ダイソンのスクリューツールは本当に猫の毛がブラシに絡みつかないのか調べてみた

掻きだす力は高いがお手入れが大変だったミニモーターヘッド

従来ダイソンのコードレス掃除機に付属されていたミニモーターヘッドは、硬いナイロンブラシをモーターで高速回転させていたため、カーペット・ソファーなどの布製品や、布団などの寝具に絡みついた髪の毛や猫の毛を掻きだす集じん能力が高かった。

集じん力が高い一方でブラシに猫の毛や髪の毛が盛大に絡みつくため、掃除後のお手入れがうんざりするほど面倒な欠点も存在。ゴミが絡みつきやすいブラシを回転させている以上、毛・髪を掻き出す集じん力とメンテナンス性の両立は難しいように思えた。

マキタ菌

布製品に絡みついたペットの毛は、エチケットブラシがついたフトンツールでも絡め取ることが出来ました。しかし、頑固に絡みついた毛は完全に除去できないことと、ヘッドを前方向に移動させたときしか除去できないため集じん効率も悪かったです。

抜け毛の多いペット飼っている家庭の救世主(スクリューブラシ)

2021年に同社から発売されたV12/V15には、抜け毛の多い犬や猫を飼っている家庭の救世主となる「毛絡み防止スクリューツール」が標準付属された。ゴミがブラシに絡みにくい特長を持っているため、面倒だったブラシのお手入れから解放されるという。

ミニモーターヘッドが進化したスクリューツールは、サイクロンを彷彿させる円錐形のブラシバーが特徴的。類似品を先行開発したパナソニックによると、ブラシバーを円錐形にすることで、絡みついたゴミが端が細くなった方へ移動することを見つけたという。

マキタ菌

ダイソンは水を下から上へと汲み上げるアルキメデススクリューを応用したと説明していますが、去年発売されたパナソニックのPOWER CORDLESSに搭載されている「からまないブラシ」の円錐形ブラシバーに類似しています。身近な物理の法則を利用した簡単な仕組みですが、これまで誰も思いつかなかったことを考えると、この発想を思いついた人は掃除の神様です。

ゴミが絡みにくい仕組み

試しにブラシバーの太いところに紐をしっかり結んでブラシバーを高速回転させると、紐は太いところから細いほうへと移動しながら外れた。これまでブラシにゴミが絡みにくい色々なヘッドを見てきたが、他のどれよりも斬新な仕組みとなっている。

この仕組みだとナイロンブラシを搭載できるので、ゴミを掻き出す集じん力とブラシのお手入れ軽減を両立させることが可能となっており、今後、メーカー各社から模倣したブラシバーが登場しそうなほど秀逸だ。

上の動画では紐はブラシバーの細いほうへと移動しながら弾き飛んでいったが、吸込口はブラシバーの先が細くなった前にあるので、アクリルカバーを取り付けた状態だと、移動しながらほどけたゴミはそのまま吸口に吸われてクリアビンに回収される。

マキタ菌

これまで髪の毛が絡みにくいヘッドと言えば、同社の柔らかなフェルトに覆われたソフトローラークリーナーヘッドやタングルフリータービンツール。ゴム製のブラシを採用したiRobotのルンバやShark EVOPOWER SYSTEMの回転ブラシなどがありましたが、スクリューブラシは硬いナイロンブラシを搭載しているので、ゴミを掻き出す集じん力は一番高そうです。この仕組を利用したダイレクトドライブクリーナーヘッドも作ってほしいものです。

絨毯に絡みついた猫の毛を掻き出しながらクリアビンに回収！

実際にカーペットに絡みついた猫の毛を掃除してみると、掻き出された猫の毛はブラシに絡みつかずにクリアビンへと回収されていった。アクリルカバーは透明なので絡みついた毛がブラシからほどけながら吸われていく様は見ていて気持ちがいい。頑固に絡みついた猫の毛もしっかり掻き取ることができ、クリアビンにはわたがしのように猫の毛ですぐに一杯になるほど。