dyson cyclone V10の口コミは本当か?徹底検証
最上位モデル「V10」はダイソン史上最高の吸引力と稼働時間
POINT
- 2018年3月20日に発売された新モデル
- シリーズの中で最高戦力を持つフラッグシップ機
- MAXモードの吸込仕事率が15WAアップ
- 最長稼働時間が20分アップ
- 吸込力が2段階から3段階に切替可能になった
- フィルター目詰まりを教えてくれるランプが追加
- プレモーターフィルターとポストモーターフィルターが一体化
- ダストカップ、サイクロンが直線的に配置された
羽根のない扇風機の技術を活かした「空気清浄機」や「ファンヒーター」などの空調家電。そして、サイクロン方式を採用した「ロボット掃除機」や、パワフルな風速で素早く髪を乾かす「ヘアドライヤー」のような斬新な生活家電を次々に発売しているダイソン。そんな家電業界を揺るがしているダイソンから、本日(3/20)新しいスティック型コードレスクリーナー「dyson cyclone V10」が国内で発売された。
今回、新しく発売されたフラッグシップモデル(V10シリーズ)は、モーターやバッテリーの改良と、クリアビン、サイクロン、モーターを直線的に配置したことにより、従来の最上位機種(V8シリーズ)に比べると吸引力と連続運転時間がアップ。そして、新たな機能として、吸引モードが「2段階」から「3段階」に変更され、フィルターのお手洗いをお知らせしてくれる「フィルターお手入れランプ」も搭載された。
また、ダイソンは今回の新製品発表会で、「今後、コード付き掃除機に特化した新しい技術の開発に投資は行わない。」という発表を行っている。従って、今後、Dyson Ballシリーズを最後に、新モデルが発売される可能性は低いと考えられる。今回、新しく発売されたV10のラインアップが、本当に家中丸ごと1台で掃除できるキャニスター型掃除機の変わりになりうるレベルなのか検証込みのレビュー行ってみた。
ダイソン直営オンラインストアで購入するメリット
直営ストアで注文すると「お掃除ツール」がプレゼントされる
●楽天スーパーポイント10倍:楽天ペイの利用で楽天スーパーポイント付与
●2年間のメーカー保証:故障時の往復送料・工賃・部品代はメーカーが保証
●30日間返品ポリシー:受取後30日以内であれば返品可能(未使用/未開封のみ)
●分割払い手数料0%:分割払いでお支払いした場合、分割払い手数料が無料
●送料無料:お買上げ3,000円(税込み)以上で全国どこでも送料無料
●直販限定モデル:家電量販店で購入できないモデルがラインアップ
イノベーターが嫉妬する「フロアドック付きモデル」が後発で発売
実はV10が発売されてから三ヶ月後にDyson Cyclone V10 [SV12 FF OLB]というモデルがV10シリーズに新しく追加された。このモデルは直営店限定モデルとなっており、「ソフトローラークリーナーヘッド」が標準装備されたV10Fluffyに、今ラインアップされている「専用ツール」全てが付属。そして、それらの専用ツールを全て収納できる「フロアドック」が同梱されている。
本体やツールを収納できるフロアドックは、ダイソン初となるV10専用スタンドとなり、充電しながら収納することが可能となっている。どのモデルにも同梱されている「壁掛け用ブラケット」は壁にネジ止めする必要があるため、壁に開けられない家庭にも「SV12 FF OLB」はおすすめのモデルである。
V10が発売されてすぐに注文した流行り物に敏感なイノベーターは、三ヶ月後に登場したこのモデルに買い換えることが難しいうえ、新規のユーザーは割高の公式サイトからダイソンの製品を購入する人は少ないと考えられる。従って、このフロアドック付きの「SV12 FF OLB」を手にできる人は限られている。
2018/3/20からダイソン直販ストアで先行販売
現在、V10シリーズのモデルは、上記の「ダイソン直営ストア」のみで先行販売されており、先行販売期間は[2018/3/20(火)~2018/3/28(水)]の間。そして、3/28から全国の「家電量販売店」で順次販売されることから、「アマゾン」や「楽天市場」などのショッピングモールに出店しているショップからネット通販できるのは、4月前後となる見通しになる。
先行販売限定モデル 2大特典
基本的にダイソンの製品を「ダイソン直営ストア」で購入すると、アマゾンや楽天市場のようなネット通販で購入するより割高になってしまうが、今回発売されたV10をダイソン直販ストアで注文すると上記の2大特典が付く。ただし、対象購入期間は(2018年3月20日~3月28日 午前9:59)までとなっているので注意しよう。先行特典が不要で、少しでも予算を抑えたい場合は、「通販サイト」や「家電量販店」で販売開始される(3/28~)まで待ったほうがよいだろう。
ダイソン V10シリーズの種類と違いを分かりやすく解説
色が違うだけで本体の仕様(スペック)は同じ
POINT
- ●本体の仕様(スペック)は色が違うだけで同等の性能
- ●アタッチメントの有無や床用ヘッドのブラシに違いがある
現在(2018/8)、V10シリーズのラインナップは上記の5種類となっている。
どのモデルも本体と延長管の色が違うだけで、基本的な仕様や機能は同じとなる。それぞれの違いは、標準付属されている「床用モーターヘッド」や「アタッチメント」に違いがあるので、自分の家のフロアや掃除の用途に合ったものを選ぼう。
今後もV10シリーズに新しいモデルがラインアップされることがあるかもしれないが、基本的に本体の仕様は同じなので、「床用モーターヘッド」や「アタッチメント」などの付属品の有無に違いがあると考えればよいだろう。
機種名 | 床用ヘッド | 付属品アタッチメント |
V10 直販限定 | ||
V10 Fluffy | ||
V10 Fluffy+ |
V10 Fluffy(フラフィ)の種類
POINT
- ●名前にFluffyが付くモデルは[ソフトローラークリーナーヘッド]を標準装備
- ●各モデルは同梱されている付属品に違いがある
モデル名が「V10 Fluffy」からはじまるモデルの床用ヘッドには、フローリングのようなフラットな床面に適している「ソフトローラークリーナーヘッド」というモーターヘッドが標準装備されている。
「V10 Fluffy」に付属されている専用ツールは、標準付属品である「ミニ モーターヘッド」「コンビネーションノズル」「フロアドック」の3点に加え、「ミニソフトブラシ」の一点が同梱。
「V10 Fluffy+」に付属されている専用ツールは、標準付属品である「ミニ モーターヘッド」「コンビネーションノズル」「隙間ノズル」の3点に加え、「フトンツール」「延長ホース」「アップトップアダプター」の3点が同梱されている。
2018年6月に「Dyson Cyclone V10」というダイソン公式の直販ストアのみで購入できる直販限定モデルが追加された。このモデルに付属されている専用ツールは、標準付属品である「ミニ モーターヘッド」「コンビネーションノズル」「隙間ノズル」の3点に加え、「フトンツール」「延長ホース」「ミニソフトブラシ」「ハードブラシ」「アップトップアダプター」の5点が同梱されている。そして、これらの専用ツールと本体、床用ヘッドを充電しながら収納できる「フロアドック」も付属されている。
機種名 | 床用ヘッド | 付属品アタッチメント |
V10 Animal+ |
V10 Animal(アニマル)の種類
POINT
- ●名前にAnimalが付くモデルは[ダイレクトドライブクリーナーヘッド]を標準装備
- ●今後、付属品に違いがあるモデルが登場する可能性あり
次に、モデル名が「V10 Animal」からはじまるモデルの床用モーターヘッドには、カーペットを敷いている面積が広いフロアに適している「ダイレクトドライブクリーナーヘッド」が標準装備されている。
3/20日に発売された「V10 Animal」からはじまるモデルは「V10 Animal+」のみとなっている。「V10 Animal+」に付属されている専用ツールは、標準付属品である「ミニ モーターヘッド」「コンビネーションノズル」「隙間ノズル」の3点に加え、「フトンツール」「延長ホース」「アップトップアダプター」の3点が同梱されている。
機種名 | 床用ヘッド | 付属品アタッチメント |
V10 Absolutepro |
V10 Absolutepro(アブソリュートの種類)
POINT
- ●名前にAbsoluteが付くモデルは[ソフトローラークリーナーヘッド]と[ダイレクトドライブクリーナーヘッド]が標準付属
そして、一番価格が高い「V10 Absolutepro」というモデルには、「Fluffy」「Animal」に標準装備されている床用ヘッド「ソフトローラークリーナーヘッド」と「ダイレクトドライブクリーナーヘッド」の2点が同梱されている。
付属されている専用ツールは、標準付属品である「ミニ モーターヘッド」「コンビネーションノズル」「隙間ノズル」の3点に加え、「延長ホース」「フトンツール」「ミニソフトブラシ」「アップトップアダプター」の4点が同梱されている。
ダイソン V10シリーズの重量
モデル名 | 発売日 | 重量 |
V10 Fluffy | 2018年 | 2.58kg |
V10 Animal | 2.48kg | |
V8 Fluffy | 2016年 | 2.61kg |
V8 Animal | 2.55kg | |
V7 Fluffy | 2017年 | 2.47kg |
V7 Animal | 2.40kg |
V10は数値では重いが体感重量はV8より軽くなっている
V10の重さはV8に比べると少し軽くなっているが、数値で比べると100g以下と大きな差はない。しかし、ハンドルとヘッドを結ぶ中心軸状に重たいパーツ(クリアビン、サイクロン、モーター、フィルター)がバランスよく配置されたことで、体感ではV10のほうが軽く感じた。
選ぶポイントを軽さに重視する場合はV7がおすすめ
歴代モデルと比べるとV7、V8、V10は重たい部類に入る。たまに、V6以前のモデルで掃除をすることがあるが、比較的新しいモデルで使い慣れているためか、あまりの軽さにびっくりするほどだ。V10はV8より軽くなったとはいえ、力のない女性やご年配の方が、一家丸ごと掃除しようとするには、まだまだ重たいと感じる重さである。
ダイソンは吸引力の維持&ヘッドの集じん性能は他社より優れているが、国内メーカーのハイエンド機と比べると、やはり女性やシニアの方には重量がネックとなる重さである。特にヘッドを持ち上げた時にダイソンよりも軽いハイエンド機は他にもあるので、重さを重視するのではれば、国内メーカーの製品も選択肢に入るだろう。
ヤマダ電機やヨドバシのような大きな家電量販店では、掃除機を試用できる展示品があるよので、V10の重さや他社との違いが気になる方は、実際に量販店等の店頭で手にとって掃除をしてみたり、ヘッドを上げ下げして試してみることをお勧めする。軽さを重視する場合はV7かV6がおすすめである。ただし、V6は簡単ゴミ捨てが行える[新ゴミ捨て機構]が採用されていない。
ダイソン V10の吸込仕事率(吸引力)
ダイソンのスティック型コードレス史上最高の吸引力
V10本体(1.532kg)は、これまでフラッグシップモデルであったV8本体の重さ(1.577kg)より軽量化したうえで、さらにパワーアップした吸引力を実現している。本体の心臓部であるモーターは、現行機種の中で「最小」「最速」「最軽量」を誇る「デジタルモーター V10」を搭載。
モデル | 回転数min1 | 出力 |
V8モーター | 110,000 | 425W |
V10モーター | 125,000 | 525W |
「デジタルモーター V10」が1分間に回転する最大回数は、110,000回転を記録していた「デジタルモーター V8」より、さらに速い125,000回転にアップ。出力も425Wから525Wにアップしている。そして、シャフトの素材は超高速回転に耐えられるセラミック素材を採用。1,600℃の高温で硬化されたセラミックはスチールの3倍の高度を持ち、約半分の軽さとなっている。
さらに、ヘッドと排気口を結ぶ中心軸上に、「クリアビン」「サイクロン」「モーター」を直線的に配置。モーター後部に一体型のフィルターを配置したことにより、空気の曲がる部分が減った。この空気の流れが効率的になった直線的な配置と、いちから見直されたモーターにより吸引力は大幅に向上。
モデル名 | V10シリーズ | V8シリーズ | V7シリーズ | V6シリーズ |
発売日 | 2018年 | 2016年 | 2017年 | 2015年 |
吸込仕事率 | 省電力:13W 通常:28W MAX:130W | 通常:28W MAX:115W | 通常:21W MAX:100W | 通常:28W MAX:100W |
各吸引モードの吸込仕事率(吸引力の強さ)
同社で過去に販売されたスティック型コードレス掃除機の吸引モードは、「通常モード」「MAXモード」の2段階の変更が可能であったが。今回発売されたV10では、「省電力モード」「通常」「MAXモード」と3段階の変更が可能となり、さらに細かい調整が行えるようになった。モードを切りかえるスイッチは、前モデルと同じように本体上部にスライド式のスイッチが備わっている。
V10の吸込仕事率は公式ページでは公表されていないが、サポートセンターで聞いてみたところ「省電力モード:13WA」「通常:28WA」「MAXモード:130WA」という回答を頂いた。従って、「省電力モード」の吸引力は従来機の「通常モード」に比べると弱いが、「通常モード」は同等となっている。「MAXモード」は130WAなので、現行機種の中では過去最高の数値となる。
V10で色々なゴミを吸引してみた
実際にV10を使って色々なゴミを吸引してみた。用意したゴミは、床にばら撒いてしまうと厄介な粉系のゴミを想定した(オガクズ)。次に紙くずや食べこぼしのような目に見える比較的軽いゴミを想定した(木材の切り屑)。そして、犬や猫がいる家庭の床に散らばりやすい固形のゴミ(ドライフードやトイレの砂)だ。
床専用のモーターヘッドは、V10フラフィに標準装備されている「ソフトローラークリーナーヘッド」、V10アニマルに標準装備している「ダイレクトドライブクリーナーヘッド」を装着。なお、吸引モードは、今回新しく搭載された一番吸込仕事率が低く、稼働時間が長い「省電力モード」を使用して検証を行った。
フローリング | 畳 | カーペット | 固形のゴミ | ペットの毛 フローリング | ペットの毛 カーペット |
◎ | ◎ | △ | ◎ | ◎ | △ |
Fluffy – ソフトローラークリーナーヘッドの特徴
◉ヘッドを滑らせる動作で大小のゴミを同時に吸い取れる
◉髪の毛やペットの毛がローラーに絡みつかない
◉床がぴかぴかにする乾拭き効果がある
名前が「Fluffy」からはじまるモデルの床用モーターヘッドには、「ソフトローラークリーナーヘッド」が標準装備されている。このヘッドの最大の特長は、ヘッド前方の広い開口部と、柔らかなナイロンフェルトに覆われたローラーで、小さなゴミから大きなゴミまで同時に吸い取ることができる。
また、髪・ペットの抜け毛や糸くずのような長いゴミがローラーに絡みつかないため、ヘッドのお手入れ頻度が劇的に減るメリットも存在する。さらに、フローリングの表面についた人間の皮脂やペットのよだれを拭き取る効果もある。汚れたローラーはコイン1枚で取り外すことができ、水洗いすることが可能。
検証でもフローリングや絨毯の上に散布したゴミを、素材・大きさに関わらずほぼワンストロークで集じんすることができた。軽いゴミを吸い込んだ場合、ごく一部のゴミがローラー部分で一回転して吐き出されることもあったが、家庭にこのように大量にゴミが落ちてることはそうそう無いので問題にはならない。
フローリング | 畳 | カーペット | 固形のゴミ | ペットの毛 フローリング | ペットの毛 カーペット |
◎ | ◎ | ◎ | △ | ◎ | ◎ |
Animal – ダイレクトドライブクリーナーヘッドの特徴
◉カーペット奥深くに入り込んだゴミの集じん性能が一番優れている
名前が「Animal」からはじまるモデルの床用モーターヘッドには、「ダイレクトドライブクリーナーヘッド」が標準装備されている。このヘッドの主な特徴は、硬いナイロンブラシと「ソフトローラークリーナーヘッド」よりパワフルな内臓モーターにより、カーペットの奥に入り込んだ微細なゴミやペットの抜け毛を掻き取る集じん力が最も優れている。
検証でも絨毯にばら撒いたオガクズを「ソフトローラークリーナーヘッド」で掃除した後に、「ダイレクトドライブクリーナーヘッド」で掃除をすると、浮遊するような超微細なゴミがクリアビンに回収された。このことから、「ダイレクトドライブクリーナーヘッド」はカーペットにおけるダストピックアップ率がもっとも高いことがうかがえる。
ただし、ヘッドと床の間の隙間が狭いため、ペットの餌や砂のような比較的嵩のあるようなゴミは、ヘッドを前後にストロークさせる動作では吸い取ることができなかった。そのため、ゴミに対してヘッド上からかぶせるように吸引する必要がある。しかし、一般家庭のフロアにこのような固形のゴミが大量に散らばっているわけではないので、大した問題ではないだろう。固形のゴミが散乱している状況に遭遇した場合は、コンビネーションノズルで予め吸っておいて、掃除をすればいいだけである。
ダイソン V10を買う前に知っておきたい床用ヘッドの特徴
フローリングメインであれば最安機の「Fluffy」がおすすめ
比較的最近のダイソンのTVCMで色々なゴミを綺麗に吸い上げるシーンを目にすることがあるが、基本的に「Fluffy」というモデルが使用されている。Fluffyに標準装備されている「ソフトローラークリーナーヘッド」には、静電気の発生しないカーボンファイバーブラシも搭載されているので、フローリングや畳の掃除がメインであれば、標準モデルの「Fluffy」で充分である。
「Animal」は欧米ではペット用として販売されている
Animalに装備されている「ダイレクトドライブクリーナーヘッド」は、カーペットにおけるゴミの集じん性能が優れているので、絨毯に付着したアレルゲンやペットの抜け毛に悩まされてる人におすすめである。
フローリングのような平たい床面では、「ソフトローラークリーナーヘッド」と集じん性能に大差がないので、ペットを飼っていてもカーペットを敷いている面積が狭い場合は、抜け毛がヘッドに絡みにくい「Fluffy」の方がおすすめである。
フローリング | 畳 | カーペット | 固形のゴミ | ペットの毛 フローリング | ペットの毛 カーペット |
× | × | ◎ | △ | × | ◎ |
カーペットを敷いている面積は狭いが、ペットの抜け毛やアレルゲンに悩まされている場合
これまでアレルギーの元となるハウスダストや、カーペットに絡みついたペットの抜け毛に悩まされている人には、「ダイレクトドライブクリーナーヘッド」が搭載されている「Animal」をおすすめしていたが、カーペットを敷いている面積が狭い場合は、最安機の「Fluffy」でも十分である。
なぜなら、V8とV10に標準付属されている「ミニモーターヘッド」には、「ダイレクトドライブクリーナーヘッド」と同じ硬いナイロンブラシが搭載されているからだ。このミニモーターヘッドでもペットの抜け毛や絨毯の奥深くに入り込んだ微細なゴミを効率よく掻き出すことが可能である。(車輪がついておらず、フローリングを掃除すると傷がつきやすいので注意)。
ダイレクトドライブクリーナーヘッドは下の部屋まで振動音が響く
実はV6 Animalでは気にならなかったが、V7/V8/V10のAnimalモデルに装備されている「ダイレクトドライブクリーナーヘッド」でフローリングを掃除すると、ローラーの回転音と振動音が異常に響くのだ。この原因はモーターの出力が上がり、よりパワフルになったからだと考えられる。下の階の部屋まで振動音が響いてる可能性が高いので、アパートのような集合住宅の使用は個人的におすすめできるモデルではない。
ダイソン V10の「連続使用時間」と「スイッチ方式」
簡単にON/OFFに切り替えられる「トリガースイッチ」
V10のスイッチは歴代モデルと同じ「トリガースイッチ」が採用されている。引き金のような形をしており、トリガーを指で引いたり離したりすることで、簡単にON/OFFに切り替えることが可能だ。物をどかせたり、移動する際に素早くスイッチを切ることができるため、バッテリーを節電できるメリットも存在する。
よくダイソン掃除機のレビューを見ていると、スイッチをずっと引き続けなければいけないため、指が痛くなるという口コミが散見される。古いモデルは確かにスイッチが硬かったが、個人的には比較的新しいモデルでは指の痛みは感じたことがない。
注意!最長60分は省電力モードで床用ヘッドをつけてない状態
V10は従来のフラグシップ機(V8)より、さらに「強い吸引力」と「長い運転時間」を実現するため、ハンドル下に配置しているリチウムイオンバッテリーを(7セル・525W)へと強化。バッテリーはV8より大容量になったにも関わらず、充電時間は前モデルより2時間早い3.5時間、本体重量はV8より軽い。
ツール | 吸引モード | 稼働時間 |
床ヘッドなし | 省電力モード | 60分 |
床ヘッドなし | 通常モード | 30分 |
床ヘッドなし | MAXモード | 5~8分 |
今年の新モデル発表会では、自らプレゼンテーションを行なった創業者のJames Dyson氏 。その中で、V10が完成したことにより、コード付きの掃除機の開発を止め、キャニスタータイプからコードレスタイプの買いかえを促した。そんな最新のコードレス掃除機(V10)の最長運転時間は過去最高の60分と謳っている。
しかし、最長運転時間60分というのは、一番吸引力の弱い「省電力モード」で、「電力を消費しない専用ツール」を装着して使用した場合の稼働時間である。実際は「モーター駆動の床専用ヘッド」を装着すると、各吸引モードの稼働時間は上記となるため、フロアを掃除すると公称の使用時間より短くなると考えるべきである。
「省電力モード」の稼働時間は35分/40分(ヘッド装着時)
新しく搭載されたV10の「省電力モード」の稼働時間は、床用モーターヘッドを装着した場合、Fluffyが40分、Animalが35分となっている。「省電力モード」の吸込仕事率は13WAと従来モデルの「通常モード」より低い数値となっている。
しかし、一番吸引力が弱いモードとはいえ、一般家庭に落ちてるようなゴミやフローリングの目地に入り込んだゴミを吸引することができたので、毎日のフラットな床面(フローリング、畳)の掃除は、個人的に「省電力モード」でも充分だと感じた。
「通常モード」の稼働時間は20分(ヘッド装着時)
「通常モード」の吸込仕事率は「28WA」と、従来モデルの「通常モード」と同等の吸引力である。一般的にダイソンユーザーはフロアの掃除は通常モードで掃除をする場合が多い。そのため、従来モデルから乗り換えを考えているユーザーは、これまで通り慣れ親しんだ「通常モード」でフロアを掃除したいと思う人も多いのではないだろうか。
通常モードで床用ヘッドを装着した稼働時間は20分なので、一回の掃除機に費やす時間が20分以内で終わる場合は、最初から最後まで通常モードを使用して問題ないだろう。しかし、掃除をする場所が広範囲で20分以内に掃除が終わらない場合は、フローリングのような平たい床面では「省電力モード」に切り替えて節電したほうがよいだろう。
「MAXモード」の稼働時間は5分〜8分(ヘッド装着時)
最も吸引力の強い「MAXモード」の吸込仕事率は、130WAと歴代モデル最高の吸引力を誇っている。しかし、稼働時間は従来モデルと同じように5〜8分と短いままなので、6畳部屋を2つみっちり掃除するとバッテリーの残量があっという間になくなってしまった。
これまで通りワンルームーの家では、「MAXモード」でフロア全体を掃除をすることは可能だが、部屋数が多い家では一回の充電で家中丸ごと掃除するのは難しい。私は、毛足の長いラグや電力消費しないツールを使用するとき以外はMAXモードは使用していない。
ちなみに、稼働時間が曖昧なのは、FluffyとAnimalに装備されている床用ヘッドのモーター出力が異なるためである。双方の床用ヘッドはFluffy/30W、Animal/50Wと、Animalのほうが出力が20Wほど高い。従って、稼働時間はFluffyよりAnimalの方が数分短いと考えるとよいだろう。
ダイソン V10の「充電時間」と「充電方法」
※(★はローラーヘッドを装着した通常モードの稼働時間)
モデル | 充電時間 | 最長使用時間 |
V6 2015年 | 3.5時間 | 20分 ★20分 |
V7 2017年 | 3.5時間 | 30分 ★20分 |
V8 2016年 | 5時間 | 40分 ★30分 |
V10 2018年 | 3.5時間 | 60分 ★20分 |
大容量にもかかわらず3.5時間で充電できる
V10のリチウムイオンバッテリーは7セルとなり、V8より大容量のものが搭載されている。さらに、V8より2時間も早い(3.5時間)でフル充電することが可能となった。この時間は比較的新しいモデルV6やV7と同じ充電時間であるが、標準モードの連続使用時間はV7と同等、V8より5~10分短くなる。
一般家庭で掃除機に費やす時間は平均約20分と言われている。V10は、モーター駆動の床ヘッドを装着した状態でも、「省電力モード」と「通常モード」使い分けることにより20分以上の掃除が実現したことにより、V8と同様、キャニスター掃除機の代わりになりうる吸引力と稼働時間を兼ね備えている。
ただし、充電時間3.5時間というと決して短い時間とは言えない。一回の充電で家中丸ごと掃除ができない大きな家では、まだまだ、1台ではコード式のキャニスター型掃除機の代わりにはるのは難しいだろう。現在、ダイソンはEV製造のため、リチウムイオンを超える「全個体電池」に巨額な投資をしており、今後の進化に期待である。
V10の充電方法
充電方法は「充電アダプター」をバッテリーに差し込んで充電する方法と、「収納用ブラケット」に本体を差し込んで充電する2通りがある。収納用ブラケットを利用すると本体を省スペースに収納できることと、手軽にバッテリーを充電できるメリットがあるものの、壁に穴をあけないと収納用ブラケットを固定することができない。そのため、賃貸などで壁に穴をあけられない環境では収納用ブラケットの使用が難しい。
従来より収納用ブラケットに収納しやすくなった
一方のV10はアダプター差込口がバッテリーの前部に配置されたことにより、本体を収納用アダプターから上下にスライドさせるだけで着脱が可能。旧タイプもさほど手間はかからなかったが、個人的にV10のほうが本体を出し入れがしやすいうえ、充電スタンドが揺れなくなったので使いやすい。
最近では、当サイトでも把握しきれないほど「ダイソン専用スタンド」の種類が増えている。V10の「収納用ブラケット」の穴の位置は従来モデルと同じなので、従来モデルに使用していたスタンドを使いまわすことができた。
しかし、V10は収納用ブラケットの下からしかコードをだすことができないので、上にしかコードを通す穴があいていないスタンド(写真右の2つ)の場合、コードを完全に隠すことができなかった。
ちなみに、自分で綺麗な穴を開ける場合は「ドリルドライバー」と、穴をあけるための「木工ドリル」か「座ぐりドリル」という先端工具が必要となる。開ける穴の大きさは25mm前後あると大丈夫だろう。初めてスタンドを購入するのであれば、「専用ツール」を収納できるものをお勧めする。
バッテリーの「交換方法」と「交換費用」
●バッテリーはダイソンお客様相談室で注文できる
●V10のバッテリーは¥12,960(2018年調べ)
ダイソンV10シリーズはリチウムイオンバッテリーが採用されており、他の電池と同じように充放電を繰り返していると寿命がくる。バッテリーは3本のネジで固定されているので、ドライバー1本で着脱することが可能となっている。バッテリーは「ダイソンお客様相談室」にて買い求めることができ、電話かメールで注文することが出来る。価格、送料込みで12,960円(2018年調べ)。
ダイソン V10のゴミの捨て方
従来モデルより部屋に埃が舞い上がりにくい
●埃が舞い上がりにくくなった
●延長管を取り外さないとゴミ捨てができない
●ゴミ捨て時に吸込口に埃・塵が付着する
V10は比較的新しいモデル(V7/V8)と同じ簡単かつ衛生的にゴミ捨てができる機構が採用。ゴム製のスクレイパーが「シュラウドに絡みついたゴミ」や「シュラウドとクリアビンのあいだに挟まったゴミ」をこそぎ落としながらゴミ捨てが行える設計となっている。
さらに、V10はサイクロンとクリアビンの方向が90度変わり、サイクロンとクリアビンが直線的に配置。この設計によりクリアビンを比較的小さなゴミ箱や袋の中に入れながらゴミを押し出すことができるようになり、従来モデルより埃が周辺に舞い上がりにくい。
何回かゴミ捨てを行っていた時に気づいた点である。クリアビンのフタが開く際に、落ちていくゴミが延長管の差込口と接触するため、差込口に微細なゴミが付着するようである。このため、ゴミ捨てを行う度に付着したゴミをブラシなどで除去する必要があった。ゴミ捨てはストレスフリーであるが、毎回お手入れをしないければいけないので改善を期待したい。ちなみに、わたしは付着したゴミを静電気が発生しない「ダスター刷毛」で効率よく除去している。ブラシなどで掃くときに塵が舞い上がるのでスイッチを入れながら除去するとよいだろう。
V10のゴミを溜められる量は、前モデル(V7/V8)より増量したと記載されているレビューや記事を散見されるが、クリアビンの集じん容量が増えているのは、海外仕様のV10(0.76L)のみである。日本で販売されているV10の集じん容量は、従来モデルと同じ(0.54L)なので、集じん容量重視で選ぶ際は注意されたし。
上の写真はV8(左)のマックスラインまで猫砂を吸わせ、次にその猫砂をクリアビンから取り出し、V10(右)に吸引させたものである。V10のほうもマックスラインまでゴミが溜まっているので、ゴミを回収できる集じん容量に違いがないことがわかる。
ダイソン V10のフィルターお手入れ方法
「プレモーターフィルター」と「ポストモーターフィルター」が一体化!?
V6以降のモデルから採用されている、0.3ミクロンもの微細な粒子を99.97%捕える「ポストモーターフィルター」。このフィルターはV10にも搭載されているが、これまでサイクロン中央部に配置されていた「プレモーターフィルター」と一体化している。2つのフィルターが一体型し、モーター後部に配置されたことにより、フィルターのお手入れがさらに簡単になった。さらに空気の流れが効率的になるメリットも。
お手入れの目安はマニュアルには「1ヶ月毎を目安に冷水で洗浄」と記載されているので、従来モデルと同じように每日家の掃除をする場合は、一ヶ月に1度はお手入れをしたほうがよいだろう。
新しく搭載された機能は「3段階の吸引モード」だけでなく、フィルターの目詰まりや、フィルターが正しく設置されてない場合にお知らせしてくれる「ランプ」も搭載されている。フィルターが目詰まりしてモーターに負荷がかかったり、フィルターユニットが正しく設置されていないと、電源が遮断されバッテリーにあるフィルターマークのランプが点灯してお知らせしてくれるというもの。
ちなみに、フィルターが目詰まりした状態やフィルターユニットが正しく設置されてないとスイッチを入れることができなかった。また、吸込口に何かが塞がったときにも、ランプが点灯して停止することがあったので、モーターが加熱すると電源が遮断される自動復帰式の安全装置が備わっているようだ。
従来モデルのプレモーターフィルターは、フィルター上部の穴から内側に空気が流れる仕様だったので、ゴミが付着して汚れる部分はフィルターの内側であった。V10のフィルターは外側から内側へと空気が流れる仕様なので、フィルターの汚れ具合が分かりやすくなっている。
V10のフィルターの汚れるスピードは「2ティアーラジアルサイクロン」を搭載していたDC62~V8より明らかに早く感じた。クリアビンが直線的に配置されて空気の流れが効率的になったものの、掃除をしてる際はクリアビンが斜めになっているので、溜まったゴミが飛散しやすいのかもしれない。
ダイソンユーザーが使う「謎粉」という言葉は、喘息やアレルギーの原因となる1mm以下のゴミ(ハウスダスト)と言われている。実はクリアビン内で遠心分離できなかった謎粉は、「シュラウドの網目」をくぐり抜け、クリアビン上部に配置されている「円錐形のサイクロン」で遠心分離される。そして、強力な遠心力が発生しているサイクロン部で遠心分離された謎粉は、「シュラウドの中央部」に落ちてくる仕組みになっている。
V10も従来モデルと同じようにシュラウドの中央部(A)から落ちてくる仕組みとなっている。謎粉が落ちてくる場所はゴムパッキン(B)に覆われているので、クリアビンと隔離されており、飛散して再びサイクロン部に侵入することはない。
ダイソン V10 運転音の大きさ
前モデル(V7/V8)は静かになっても金属音が残ってた
ダイソンの掃除機といえば、運転音がうるさいというイメージがある人も多いのではないだろうか?実際、ダイソンのコードレス掃除機は、本体の中に笛でもはいってるかのような甲高い音が響き渡り、夜使うには躊躇するような運転音がしていた。この甲高い金属音の原因は、複数の先細ったサイクロン部で乱気流が発生するためといわれていた。
比較的新しいモデルのV7やV8は、V6より多くの吸音材が使用され、モーターの配置も変更したことにより、約50%(公称)の静音化を実現した。体感でも本体をバケツの中に入れたようなこもった音で、より静かに感じた。とはいえ、ダイソン独特の金属音は残ってたままなので、ダイソンが初めての方はうるさいと感じる人もいるのではないだろうか。
V10は「V7」や「V8」より甲高い音が軽減された
V10ではモーター周囲の風路を調整し、⾳の原因となる乱気流を低減させた。さらに前モデルにも採用されていた振動を吸収する吸⾳材、騒音を抑えるポストモーターフィルターを搭載している。それに加え、音を遮ることができる音響バッフルも装備している。
V10とV8の音の大きさを測定すると、数値ではV8のほうが少し低かったものの、V10は周辺に響き渡る笛のような甲高い音が軽減。さらに、今回新たに追加された「省電力モード」の吸引力は一番弱くなるものの、運転音はどの吸引モードより静かになっているので、掃除がしにくい時間帯にゴミを見かけても躊躇なく掃除ができるようになった。
ダイレクトドライブクリーナーヘッドの振動音がうるさい
V10シリーズの「Fluffy」「Animalpro」「Absolute」は、色が違うだけで本体仕様は同じとなっているので、本体側の運転音の騒音値は同じである。しかし、「Animalpro」や「Absolute」に付属されている床用ヘッド「ダイレクトドライブクリーナーヘッド」の回転音はかなりうるさく感じた。
「ダイレクトドライブクリーナーヘッド」は、Fluffyに付属されている「ソフトローラークリーナーヘッド」よりモーター出力が高いこともあるが、大きな原因は回転するRollerが振動する音である。おそらく回転しているときにモーター軸がブレているのではないだろうか。
ちなみに、「ダイレクトドライブクリーナーヘッド」の不快な振動音は、V6シリーズのAnimalでは感じられなかった。V10同様にうるさく感じたのはブラシパワーがアップしたV7やV8からである。アパートのような集合住宅でフローリングを掃除すると躊躇するようなレベル音が響き渡る。カーペットでは問題ないかもしれないが、フローリングで使用したときは、間違いなく下の階の部屋に響いてるだろう。
ダイソン V10に付属されている専用ツールの種類
アタッチメントの有無で大きく4種類に分けられる
基本的にダイソン公式から販売されているスティック機は、「収納用ブラケット」「ミニモーターヘッド」「コンビネーションノズル」「隙間ノズル」は標準付属品となるので、どのモデルにも同梱されてると考えてよいだろう。その他の「専用ツール」の有無はモデルによって異なるので用途にあったモデルを選ぶとよいだろう。
V7とV8とは互換性あり。V6以前のモデルとは互換性なし。
なお、V10に付属されている専用ツールは、V7やV8と同じスムーズフィット機構が採用されている。V7/V8からの乗りかえであれば、今持っている専用ツールと互換性があるので、使いまわすことが可能だ。専用ツールは単品でも購入することができるが、公式より、Amazonなどで販売されている「並行輸入品」を注文したほうが割安である。
一方、V6以前のモデルに付属されていた専用ツールとは残念ながら互換性がないため、古いモデルの専用ツール(電力を消費しないアタッチメントのみ)をV10に使いまわしたい場合は、変換アダプターを介して接続する必要がある。(ただし、55mmほど余分に長くなる)。「ダイソンの変換アダプター」のレビュー記事はこちからどうぞ。
絨毯を敷いている面積が狭ければ、ペットの抜け毛はミニモーターヘッドでも対応できる
気になった点はミニモーターヘッドに採用されているナイロンブラシである。このブラシは、2016年に発売されたV8に採用されていた素材と同じである。(2017年に発売されたV7スティック機のブラシとは異なる)。
Animalproの「ダイレクトドライブクリーナーヘッド」に採用されている硬いブラシと同じなので、犬や猫のような抜け毛が多いペットを飼っているが、カーペットを敷いている面積が狭い場合は、標準のFluffyでも対応することができる。
ただし、ミニモーターヘッドは床との接地面に車輪がついていないので、フローリングで使用している際に、硬い固形のゴミがヘッドと床の隙間にかんだりすると傷がつきやすいのでフローリングでの使用は避けたほうがよい。