標準装備されている床用ヘッドの欠点
↑CL001G以降の業務用モデルに標準付属されているヘッド(127825-8)
マキタのCL003Gを建築現場や商業施設でなく、家庭用の清掃で使ってみたいものの、カーペットをしっかり掃除ができるのか気になる人もいるのではないでしょうか?
同社の充電式クリーナーを使った人ならご存知だと思いますが、標準装備されているチープなヘッドは、フローリングや畳のような平坦な床の清掃は得意なものの、回転ブラシがついていないため、カーペットに絡みついた髪の毛・ペットの毛や、深部に入り込んだ微細なゴミを掻きだす集じん能力が低い欠点が存在します。
マイナーチェンジされたフロア・カーペットノズル
↑2022年に別売されたフロア・カーペットノズル(A-73019)
そこでカーペットもしっかり掃除したい人に最適なのが、同社から別売されている「フロア・カーペットノズル」です。
回転ブラシはついていませんが、床との接地面に毛取りブラシを採用しているため、カーペットに絡みついた髪の毛やペットの毛を簡単に掻きとれます。
また、カーペットだけでなくフローリングにも対応しているため、床の種類に合わせてヘッドをつけかえる手間も省けます。
このフロア・カーペットノズルがリニューアルされていたので、従来モデルと同様にカーペットに頑固に絡みついた猫の毛を取れるのか検証を行ってみました。
従来と新しいフロア・カーペットノズルの違い
エチケットブラシの違い(同じ)
カーペットノズルの吸口面には、先端部と中間部に従来と同じ毛取りブラシが採用されています。毛取りブラシは衣類の表面に付着した埃を素早く取れるエチケットブラシと同じ素材になっており、カーペットに絡みついたペットの毛を簡単に絡め取ることができます。
抜け毛の多い長毛種(猫)の定位置にカーペットマットを数日間敷いて、頑固に絡みついた抜け毛を吸い取ってみました。
標準装備されているクリーナーヘッドだと、ヘッドを何度も前後に動かしても毛は表面に絡みついたままでした。
新しいフロア・カーペットノズルを装着した場合、従来モデルと同様に簡単に毛取りブラシで毛を絡め取ることができました。絡め取ったペットの毛は吸い込まれずにブラシに絡みつくものもありますが、手で簡単に取ることができるので、個人的にそれほどストレスは感じません。
フロア・カーペットノズルで大半の抜け毛を除去することができましたが、カーペットに突き刺さった抜け毛はゴム手袋などを使わないと取れません。ちなみに、この突き刺さった毛は回転ブラシ付きのパワーヘッドでも取り除けません。
ナイロンブラシの違い(同じ)
後端部に採用されているナイロンブラシも従来と同じままです。柔らかいナイロンブラシなので、カーペットの深部からゴミを掻き出す集じん力は低いですが、フローリングに付着した吸引力だけでは吸い取れない塵を拭き取ることができます。
微細なゴミの除去率が分かりやすいように、暗い色をしたフローリングに小麦粉を擦り付けて掃除をしてみました。
標準付属されているヘッドですと、何度ストロークさせても床は元の色に戻らずに白く汚れた状態になりました。普段の掃除では目に見えていないだけで、微細なゴミを取りこぼしていると考えられます。
次にブラシがついたフロア・カーペットノズルで掃除をすると、標準ヘッドが取りこぼした汚れを拭き取ることができました。
しかし、取りこぼした塵を完全に除去したわけではないので、微細なゴミの集塵力は回転ブラシが搭載されているパワーヘッドより劣ります。
吸込口の違い
カーペットノズルの吸込口の幅は従来モデルのほうが広いため、ヘッドの端までしっかりごみ取りができる設計になっています。壁際に落ちているゴミもヘッドの正面だけでなく、サイドでもしっかり吸い取れそうです。ただし、米・オガクズ・小麦粉を吸わせる検証では、サイドの壁際の集塵力はどちらも同等でした。
吸込口の奥行きは新モデルのほうが長くなっているため、一度に大量に大きなゴミを吸引する用途に最適です。
うちで出るゴミですと、木材の切り屑やペット用のトイレ砂は新モデルのほうが効率よく吸い取れます。
ヘッドの滑りの違い
フローリングの様な平坦な床だと、ヘッドの押し引きはどちらも軽い力で操作できますが、カーペットでは強い吸引力によって、カーペットが吸込口に吸いつくため、どちらも軽い力でヘッドをストロークさせることができませんでした。カーペットが動いたり・持ち上がったりする場合は、吸引モードを調整することで、吸口がカーペットに張りつくのを抑えられます。
新モデルのフロア・カーペットノズルはノズル可動部の中心を、後方のタイヤ軸上に配置し、押さえつける力による、じゅうたん等への引っかかりを低減する設計になっています。このため、“滑るような操作性”を謳っていますが、家のフローリングやじゅうたんでは、その違いは従来モデルと比較してもよくわかりませんでした。このため、どちらも手にかかる負荷は同じです。
小回り(操作性)の違い
従来モデルのほうがハンドルを倒したときに左右に曲がる角度が大きいため、椅子や机の脚でゴチャついているエリアや、床に物置が多いスペースもストレスなく掃除ができました。
新モデルの小回りが悪くなっているのは、可動部が上下にしか動かないため、ヘッド可動部が自由自在に動く従来モデルに比べると、ハンドルを手首でひねった方向にヘッドの向きが連動しにくくなっているからです。
サイズや重量の違い
絨毯ノズル | 幅 | 奥行き | 重量 |
旧モデル | 224mm | 83mm | 157g |
新モデル | 224mm | 85mm | 200g |
フロア・カーペットノズルのサイズは、新モデルの奥行きが数mm長いだけで大きな違いはありません。重量は新モデルのほうが約40gほど重たくなっていますが、ヘッド自体は文庫本のような軽さなので、気になるような重さではありません。
車輪(タイヤ)を外してお手入れできる?
抜け毛の多いペットを飼っていると、掃除機のヘッドの車輪の軸に毛が絡みつきやすいため、短期間でヘッドの滑りが悪くなります。マキタのヘッドの車輪はマイナスドライバーでこじると取り外せるため、どんなに毛髪やペットの毛が絡みつこうと簡単に除去することができます。
新モデルも従来モデルと同様にマイナスドライバーで車輪や軸を取り外すことができたので、車輪に絡みついたゴミの除去は簡単に行えました。
(旧/新)フロア・カーペットノズルを使った感想のまとめ
フロアカーペットノズル (新) | 仕様 | フロアカーペットノズル (旧) |
2,000円 | 価格 | 1,900円 |
200g | 重量 | 157g |
🔺 | 操作性 | ⭕ |
⭕ | 壁際掃除力(正面) | ⭕ |
🔺 | 壁際掃除力(サイド) | ⭕ |
⭕ | 小さいゴミ | ⭕ |
⭕ | 大きいゴミ | 🔺 |
⭕ | 絡みついた猫の毛 | ⭕ |
従来と新しいフロア・カーペットノズルに採用されている毛取りブラシに仕様変更はないため、カーペットに絡みついた猫の毛を絡め取る集じん性能に違いはありません。
このため、軽さや操作性が重要視される障害物が多い場所の清掃には、小回りが効く従来のフロアカーペットノズルが最適です。
一度に大量の大粒のトイレ砂や、DIYなどで木材の切り屑も吸引する場合は、大きなゴミを効率的に吸い取れる吸口に改良された新モデルのほうが適しています。
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