ダイソンV6シリーズの特徴
第5弾目のスティック型コードレス掃除機
ダイソンは2015年5月に第5弾目となるスティック型コードレス掃除機「V6シリーズ」を発売した。V6のスティック型のラインナップには、従来モデル(DC62,DC74)に搭載されていた、硬いナイロンブラシでカーペットの奥からゴミをかきだす「カーボンファイバーブラシ搭載モーターヘッド」や、柔らかなフェルトローラーで大小のゴミを残さずキャッチする「ソフトローラークリーナーヘッド」が標準装備されている。加えて同年9月には、ペットがいる家庭に最適な「ダイレクトドライブクリーナーヘッド」を搭載したモデルも発売した。
新モデルの本体に搭載されている、1分間に11000回転する「デジタルモータV6」と、2層に配置された15個のサイクロンを搭載した「2ティアーラジアルサイクロン」は、従来モデルと同じ仕様である。しかし、新モデルには新たに部屋の空気より綺麗な空気を排出する「ポストモーターフィルター」が搭載されているため、従来モデルより排気性能が向上している。また、稼動音の大きさで悪評があったダイソンの掃除機であったが、新モデルは従来モデルのDC62より30%低騒音化しているという。
ダイソンV6シリーズの種類
モデル名 | Dyson V6 Motorhead | Dyson V6 Motorhead+ |
型式 | SV07 MH | SV07 MH COM |
吸込仕事率 | 通常:28W MAX:100W | 通常:28W MAX:100W |
連続使用時間 ヘッド装着時 | 通常☆:17分 通常★:20分 | 通常☆:17分 通常★:20分 |
ミニモーターヘッド | ||
コンビネーションノズル | ||
隙間ノズル | ||
フトンツール | × | |
ハードブラシ | × | |
延長ホース | × | |
収納用ブラケット | ○ | ○ |
「V6 Motorhead」からはじまるモデルは2種類
V6シリーズで「Motorhead」からはじまるモデルは上記の2種類があり、2種類のモデルの床用ヘッドには、DC62に搭載されていた「カーボンファイバーブラシ搭載モーターヘッド」が標準装備されている。2種類のモデルの違いは、本体側の仕様は同じとなり、違いは色と付属品となる。
「Motorhead」には標準付属品である「ミニモーターヘッド」「コンビネーションノズル」「隙間ノズル」の3点が付属されている。「Motorhead+」には、標準装備の付属品の3点に加え、「フトンツール」「ハードブラシ」「延長ホース」が同梱されている。
モデル名 | Dyson V6 Fluffy | Dyson V6 Fluffy+ | Dyson V6 Fluffypro |
型式 | SV09 MH | SV09 MH COM | SV09 MH PRO |
吸込仕事率 | 通常:28W MAX:100W | 通常:28W MAX:100W | 通常:28W MAX:100W |
連続使用時間 ヘッド装着時 | 通常☆:16分 通常★:20分 強:6分 | 通常☆:16分 通常★:20分 強:6分 | 通常☆:16分 通常★:20分 強:6分 |
ミニモーターヘッド | |||
コンビネーションノズル | |||
隙間ノズル | |||
フトンツール | × | ||
ハードブラシ | × | ||
延長ホース | × | ||
収納用ブラケット | ○ | ○ | ○ |
「V6 Fluffy」からはじまるモデルは3種類
V6シリーズで「Fluffy」からはじまるモデルは上記の3種類があり、3種類のモデルの床用ヘッドには、DC74に搭載されていた「ソフトローラークリーナーヘッド」が標準装備されている。それぞれの違いは、本体側の仕様は同じとなり、違いは色と付属品となる。(通常★はモーター駆動のヘッドを装着した連続使用時間)
「Fluffy」には標準付属品である「ミニモーターヘッド」「コンビネーションノズル」「隙間ノズル」の3点が付属されている。「Fluffy+」と「Fluffypro」には、標準装備の付属品の3点に加え、「フトンツール」「ハードブラシ」「延長ホース」が同梱されている。「Fluffy+」と「Fluffypro」はヘッドも付属品も同じ色違いのモデルで、「Fluffypro」は「ダイソンのオンラインショップ」でしか購入することができない。
モデル名 | Dyson V6 Animalpro |
型式 | SV09 MH |
吸込仕事率 | 通常:28W MAX:100W |
連続使用時間 ヘッド装着時 | 通常☆:16分 通常★:20分 |
ミニモーターヘッド | |
コンビネーションノズル | |
隙間ノズル | |
フトンツール | |
ハードブラシ | |
延長ホース | |
収納用ブラケット | ○ |
「V6 Animalpro」からはじまるモデルは1種類
2015年9月にV6シリーズに新しいモデル「V6 Animalpro」が加わった。このモデルの床用ヘッドには、ペットからでるハウスダストや抜け毛の集じん力が優れている「ダイレクトドライブクリーナーヘッド」が搭載されている。付属品は、標準付属品である「ミニモーターヘッド」「コンビネーションノズル」「隙間ノズル」の3点に加え、「フトンツール」「ハードブラシ」「延長ホース」が同梱されている。(通常★はモーター駆動のヘッドを装着した連続使用時間)
Image | |||||||||
モデル名 | Dyson V6 Mattress | Dyson V6 Mattress+ | Dyson V6 Trigger | Dyson V6 Trigger+ | Dyson V6 Triggerpro | Dyson V6 Car+Boat | Dyson V6 Car+Boat Extra | Dyson V6 Top Dog | Dyson V6 Baby+Child |
型式 | HH08 COM | HH08 COM N | HH08 MH | HH08 MH SP | HH08 MH PRO 直販限定 | HH08 DC CB | HH08 MH CB2 直販限定 | HH 08 MH PT 直販限定 | HH08 DC BC 直販限定 |
吸込仕事率 | 通常:28W MAX:100W | 通常:28W MAX:100W | 通常:28W MAX:100W | 通常:28W MAX:100W | 通常:28W MAX:100W | 通常:28W MAX:100W | 通常:28W MAX:100W | 通常:28W MAX:100W | 通常:28W MAX:100W |
連続使用時間 ヘッド装着時 | 通常:20分 通常★:17分 強:6分 | 通常☆:20分 通常★:17分 強:6分 | 通常☆:20分 通常★:17分 強:6分 | 通常☆:20分 通常★:17分 強:6分 | 通常☆:20分 通常★:17分 強:6分 | 通常☆:20分 通常★:17分 強:6分 | 通常☆:20分 通常★:17分 強:6分 | 通常☆:20分 通常★:17分 強:6分 | 通常☆:20分 通常★:17分 強:6分 |
ミニモーターヘッド | × | ||||||||
コンビネーションノズル | |||||||||
隙間ノズル | |||||||||
フトンツール | × | × | × | × | × | ||||
ハードブラシ | × | × | × | ||||||
ミニソフトブラシ | × | × | × | × | × | × | |||
延長ホース | × | × | × | × | |||||
車用充電器(12V) | × | × | × | × | × | × | ○ | × | × |
収納用ブラケット | × | × | × | × | × | × | × | × | × |
V6 ハンディクリーナーの種類
V6シリーズには、延長管や床用ヘッドを装備していないハンディクリーナーも販売されている。現在、Dyson V6から始まるハンディクリーナーの機種は上記の9機種。この9機種については、本体側の仕様は同じとなっているので、「連続使用時間」や「充電時間」は同じとなっている。(通常★はモーター駆動のヘッドを装着した連続使用時間)。
各モデルの違いは色と付属品に違いがある。ちなみに、ハンディクリーナーを購入してから、やっぱり床の掃除もしたいという人が多く、並行輸入品の「V6用延長管」や「V6用モーターヘッド」を後から購入する人が増えている。今一度よく考えてから購入したほうがよいだろう。
付属品(アタッチメント)は単品で購入できる
新しく発売されたV6シリーズのモデルは非常に種類が豊富なため、ダイソン初心者の方が見ると頭がパニックりそうになりそうだが、これらのモデルは本体側の仕様は同じとなり、違いは色と標準装備のヘッドと付属品となるので難しく考えることはありません。「上の表」や当サイトの「ダイソン性能比較表」を見ていただければ付属品の違いがひとめで分かります。去年からダイソンの公式ページでも分かりやすく表にされているので、「公式サイトの比較表(下部)」もおすすめです。
専用ツール(アタッチメント)は、ダイソンの公式オンラインストアで単品販売されているため、あとで他の専用ツールが欲しくなっても購入することも可能です。ちなみに、アマゾンなどで販売されている専用ツールが、公式オンラインストアより安くなっているのは、海外で販売されている「正規品(並行輸入品)」だからです。並行輸入品は価格が大幅にやすくなるメリットがあるものの、1年間の保証期間がつかないデメリットもあります。ただし、モーター駆動でない専用ツール(ノズル)は、普通に使っていれば壊れることはありません。
V6と従来モデル(DC62,DC74)の違いは「排気性能」
部屋の空気より綺麗な空気を排出している「V6」
まずはじめに、「DC62(2013年発売)」と「DC74(2014年発売)」の本体は同じになっており、それぞれの違いは標準装備されている床用のモーターヘッドとなる。DC62は「カーボンファイバーブラシ搭載モーターヘッド」、DC74は「ソフトローラークリーナーヘッド」が搭載。V6シリーズには、DC62やDC74と同じモータヘッドを搭載しているモデルがラインアップされているため、吸引力の目安となる吸込仕事率や、モーターヘッドがゴミをかきだす集じん力は従来モデルと同等となっている。
新しいモデルと、DC62やDC74といった従来モデルとの違いはフィルターとなっている。サイクロン上部に配置されているプレモーターフィルターは従来モデルと同じ簡単に着脱できる差込式が採用されているが、V6シリーズの本体後部には排気性能が空気清浄器にも採用されているHEPAレベルの「ポストモーターフィルター」が新たに搭載されているのだ。ポストモーターフィルターは0.3ミクロンもの微細な粒子を99.97%以上捕らえるため、キャッチコピー通り部屋の空気よりもきれいな空気を排出する。
上の動画は、排気の可視化をこころみるため、スモークマシンから排出されるスモークを本体製品に吸わせているダイソンが公開したデモンストレーションである。個人的に従来モデルとも比較してほしかったのだが、この動画では競合メーカーの製品と比較さている。わたしはどちらの製品も持っているので稼動音を聞いただけで分かるのだが、比較されている製品は、ダイソンと同じ海外メーカーでコードレス掃除機の先駆け的存在のエルゴラピードから発売されているエレクトロラックスと、ダイソンと同じ2段式サイクロン方式を採用していている東芝のトルネオVコードレスだろう。
微粒子の可視化実験では、ダイソンV6は放出された0.25ミクロンから60ミクロンのスモーク粒子をクリアビン(ダストカップ)に送り込んでいることがわかる。一方、競合メーカーの製品はスモーク粒子を捕らえきるができず、排気口から勢いよく飛び出していく様子が見てとれる。また、各パーツの密閉性が低いためか、排気口以外からもスモークが漏れ出している。このデモからダイソンV6は、ハウスダストの粒子捕集率が高く、密閉性の高い精密な製品設計を実現していることがわかる。
V6シリーズ モーターヘッドの種類と特徴
・コンパクトだから、狭い場所でも小回りよくスムーズに動かせる
・質量が軽いから、ヘッドの上げ下げしても手首に負担がかかりにくい(約520g)
・硬いナイロンブラシが搭載されているから、絨毯の集じん力が優れている
・コンパクトだから、広い部屋を効率よく掃除ができない
・ナイロンブラシが搭載されているから、髪の毛が絡みやすい
カーボンファイバーブラシ搭載モーターヘッドの特徴
「カーボンファイバーブラシ搭載モーターヘッド」は、従来モデル「DC62」にも採用されていたスタンダードモデルの床用ヘッドだ。回転するブラシバーには絨毯やフローリングの溝からゴミをかきだす紫の「ナイロンブラシ」と、フローリング表面から静電気を発生させずに埃を取り除く黒い「カーボンファイバーブラシ」の2種類のブラシが組み合わせられている。どのヘッドよりもコンパクトな設計になっているため、広い部屋では他のヘッドに比べると掃除の効率がおちるが、家具がたくさん置かれた狭い部屋や、机や椅子の脚周りのような狭い場所の掃除では、一番小回りよくスムーズに掃除ができるメリットがある。さらにヘッドの重量が一番軽くなっているため、段差をまたぐときに軽い力でヘッドを上げ下げすることができ、長時間掃除をした場合は、最も手首に負担がかかりにくいヘッドでもある。3種類の中では一番古いタイプのヘッドとなるが、硬いナイロンブラシが搭載されているので、カーペットからゴミをかきだす集じん力は、新しい「ソフトローラークリーナーヘッド」より優れており人気が高い。
・開口部から広いから、大小のゴミをキャッチできる
・柔らかいナイロンフェルトに覆われているから、フローリングの拭き取り能力が高い
・硬いナイロンブラシが搭載されていないから、髪の毛が絡まりにくい
・吸込口とローラーの幅が広いから、広い場所を効率よく掃除ができる
・ヘッドの質量が重いから、ヘッドを上げ下げする動作を繰り返していると手首に負担がかかりやすい(約760g)
・硬いナイロンブラシが搭載されていないから、絨毯の集じん能力が一番低い
・ヘッドの幅が広いから、机や椅子の脚周りのような狭い場所では取り回しにくい
ソフトローラークリーナーヘッドの特徴
前年モデル「DC74」に標準装備されていた「ソフトローラークリーナーヘッド」の最大の特徴は、大きなローラーと広い開口部によって、従来のヘッドでは吸引できなかったヘッドと床の隙間に入らない大きさのゴミもヘッドをゴミに対してかぶせたりすることなく吸引できることだ。また、ソフトローラーは柔らかな「ナイロンフェルト」に覆われているため、フローリング表面の拭き取り能力が優れている。「カーボンファイバーブラシ」も4列に配置されており、フローリング表面から静電気を発生させずに埃を除去する。他のヘッドのように硬いブラシが搭載されていないので、カーペットの集じん力は2種類のヘッドより劣るものの、髪の毛やペットの毛のような長いゴミが絡みにくく、これらのゴミを除去する面倒なお手入れから解放されるメリットは大きい。最も絨毯繊維に優しいモーターヘッドといえるだろう。
・一番硬いブラシが搭載されているから、絨毯の集じん力が一番優れている
・ペットから発生するハウスダストや抜け毛を絨毯からかきだす集じん力が優れている
・吸込口とローラーの幅が広いから、広い場所を効率よく掃除ができる
・回転ブラシの集じん力が強すぎるから、絨毯を掃除すると遊び毛や毛羽立ちを誘発させやすい
・ヘッドの質量が重いから、ヘッドを上げ下げする動作を繰り返していると手首に負担がかかりやすい(約680g)
・ヘッドの幅が広いから、机や椅子の脚周りのような狭い場所では取り回しにくい
・硬いナイロンブラシが搭載されていないから、絨毯の集じん能力が一番低い
ダイレクトドライブクリーナーヘッドの特徴
V6シリーズから後発で登場したAnimalproには、ペットオーナー向けに作られた、「ダイレクトドライブクリーナーヘッド」が搭載されている。ヘッドの吸込口と回転ローラーの幅は「ソフトローラークリーナーヘッド」と同じなので、広い床を効率よく掃除ができる。従来の「カーボンファイバーブラシ搭載モーターヘッド」と同じ「ナイロンブラシ」と「カーボンファイバーブラシ」の2種類のブラシを搭載しているが、ナイロンブラシがさらに硬くなっているため、カーペットに絡み付いたペットの抜け毛やハウスダストをかきだす能力が3種類の中でもっとも優れている。硬いブラシを搭載するとともに、ブラシパワーが従来モデルのDC62より75%もアップしているので、ペットを飼われている家庭やハウスダストが原因でアレルギーに悩まれている方におすすめのヘッドだ。ただし、硬いナイロンブラシはゴミをかきだす能力が高い分、カーペットの絨毯繊維を傷めやすく、3種類のヘッドの中でもっとも毛羽立ちや遊び毛を誘発しやすい欠点も存在する。
V6吸込仕事率(吸引力)
モデル | DC62 | DC74 | V6 |
発売日 | 2014年 | 2015年 | 2016年 |
吸込仕事率 | 通常:28WA MAX:100WA | 通常:28WA MAX:100WA | 通常:28WA MAX:100WA |
モーターヘッドによってゴミの除去率が変わる
新モデル(V6)は、従来モデル(DC62/DC74)と同じモーター、サイクロンシステム、バッテリーが搭載されているため、吸込仕事率の仕様は以前と同じままになっている。しかし、標準装備されているモーターヘッドが機種によって異なるため、吸い取るゴミや掃除する床の種類によってダストピックアップ率(ゴミの除去率)が変わる。そのため、自分の家のフロアや吸引するゴミに合ったモーターヘッドが装備されたモデルを選ぶことが、V6の選び方で最も大事なポイントとなるといえるだろう。
フローリング | 畳 | 絨毯 | 大きなゴミ | 髪の絡まり | 毛羽立ち誘発度 |
◎ | ○ | ○ | △ | 絡みやすい | ●● |
「カーボンファイバーブラシ搭載モーターヘッド」に適したゴミと床
V6 Motorheadに標準装備されている「カーボンファイバーブラシ搭載モーターヘッド」はDC62に採用されていたモーターヘッドと同じである。V6シリーズに採用されている3種類のモーターヘッドの中で最も小型・軽量な設計になっているスタンダードなモデルで人気が高い。このヘッドは小回りよくスムーズに動かせる利点を持っているため、机や椅子周りなどの狭い場所の掃除が得意としている。なので、部屋数が少ない家や、家具などがたくさん置かれて部屋のスペースが狭い場合に最適である。回転するブラシバーには、やや硬めの「ナイロンブラシ」と「カーボンファイバーブラシ」が搭載されているので、フローリングやカーペットどちらのフロアにも対応している。
フローリング | 畳 | 絨毯 | 大きなゴミ | 髪の絡まり | 毛羽立ち誘発度 |
◎ | ◎ | △ | ◎ | 絡みにくい | ● |
「ソフトローラークリーナーヘッド」に適したゴミと床
「カーボンファイバーブラシ搭載モーターヘッド」や「ダイレクトドライブクリーナーヘッド」は、ヘッドと床の隙間が狭い設計上、ヘッドを前後に滑らせる動作だとヘッド前面で大きなゴミを押し出してしまったり、大きなゴミに対してヘッドをかぶせるように吸わせても回転するブラシが弾いてしまう利点が存在する。また、どちらも硬いナイロンブラシが搭載されているため、髪の毛や絨毯の繊維などがブラシに絡みやすく定期的にお手入れが必要となる。
一方、「ソフトローラーモーターヘッド」の特徴は、大きなローラーと広い開口部によって、他のモーターヘッドでは吸引できない大きなゴミをヘッドを持ち上げてかぶせたりすることなく吸引することができる利点がある。そのため、普通の掃除から、比較的嵩のあるような固形のゴミ(米粒やペット用の砂)を吸い取る掃除にも適している。また、硬いナイロンブラシが搭載されていないため、髪の毛や糸くずのような長いゴミが絡みにくくなっており、頻繁にヘッドのお手入れをしなくてもよいメリットも存在する。
しかし、「ソフトローラーモーターヘッド」には、硬いナイロンブラシが搭載されていないため、毛足が長いカーペットやラグの奥深くに入り込んだ微細なゴミをかきだす集じん能力が3種類のヘッドの中でもっとも低い。毛足が短いカーペットやフローリングに対応しているが、カーペットからより多くのハウスダストを除去したいのであれば、他のモーターヘッドが装備されたモデルのほうがよいだろう。
フローリング | 畳 | 絨毯 | 大きなゴミ | 髪の絡まり | 毛羽立ち誘発 |
◎ | ○ | ◎ | △ | 絡みやすい | ●●●● |
「ダイレクトドライブクリーナーヘッド」に適したゴミと床
「ダイレクトドライブクリーナーヘッド」は「カーボンファイバーブラシ搭載モーターヘッド」と同じ、ナイロンブラシとカーボンブラシを組み合わせたヘッドであるが、ブラシパワーがパワーアップしたとともに、ナイロンブラシがさらに硬くなっているため、特にカーペットにおける集じん性能が大幅に向上している。
ただし、「ソフトローラークリーナーヘッド」と同じ全幅タイプのローラーなので広い部屋も効率よく掃除ができる反面、机の足回りなど狭い場所の掃除では取り回しが悪い欠点がある。ペットを飼っている家庭向けに作られたモーターヘッドなので、ペットから発生する抜け毛やハウスダストを集じんする能力が高い反面、カーペットの遊び毛や毛羽立ちをもっとも誘発させやすい欠点も存在する。
一般的なモーターヘッドと同じように回転するブラシバーにナイロンブラシを搭載したモーターヘッドなので、絨毯の毛羽を誘発させたり、遊び毛を抜いてしまうこと自体は仕方がないことであるが、新しいカーペットやラグを掃除すると3種類の中で最も微細なゴミを吸引するものの、遊び毛を大量に刈り取ってしまうので、最も絨毯繊維を傷めやすいヘッドともいえるだろう。
標準装備されているモーターヘッドが床に合わない場合は、こちらのヘッドもおすすめ
ダイソンの製品を使用しているユーザーの中には、床の種類やゴミの種類によっては、回転ブラシが搭載されているモーターヘッドの使用を嫌うユーザーもいる。そこで、回転ブラシのついていない「フラットアウトツール」や「ハードフロアツール」を購入するユーザーも少なくない。この2種類のヘッドは国内の直営店では販売されていない並行輸入品となるが、2015年までに発売されたモデルに装着して使用することが可能となっている。もし、標準装備されているモーターヘッドが、家の床やゴミに合わない場合は、これらのヘッドを装着して使用することをおすすめしたい。それぞれの特徴を説明した記事は下の記事からどうぞ。
V6の集じん方式
2層に配置された15個のサイクロンで遠心分離
新製品のV6には、従来モデル(DC62/DC74)や翌年モデル(V8)と同じ、「2 Tier Radial™(ティアーラジアル)サイクロン」が採用されれている。2層に配置された15個のサイクロンが搭載された「2 Tier Radial™(ティアーラジアル)サイクロン」は、2011~2012年に発売されたDC35やDC45に採用されていた、6個のサイクロンが搭載されていた「ルートサイクロン」より、遠心力も強くなり強いGがかかっているため、微細なゴミの分離能力がさらに向上している。
ダイソンのサイクロン集じんは、はじめに吸い込んだ空気とゴミを透明なクリアビンの中で遠心分離される。しかし、ゴミの中にはクリアビンの底面だけに溜まることが苦手な種類の微細なゴミも多くあり、そのような微細なゴミはクリアビンの中央部にあるシュラウドのメッシュを通り抜け、上部にある15個の円錐形サイクロンで生み出される強力な遠心力により分離されてクリアビンに回収される。
ゴミの捨て方
ゴミの捨て方も同じサイクロンテクノロジーが採用されている従来モデル(DC62/DC74)と同じになっており、クリアビン後部にある赤いレバーを押し下げることにより、クリアビン底のフタが開き、ゴミを落とすことができる。ゴミを捨てる際に勢いよくクリアビンの底のフタを開けると埃が舞い上がりやすいため、底フタに手を添えながら、ゆっくりフタを開けながらゴミを捨てたほうがよいだろう。
ちなみにダイソンの製品は国内メーカーが販売している高級モデルに比べるとゴミを捨てる際に埃が舞い上がりやすいので、当サイトでは大きなフタ付きのゴミ箱を使用することをおすすめしている。ダイソン本体がすっぽり収まるような口のゴミ箱だと、埃の舞い上がりを最小限に抑えられるうえに、浮遊するような埃もゴミ捨て後にフタをすぐに閉めれば埃の舞い上がりを抑えられる。
フィルターのお手入れ方法
V6にはDC61、DC62、DC74と共通のフィルターが採用されており、2011~2012年に発売されたDC35やDC45に採用されていた楕円形のフィルターと違い、筒状のフィルターとなっている。このフィルターは着脱が容易にできるようサイクロン中心部に差し込んである仕様となっているため、お手入れの際に手間をかけずにフィルターを着脱し水洗いすることができる。本体後部に配置されているポストモーターフィルターも水洗いが可能となっており、繰り返し使用することが可能となっている。
わたしは木工で発生した木粉や大鋸屑をよく吸引していたが、このような微細なゴミを一度に大量に吸引すると、いかにゴミの分離能力が優れているダイソンといえど、上部に配置されている円錐形のサイクロンをくぐりぬけてしまう微細なゴミがわずかに発生するため、毎日部屋の掃除をする場合、マニュアルに記載されている通り、一ヶ月毎にお手入れしたほうがよいだろう。(フィルターが詰まった状態で掃除をしているとモーターに負荷がかかり故障の原因となるため)
V6のバッテリー仕様
DC62 | DC74 | モデル | V6 | V8 |
2013年 | 2014年 | 発売日 | 2015年 | 2016年 |
17分 | 16分 | 通常モード | 16分 | 25分 |
6分 | 6分 | MAXモード | 6分 | 7分 |
3.5時間 | 3.5時間 | 充電時間 | 3.5時間 | 5.5時間 |
連続運転時間と充電時間
V6は3.5時間の充電で、モーター駆動のヘッドを装着して稼動した場合、「通常モードで16分」「MAXモードで6分」の掃除ができる。V6のバッテリーや充電アダプターは従来モデル(DC61/DC62/DC74)と同じものが採用されているため、稼働時間や充電時間に差はほとんどない。DC62やV6motorheadだけ通常モードの稼働時間が1分長いのは、従来の「カーボンファイバーブラシ搭載モーターヘッド」が搭載されているため、供給電力が少し低いからであろう。
人それぞれ掃除機に費やす時間が異なるが、個人的に4部屋程度の掃除であれば、通常モードの16分間でも終わらせることができた。しかし、階段や廊下、棚や家具の掃除までみっちり掃除をしてした場合、とても16分間では掃除を済ませることはできなかった。一度手持ちの掃除機で、どらくらいの時間を費やすのか計ってみて、軽く16分以上かかってしまう場合は、稼働時間が約2倍に延長された翌年モデル(V8)も選択肢に入れてみてはいかがだろうか。
充電方法
新製品のV6の充電方法は、歴代のモデルと同じように、充電アダプターを本体に直接差し込んで充電するか、収納用ホルダーを使って壁に立てかけて充電を行う2種類の方法がある。収納用ホルダーを使うと省スペースで収納しながら充電できるメリットがあるものの、収納用ホルダーを壁にネジ止めしなければいけないため、壁に傷をつけられない賃貸住宅での使用は難しいかもしれない。どうしても立てかけながら充電したい場合は、カラーボックスなどの「木製の家具」や「ディアーウォール」や「ダイソン専用のスタンド」を使用して2×4材に固定する方法がある。
バッテリーの交換方法
Dyson V6シリーズのモデルに搭載されているリチウムイオンバッテリーは、本体にネジ止めされているため、プラスドライバーがあれば自分で交換することが可能である。純正バッテリーはDC62/DC74と互換性があり、「話そうダイソン」から注文がすることができる。
バッテリー | 8640円 |
送料 | 648円 |
合計 | 9288円 |
互換バッテリー | 6000~7000円 |
バッテリーの交換費用は「話そうダイソンお客様相談室」から注文すると、9,288円(送料込)で購入することができる(2015年調べ)。V6と同じバッテリーが採用されているDC62は、毎日、電池容量を使い切って充放電を繰り返すと約2年ほどで寿命がくるため、バッテリー代を一ヶ月に換算すると387円ほどとなる。最近(2016年)、アマゾンや楽天市場でも安価なV6用のバッテリーが販売されているのを見かけるようになったが、他社が販売している「互換バッテリー」なので、本体やバッテリーが故障した場合は自己責任となる。