DC74の特徴
大小のゴミを残さずキャッチするモーターヘッドを搭載
ダイソンは2014年10月に第4弾目となるスティック型コードレス掃除機「DC74」を発売した。DC74の最大の特徴は、大小のゴミを同時にキャッチすることができる柔らかな「ローラー式モーターヘッド」を搭載していることだ。一方、本体に搭載されているモーターやサイクロンテクノロジーは、前モデル「DC62」と同じ、「デジタルモータV6」と「2ティアーラジアルサイクロン」が搭載されているため、吸込仕事率や連続使用時間などの仕様は同じである。DC74はDC62と同じ仕様の本体なため、この年だけ新しいハンディクリーナーが発売されていない。
前年モデルDC62が発売されてから、ダイソンの製品は本格的な掃除ができ、使い続けても吸引力が落ちないと認知されはじめた。キャニスター掃除機のように本格的な掃除ができることから、ダイソンやエレクトロラックスなどの海外メーカーのスティックコードレス掃除機が脚光を浴びはじめ、コードレス掃除機のシェア率がキャニスター掃除機を猛追。そして、DC74が発売された年から、遅れをとっていた国内の家電メーカーも本格的な掃除ができる高価格帯の高級モデルを次々に投入し、国内メーカーも含めた競争が激しくなった。
DC74 MH | 仕様 | DC74 MC |
2014年 | 発売日 | 2014年 |
通常:28W MAX:100W | 吸込仕事率 | 通常:28W MAX:100W |
通常:16分 MAX:6分 | 連続使用時間 | 通常:16分 MAX:6分 |
DDM V6 | モーター | DDM V6 |
15個 | サイクロン数 | 15個 |
ソフトローラー | 床用モーターヘッド | ソフトローラー |
○ | ミニモーターヘッド | ○ |
○ | コンビネーションノズル | ○ |
○ | 隙間ノズル | ○ |
× | フトンツール | ○ |
× | ハードブラシ | ○ |
× | 延長ホース | ○ |
DC74MHとDC74MCの違い
2014年に発売されたDyson DC74から始まる機種は2種類。新発売された2機種については本体側の仕様は同じとなり、それぞれの違いは色と付属品となる。まず、DC74MHには、標準装備の付属品である「ミニモーターヘッド」「コンビネーションノズル」「隙間ノズル」が付属されている。次にDC74MCには、標準付属品に加え、「フトンツール」「ハードブラシ」「延長ホース」が同梱されている。従って付属品が多く同梱されているDC74MCのほうが価格が高くなる。ちなみに、これらの付属品はダイソンの「公式オンラインストア」やアマゾンなどもで販売されているため、後から購入することも可能である。アマゾンのほうが価格が安い理由は「並行輸入品(海外正規品)」だからである。
DC74のモーターヘッド
ソフトローラークリーナーヘッド
これまで発売されてきたダイソンのスティック型コードレス掃除機には、じゅうたんの奥深くからゴミをかきだす硬い「ナイロンブラシ」と、フローリング表面の微細なホコリを取り除く静電気の発生しない「カーボンファイバーブラシ」を組み合わせた「カーボンファイバーブラシ搭載モーターヘッド」が採用されてきた。このスタンダードモデルのモーターヘッドは、従来のDC35/DC45や、翌年に発売されたV6シリーズの一部のモデルにも採用されており、人気が高かった。
今回のDC74のモーターヘッドにはスタンダードモデルである「カーボンファイバーブラシ搭載モーターヘッド」は採用されておらず、新しい「ソフトローラークリーナーヘッド」が標準装備されている。このモーターヘッドは人気が高く、新しく発売されたV6やV8シリーズのモデルにも搭載されている。
「ソフトローラークリーナーヘッド」の特徴は、従来のモーターヘッドでは吸引しにくかった、大きなゴミをヘッドを前後に動かす動作で吸引することができることだ。さらに、髪の毛や絨毯の繊維のような長いゴミが絡みにくくなっており、定期的に行っていたブラシのお手入れから解放される利点も存在する。カーペットからゴミをかきだす集じん力は硬いナイロンブラシが搭載されていないため、従来の「カーボンファイバーブラシ搭載モーターヘッド」やアニマルプロに搭載されている「ダイレクトドライブクリーナーヘッド」より劣るが、大きなローラーは柔らかなナイロンフェルトに覆われているため、フローリング表面の乾拭きする能力はどのヘッドよりも優れている。また、従来のヘッドより吸込口の幅が広くなっているため、広い床面を効率よく掃除ができる。
ただし、従来のヘッドより幅が広く大きいため、机の足回りのような狭い場所の掃除は従来のヘッドのほうが小回りよくスムーズに掃除ができた。また、ヘッドの質量も重たくなっているので、ヘッドを上げ下げする回数が多いと、従来のヘッドより手首に負担がかかりやすい欠点も存在する。ちなみに、わたしの家は広い部屋で6畳くらいだが、20年以上も住んでいると色々な家具などが置かれているので、従来のモデルやV6に採用されていたコンパクトな「カーボンファイバーブラシ搭載モーターヘッド」のほうが使い勝手が良かった。
ペットや子供のよだれから、人間の皮脂を拭き取る「ソフトローラー」は、取り外して水洗いすることも可能なので汚れても繰り返し使うことができる。
DC74をおすすめしない理由
DC74 | 仕様 | V6 |
2014年 | 発売日 | 2015年 |
通常:28W MAX:100W | 吸込仕事率 | 通常:28W MAX:100W |
通常:16分 MAX:6分 | 連続使用時間 | 通常:16分 MAX:6分 |
DDM V6 | モーター | DDM V6 |
15個 | サイクロン数 | 15個 |
× | ポストモーターフィルター | ○ |
DC74よりV6のほうが安くて高性能
当サイトでは今からDC74を購入することをおすすめしていない。また、わたしも購入していない。なぜなら、今回のDC74と前年モデル「DC62」の違いは、標準装備されている床用ヘッドが違うだけである。翌年に発売されたV6シリーズにもDC74と同じ「ソフトローラークリーナーヘッド」を搭載したモデルが発売されており、こちらのモデルは部屋の空気より綺麗な空気を排出する「プレモーターフィルター」が搭載されているうえ、DC74と同じ本体のDC62と比べ運転音も30%低減(ダイソン)されている。さらに、DC74よりV6ほうが実勢価格が安くなっているからである。DC74と同じモーターヘッドを搭載している上に、排気性能が優れているV6のほうが価格が安いのに、DC74を選ぶ必要はなにひとつないだろう。