Digital Slim DC45の特徴
デジタルモーターV2 | 1分間に104,000回転するブラシレスDCモーター |
ルートサイクロン | 6つのサイクロンで空気とゴミを遠心分離 |
第2弾目となるスティックコードレス掃除機
ダイソンは第2弾目となるスティックタイプのコードレス掃除機「Digital Slim DC45」を2012年9月に発売した。DC45は、去年初めて同社から発売されたDC35と同じ、微細なゴミも分離する「ルートサイクロン」と、1分間に最大104,000回転する「デジタルモーターV2」を搭載している。
DC45の最大の特徴はモーターヘッドのブラシパワーが前モデル(DC35)と比べ供給電力が「DC35: 15W」「DC45: 30W」と2倍になり、特にカーペットにおける集じん性能が向上している。さらに、DC35よりも高性能なリチウムイオンバッテリーを採用することにより、コンパクトさ・軽さを維持したまま容量を拡大しているため連続運転時間も延長されている。
DC35 | モデル名 | DC45 |
2011年 | 発売日 | 2012年 |
通常:28WA MAX:65WA | 吸込仕事率 | 通常:28WA MAX:65WA |
6個 | サイクロン数 | 6個 |
通常:13分 MAX:6分 | 連続使用時間 | 通常:20分 MAX:8分 |
3.5時間 | 充電時間 | 5.5時間 |
2.22kg | 重量 | 2.30kg |
○ | ミニモーターヘッド | ○ |
○ | コンビネーションノズル | ○ |
○ | 隙間ノズル | ○ |
○ | 収納用ブラケット | ○ |
○ | 充電アダプター | ○ |
DC35とDC45の違い
DC35はダイソンが2011年に発売した第一弾目となるスティック型コードレス掃除機。そして、DC45が2012年に発売した第二弾目となるスティック型コードレス掃除機である。どちらのモデルも吸引した空気とゴミを分離する「サイクロンテクノロジー」や、安定した吸引力を実現する「デジタルモーター」は同じものが搭載されているため、空気とゴミの分離能力や吸込仕事率といった仕様は同等となる。また、付属されている「アタッチメント」の種類も同じとなっている。
しかし、DC45は吸込口のブラシを回転させるモーターの供給電力がDC35と比べ、15Wから30Wと2倍にパワーアップしているため、フローリングや畳など回転ブラシに負荷がかからないような平たい床面では集じん力に差がないものの、回転ブラシに負荷がかかりやすいカーペットやラグでは、DC45のほうが回転ブラシの回転スピードが低下しにくくなっている。従って、DC35よりDC45のほうがカーペットやラグの掃除では集じん性能が優れているといえるだろう。
また、DC35とDC45は同じ電圧(22.2Vのリチウムイオンバッテリーが採用されているが、DC45のバッテリーの容量は、1,300mAhから2,000mAhに拡大されてるため、DC35より「通常モード」と「MAXモード」の連続運転時間が延長された。ただし、バッテリー容量が増えたことにより、充電時間も3.5時間から5.5時間に延長されたネガティブな部分も存在する。
まとめると、DC35とDC45は「ブラシパワー」と「連続使用時間」に違いがあるので、DC45よりDC35のほうが実勢価格が安い場合、フローリングメインの掃除で、掃除機をかけるのに費やす時間が10分程度であれば、DC35を購入したほうが経済的である。逆に掃除機をかけるのに費やす時間が20分ほどであったり、床にカーペットを敷いている面積が広い場合はDC45のほうが適している。
DC45の吸引力
前モデルと吸引力は同じだが、集じん性能が優れている
DC45と前モデル(DC35)の吸込仕事率の仕様は同じになっているため、吸込口に手を当ててみたが吸引力に差は感じられなかった。しかし、DC45のブラシパワーは前モデルより2倍にパワーアップしているため、体感でも大きな差が感じられた。DC35の回転ブラシは指で押さえつけると止めることができるが、DC45の供給電力がアップした回転ブラシは、指で強く押さえつけても止めることが難しいほど力強くなっている。
従って、回転ブラシを駆動しているモーターに負荷がかからないような平たい床面(フローリング・畳等)の集じん性能は、DC35とDC45に大差はないであろうが、回転ブラシの回転スピードを遅くしてしまうようなカーペット(絨毯)やラグの掃除では、ブラシパワーがアップしたDC45のほほうが集じん性能が優れてるといえるだろう。
ゴミをかきだすナイロンブラシの密度もアップ
DC35とDC45のブラシバーにはフローリング表面に付着した微細なハウスダストを除去する黒い「カーボンファイバーブラシ」と、カーペットの奥深くに入り込んだゴミをかきだす赤い「ナイロンブラシ」が搭載されている。一見、どちらも表面から見ると同じ回転ブラシに見えるが、DC45の赤いナイロンブラシのほうが密度が増し多く植毛されている。
ブラシバーはヘッドのサイドにあるエンドキャップをコインで回すことにより取り外せる。糸や髪の毛のような長いゴミがブラシに絡みついてお手入れしたい場合は、ブラシバーをヘッドから取り外したほうが取り除きやすい。
DC45の集じん方式
フィルターが目詰まりしにくいから、面倒なお手入れから解放される!
DC45の集じん方式はサイクロン方式が採用されており、サイクロンテクノロジーは従来モデル(DC35)と同じ、「ルートサイクロン」が搭載されている。ルートサイクロンは「クリアビン内」でも吸い込んだ空気とゴミを遠心分離しているが、ここで分離しきれなかった微細なゴミは「シュラウドのメッシュ部分」を通り抜け、上部にある「6つのサイクロン」によって高速遠心分離される。フィルターが目詰まりしにくい構造なので、微細なゴミを吸引しても強い吸引力を維持することができるのだ。
上はDC45にシナモンパウダーを吸わせたのち、フィルターの状態を確認した動画であるが、フィルターが茶色く汚れていないことから、空気中を浮遊するような微細なゴミもルートサイクロンが遠心分離していることが分かる。フローリングやカーペットに落ちている微細なハウスダストまでも遠心分離するため、吸引力が低下しにくいだけでなく、面倒なフィルターのお手入れから解放されるメリットは大きい。
DC45のフィルターのお手入れ方法
DC45のフィルターは水洗いすることにより繰り返し使用することが可能となっている。DC45のマニュアルによると、フィルターのお手入れは、1ヶ月毎が目安となっているが、週に2~3回掃除をする程度であれば3ヶ月ほどフィルターのお手入れをしなくても吸引力が低下した感じはしなかった。毎日みっちり掃除する場合は、マニュアル通り一ヶ月に一度は水洗いしたほうがよいだろう。
フィルターの取り外し方やお手入れ方法は、子供やお年寄りの方でも簡単にできるようになっており、まずはじめに本体上部にある「青いボタン」を押して本体とサイクロン部を切り離す。次に本体側に付いている「楕円形のフィルター」を剥がして、洗剤等を使用せずに冷水で洗うだけである。フィルターは晴れた日にベランダで干しておけば1日で乾いたので、次の日からまたすぐに掃除を開始することができた。
DC45のゴミの捨て方
底のフタを開けてドサっと落とすだけ
遠心分離されたゴミはサイクロンの下にある透明な「クリアビン」に回収される。クリアビンは下にある赤いボタン押し下げることで、底のフタを開けることができるので、わざわざクリアビンを本体から取り外さなくても簡単にゴミ捨てが行える。ただし、ゴミが溜まった状態で勢いよく底フタを開けると埃が舞い上がりやすいので、フタに手をそえてゆっくり開けたほうがよいだろう。
クリアビンの底にある赤いボタンを押し、クリアビンを本体を取り外すこともできる。クリアビンやシュラウドの汚れが気になる場合は、クリアビンを取り外して「ダスター刷毛」などを使えば綺麗にすることができる。このときに埃が舞い上がりやすいので、当サイトでは、埃が周辺に舞い上がりにくい「蓋付きの口の大きいゴミ箱」をすすめている。
ダイソンのどの製品にもいえることだが、長年使っているとサイクロン内部に粉塵が蓄積する。この粉塵はブラシでは除去することができないので、わたしは強い風を出すことができる「ブロワー」を使って掃除している。ちなみに、クリアビンとサイクロン部分は水洗いすることを禁止されているので、メンテナンス性は国内メーカーの製品に比べると低い。
DC45の「連続使用時間」と「充電時間」
モデル | 稼動時間 | 充電時間 |
DC35 2011年 | 通常:13分 MAX:6分 | 3.5時間 |
DC45 2012年 | 通常:20分 MAX:8分 | 5.5時間 |
DC62 2013年 | 通常:17分 MAX:6分 | 3.5時間 |
稼働時間が延びたが、充電時間も延びた!?
従来モデル(DC35)に採用されていたバッテリーの容量は1,300mAhと小さいため、「通常モード」の連続使用時間が13分と歴代モデルの中で一番短くなっている。個人的に1~2部屋の掃除であれば、10分程度の稼働時間でもじゅうぶんであるが、3部屋以上の掃除になると、13分という短い稼働時間では途中で充電がきれてしまうことがあった。
一方、DC45はバッテリーの容量が2,000mAhに拡大されたため、「通常モード」の連続使用時間が20分に延長された。このため、広範囲を掃除した場合、DC35のように途中で充電がきれることも少なくなった。ただし、バッテリーの容量が増えたことにより、充電時間が5.5時間に延長されているため、一度充電がなくなってしまうと、なかなか掃除を開始できない弱点も存在する。
バッテリーの交換方法
バッテリーの取り外し方は、マイナーチェンジされた従来モデルのDC35と同じになっており、バッテリーがネジで固定されているので、ドライバーが1本あれば簡単に取り外すことができる。わたしは何度もバッテリーをバラしているが、ネジ溝のサイズにあったドライバーを使わないとなめりやすいので注意されたし。
バッテリーに寿命が来た場合は、「話そうダイソンお客様相談室」からバッテリーを注文することができるので、自分で経済的に交換することも可能である。ちなみに、DC45はDC35と同じように「互換バッテリー」がAmazonや楽天市場などで販売されている。純正品のバッテリーでないため、保証対象外となるがメーカーより安く購入することが可能である。(バッテリーは「ネジ式」と「ネジ無」の2種類のタイプがあるので購入する際は、形状をよく確認してから購入しよう)。