖返りさせることはないだろう。

R36DA(マキタの高機能フィルターEX)

R36DA(マキタ 高機能フィルターEX)吸引力

風速:33m/s
真空度:1.5kpa
メーカーが開示している吸込仕事率:155W
※ハイクリーンフィルタ装着時

R36DAにマキタの高機能フィルタEX(A-68971)を取り付けた集じん方式だと、意外にフェルト素材のフィルターに比べると吸引力に大きな差はでなかった。ちなみに、マキタのフェルト製のフィルターと高機能フィルターの集じん捕集効率(30~35μm微粒子)を比較した場合、集じん捕集効率は高機能フィルターのほうが5%向上している。

フェルト製と濾布製のフィルターだと吸引力に大きな差がでないことを考えると、ダストケース集じん方式で使用する場合は、ハイコーキの[ハイクリーンフィルター(376509)]かマキタの[高機能フィルタEX(A-68971)]を使ったほうがよいだろう。なぜなら、フェルト式と違い、フィルターに付着したゴミをサッと落とすことができ、目詰まりした塵をブラシで掃き取りやすいからである。

切り屑・大鋸屑

マキタ菌
マキタ菌

当初、目詰まりしにくい高機能フィルターの登場で、従来のフェルト製のフィルターに比べるとストレスはかなり軽減された。しかし、ゴミ捨て毎にフィルターをブラシで掃き取るお手入れをしないといけないうえ、その際に埃や塵が舞い上がリやすかったので、不満が残っていた。

R36DA(2段サイクロン式ユニット)

R36DA(2段サイクロン式ユニット)吸引力

風速:22m/s
真空度:0.7kpa
メーカーが開示している吸込仕事率:90W

R36DAは濾布製のハイクリーンフィルターを取り付けてダストケース集じん方式にした場合の吸込仕事率が155Wなので、R36DAに2段サイクロン式ユニットを取り付けてサイクロン式にすると吸引力が約4割も低下するという。2段式構造のサイクロン方式でフィルターが目詰まりしにくくなり、強い吸引力が持続するメリットは大きいが、吸引力をかなり犠牲にしないといけないようだ。

マキタ菌
マキタ菌

んー悩ましい。70台以上コードレス掃除機を使って分かったことは、コードレスをメイン機にすると一番うんざりするのが吸引力ような基本的スペックではなく、お手入れの手軽さやお手入れの頻度。フィルター目詰まりの原因となる微細なゴミがダストケースの2室に回収される設計なんだけど、ダストケースの周りと上部のゴムに塵が付着するんだよね。メッシュフィルターの下部にもゴミ捨て毎に綿埃が必ず付着して詰まってる。これを無視して使える人は不満は残らないだろうが、毎回これをお手入れする人にとってはけっこうなストレスになるんだよね(どうしようか迷ってる)。

2段サイクロン式ユニットはR36DA(SC)に付属されているユニットだが、単品注文することも可能となっている。型番:0037-6496

R36DA(1段サイクロン式ユニット)

R36DA(1段サイクロン式ユニット)

風速:未発売
真空度:未発売
メーカーが開示している吸込仕事率:120W

R36DAに取り付けられる1段サイクロン式ユニットが発売される予定になっており、このユニットを装着した状態の強モードの吸込仕事率は120W。吸引力の低下は約2割ほどで済むので、外付けタイプのサイクロンアタッチメントの様にすぐに目詰まりしない設計であれば、こちらに交換するほうがよいかもしれない。ただし、パイプ(延長管)を取り外さないとごみ捨てがしにくい設計なので、ゴミ捨て時にちょっとした一手間がかかるかもしれない?

マキタ菌
マキタ菌

こっちのほうが汚れる部分も少なさそうで、ゴミ捨て時のお手入れも簡単そうだなー。2段サイクロン式ユニットはサイクロン部の水洗いが禁止されていてメンテナンス性も低い。

R36DA(サイクロンアタッチメント+高機能フィルター)

R36DA(マキタのサイクロンアタッチメント)吸引力

風速:28m/s
真空度:1.1kpa

2段サイクロン式ユニットと比べると真空度(0.4kpa)の差は数値では小さく見えるが、真空度を測定している容器は真空になったときに割れないように穴を開けているため、この仕様で0.4kpaの差がひらくということは吸引力に大きな差がある状態。実際に吸口を手でおさえてみたが、体感ではマキタのサイクロンアタッチメントを装着したほうがかなり強く感じた。

マキタ菌
マキタ菌
やはり悩ましい…。2段サイクロン式ユニットにするとフィルターのお手入れ頻度は下がるだろうが、マキタやリョービの外付けタイプの1段式サイクロン式ユニットでも一ヶ月はフィルターのお手入れをしなくて済むので、サイクロンによるゴミの捕集率を少し妥協して、強い吸引力にウェイトを置きたいかもしれない…?
マキタのサイクロンアタッチメントを取り付ける場合は、ロック式が採用されていない初号機(A-67169)を選ぼう。また、サードパーティ製のマキタ専用サイクロンアタッチメントも出回っているが、ゴミの通過する隙間が狭いので、ゴミが詰まりやすいのでおすすめしない(詳細はこちらからどうぞ)。
マキタ サイクロンアタッチメント(対応機種:CL108/107/106/105/110/14x/18x) A-67169
Makita(マキタ)
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本体寸法:幅101×奥行404×高さ133mm /質量:0.35kg / 集じん容量:400mL

R36DA(サイクロンアタッチメント+高機能フィルター+HEPAフィルター)

R36DA(マキタのサイクロンアタッチメント+HEPA)吸引力

風速:21m/s
真空度:0.6kpa

本体に[高機能フィルター]+R36DA(SC)用の[HEPAフィルター]を取り付けて、マキタの[サイクロンアタッチメント]を装着すると、吸引力は2段サイクロン式ユニット並に低下した。

マキタ菌
マキタ菌

後述するHEPAフィルターとこんなに大きな差がでるのは意外だった。R36DA(SC)は表面積の広いフィルターを収納するスペースを確保していれば、もっと強い吸引力を引き出せたのかもしれない。ダイソンが吸引力を低下させずに、122回折り畳んだ1.6メートルのポストフィルターを本体後部につけた理由がわかったような。

R36DA(マキタのサイクロンアタッチメント+HEPA)吸引力

風速:29m/s
真空度:1.1kpa

HEPAフィルターを表面積が広いタイプに交換すると吸引力はびっくりするほど大きく向上した。排気をクリーンにしたい場合は、迷わずHEPAフィルターを交換したほうがよいだろう。写真はマキタのHEPAフィルターだが、ハイコーキからも大きいタイプのHEPAフィルターが別売されている。高機能フィルターとHEPAフィルターのメーカーを揃えないと、取り付け時の相性が悪かったので、注意が必要であった。


R36DA(マキタのサイクロンアタッチメント+フィルター+プレフィルター)

R36DA(マキタのサイクロンアタッチメント+フィルター+プレフィルター)吸引力

風速:28m/s
真空度:1.1kpa

クリーナーのバッテリー残量や熱による誤差なのかもしれないが、高機能フィルターよりわずかに数値が低くなっているものの、基本的にはフェルト素材のフィルターとプレフィルターのほうが吸引力はわずかに高いと考えたほうがよいだろう。

しかし、最初に説明したようにフィルターが目詰まりすると水洗いが必須になるため、外付けのサイクロンユニットを装着する場合は、マキタの高機能フィルタEX(A-68971)や、ハイコーキのハイクリーンフィルター(376509)を取り付けたほうがよいだろう。

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[2段サイクロン式ユニット]と[サイクロンアタッチメント]の真空度比較(ハイコーキ/マキタ)

[2段サイクロン式ユニット]と[サイクロンアタッチメント]の風速比較(ハイコーキ/マキタ)

まとめ

数字を丸めると真空度は2段サイクロン式ユニットを装着した場合は約5割低下、外付けタイプの社外品サイクロンアタッチメントを装着した場合は約3割低下。吸引力を重視する場合は社外品のサイクロンアタッチメントのほうがよい結果となった。

特に家庭で使う場合は、すぐにフィルターが目詰まりして吸引力が急激に低下しないため、1段サイクロン式ユニットや外付けタイプの1段サイクロンアタッチメントを装着使用しても問題ないだろう。

また、表面積の広いタイプのHEPAフィルターを取り付けると吸引力の低下はわずかで済んだため、排気を綺麗にしたい場合はR36DA(SC)に付属されている小さいHEPAフィルターではなく、大きいタイプのHEPAフィルターを装着するとよいだろう。

この記事の動画.verはこちらからどうぞ。

※動画で誤りがあり、集じん容量はマキタのサイクロンアタッチメント(400mL)もハイコーキの2段サイクロン式ユニット式(1室400mL)も同じであった。ただし、メッシュフィルター下部までゴミを溜めた場合は少しマキタのほうが上であった。また、吸引力の強いほうがダストカップに溜まった綿埃は強い遠心力で小さく圧縮されるため、ゴミの種類(綿埃・ペットの毛等)によってはサイクロンアタッチメントや1段サイクロン式ユニットのほうが溜まりにくいかもしれません。

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