3分で知りたいV10とV11のおおまかな違い
V10 Fluffy | 型番 | V11 Fluffy |
エコ:13W 中:28W 強:130W | 吸引力 | エコ:非開示 中:非開示 強:非開示 |
エコ:40分 中:20分 強:8分 | 運転時間 | エコ:40分 中:20分 強:8分 |
3.5時間 | 充電時間 | 3.5時間 |
2.58kg | 重量 | 2.72kg |
レバー式 | ゴミ捨て | レバー式 |
非搭載 | 液晶ディスプレイ | 搭載 |
大きな違いは液晶ディスプレイ!V11は秒単位で残りの運転時間が表示されるから焦って掃除をしなくてよくなった
クリアビンやサイクロンが直線的に配置されたフォルムの[V10]と[V11]の大きな違いは、[液晶ディスプレイ]の有無である。
V11に新しく採用された液晶ディスプレイは、[秒単位で残りの運転時間を表示]・[使用中の運転モードの表示][フィルターのお手入れ通知]・[異物の詰まりの通知]される機能を搭載しており、特に運転時間がリアルタイムで表示される機能は画期的。従来のように掃除中に「そろそろ電池切れしないかな…」と焦って掃除をしなくてもよくなった。
その他に、V11はV10より吸引力が25%向上しているが、フロア掃除で使用頻度の高い[エコモード]や[中モード]の吸引力はどちらも体感的に差がないので気にする必要のないスペックと考えて問題ない。もともとV10はメイン機を託せるスタミナとパワーを兼ね備えた2018年のフラッグシップ機なので、パワーやスタミナはV11に見劣りしないほど強いのだ。
また、V11はV10より運転音が11%静音化されているが、ダイソンの運転音は、V7以降はダイソン独特の金属音がこもった音になっているので、V10をつかっても意外に静かだと感じる人が多いだろう(強モードを除く)。また、どちらのモデルも従来モデルになかった[エコモード]を搭載しているので、大きな音がだせない時間帯も掃除機がけをすることができる。
時間をかけてV10とV11の仔細な違いを知りたい
発売日と価格と位置付け
V10は2018年にダイソンから発売された最高の吸引力・最長の運転時間を兼ね備えたフラッグシップ機(最上位モデル)である。ちなみに、V10からクリアビンやサイクロンが直線的に配置された設計となっているため、V10以降のモデルはフォルムがピストルのような形状に進化している。それ以前のモデルはジョウロのような形状をしていた。
V11は2019年に発売されたV10よりも吸引力が25%向上、運転音が11%低減された現在のフラッグシップ機となる。基礎的なスペックが向上しただけでなく、新たに液晶ディスプレイを搭載しており、通常時は使用している[運転モード]や[詳細な残り時間]を表示しているが、異物が詰まったときや、フィルターのお手入れが必要になったときに通知する機能も搭載している。
また、2020年に同社から[Digital Slim]や[Micro 1.5kg]が発売されたが、この2モデルは軽量タイプのモデルなので、2020年のフラッグシップ機は2019年に発売されたV11が維持した状態となっている。従って、現在のダイソンの中で比較的新しいシリーズの推しは、最もパワフルな[V11]・軽量でパワフルな[Digital Slim]・最も軽量な[Micro 1.5kg]で三極化している。
当然、現在のフラッグシップ機であるV11の実勢価格は最も高額になっており、逆に以前のフラッグシップ機のV10はV11よりも価格が下がっている。前述したとおり、V10の吸引力・使用時間・充電時間のような基礎的なスペックはV11に劣っているわけではないので、予算を抑えたい場合はV10の選択肢も有効である。
吸引力の違い
モーターと直結するV10とV11のリチウムイオンバッテリーの電圧/容量(25.2V/2,600mAh)は同等だが、V10のデジタルモーターを細部まで徹底的に分析して設計されたV11のデジタルモーターは、3段階のディフューザーが採用されている。最初の2つのディフューザーがモーターから出る空気の流れを直線に整え、気流の乱れを低減したことで吸引力が25%向上(公式情報)。このため、少しでも吸引力を重視したいのであればV11を選びたい。
ただし、当サイトの検証では実際に吸引力に大きな差が見られたのは運転時間の短い[強モード]となっており、フロアの掃除で使用頻度の高い運転時間の長い[エコモード]や[中モード]の吸引力は数値ではV10と大差がなかった。実際に使用しても体感ではそれほど低下している感じがしないため、同じパワーに特化した№2のV10を選んでも吸引力に不満を感じることはないだろう。
クリーナーヘッドの違い
V10とV11には[ソフトローラークリーナーヘッド]と[ダイレクトドライブクリーナーヘッド]の2種類のクリーナーヘッドが付属されたモデルがラインナップされており、V10もV11もヘッドの設計や仕様はほぼ同じとなっている。このため、V10/V11どちらを選ぼうと、クリーナーヘッド装着時のダストピックアップ率(ゴミ除去率)はほぼ同等と考えて問題ない。
基本的に[ダイレクトドライブクリーナーヘッド]はカーペットに特化したモデルなので、カーペットを敷いている面積が広くない場合は、最も標準的な[ソフトローラークリーナーヘッド]が標準装備されたFluffyを選べOKである。局所的なカーペットもしっかり掃除したい場合は、硬いナイロンブラシが搭載された[ミニモーターヘッド]が付属されたモデルを選びたい。
ちなみに現在は、どちらのクリーナーヘッドも[公式ページ]→[掃除機ツール]のページから注文することができるようになっているため、後から購入することも可能である。
重量の違い
標準的なソフトローラークリーナーヘッドを搭載したV10 FluffyとV11 Fluffyの重量を比較すると、V10のほうが約180gほど軽くなるため、軽さにウェイトを置く場合は迷わずV10のほうがおすすめである。V11は液晶ディスプレイを搭載しており、本体とバッテリーの全長が長くなっているため、その分重たくなっている。
しかし、V10もV11もメイン機を託せるパワーとスタミナを兼ね備えた[パワー重視タイプ]。それに見合ったモーター・サイクロン・バッテリーを搭載した重量は決して軽いと言えない重さ。どちらも力の弱い女性やお年寄りが使う分にはまだまだ重たいと感じる重さとなっているため、吸引力を妥協できるのであれば、2020年に発売された1.9kgのDigital Slimがおすすめである。
連続運転時間
V10とV11の連続運転時間は上記の通りとなっており、どちらの使用時間も同じである。基本的に強モードの使用時間は短いため、フロアでの掃除は中モードがメインとなる。ただし、一度に掃除に費やす時間が20分以上になる場合は、フローリングや畳などのフラットな床面では節電効果のあるエコモードを併用したい。
バッテリー残量表示の違い
V10はバッテリーの残量をインジケーターで確認することができるが、LEDランプでの3段階表示となっているため、残量を大雑把にしか確認することができない。そのうえ、インジケーターが目立つところに配置されていないため、掃除中に残量不足に気づかずにバッテリーが切れることが多々あり、「常に残量がなくならないかな?」と焦って掃除をしていた。
一方のV11は目につきやすい本体後部にバッテリーの残量を確認できる「液晶ディスプレイ」を搭載したことにより、各運転モードの残り運転時間を秒単位で把握することができるようになった。このため、V11を使用してからというものの、バッテリーの残量を計画的に使うことができるようになったため、掃除の途中でバッテリー切れを起こすことはなくなった。
充電時間
V10とV11の充電時間は同じである。バッテリー残量が0になってから、満充電するまでの充電時間は3.5時間。早い電機メーカー(シャープ)は80分という短い充電時間で満充電することができるが、一般的にハイエンド機の製品は3.5時間~5時間ほどかかるため、ダイソンの充電時間は平均的な時間である。
運転モードの切り替えスイッチ方式
V10とV11は運転モードの切り替えスイッチが、V10は[スライド式]、V11は[ボタン式]が採用されている。どちらかと言えばV11の押しボタン式のほうが操作しやすいが、V10もV11もハンドルの持ち手で操作することができないため、片手で運転モードを切り替えられる国内メーカーの製品に比べると個人的に若干うんざりする。
ゴミ捨て
ゴミの捨て方はどちらも同じ方式が採用されている。V10とV11はクリアビンの横にある[赤いレバー]を下方向に引き下げることで、フタが開くと同時にクリアビンがスライドしながら中の詰まったゴミを押し出す仕組みとなっている。
V6以前のモデルはクリアビンの中でゴミが詰まったり、シュラウドに髪の毛が絡みついてゴミ捨てが簡単にできない不満が残っていたが、V10やV11はゴム製のスクレイパーがそれらのゴミをこそぎ落とすため、しっかり簡単に捨てられるようになった。
フィルターのお手入れ方法
従来のモデルはサイクロンコーンで捕らえられなかった微細なゴミは筒状のプレモーターフィルターで捕集していた。さらにV6以降のモデルには排気をクリーンにするために、プレモーターフィルターに加え、ポストモーターフィルターが本体後部に搭載された。これにより、同社のV6以降のモデルは“部屋の空気をよりキレイな空気を排出”するようになった。
V10からはプレモーターフィルターとポストモーターフィルターが一体化されたフィルターが本体後部に配置されるようになった。V11も同様に2つのフィルターが一体化されたフィルターが採用されてるため、フィルターの着脱方法やお手入れ方法は同じである。
フィルターは水洗いすることで繰り返し使用することができ、使用頻度や吸い取るゴミによって異なるが、基本的には1ヶ月に1度を目安に洗浄しておけば問題ない。フィルターは公式サイトで6,600円で販売されているが、Amazonなどで販売されている互換品は安価で販売されている(2個で2,000円前後)。
収納方法
V10もV11も収納用ブラケットが標準付属されており、収納用ブラケットを壁にネジ止めすることで掃除機本体を壁に立てかけて収納することができる。賃貸住宅などで壁に穴を開けることが難しい場合は、社外品のダイソン[専用スタンド]や[ディアウォール]を利用すれば、掃除機本体を省スペースに収納することができる。
ダイソン公式の専用スタンドが欲しい場合は、V11に充電ドックが付属されたモデルがラインナップされているのでそれを選ぶとよいだろう。なおV10にも充電ドックが付属された直販限定モデル[SV12 FF OLB]がラインナップされているが、現在は公式や楽天市場などの直販サイトでは品切れになっており、キャンペーン以外で入手することが難しい。
V10の充電ドック付きモデルがキャンペーンで登場したときにお知らせするツイートはこちら。
運転音(音の大きさ)
V11に搭載されているデジタルモーターは3段階のディフューザーが用いられており、V10より吸引力が向上しただけでなく、騒音を11%低減して音響も改善されている。実際にV10とV11の駆動音をその場で聞き比べると数値でも体感でもV11のほうが少し静かになっている。
しかし、ダイソンのコードレス掃除機はV7以降から以前よりこもった音で、初めて使うユーザーはV10を駆動しても意外に静かだという印象を受けるだろう。強モードは夜や朝早くに使うと躊躇するレベルだが、エコモードを使えば使いにくい時間帯も使えるほど静になる。
付属品の違い
V10とV11の専用ツール(アタッチメント)は、従来モデルのV7やV8と互換性があるため、アマゾンなどで安価な並行輸入品を入手しやすい。専用ツールは必要になったときに購入することができるため、付属品の有無で購入後に後悔することはない。
例えば、ダイソン購入後にフトンツールが必要になった場合、ダイソン公式ページから注文すると4,400円と割高だが、アマゾンのサードパーティ製や並行輸入品のフトンツールだと1,000円前後というリーズナブルな価格で入手することが可能。
また、V11以降のモデルにはストレートパイプに専用ツールを収納できる[ツールクリップ]が標準付属されるようになったが、ツールクリップも現在はAmazonなどで非常に似たツールが安価で販売されているため、V10を選んでも後悔することはない。
基本的にダイソン公式の充電スタンドが不要であれば、標準のFluffyを選べばOKだ。V10やV11シリーズからラインナップされているモデルに付属されている[専用ツール]や[クリーナーヘッド]がひと目で分かる性能比較表は、下のリンク先からどうぞ。
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