新型ヘッド搭載でトルネオVがさらに軽い操作性に!
東芝ライフスタイル株式会社は、トルネオVコードレスシリーズ第四弾目となるスティックコードレスクリーナー[VC-CL1400][VC-CL400]を2017年9月上旬に発売した。アタッチメント付フルスペックモデルのVC-CL1400は[グランレッド]と[グランブロンズ]の2色、スタンダードモデルのVC-CL400は[ホワイト]の1色が用意されている。双方の違いはカラーと付属品の有無となり、本体やパワーヘッドの仕様は同じである。
◉ヘッドの吸込口の幅が広がったから→効率性が向上した
◉ヘッドのブラシの素材が変わったから→手入れの手間が軽減
東芝のトルネオVコードレスと言えば軽さにウェイトを置いているシリーズ。本体に延長管とヘッドを装着した重さは1.9kgと軽い操作性で定評がある。前モデルと大きな違いは1.9kgという軽さを保ったまま、軽い力でヘッドを前進させられる自走式を採用。さらに、吸込口の幅を広く取ることで、床を効率よく掃除することができるようになった。ヘッドのブラシ素材にも変更があり、ゴミの付着を制御し手入れの手間を軽減、菌を拭き取る除菌効果も加わった。
VC-CL400/VC-CL1400の吸引力って強いの?
吸引力は前モデルと同等
●ヘッドの幅が広くなったから効率性が向上
●カーペットにおける集じん性能は前モデルのほうが上
東芝のトルネオVコードレスシリーズは、掃除機の吸引力の指標となる吸込仕事率を公表していない。しかし、本体に搭載されているモーターの回転数が前モデルと同じ(11万min-1)、バッテリーも同じ電圧(18V)を採用している。さらに、連続使用時間と充電時間も同じなことから電池容量も同じ(1.76Ah)。本体側に大きな改良点が見られないので、吸引力は前モデルと同等と考えてよいだろう。
私の体感でも前モデルとの吸引力に差は感じられなかった。さらに、ダイソンと同じ微細なゴミも遠心分離できる二段式サイクロン構造を採用しており、フィルターが目詰まりしにくく吸引力も低下しにくい。ただし、軽さに重点を置いているため、バッテリーの電圧が18Vと低く、21.6V以上のバッテリーを搭載している日立、パナソニック、ダイソンなどのフラッグシップ機に比べるとパワーは落ちる。
木材を加工した際に発生する微細なオガクズは1ストロークでほぼ吸引することができた。1ストローク目でヘッドがオガクズの散り積もった通ったところは、まるでモーゼの授戒で海を割ったシーンを彷彿させるほど綺麗な境目ができている。どこのメーカーの掃除機もオガクズのような軽くて小さなゴミは1ストロークで吸引できるので驚かないが、2017年モデルのトルネオVはヘッドがワイドタイプになったので、効率よく掃除ができることに驚いた。(歴代モデルはヘッドがコンパクトだったため)
プレーナーで木材を加工したような切り屑はシュレッダーにかけた紙のように軽いものの、ヘッドと床との隙間が狭いトルネオVではヘッド前面で押し出してしまうと予想していたがうまく吸引することができた。後述するが、VC-CL1400/VC-CL400以降のモデルはヘッドの前面カバーが通常時は少し開いており、従来モデルが苦手としていたある程度嵩のあるゴミもヘッドを前後に滑らせる動作で吸引することができる。
フローリングに撒いた米粒は1ストロークで吸引することはできなかった。ヘッドの前面で押し出すことはなかったが、吸込口で回転しているブラシによって弾き飛ばされたり、空回りして取りこぼしが発生した。ただし、床に落ちている米粒が少ない場合は、大した問題にはならないだろう。正直8~9割を回転ブラシで弾き飛ばすと予想していたので意外だった。
家では猫を飼っており、每日餌を与えているキッチンにはドライフードが転がっている。ニュートロ(カリカリ)の厚みは5mmもあるので、さすがにヘッドの前面で押し出してしまうと思ったが、ゴミに対してヘッドを上からかぶせることなく吸引することができた。2016年以前のモデルだとヘッドを滑らせる動作で吸引することはできなかっただろう。動画のように床に餌がたくさん落ちているといくつか回転ブラシで弾き飛ばしてしまうが、家の場合は每日数粒程度しか落ちていないのでストレスなく吸引することができた。
家で每日目につく大きなゴミがペット用のトイレ砂だ。猫砂が飛び散らないように色々な対策を行ってきたが、足の指に挟まった猫砂がどうしても床に転がってしまうのだ。なので、每日コードレス掃除機で猫砂を吸引しているのだが、さすがにヘッドが改良された新モデルでもヘッドの前面で押し出したり、大半を猫砂を回転ブラシで弾いてしまった。使用している猫砂の厚みは6mm前後なので新モデルのトルネオVが吸引できる固形のゴミは5mm以下と考えるとよいだろう。
ゴミのラスボス(カーペットの奥に入り込んだ小麦粉)。絨毯の表面に付着した小麦粉を吸引することはできたが、奥深くに入り込んだ小麦粉を綺麗に集じんすることはできなかった。うっすら白く汚れたカーペットの上を前モデルであるVC-CL1300で掃除をすると、新モデルが取り切れなかった小麦粉がダストボックスに溜まった。前モデルのヘッドがゴミを掻き出す集じん力が強いのは、2016年以前のトルネオVには硬いナイロンブラシが搭載されているからだ。これで、カーペットからより多くのハウスダストを集じんできる国内の大手家電メーカーのスティック機は消えたことになる。(当サイトの検証では絨毯における集じん力が高いのはdyson Animal、Electroluxの海外勢)
新型ヘッド「ラクトルパワーヘッド」の特徴
自走式+ワイドタイプになったから軽い力で効率よく掃除ができる
●ヘッドが進む自走式が採用されたから→走行性が向上
トルネオVコードレスと言えば女性や年配の方でも軽々持てる軽さと、使い勝手の良いコンパクトなヘッドが独自の特徴であった。実際に使用してみても本体とヘッドが軽いので、広範囲のフロアを掃除したり、ヘッドを上げ下げする動作を繰り返しても手がだるくなりにくいメリットがあった。しかし、ヘッドがコンパクトであるがために、他の競合メーカーに比べると広い場所を効率よく掃除ができないデメリットも存在した。
一方、新モデルのヘッドは従来モデルより吸込口の幅が広く取られており、広範囲の場所を広く掃除ができるようになった。ヘッドがワイドタイプになったにも関わらず、トルネオVの売りである軽さが失われることはなく、素材や樹脂の厚さを見直したため、本体に延長管とヘッド取り付けた重量は歴代モデルと同じ1.9kgを維持。さらに、自走式が採用されているので、軽い力でヘッドを押し出せるメリットも追加されている。
お手入れの手間が軽減されたブラシ毛
●床面の除菌効果があるから→小さい子供やペットがいる家庭にも安心
新モデルのパワーヘッドに搭載されているブラシにはフッ素加工が施されており、ブラシに汚れが付着したり、綿ゴミが絡みにくくなっているという。いわゆるテフロン加工(フッ素樹脂)されたフライパンのようにツルツルにコーティングされており、汚れやゴミが付着しにくいというもの。さらにAgブラシ(銀糸)が織り込まれており、フロアの静電気の発生を抑えながらゴミをしっかり取り除く。
従来モデルより嵩のあるゴミや壁際のゴミの掃除が得意
これまでのトルネオVコードレスは、ヘッドと床との隙間が狭い設計になっているため、比較的嵩のあるようなゴミはヘッドの前面で押し出してしまう欠点が存在した。新モデルではヘッド前側のバンパーが通常時は少し開いた状態になっており、当サイトの検証ではゴミの高さが5mmまでのものであれば、ゴミに対してヘッドをかぶせる動作をとらなくても吸引することができた。
パワーヘッドの分解方法
犬や猫のような抜け毛の多いペットと生活している家庭では、掃除機の回転ブラシにペットの毛が絡みつきやすく、定期的にヘッドを分解して、面倒なお手入れが必要となる。新モデルでは工具や硬貨を使わずにヘッドのカバーが取り外せるように変更されていた。回転ブラシを簡単に取り外すことができ、絡みついた髪の毛やペットの抜け毛にハサミの刃を入れれば効率よく取り除くことができた。
VC-CL1400/VC-CL400の集じん方式
国内メーカーで一番フィルターが目詰まりしにくい
トルネオVコードレスの特長は軽い操作性だけではなく、吸い込んだゴミと空気を分離する集じん方式にも力が入っている。従来モデルから[バーティカルトルネードシステム]が採用されており、フィルターが目詰まりしにくく、強い吸引力を持続することができる特長を持っている。新モデルも従来モデルと同じ[バーティカルトルネードシステム]が採用されており大きな改良点は見られなかった。
集じん方式はランニングコストのかからないサイクロン方式に分類される。ダイソンと同じ「2重構造サイクロンシステム」を採用しているため、ダストカップで遠心分離できなかった微細なゴミを2層目に配置されている先の尖った8気筒のサイクロンで強力に遠心分離。強力な遠心力でフィルターに目詰まりするような粉塵をも遠心分離するため、他の国内メーカーより面倒なフィルターのお手入れ頻度が減る。
ゴミの捨て方は簡単なの?どのくらい溜められるの?
ダストカップは目についた大きなボタンを押すと、ワンタッチで本体からダストカップを取り外すことがでるので、誰でも簡単にゴミ捨てを行うことができる。お年寄りや子供が使用しても、最初から説明書を見ずにゴミ捨てを行うことができるほど簡単だ。
また、綿埃のような軽いゴミはダストカップで圧縮されフェルトボールのような塊になるうえ、ダイソンのようにダストカップの底が開いて勢いよくゴミを落とすタイプではないので、埃を舞い上がらせずゴミを捨てることも可能であった。
ゴミを溜められる集じん容量は0.2Lなので、競合の国内メーカー(日立、シャープ、パナソニック等)と同等である。しかし、決して集じん容量が大きいほうではないので、ゴミの飛散によりフィルターが目詰まりするのを抑えるために、こまめにゴミ捨てを行なうことをおすすめする。
ゴミを溜められる集じん容量は0.2Lと少なめだが、ダストカップに回収されたゴミは強力な気流によって圧縮される。そのため、一回の掃除で猫の毛でダストカップが一杯になる我が家でも、掃除をするたびにゴミ捨てをする必要はなかった。その他に、圧縮されるゴミは(綿埃、髪の毛、ペットの毛)のような軽いゴミなので、ゴミ捨て時に埃が舞い上がりにくい利点も存在する。また、トルネオVはダストカップ中央に凹んだ分離ネット(下)を配置しており、この凹みがゴミの飛散を抑えて上部のサイクロン部に流入しないように工夫がなされている。
掃除機本体からダストカップを取り外してゴミを捨てるまではストレスフリーだが、サイクロン部で遠心分離した微細なゴミがパッキン部に付着するため、付属されているお手入れブラシでゴミを除去する手間や、埃が舞い上がりやすい不衛生な欠点も存在する。管理人はお手入れをするのが億劫なうえ、埃が舞い上がりにアレルギーを示すので、従来モデルからゴミを捨てるたびにパッキン部のお手入れはせず、月に一度フィルターと一緒に水洗いしている。ゴミを捨てるたびにダストカップやパッキンに付着した粉じんもブラシで除去したい綺麗好きな人には、付属品のブラシより効率よく除去できる[ダスター刷毛]をおすすめしたい。
フィルターのお手入れは簡単?水洗いはできるの?
フィルターは従来のトルネオVコードレスと同じようにダストカップの上部カバーをワンタッチで外すことができ、カバーにはめ込まれているフィルターを剥がすだけなので簡単にフィルターを取り外すことができる。
しかし、競合メーカーが採用している「プリーツ状のフィルター」ではないので、目詰まりしたフィルターをブラシなどで除去することはできない。フィルターをお手入れする際は水洗いする必要があるものの、前述したように国内メーカーで唯一目詰まりしにくい「2重構造サイクロンシステム」を採用しており、每日掃除をしてもフィルターのお手入れ目安は月に一度で十分なのでメンテナンスは億劫に感じない。
サイクロンやダストカップは水洗いできるの?
トルネオVコードレスは同じ「2重構造サイクロンシステム」を採用しているダイソンと違い、フィルターだけでなくダストカップやサイクロン部も丸洗いすることができる。メンテナンス性が高く衛生的なことから、サイクロン部に付着した粉じんが気になる人や排気が臭いが気になる人には、おすすめのサイクロンコードレス掃除機である。
ダストカップセットは、下から[ダストカップ][分離ネット][ダストカップカバー][フィルター][カバー]5つのパーツで構成されている。これらのパーツは全て水洗いすることが可能なので、フィルターのお手入れをする際に一緒に丸洗いするとよいだろう。乾きにくいフィルターやサイクロン部は風通しの良い場所で立てかけておけば24時間で乾かすことができた。
VC-CL1400/VC-CL400 バッテリーの特徴
VC-CL1400/VC-CL400の「連続使用時間」と「充電時間」
モデル | 標準 | 強 | おまかせ | 充電時間 |
VC-CL400 | 20~25分 | 8分 | 8~20分 | 5時間 |
VC-CL1400 | 20~25分 | 8分 | 8~20分 | 5時間 |
VC-CL400とVC-CL1400の連続運転時間は同じになっており、吸引モードは[標準モード][強モード][おまかせモード]3種類のモードからボタン操作で選択することが可能となっている。一回の充電に約5時間もかかるため、6帖の部屋が3部屋以上ある場合は駆動時間の長い[標準モード]か[おまかせモード]で掃除をするとよいだろう。歴代モデルに搭載されていたゴミセンサーは健在で、ゴミが落ちているとハンドルに配置されているランプが点灯して教えてくれる。
節電効果の高い[おまかせモード]は従来モデルの[自動モード]と同じで、ゴミの有無に合わせて吸引モードを自動でコントロールしてくれる。通常時の吸引力は[標準モード]くらいの強さだが、ゴミが落ちている場所はゴミセンサーが働いて自動的に[強モード]の強さに切り替わる。空気中に浮遊するような埃や塵にはセンサーが反応しないため、過剰にセンサーが反応するモデルより個人的に使いやすかった。(微細な小麦粉には反応せず、オガクズくらいの大きさには反応した)
VC-CL1400/VC-CL400の「充電方法」と「収納方法」
◉壁掛け用ホルダーを使えば本体を立てかけて収納できる
◉壁掛け用ホルダーは壁にネジ止めする必要がある
◉壁に傷をつけられない場合はクリーナースタンドがおすすめ
トルネオVコードレスは、2015年モデルまで本体を立てかけて収納することができる[充電スタンド]が標準付属されていた。しかし、2016年に発売されたVC-CL1300/VC-CL300以降は[壁掛け用ホルダー]が採用されるようになった。壁掛け用ホルダーを使用すれば本体を立てかけた状態で収納することができ、使いたい時に手軽に取り出せるメリットがあるものの、壁掛け用ホルダーは壁にネジ止めして固定する必要があるため、壁に穴をあけられない住宅では省スペースに充電しながら収納することが難しくなった。
トルネオVコードレスの本体、延長管、パワーヘッドは分割することができるので、クローゼットや押入れに寝かせて収納することもできる。しかし、この収納法だと使いたいときにサッと取り出して掃除を開始することができないうえ、充電をする際はコンセントの近くに本体を寝かせて充電しなければいけないので、コードレス掃除機の最大のメリットである手軽に掃除をすることができなくなってしまう。
そこで壁に傷をつけられない人におすすめしているのがダイソン専用のスタンドである。実はトルネオVとダイソンの収納用ブラケットのネジ穴は同じ位置にあいているので、ダイソン専用の収納スタンドを流用すれば立てかけて収納することができるのだ。クリーナー専用のスタンドには、ブラケットを固定できるタイプと固定できないタイプの2種類があり、当サイトでは「トルネオVに使用できるおすすめスタンド」も記事にしているので、賃貸住宅などで壁に傷をつけられない人の参考になれば幸いである。
誤解を招きやすいトルネオVの充電回数(3,100回)
モデル名 | 発売日 | 充電回数 |
VC-CL100 | 2014年 | 2,100回 |
VC-CL1200/200 | 2015年 | 2,000回 |
VC-CL1300/300 | 2016年 | 2,000回 |
VC-CL1400/400 | 2017年 | 3,100回 |
VC-CL1500/500 | 2018年 | 明記しなくなる |
トルネオVコードレスと言えば、歴代モデルからバッテリーの電池寿命が長いことで有名だ。新モデルも前モデルに比べてさらに充電回数が増えており、公式ページでも大きな太字のフォントで3,100回と記載されている。一般的にこの充電回数を見た人は每日1日1回充放電を繰り返しても8年以上は持つから経済的と思う人が多いことだろう。実際に歴代モデルの口コミレビューや、わたしのレビュー記事を見てもバッテリーの寿命が競合メーカーに比べて長いと記載している。
しかし、現在、電解質が液体のリチウムイオン電池でこんなに高寿命な電動工具や掃除機のバッテリーは聞いたことがない。東芝に問い合わせてみるとトルネオVの充電回数は、周辺の温度が20℃で[おまかせモード]を1回につき6分間使用したときの回数のようである。つまり、一回の充電で[おまかせモード]を20分間使用した場合は、約900回程度の充電回数で寿命がくることになる計算に。
さらに、充放電を繰り返すと電池が劣化して連続使用時間が減っていくことを考えると、每日バッテリーが空になるまで使用した場合、一般的なリチウムイオンバッテリーと同じように、約2年ほどで寿命がくると考えたほうがよいだろう。
バッテリーの交換方法と交換にかかる費用
モデル名 | バッテリー代 | 技術料 | 合計(税込) |
VC-CL1200/200 (2015年) | 13,000円 | 2,100円 | 16,308円 |
VC-CL1300/300 (2016年) | 13,000円 | 2,100円 | 16,308円 |
VC-CL1400/400 (2017年) | 13,000円 | 3,800円 | 18,144円 |
VC-CL1500/500 (2018年) | 8,000円 | 3,800円 | 12,744円 |
※発売当初に調べた価格
新モデルは従来のトルネオVコードレスと同じように本体にバッテリーが内蔵されている。内蔵バッテリーは一般ユーザーが取り外しができる部分ではないので、バッテリーを交換する場合は、東芝の製品を扱っている[家電量販店]や、各都道府県に配置されている[東芝サービスステーション]に持ちこなければいけない。なお、バッテリーは単品販売されていないので、技術があっても自分で交換することは難しい。
バッテリーを交換する際にかかる費用は、バッテリー代が13,000円、サービスステーションでかかる工賃が3,800円となり、合計金額は税込みで18,144円となる。ダイソン、シャープ、日立(マルチタイプのみ)などのメーカーは、ネット上でバッテリーを単品注文することができるうえ、自分で交換することもできることを考えると、持ち運ぶ手間と工賃がかかるトルネオVコードレスはどうしても割高に感じてしまう。
VC-CL1400/VC-CL400の付属品(アタッチメント)
「VC-CL1400」と「VC-CL400」の違いは付属品の有無
2017年に東芝ライフスタイルから発売されたトルネオVコードレスシリーズは[VC-CL400]と[VC-CL1400]の2機種がラインアップ。[VC-CL400]と[VC-CL1400]の違いはパーツ色と付属品の有無となっており、本体やモーターヘッドの仕様は同一となる。
掃除機を選ぶ際に重要となる[吸引力][使用時間][充電時間]などのスペックは同じなので、用途が部屋の床、階段、家具のみの掃除であれば、付属品の少ないVC-CL400を選んだほうが経済的である。
家のフロアだけでなく、布団などの寝具から車内の掃除など幅広く掃除をしたい場合は、[ふとん用ブラシ][付属品用ホース][エアブローノズル]が追加されているVC-CL1400を選ぶとよいだろう。
お手入れブラシ(VC-CL1400/VC-CL400 標準付属品)
お手入れブラシはダストカップカバーの上部に収納されており、本体ネットやパワーヘッドのギア部についたゴミを取り除くことができる。しかし、この小さいお手入れブラシでは、ダストカップやパッキン部に付着した塵を除去することは難しいので、ゴミを捨てるたびに「ダストカップ」や「パッキン部」を綺麗にしたい場合は、ホームセンターなどで市販されている[ダスター刷毛]がおすすめである。トルネオVにはブラシの幅が2cmくらいのもののほうが使いやすかった。
壁掛け用ホルダー(VC-CL1400/VC-CL400 標準付属品)
壁掛け用ホルダーは本体を立てかけて省スペースに収納することができるブラケットである。使いたいときにサッと取り出して簡単に後片付けできるメリットがあるものの、壁にネジ止めする必要があるため、壁に穴を開けられない賃貸住宅などでは使用することが難しい。本体、延長管、ヘッドを分割してクローゼットなどに収納するのが面倒だと感じる場合は、「トルネオVに使えるクリーナースタンド」の使用をおすすめする。
すき間ノズル(VC-CL1400/VC-CL400 標準付属品)
●本棚のような狭い隙間
●窓サッシレールのような溝部
ごく普通の先端が細くなったすき間ノズル。本体や延長管に取り付ければ、家具と壁の隙間や家具と床の隙間から、窓のサッシやエアコンといった手の届かない細部の掃除をすることができる。
丸ブラシ(VC-CL1400/VC-CL400 標準付属品)
●家電やキーボードに付着した塵・埃
丸ブラシはノズルの先端にブラシが搭載されたブラシノズル。机や棚のような家具に落ちているゴミから、家電などに付着した微細なゴミを傷つけることなく除去することができる。
ふとん用ブラシ(VC-CL1400のみ 付属品)
ふとん用ブラシは布団、毛布、シーツのような寝具の掃除をすることができるヘッドである。競合メーカーのように吸込口にモーター駆動で回転するブラシは搭載されておらず、凸凹した回転ローラーが2列に配置されている。このローラーが車輪のような役割をするため、寝具に張り付かずに掃除をすることができた。薄いシーツなどが吸口が張り付く場合は、吸引力の弱い「標準モード」に切り換えるとよいだろう。カーペットやフローリングでは使用できない。
エアブローノズル(VC-CL1400のみ 付属品)
●玄関に落ちている砂埃の吹き飛ばし
●庭やベランダに落ちている落ち葉の吹き飛ばし
エアブローノズルは強い風を吹き出すことができるアタッチメントである。本体下部にノズルを装着することにより、ノズル先端から空気が排気されるため、強い風を吹き出すことができる。コード式のブロワーやコンプレッサーのような強力な風圧を発生することはできないが、玄関やベランダに落ちている砂埃や庭に落ちている軽い落ち葉程度であれば軽く吹き飛ばすことができる。
付属品用ホース(VC-CL1400のみ 付属品)
●広範囲の家具や家電の掃除(手に負担がかからない)
●車内などの狭い場所の掃除(本体が引っかからない)
付属品用ホースは各ノズルを装着することができる延長ホースである。(パワーヘッドも装着できるが通電構造ではないためブラシは回転しない)。蛇腹部分が伸び縮するため、車内や家具の下のような本体がつっかえるような狭い場所の掃除に便利。また、本体に丸ブラシを取り付けて家具や高い場所を長時間掃除すると手がすぐにだるくなってしまうが、付属品用ホースに丸ブラシを装着すれば、本体を片手で持ちながら掃除ができるので、手にかかる負荷が軽減できるメリットも存在する。
VC-CL1400/VC-CL400の批評
管理人の評価
VC-CL1400/VC-CL400は人気のダイソンなどに比べると、本体だけでなく延長管やパワーヘッドも軽いので、軽さを重視したい人におすすめのスティッククリーナーである。前モデルとの大きな違いはワイドタイプ+自走式にリデザインされたパワーヘッド。従来モデルと同じ軽い重量を維持したまま、フロアを効率よく掃除ができるようになったうえ、軽い操作でヘッドを滑らせるようになったのは評価ができる。
ただし、競合メーカーの電圧より低いバッテリー(18V)が採用されているのにもかかわらず、バッテリーの交換にかかる費用が割高なのはマイナスポイント。自分で交換することができないのも痛い。維持費を重視したいのであれば、バッテリー代が安くなった翌年モデル[VC-CL1500/VC-CL500]のほうがおすすめである。なお、軽さやバッテリー代を重視する場合はシャープの[ラクティブエア]もおすすめである。