40Vmaxシリーズから充電式クリーナー(CL003G)が新登場
今後、マキタが最も注力するシリーズ(40Vmax)
最近のマキタは同社が展開する電動工具の40Vmaxシリーズに力を入れており、続々と40Vmaxバッテリーで使い回せる製品が増えています。特に2022年度の増え方は凄まじいです。
40Vmaxシリーズにも充電式クリーナーがラインナップされており、去年の2月にカプセル式の[CL001G]、11月に紙パック式の[CL002G]が発売されました。
さらに、今年の3月にはサイクロンユニットと本体部分が一体化した[CL003G]が新登場!
“狭い場所での掃除のしやすさを実現した”という新モデル[CL003G]の使い勝手はどうなのか?実際に抜け毛の多い猫と生活している筆者の家で2ヶ月間使用して便利さをチェックしてみました。
モデル | CL001G | CL002G | CL003G |
発売日 | 2021年2月 | 2021年11月 | 2022年3月 |
集じん方式 | カプセル式*1 | 紙パック式*1 | サイクロン一体化 |
*1 サイクロンアタッチメントを装着するとサイクロン式になります。
マキタの充電式クリーナーが絶大な支持を得ているワケ
ガテン系の仕事やDIYに詳しくない人はマキタというメーカーを聞いてもピンとこないかもしれません。マキタは日本の大手電動工具メーカーで、国内では電動工具の分野でシェアNo.1の人気ブランドです。マキタの充電式クリーナーは同社の電動工具にも使用されているモーターやバッテリーが採用されているため、吸引力・連続使用時間・充電時間などの基礎的なスペックの高さに定評があります。また、掃除機に使用されている着脱式バッテリーは、同社が展開している電動工具を使い回すことができるメリットも存在します。
マキタのプロ用電動工具のシリーズは、[7.2V][10.8V][14.4V][18V][40Vmax]が展開されており、今回レビューするCL003Gの40Vmaxシリーズはマキタの最上位シリーズとなります。高い電圧のリチウムイオンバッテリー(36V)や、強力なモーターが搭載されているため、クリーナー本体やバッテリーの重量は他シリーズより重たくなりますが、パワーやスタミナなどの基礎的な仕様は最も高くなっています。現在、マキタが注力しているシリーズのため、バッテリーと互換性のある電動工具のラインナップ数は急速に増えていくと考えられます。
40Vmaxシリーズの現行機種
現在の40Vmaxシリーズの充電式クリーナーは、集じん方式が異なる3種類のモデルがラインナップされています。ただし、本体カラーや付属品が異なるモデルも用意されており、上記の組み合わせで20種類のモデルを注文することができます。以前、CL001Gを購入した筆者は、40Vmaxシリーズの充電器とバッテリーを所持しているため、本体のみとなるCL003GZW(ホワイト)を約1万7千円で購入しました。
CL003GZWは隙間ノズルが付属されており、ストレートパイプについたホルダーに収納することができます。色はグリーンとホワイトの2色が用意されており、今回は家庭のリビングやキッチンに出しっぱなしにしていても違和感がないホワイトにしました。ただし、スタンドが付属されていないため、立てかけて収納したい場合は、専用のスタンドを購入するか、フックにストラップを引っ掛けて収納する必要があります。
最大の特徴「サイクロン一体化」でどう変わった?
従来モデルの集じん方式をサイクロン式にチェンジしたい場合は、外付けタイプの「サイクロンアタッチメント」を本体と延長管のあいだに装着する方法がとられていました。
サイクロンアタッチメントの登場により、吸い込んだ空気とゴミが遠心分離され、吸引力が持続したり、本体のお手入れ頻度が少なくなるメリットがあったものの、机や椅子の脚まわりなどごちゃついた障害物が多いエリアではサイクロンアタッチメントが家具にぶつかり取り回しにくいデメリットも存在しました。
新モデルの最大の特徴はサイクロンアタッチメントと本体が一体化し、ダストケースがコンパクトになったこと。この改良により、本体とヘッドの中間部に配置されていたユニットとダストケースがなくなったため、脚付き家具の多いダイニングやリビングなどのエリアもストレスなく掃除ができるようになりました。
なお、CL003Gの本体に装着されているサイクロンユニット部は、同社の40Vmaxシリーズ/14.4Vシリーズ/18Vシリーズのカプセル式モデルと互換性があるため、別売されているユニットを注文することで、CL003Gと同様にサイクロン一体式に変更することも可能です。色はスノーホワイト・オリーブ・ブルーの三色が用意されています。
(対応機種:CL001G/CL280FD/CL281FD/CL180FD/CL181FD/CL140FD/CL141FD)
新しいサイクロンユニットは、外付けタイプのサイクロンアタッチメントのダストケースと互換性があるため、お古のサイクロンアタッチメントのダストケースと交換することで、集じん容量を増やすことも可能でした。
吸込仕事率100Wってどれくらい吸引力が強いの?
モデル | CL001G | CL002G | CL003G |
吸込仕事率 | 125W | 125W | 100W |
集じん方式 | カプセル式*1 | 紙パック式*1 | サイクロン一体化 |
サイクロン一体式になったことで懸念していたのは「吸引力が弱くならないのだろうか?」という点です。実際にメーカーが開示している吸引力の指標となる吸込仕事率は、同シリーズのCL001GやCL002Gより低い数値なので、不安に思っている人もいるのではないでしょうか。
なぜ、この3モデルは同じ本体なのにも関わらず、吸込仕事率の数値に大きな差があるのかというと、マキタが開示しているCL001GやCL002Gの吸込仕事率は、サイクロンアタッチメントを取りつけずに測定した数値だからです。
サイクロンアタッチメントを取りつけると吸引力は低下するため、サイクロンアタッチメントを取りつけた状態のCL001GやCL002GとCL003Gの吸引力を比較すると大きな差はないと考えて問題ないでしょう。
実際にサイクロンアタッチメントを取りつけたCL001Gと、サイクロン一体化式のCL003Gの風速と真空度を測定しましたが、数値に大差はなく、吸口を手にあてた体感でも同等の吸引力だと感じました。
重たいペット用の餌・砂も勢いよく吸い上げる
強い吸引力でないと吸い上げにくい大粒の猫砂やカリカリをフローリングにまき、パワフルモードで吸引できるのか検証。嵩のあるゴミはヘッドを前後に滑らせる動作では吸い取ることはできませんが、ゴミに対してヘッドを被せるようにすると、ダストカップが一杯になるまで重たい猫砂やカリカリを勢いよく吸い上げました。すごいのが深さ1cmのミゾに落ちた猫砂やカリカリまでグイグイと吸い上げることです。
微細なゴミは往復せずに吸い取れる
猫砂より軽くて微細なオガクズの吸引力もチェックしてみました。パワフルモードで往復させずに通過させただけでオガクズがしっかり吸いとられていきました。ヘッドの先端から数センチくらい離れたところのゴミがスッと吸い込まれていくシーンで吸引力が強いことがわかると思います。吸い込んだオガクズはダストカップ内で遠心分離されるため、MAXラインまで重曹を吸引しても強い吸引力が持続するの高いポイントです。
髪の毛やペットの毛を絡めずに吸い取れる
髪の毛やペットの毛もヘッドを伸ばしていくと、吸込口がゴミの下にくる前にヒュッとヘッドの先端に向かって吸われていきます。マキタのヘッドの吸込口には回転ブラシがついていないため、カーペットからゴミを掻きだす集じん力は低いものの、糸くずのような長いゴミがヘッドに絡まないメリットが存在します。掃除後のうんざりするブラシのお手入れが不要なのもズボラの筆者には嬉しいポイントです。
カーペットに絡みついた猫の毛はフロア・カーペットノズルが最適
コンパクトなノーマルヘッドを採用しているマキタの充電式クリーナーは、「軽くて取り回しやすい」「軽い力でヘッドを上げ下げできる」「吸口のお手入れが不要」というメリットがあるものの、回転ブラシがついていないため、カーペットからゴミを掻きだす集じん力が低いデメリットが存在します。
カーペットに絡みついたゴミをしっかり掃除したい場合は、毛取りブラシとナイロンブラシが採用されているフロア・カーペットノズル(別売)がおすすめです。先端部と中間部にある「毛取りブラシ」がカーペットやラグに頑固に絡みついた猫の毛もしっかり絡め取り、後端部のナイロンブラシがフローリングに付着した汚れを拭き取ってくれます。
現在、マキタからは2種類のフロア・カーペットノズルが別売されており、新モデルは大きなゴミを効率よく吸い取り、従来モデルは新モデルより小回りが効きます(詳細は下記のリンク先からどうぞ)。
各運転モードの連続使用時間はどれくらいなの?
運転モード | エコ | 標準 | 強 | パワフル |
連続使用時間 | 80分 | 40分 | 25分 | 16分 |
CL003Gの運転モードは、[エコ]・[標準]・[強]・[パワフル]の4種類に切りかえることができます。
各運転モードの運転時間は上記のとなっており、吸引力が一番強い[パワフルモード]でも16分使用できるので、6帖×4のフロアの清掃中にバッテリー切れを起こすことはありませんでした。
掃除機に費やす時間が16分を越えてしまうほど清掃範囲が広い場合は、吸引モードを下げることで、バッテリーを節電することができるので、焦って掃除をすることもないです。
基本的に筆者は[強モード]を多用し、カーペットなどをしっかり掃除したい場所では[パワフルモード]に切り替えます。[エコモード]と[標準モード]は運転音が静かなので、掃除機がけが迷惑になる時間帯に使用する際に役立ちます。
40Vmaxシリーズ以外のモデルは、最後に選択した運転モードが記憶されなかったので、清掃開始時のモード選択にちょっとした一手間がかかっていました。
ボタンを押さないと残量が確認できないので、面倒なうえ、フル充電されていない状態で掃除をしていると、うっかりバッテリーギレを起こすことがあります。
充電方法はどうやるの?
基本的にマキタの充電式クリーナーは同社が展開する電動工具と同じ「着脱式バッテリー」が採用されているため、バッテリーを本体から取り外してから、充電器にセットして充電します。
CL003Gも同社の40maxシリーズの電動工具の着脱式バッテリーが採用されているため、本体からバッテリーを取り外して充電器で充電を行います。
家電メーカーのコードレス掃除機はスタンドに収納すると同時に充電できる製品が多いですが、CL003Gはバッテリーを着脱する必要があるため、充電にちょっとした一手間がかかるのがネックとなります。
また、電器はバッテリーを冷却しながら充電するため、充電器はバッテリーを冷却しながら充電するため、充電スピードは電気メーカーの製品より早いですが、充電中はファンの音がかなりうるさいです。
バッテリーの充電時間はどれくらい?
バッテリーと充電器付きのCL0031GRDW/Oには、BL4025(バッテリ)とDC40RA(充電器)が同梱されており、約19分で80%充電、約28分でフル充電することができます。前述したように充電時にバッテリーを取り外す手間がかかりますが、冷却機能付きの急速充電器で充電するため、家電メーカーの製品が真似できないほど短時間で充電する特長を持っています。
品名 | BL4025 | BL4040 | BL4050F |
容量 | 2.5Ah | 4.0Ah | 5.0Ah |
充電時間 実用充電(80%) | 19分 | 31分 | 38分 |
充電時間 フル充電(100%) | 28分 | 45分 | 50分 |
重量 | 約710g | 約1,000g | 約1,300g |
バッテリーはBL4025(2.5Ah)の他に、容量が大きいBL4040(4.0Ah)やBL4050(5.0Ah)も別売されています。一回の充電でより長時間掃除をしたい場合は、容量の大きい予備バッテリーを用意すると、何度も充電する手間がはぶけます。しかし、容量が大きいバッテリーは充電時間が長くなることと、重量が重たくデメリットが存在します。また、値段も張ります。
ゴミ捨ては簡単?CL003Gのゴミ捨て方法
CL003Gはサイクロンユニットを本体部分と一体化したことで、「強い吸引力が持続する」「フィルターが目詰まりしにくい」「狭い場所でも取り回しやすい」を実現しています。
ダストカップ容量(250ml)は小さくなっているため、すぐにゴミが満杯になりやすいですが、簡単にゴミ捨てができるので、集じん容量の小ささに不満を感じることはありませんでした。
左右のボタンを押しながらダストケースをユニットから取り外します。高機能タイプの製品のようにワンタッチとはいきませんが、ゴミを落とす速度を調整できるので、ゴミ捨て時に塵が舞いにくいメリットが存在します。
猫の毛・髪の毛・綿埃などはダストケース内で圧縮されて丸くなりますが、これらのゴミが圧縮されず、メッシュフィルターに絡みつくこともあるので、ゴミ捨てラインにゴミが到達していなくても、掃除後にこまめにゴミを捨てるのがオススメです。
CL003Gのダストケースの集じん容量は250mlと、カプセル式やサイクロンアタッチメントの集じん容量に比べるとこぶりになります。一度にゴミを吸引する量が多い用途では、サイクロンアタッチメントのダストケースを取りつけて400mlに増やすとよいでしょう。
掃除機の排気でアレルギー症状がでたり、本体に侵入する粉塵を抑えたい場合は、別売されているHEPAフィルター(A-74457)の取り付けをオススメします。HEPAフィルターは空気清浄機にも採用されているフィルターで、0.3マイクロメートルの粒子を99.97%以上キャッチする性能があります。
筆者はアレルギー体質ではありませんが、クリーナー本体を分解して中をお手入れするのが面倒なので、HEPAフィルターを取りつけて使用しています。同社の他のモデルにもHEPAフィルターを装着していますが、本体内部に塵が溜まりにくくなりました。
CL003Gのお手入れ方法と頻度
コードレス掃除機で手軽にフロア掃除ができるようになっても、お手入れが面倒だったり、頻度が多いとうんざりします。CL003Gのゴミ捨ては簡単に行えましたが、お手入れ方法は簡単なのか解説していきます。実際に分解してお手入れした動画を視聴したい場合は、後述するYouTubeの動画を見ていただけると幸いです。
CL003Gで毎日家中掃除をするようになって約2ヶ月が経ちましたが、フィルターの汚れ具合は2週間でこの程度なので、フィルターの水洗いをする目安は一ヶ月に1度で十分だと感じました。家で吸引した大半のゴミはサイクロンユニットで遠心分離されるため、面倒なお手入れから解放されるメリットは大きいです。
ダストケース内に配置されているメッシュフィルターは回して取り外すことができます。このフィルター部は、「メッシュフィルタ」「スポンジフィルター」「メッシュパイプ」3つのフィルターで構成されており、各フィルターは丸洗いすることが可能です。
こまめにゴミ捨てを行っていれば、外側のメッシュフィルターに髪の毛や綿埃は絡みつきませんが、ゴミが付着していても簡単に除去できるので手間はかかりません。スポンジフィルタに付着した塵は水洗いしないと除去できないため、月に1度はお手入れが必要だと感じました。
サイクロンユニットもくるっと回して簡単に取り外すことができます。ユニットと本体のあいだに高機能フィルターが配置されており、本機から引き抜いて水洗いすることができます。サイクロンユニットは説明書に水洗いできるのか記載されていませんが、水洗いしても問題ありませんでした。
サイクロンユニットやフィルター部は説明書を見なくても直感的に分解することができました。ゴミが通過するパーツは全て丸洗いすることができるので、メンテナンス性も高く衛生的です。本体内部のお手入れ頻度も少なくしたい場合は、前述した集じん捕集効率が高いHEPAフィルターを装着して使用するのがオススメです。
本体は軽い?重たくて手が痛くならない?
モデル | CL001G | CL002G | CL003G |
重量 | 1.6kg | 1.7kg | 1.8kg |
CL003Gはサイクロンユニットを本体部分を一体化しているうえ、パワーやスタミナがあるバッテリーやモーターを搭載している最上位シリーズのため、バッテリーを装着したCL003Gの本体重量は約1.8kgとズシッと感じる重さです。
目についたゴミをサッと掃除したり、掃除機を設置している部屋の床だけを掃除する分には気になる重さではありませんが、家中丸ごと掃除をしていると、男の筆者でも途中で前腕が痛くなります。
※カタログでは重量は1.8kgと記載されていますが、当サイトで測定すると1.93kgありました。
マキタの充電式クリーナーは手元に重たいパーツが集中しているため、腕を曲げた状態で何度もヘッドを前後に動かしていると、前腕が痛くなってきます。しかし、腕を伸ばした状態で振り子のように腕を振ることで、前腕の痛みを抑えられるので、掃除中に腕がだるくなったときに試してみてください。
モデル | CL001G | CL002G | CL003G |
全長 | 1,066mm *1 | 1,066mm *1 | 1,106mm |
CL003Gは同シリーズのCL001GやCL002Gより全長が4cmほど長くなっています。身長が低くてマキタの充電式クリーナーが使いにくいという場合は、ショートサイズのストレートパイプ340を装着することをオススメします。
CL003Gの騒音値
動画でCL003Gの運転音を聴く
コードレス掃除機がメイン機として使われるようになったことで、従来より静音化された製品が増えている傾向があります。特に静かになったと感じたのが、運転音の大きさで批判的な口コミの多かったダイソンで、同社の比較的新しいモデルはかなり静かになっています。
マキタも2019年に発売された18Vのモデル(CL280FD/CL281FD/CL282FD)は騒音が従来機とくらべて大きく低減されています。CL003Gはその18Vシリーズの静音化されたモデルや、ダイソンの人気モデル(V12)よりも、運転音は静かになっており、家中のフロアを快適に掃除することができます。
ただし、パワフルモードはモーターが高回転するのでさすがに静かだとは言えません。
40Vmaxシリーズのモデルのスペックがひとめで分かる性能比較表
マキタが販売している充電式クリーナーの仕様がわかる性能比較表や、筆者がオススメしているモデルが知りたい場合は、下記のリンク先からアクセスしていただけると幸いです。基礎的なスペックをまとめているので、今お使いのモデルと新しいモデルとの比較にも役立ちます。
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