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Dyson V7 Slimの写真+動画付きレビュー!メリットやデメリットから従来機との違いを分かりやすく解説!

アイコンモデル名発売日
Dyson-DC35(アイコン)DC35 レビュー2011年2月
Dyson-DC45(アイコン)DC45 レビュー2012年9月
Dyson-DC62(アイコン)DC62 レビュー2013年10月
Dyson-DC74(アイコン)DC74 レビュー2014年10月
Dyson-V6(アイコン)V6 レビュー2015年5月
Dyson-V7(アイコン)V7 レビュー
V7 Slim レビュー
2017年5月
Dyson-V8(アイコン)V8 レビュー
V8 Slim レビュー
2016年5月
Dyson-V10(アイコン)V10 レビュー2018年3月
Dyson-V11(アイコン)V11 レビュー2019年3月

Dyson V7 Slimの発売日

Dyson V7 Slim 口コミ・レビュー

2019年に軽量タイプのスティックを2機種発売

ダイソン株式会社は、日本の住環境のために開発したコードレススティッククリーナー[V7 Slim]をダイソン公式オンラインストアより2019年3月20日より、家電量販店では4月3日から発売した。

近年、ハイエンドタイプのスティック型コードレス掃除機を毎年発売している国内メーカーの動向を見ていると、吸引力を重視したパワフルタイプだけでなく、軽量タイプの製品も同時に発売するメーカーが散見される。メイン機の変わりに使えるようになったスティック機にパワフルな吸引力や家中丸ごと掃除ができるスタミナより、軽さや取り回しやすさにウェイトを置きたいユーザーも少なくないようだ。

そんな軽量・コンパクト・使い勝手が好まれている需要を見通してか、2019年にダイソンから日本の住居に合わせて設計された軽量モデル(V7 Slim/V8 Slim)が2機種ラインアップされた。このページではダイソンの歴代モデルを使ってきた筆者がV7 Slimの特徴とメリットやデメリットを分かりやすく画像や動画を使って解説。V7 Slimが気になっている方やV8 Slimと比較したい人の参考になれば幸いである。


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「Anker」の記事一覧です。

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Dyson V7 Slimとは?

日本の家庭向けに設計されたたダイソンの軽量タイプ

Dyson V7 Slimは、2019年に発売された日本の住居に合わせて設計されたダイソンの軽量タイプのモデルである。V7は2017年に発売された少し古いシリーズとなるが、V7 Slimは従来V7と同じ本体を使用したストレートパイプとクリーナーヘッドを改良したマイナーチェンジモデルとなる。ちなみに、同年の8月にも[V8 Slim Fluffy]という軽量モデルを発売している。

V7 Slim-カーボンファイバーブラシ搭載モーターヘッド

V7 Slimの最大の特長となっているのが、DCシリーズのモデルに標準装備されていた[カーボンファイバーブラシ搭載モーターヘッド]を搭載していること。比較的新しいシリーズは[ソフトローラークリーナーヘッド]を搭載したFluffyが標準モデルとなっているが、従来のDCシリーズでは[カーボンファイバーブラシ搭載モーターヘッド]がスタンダードであった。

Dyson V7 Slimのクリーナーヘッド(ナイロンブラシ)

カーボンファイバーブラシ搭載モーターヘッドの特徴は、少し硬めのナイロンブラシとカーボンブラシを採用しているため、ソフトローラークリーナーヘッドと違いフローリングだけでなくカーペットの集じん力も優れている。さらに、小型+軽量設計のため、ワイドタイプのダイレクトドライブクリーナーヘッドやソフトローラークリーナーヘッドと違い取り回しやすいメリットも存在。

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Dyson V7 Slimの6つのメリット

V7 Slimの優れた特長

ヘッドが小型+軽量だから取り回しやすくて腕が疲れにくい*1
パイプが約6cm短いから女性や高齢者にも最適*1
ゴミ捨てが簡単にできるからストレスがたまらない*2
フィルターが目詰まりしにくいから強い吸引力が持続する*3
綺麗な空気を排出するから小さい子供がいる家庭でも安心*4
従来モデルより運転音(騒音)が圧倒的に静かになった*2
*1:(従来V7/V8)V10、V11比
*2:V6、DC62、DC45、DC35比
*3:V10、V11比
*4:DC62、DC45、DC35比

V7 Slimのクリーナーヘッド

①ヘッドが小型+軽量だから、取り回しやすい+腕が疲れにくい

V7 SlimにはDC62やV6 Motorheadに採用されていた[カーボンファイバーブラシ搭載モーターヘッド]が標準装備されており、最大の特長は小型で軽量になっているため、家具下や狭い場所で取り回しやすいメリットを持っている。おそらくDyson V7 Slimを見て「キター!」と歓喜した人は同社のDCシリーズを所持している古株ユーザーではないだろうか。筆者がダイソンの中で好きなクリーナーヘッドもこの[カーボンファイバーブラシ搭載モーターヘッド]である(理由は後述)。

ダイソンの比較的新しいシリーズのクリーナーヘッドは[ソフトローラークリーナーヘッド]が標準モデルになっており、従来モデルが苦手だった固形のゴミをヘッドを滑らせる動作で吸い取れたり、床をピカピカにする乾拭き効果が高いなどのメリットがあるものの、ワイドタイプのローラーや強力な内蔵モーターを採用したことにより、図体が大きくなり質量も重たくなっている。このため、従来より腕に負担がかかったり、取り回しにくいデメリットも存在し批判的な口コミも散見される。

 

床置きの物が多い部屋ではワイドタイプのヘッドは適していない

筆者がこのヘッドが一番好きな理由は、机や椅子の脚周りのような狭い場所でも小回りが効くからである。現在、標準となっているワイドタイプのヘッドに比べると、広い部屋を効率よく掃除することはできないが、実際に家では色々な物を床置きしている雑多な部屋では狭い場所が多く存在するため、小型のヘッドのほうが効率的かつストレスフリーで掃除ができるのだ。

また、物が散らかった雑多な部屋では動画のようにざ段差をまたぐ以外でもヘッドを上げ下げすることが意外に多く、重量が700g以上もあるソフトローラークリーナーヘッドと比べるとヘッドを上げ下げしても腕が疲れにくいメリットは、スティック一台で家中丸ごと掃除する筆者には大きい。

カーペット深部に入り込んだハウスダストの集塵力はFluffyより上

小さな子供がいる家庭や、アレルギーやアトピーで悩んでいる人はカーペットからより多くのハウスダストを吸引したいのではないだろうか。実は現在ダイソンの標準的なモデル(Fluffy)に搭載されている「ソフトローラークリーナーヘッド」は、硬いナイロンブラシが採用されていないため、カーペットの奥深くに入り込んだ微細なゴミを掻き出す集じん性能が極めて低い欠点が存在。一方、V7 Slimの「カーボンファイバーブラシ搭載モーターヘッド」は古いモデルであるものの、歯ブラシのようなナイロンブラシを採用しているため、カーペットの深部に入り込んだアレルゲンなどの微細なゴミを掻き出す集塵力がFluffyより優れているのだ。

カーペットに頑固に絡みついたペットの毛を掻き出す力はFluffyより上

抜け毛の多い種類の犬や猫と生活している場合、カーペットに絡みついたペットの抜け毛と毎日格闘している人も多いのではないだろうか。基本的に国内メーカーの掃除機が搭載しているパワーヘッドは柔らかいブラシを採用している製品が多いため、ヘッドを何度も往復させても絡みついた毛をとることができない。また、ダイソンの人気のFluffyが標準装備しているソフトローラークリーナーヘッドも硬いナイロンブラシが搭載されていないため、カーペットからペットの毛を掻き出す集じん力が低い欠点も。V7 Slimのカーボンファイバーブラシ搭載モーターヘッドは歯ブラシのような少し硬めのブラシを搭載しているため、頑固に絡みついたペットの毛を効率よく除去することができるため、ペット飼いの家庭では嬉しいポイントとなる。

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Dyson V7 Slim(ストレートパイプ)

②パイプが約6cm短いから、女性や高齢者にも最適

ダイソンの口コミやSNSの意見では、スティック時の状態の全長が長いため、低身長の人には使いにくいという批判レビューや、本当はダイソンが欲しいけれど低身長だから他社の製品を検討する人が散見される。これらの意見は平均身長の低い女性や年配の方に多く、毎日掃除機がけなどの家事をこなす人には苦になるようだ。

V7 Slimは従来のストレートパイプ(延長管)と比べると約6cm短くなっているため、軽量化されただけでなく、低身長の人もに取り扱いやすいメリットを持ったモデル。ダイソンのスティック機を背丈の低い女性、親、祖父母にプレゼントする場合は、ストレートパイプが短縮化されているV7 SlimやV8 Slimが喜ばれることだろう。

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③ゴミ捨てが簡単にできるからストレスがたまらない

V7で最も進化しているところがゴミ捨て方法である。これまでV6以前のモデルはクリアビンに回収したゴミをワンタッチで底蓋を開いてゴミを落とす設計だった。しかしながら、実際はクリアビンの中にゴミの塊が詰まって落ちてこなかったり、シュラウド(メッシュ部)に髪の毛やペットの毛のような長いゴミが絡みついて「ワンタッチで簡単」と謳われたゴミ捨て方法に不満を持っているユーザーも決して少なくなかったはずだ。

V7はV8に採用されていたゴミに触れずに衛生的に捨てられるゴミ捨て機構を採用。レバーを引き上げることで、クリアビン内に溜まった全てのゴミを押し出しながらゴミ捨てが行えるようになった。このため、従来のようにクリアビンに詰まったゴミを棒でほじくりだしたり、クリアビンを本体から取り外してシュラウドに絡みついたゴミを除去する面倒だったお手入れが不要になり、ワンタッチでゴミ捨てができなかった不満を解消。

 

上は筆者が作った歴代モデルのゴミ捨て方法が比較できる動画である。最初に捨てた固形のゴミはどのモデルもワンタッチで捨てることができているが、実際は遠心力が発生しているクリアビン内には、綿埃などのゴミが圧縮されてしまうため、V6以前のモデルだとクリアビンの底蓋を開いてもゴミがすんなり落ちない場合があるのだ。また、クリアビン内の中央に配置されているシュラウド(メッシュ部)には髪の毛やペットの毛のような長いゴミが絡みつくため、定期的にクリアビンを取り外してお手入れする必要があった。V7以降はクリアビンの内側にスクレイパーが配置されており、クリアビン内のゴミを押し出しながら捨てることができるため、ゴミに触れて取り除いたり、お手入れをする頻度が劇的に減ったのだ。
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V7 Slimのサイクロンテクノロジー

④フィルターが目詰まりしにくいから強い吸引力が持続する

ダイソンのコードレスクリーナーは[2段式サイクロン構造]を採用しており、フィルターの目詰まりの原因となる微細なゴミを吸引しても、フィルターが目詰まりしにくく強い吸引力が持続する特長を持っている。

国内メーカーなどが採用している[1段式サイクロン構造]は、ダストカップ内で吸い込んだ空気とゴミを遠心分離するが、微細なゴミはダストカップ内で飛散してフィルターまで到達してしまうのだ。このため、サイクロン掃除機でも毎日掃除をしていると週に1度はフィルターのお手入れが必要となり、だんだんとそのお手入れにうんざりしてくる人も多い。毎日猫の毛を掃除する筆者もそのひとり。

ダイソンが採用している[2段式サイクロン構造]はクリアビン内で空気とゴミを遠心分離して終わりではない。クリアビン内の遠心力からくぐり抜けた微細なゴミに対して、2層に配置された15個のサイクロンが立ちはだかる。ここではフィルターの目詰まり原因となる微細なゴミも捕らえるほど強い遠心力が発生しているため、[1段式サイクロン構造]よりフィルターが目詰まりしにくくなっているのだ。

上は筆者がダイソンの歴代モデルに超微細なパウダーを吸引させた動画。検証の結果では、V6から受け継いだ2ティアーラジアルサイクロンを搭載したV7は、新しいV10やV11より微細なゴミの捕集効率が高くフィルターが少しも汚れていない。ちなみにこれが[1段式サイクロン構造]だとフィルターがすぐに目詰まりして吸引力は虫の息となる。V7のマニュアルにはフィルターのお手入れ目安は1ヶ月1回と記載されているが、正直なところ半年間お手入れをしなくても強い吸引力は持続され、ダイソンの前ではお手入れという概念は限りなく希薄な行為となる。

Dyson V7 Slimのフィルターお手入れ方法

V7 Slimには、微細なゴミを捕集する「プレモーターフィルター」と、さらに微細なハウスダストを捕集する「ポストモターフィルター」2つのフィルターが本体に配置されている。どちらのフィルターも本体から簡単に取り外すことができ、水洗いすることで繰り返し使用することが可能。競合メーカーの製品のように本体とダストカップを分割したりorダストカップを分解して着脱する必要がないため、説明書を見なくても誰でも簡単にフィルター着脱が行えるほど手間いらず。
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V7 Slim ポストモーターフィルター

⑤綺麗な空気を排出するから小さいお子さんやアレルギー持ちの方にも安心

毎日「Tweet Deck」で掃除機関連のつぶやきを見ていると、掃除機をかけると目がかゆくなったり、くしゃみがでたり、鼻がムズムズするなどの症状がでる人も散見される。掃除機をかけるとアレルギー症状がでる人は、掃除機の排気からでるハウスダストが原因になっていることも。その他に掃除機の排気からでる不快な臭いが気になっている人も少なからずいるようだ。

V7 Slimは空気清浄機にも採用されているHEPAフィルターと同等の排気性能を持つ[ポストモーターフィルター]を搭載。粒径が0.3ミクロンもの粒子を99.97%以上捕らえることができるため、大気中に浮遊する杉花粉・黄砂・PM2.5のようなアレルゲンとなる微細な粒子を掃除機本体から逃さない。V7 Slimは家族にアレルギー持ちや小さい子供がいる家庭でも最適となる。

 

ダイソンのように微細なハウスダストを捕らえることができるHEPAと同等のフィルターを採用している製品は存在するが、各パーツの気密性が低いと排気口以外の箇所から排気が漏れてくることもあるため、当サイトではスモークマシーンを使って白い煙をV7 Slim本体に吸引させてみた。結果は前者のマキタと違い、排気口からだけでなくサイクロン・クリアビン・本体の継ぎ目から煙が漏れ出すようなことがなかった。これなら掃除機をかけてアレルギー症状がでる人や喘息の人が使っても安心だ。
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⑥従来モデルより運転音(騒音)が圧倒的に静かになった

ダイソンといえば、ご近所さんが掃除機をダイソンに買い替えたら分かると言われるほど音にも定評があるようだが、それはキャニスター掃除機の場合となり、コードレスの運転音はキャニスターに比べると大幅に低減されている。とはいえ、ダイソン独特の笛を吹いたような甲高い音はコードレスにも健在しており、まだまだ使う環境によっては静かとは言えないレベルであった。

ところがV7以降のモデルは音や振動を低減させる吸音材が本体内部のあちこちに配置されており、あの耳につく甲高い運転音がまるで密閉した容器の中に本体を入れたようなこもるような音になったのだ。上は当サイトでダイソンのVシリーズの運転音を比較した動画。V7から使用頻度の高い[通常モード]は数値や体感でも耳についてた高音が低減されていることが分かる。

 

個人的に音がうるさかった従来モデルから使用しているため、V7の運転音はうるさいと感じないが、フローリングで使用頻度の高い[通常モード]の騒音値を少しでも下げたい場合は、同年に発売されたV8 Slimがおすすめである。上は双方のモデルを比較した動画であるが、気持ち通常モードの音が静かになっている。また、本体にクリーナーヘッドを装着した場合、モーターの駆動音や振動音もV8 Slimのほうが静かなため下の階に響きにくい。
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Dyson V7 Slimの2つのデメリット

Dyson V7 Slim(連続運転時間)

連続運転時間がVシリーズの中で短い

V7は2017年に発売された比較的新しいシリーズであるが、2016年に発売されたV8シリーズの廉価版となるため、吸引力や連続使用時間を左右するバッテリーの容量が小さい短所を持っている。V7が発売された2017年のプレスリリースでも、V8シリーズが最高の吸引力、最長の運転時間、静音性と使いやすさを兼ね備えた最上位モデル。そして、V7シリーズは静音性と使いやすさを備えたスタンダードモデルとして位置づけられて紹介されている。

V7の連続運転時間はクリーナーヘッドを装着した場合、[通常モード]が20分/[MAXモード]が6分となっている。1ルームを掃除する場合は20分あれば十分だが、一軒家の床や階段をまるごと掃除したり、フロアの掃除後に家具などの棚や卓上を掃除したり、布団などの寝具を掃除した場合、20分では途中で充電が切れることがあるのだ。また、吸引力が必要なシーンでMAXモードに切り替えると途中で充電が切れるなんてことも多々起こるのだ。

モデルエコモード通常モードMAXモード
V7なし20分6分
V8なし 30分7分
V1060分20分8分
V1160分20分8分
上の表で比較的新しいモデルとV7の連続運転時間を比較すると、使用頻度の高い[通常モード]の運転時間はV8よりも10分も短いことがわかる。また、V10やV11の[通常モード]の運転時間は変わらないが、新しいモデルは省エネ効果のあるエコモードを搭載しているため、床の種類に合わせて運転モードを切り替えることによって、20分以上使用することが可能となっている。

V7 Slimの連続使用時間

比較的新しいモデルでは、V8やV10はバッテリーの残量がざっくり分かる[インジケーター]を搭載。最新のV11は液晶ディスプレイを搭載しており、各運転モードの正確な残り時間が表示される。一方、V7シリーズのモデルはバッテリー残量を確認する術が一切なく、常に掃除をしている途中でバッテリーが切れないか不安がつきまとう。
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Dyson V7 Slim(ブラシのお手入れ)

回転ブラシに髪の毛やペットの毛が絡みつく

Dyson V7 Slimに標準装備されている[カーボンファイバーブラシ搭載モーターヘッド]のブラシバーには、少し硬めのナイロンブラシが採用されているため、カーペットの奥深くに入り込んだ微細なゴミや、カーペットに頑固に絡みついたペットの毛や髪の毛を効率よく掻き出す集じん力が優れているものの、ブラシに髪の毛・ペットの毛やカーペットの繊維のような長いゴミが絡みつきやすいデメリットを持っている。

このため、特にカーペットを敷いている面積が広くて、ロングヘアーの家族が居たり・抜け毛の多いペットを飼っている場合は、高い頻度でブラシに絡みついたゴミのお手入れする必要があるためうんざりしてくるのだ。家の場合も長毛の猫を飼っているため、毎日クリーナーヘッドのお手入れをする必要があった。カーペットを敷いている面積が狭い場合は、毛が絡みつきにくいヘッドを搭載したV8 Slimがおすすめである。

クリーナーヘッドのブラシに絡みついたゴミは手で簡単に除去できるが、お手入れを怠って頑固に絡みついてしまった場合は、ブラシバーを取り外してからカッターやハサミの刃を入れると効率よく除去することができる。最近の競合メーカーはブラシバーを工具不要で簡単に取り外すことができるが、V7 Slimはブラシバーの着脱には硬貨が必要となるのがマイナスポイントである。
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Dyson V7 Slim(収納用ブラケット)

壁に穴を開けられない場合、スタンドを別途購入する必要がある

新しいV11シリーズには掃除機本体を立て掛けて収納することができる[充電スタンド]が付属されているモデルがラインナップされているが、V7シリーズには充電スタンドが付属されたモデルがないため、本体を立てかけて充電+収納したい場合は、標準付属されている[収納用ブラケット]を壁にネジ止めする必要がある。

このため、壁に穴をあけられない賃貸物件では、本体やアタッチメントを省スペースに収納できる[収納用ブラケット]が利用できない。それでもダイソンを立てかけて収納+充電したい場合は、他社が販売しているダイソン専用のスタンドを購入する必要があるため、出費がかさんでしまうデメリットが存在するのだ。

当サイトではダイソン専用のスタンドやリーズナブルな方法で掃除機を立てかけて収納方法を紹介。壁に傷をつけられない環境でダイソンを使用する場合は、以下のページも見て頂ければ幸いである。


Anker
「Anker」の記事一覧です。

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Dyson V7 Slimの吸引力は強いの?

モデルV7V8V10
通常モード21WA28WA28WA
MAXモード100WA115WA130WA

吸引力よりクリーナーヘッドを重視しよう

ダイソンのコードレスクリナーは基本的に新しいモデルになるほど吸引力が強くなっているが、吸引力が強くなっているのは連続使用時間が短い[MAXモード]のみ。床を掃除するときに使用頻度の高い[通常モード]の吸引力は新しいモデルも過去のモデルも大差がない。このため、[通常モード]メインで使用する場合は、吸引力はそれほど気にしなくても大丈夫だ。

また、ダイソンのコードレスクリーナーは、同シリーズから標準装備しているクリーナーヘッドが違うモデルがラインアップされるのが特徴。ゴミのダストピックアップ率(除去率)はクリーナーヘッドの種類によって大きく変わるため、吸引力の指標となる吸込仕事率より、家で吸い取るゴミや床の種類にあったクリーナーヘッドを搭載したモデルを選んだほうが後悔しにくい。(後述)

ちなみに、比較的新しいシリーズの中でV7の[通常モード]の吸込仕事率の数値は低くなっているが、筆者の使用した感想では大きな差ではないので気にする必要はないだろう。また、当サイトでは同年に発売されたV8 SlimのV7 Slimの吸引力を検証を行ってみたが、フロアの掃除で使用頻度の高い[通常モード]の吸引力はほぼ同等だった。[MAXモード]の吸引力はV8 Slimに比べると少し劣る結果となったが、重たいゴミも勢いよく吸い上げるほどパワフル(動画参照)。
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Dyson V7 Slimが得意・不得意なゴミを検証

以下のゴミをV7 Slimで吸いとりました

●小麦粉
●おがくず
●シュレッダーにかけた髪
●米つぶ
●ペット専用の餌
●ペット専用の砂
●髪の毛
●ペットの毛

掃除機を選ぶ際にもっとも気にするスペックは、吸引力の目安となる吸込仕事率だと思うが、モーター駆動の回転ブラシを搭載しているパワーヘッドの製品は、吸引力よりヘッドのブラシパワー・ブラシの素材・全幅・設計(ヘッドと床との隙間)によってゴミの除去率が変わってくるため、ダイソンの場合、家で吸い取るゴミや床の種類に合ったクリーナーヘッドを搭載したモデルを選ぶことが先決となる。

ここでは、V7 Slimに付属されている[カーボンファイバーブラシ搭載モーターヘッド]を装着して、フローリング・畳・カーペットに上記のゴミを散布させて吸引する検証(運転モードは一番吸引力が弱い[通常モード]を使用)。自分の家の掃除機にV7 Slimを迎え入れられるか判断材料の1つになれば幸いである。

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フローリングたたみカーペット

小麦粉・おがくず

小麦粉のように浮遊するような超微細なゴミは、国内メーカーの製品で吸引するとあっというまにフィルターが目詰まりを起こしてしまうが、V7 Slimの場合は吸引力を低下させずに全てのフロアの微細なゴミを吸引することができた。

また、同社のFluffyや国内メーカーが苦手としているカーペットの奥深くに入り込んだ微細なゴミも効率よく掻き出しながら吸引。ここまで集じん力が高い要因は、やや硬めのナイロンブラシとカーペットでも減速しない強いブラシパワーを兼ね備えているからである。

ちなみに、さらに高い集じん力を持っているのが同社の「ダイレクトドライブクリーナーヘッド」を搭載しているモデルであるが、雑多な部屋で生活している筆者には、小型+軽くて使い勝手のいい「カーボンファイバーブラシ搭載モーターヘッド」のほうが使いやすく感じた。

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フローリングたたみカーペット

シュレッダーにかけた紙

カーボンファイバーブラシ搭載モーターヘッドはヘッドと床との隙間が非常に狭い設計になっているため、吸引力が強くなるメリットはあるものの、少しでも嵩のあるゴミはヘッドの前側で押し出してしまううまく吸引できないデメリットも存在。検証では1円玉のような薄い硬貨もヘッドの一番狭いところで引っかかって押し出してしまった。

シュレッダーにかけた紙くらいなら吸えると思ってヘッドを滑らしたが、ゴミをヘッド前面で押し出してしまった。紙は薄っぺらいがくねっていたり、ゴミ同士が重なって嵩増しされてたのが原因のようだ。ただし、カーペットのような床面の場合、ゴミが生地に引っかかりやすいため、ヘッドを滑らせる動作でも吸引することができた。

このようなゴミの対処法としてゴミに対してヘッドをかぶせるように吸引すると思うが、ゴミの量が多いと動画のように回転ブラシで後方向に弾き飛ばしてしまい、効率よく吸引することができなかった。家庭で使う分にはこれほどのゴミが大量に落ちていないため問題とは感じなかったが、少しでも嵩のあるゴミを大量に吸引する用途では不向きだと感じた。

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フローリングたたみカーペット

米粒

カーペットの奥深くに入り込んだ微細なゴミを掻き出す集じん性能が高い特長を見せたものの、米粒のように少しでも嵩のあるゴミは、ヘッドと床との隙間が狭い設計のため、ヘッド前面で押し出してしまい、うまく吸引することができなかった。また、米粒に対してヘッドを上からかぶせて吸引しようとしても、回転しているブラシが米粒を後方に勢いよく弾き飛ばした。ただし、ゴミがのめりこむようなカーペット上では、ヘッドを前に滑らせる動作で問題なく吸い取ることができた。

ネット上には「ダイソンは米粒も吸わない」という口コミが散見されるが、正確には米粒を吸い上げる吸引力はあるものの、V7 Slimのように米粒をヘッドの前面で押し出してしまう設計のヘッドを搭載したモデルが存在。米粒が散乱する光景はあまり見ないため、家庭で使う分にはあまり問題と感じないが、米粒程度の固形のゴミをメインでする用途では不向き。同社のFluffyのほうが最適である。

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フローリングたたみカーペット

ペット用のドライフードやトイレ砂

わが家ではペット(猫)と一緒に生活しているため、猫がトイレに行く度にトイレの周辺には猫砂が散乱、その散乱した砂を毎日何度も掃除機で掃除をしている。猫用トイレの砂には鉱物系・紙製・木製・おから・など色々な種類が存在するが、大粒タイプの猫砂は動画のように固い床面ではほぼ100%ヘッドの前面で押し出してしまう結果に。

家でも消臭力の高い木製の固形の砂を使用しているため、V7 Slimのクリーナーヘッドでは効率よく吸引することができなずストレスとなった。このように大きな固形のゴミでも、同社の大小のゴミを同時に吸引できる[ソフトローラークリーナーヘッド]を標準装備したFluffyであれば、ヘッドを滑らせる動作で吸引することが可能となっている。

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フローリングたたみカーペット

ペットの毛

家が海外メーカーのダイソンをメイン機にしている理由は、フィルターが目詰まりしにくい+ゴミ捨てが簡単にできる。そして、カーペットに絡みついた猫の毛を掻き出す集じん性能が国内メーカーとは段違いだからである。柔らかいナイロンブラシを採用している国内メーカーだとヘッドを何度も往復させてもペットの毛が取れないのだ。家の猫は抜け毛の多い長毛種のため、毎日掃除をしないと数日でカーペット・マット・布団が真っ白になってしまうほど。

V7 Slimが装備しているカーボンファイバーブラシ搭載モーターヘッドは、歯ブラシのようなやや硬いナイロンブラシを採用しているため、競合製品で何度ヘッドを往復させても取れなかった絨毯に頑固に絡みついたペットの毛を効率的に掻き取ることができた。また、毛足の長いラグを掃除してもブラシが減速しないほど強いブラシパワーも高ポイント。

ただし、ペットの毛がブラシに絡みつきやすいため、定期的にお手入れする必要があった。家の場合は抜け毛の多い猫がいるため、2日に1回はお手入れが必要だと感じるほど絡みついた。またブラシバーはワンタッチで取り外すことができる製品が増えているなか、V7 Slimは硬貨がないと取り外せないため、ちょっとした一手間がかかりマイナスポイント。

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フローリングたたみカーペット

髪の毛

家庭で使用する場合、フローリングのような平坦な床面に落ちている髪の毛はほぼ1ストロークで吸引できると考えてよいだろう。ブラシバーには少し硬めのナイロンブラシが搭載されているため、カーペットに絡みついた髪の毛もヘッドを2~3回前後に滑らせれば掻き出しながら吸い取ることも可能。

ただし、ブラシバーに髪の毛が絡みつくことがあるため、1週間に1度はお手入れが必要だと感じた(ペットの毛ほど絡みつかない)。また、絡みついた長い髪をお手入れする場合は、手でゴミに触れながら除去しないといけないため、ブラシバーをヘッドから引き抜いたときに絡みついたゴミがカットされるようなギミックがほしいところ。

ちなみに、動画のように特にロングヘアーなどを一度に大量に吸い込むとブラシバーだけでなく、おモーターの軸などにも髪の毛がすぐに絡みつきメンテナンスが大変なので、大量に髪の毛が床に落ちている掃除では不向きとなる。これは髪の毛が絡みつきにくいヘッドを搭載しているFluffyでも同じ結果になるので注意されたし。

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ブラシパワーは強いの?カーペットやラグで止まらない?

ダイソンのようにメイン機となりうるレベルのハイエンドタイプのコードレスクリーナーは、基本的にクリーナーヘッドに搭載されているブラシをモーターを原動力にして回転させている製品が多い。しかしながら、他社の製品には毛足の長いカーペットやラグを掃除するとブラシが大きく減速したり、停止してしまうものも少なくない。

V7 Slimに搭載されているカーボンファイバーブラシ搭載モーターヘッドは、ブラシバーを指で抑えても止まりにくいほどブラシパワーが強い。このため、家に敷いている毛足の長いカーペットやラグの生地でヘッドをストロークさせてもブラシが大きく減速したり、止まることはなかった。ちなみに生地に張り付きにくい[通常モード]のほうがブラシは減速&停止しにくい。

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まとめ:ダイソン愛好家がV7 Slimを使った感想

Dyson V7 Slimの感想まとめ

Dyson V7 Slimはこんな人におすすめ

こんな人にピッタリ!

●ダイソンの中で軽いモデルを探している
●フロアの掃除に費やす時間が20分以下
●色々な物がごたごたしている雑多な部屋
●カーペットから微細なゴミを掻き出したい
●カーペットから髪の毛やペットの毛を掻き出したい

ざっくりまとめると、2019年に発売されたV7 Slimは軽いダイソンを探している人に最適なモデル。床にカーペットを敷いている面積が狭い場合は、同じく軽量タイプで「スリムソフトローラークリーナーヘッド」を搭載したV8 Slimがおすすめ。

また、V7 Slimはコンパクトで取り回しやすいクリーナーヘッドを採用しているため、色々な物を床置きしている雑多なや部屋や、狭い場所の掃除でも使い勝手が良いメリットも存在する。

その他に、「ダイレクトドライブクリーナーヘッド」ではないが、カーペット深部に入り込んだ微細なゴミや、じゅうたんに絡みついたペットの毛を掻き出す集じん力が優れているため、アレルゲンで悩んでいる人やペットと生活している家庭では強力な助っ人になること間違いなし。

V7 Slimの大きな欠点はヘッドと床との隙間が狭い設計のため、固形のゴミをヘッドを滑らせる動作でうまく吸引できないこと。このため、一般家庭の普段の掃除で困ることはないが、少しでも嵩のあるゴミをメインでする用途には不向き。

その他に、比較的新しいモデルと比べるとバッテリー容量が少なかったり、節電効果のあるエコモードが採用されていないため、広範囲の掃除には不向きであること。一度、手持ちの掃除機で掃除に費やす時間を20分以下で終了するのか測定しよう。

ダイソン コードレス掃除機の違いと性能が分かる比較表

他のモデルと比べたい場合はダイソンの性能比較表

当サイトでは、ダイソンから発売されているコードレスクリナーの基本的なスペック・搭載しているクリーナーヘッド、付属されているアタッチメントが簡単にわかる「ダイソンのコードレス掃除機の性能比較表」を作成。V7 Slimと他のモデルを仕様や付属品を比較したい場合や、今お使いのモデルと最新モデルとの比較にも役立ちます。その他に、歴代モデルを使用してきた筆者が、用途や目的に合ったモデルが分かる「ダイソン 掃除機ランキング」もまとめているので、ダイソンのどのモデルを選べばいいのか迷っている方のお役に立てば幸いです。

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