去年のダイソンは最もパワフルな「Dyson V11」、軽量でパワフルな「Dyson Digital Slim」、最も軽量な「Dyson Micro 1.5kg」の3タイプを展開していたが、今年4月に操作性が優れた全方向駆動タイプの「Dyson Omni-glide」が新しくラインナップされた。
Omni-glideはヘッドが宙に浮いているかのような感覚で、モップのように360°自由自在に移動させることができる斬新なヘッドが話題となっている。実際に使っても軽い力で色々な方向に移動できるOmni-glideは無駄にヘッドをくるくると回転させてしまうほど掃除が楽しい。
しかし、上の検証動画を見て分かるように、フローリングや畳のようなフラットな床面では、ヘッドを思ったところにスイスイと移動させることができるものの、カーペットの上では回転するローラーが停止し、最大の特長であるヘッドの浮遊感がなくなり、ヘッドを押し引きするのも困難となってしまう。
カーペットでは使えない子認定されてしまっているOmni-glideであるが、付属されているミニモーターヘッドを装着することで、カーペットをしっかり掃除することができる。
しかし、ミニモーターヘッドはソファーや布団などの清掃で使用する専用ツールのため、カーペットを効率よく掃除することができないうえ、床の種類に合わせてアタッチメントを交換する手間もネックとなる。
ソフトローラー(回転ブラシ)が停止する原因
カーペットやラグでソフトローラーが止まりやすい大きな要因は、クリーナーヘッドに内蔵されているモーターのトルクが非力なことである。Omni-glideは2つのローラーを1つのモーターで回転させており、このモーターはMicro 1.5kgのヘッドに搭載されているモーターと同等の仕様となっている。
Micro 1.5kgのようにローラーが1つであればカーペットでも回転は止まりにくいが、Omni-glideは2つのローラーを回転させているため、モーターに負荷のかかるカーペットではパワー不足で、ローラーが減速or停止してしまう。このため、 Omni-glideはフローリング・畳・タイルのような平坦な床材が多い家に向いている。
カーペットの上でヘッドの動きを止めると、毛足の短い絨毯でもローラーは停止した。毛足によるひっかかりでモーターに負荷がかかったことが原因だが、掃除機本体の重みがストレートパイプを伝ってヘッドの中心にかかっていることも要因だろう。
ヘッドの動きを止めたときにローラーが停止するのであれば、常にヘッドを前後に滑らせれば止まらないと思ったが、ヘッドを前に押すとヘッドを止めたときよりローラーは停止しやすかった。ヘッドを前に滑らせたときに、上から押さえつける強くかかることが原因だろう。
ソフトローラー(回転ブラシ)が止まりにくい掃除機のかけ方
クリーナーヘッドの動きを止めたり、前に滑らせる動作ではローラーは停止したものの、後ろに引く動作ではローラーが止まりにくいことに気づいた。毛足の長いカーペットは止まってしまうが、毛足の短いカーペットではほぼ止まらない。これはヘッドを前方向へ押す動作と違い、後方向へ引く動作ではヘッドを上から押さえつける力がかからないからであろう。
ヘッドを前後にしか移動させることができない一般的な掃除機だと、ヘッドを引く動作のみの掃除機がけはヘッドを上げ下げする必要があるため、腕に負荷がかかって大変だ。
しかし、ヘッドが360°自由自在に移動させられるdyson-omni-glideだと、ヘッドを上げ下げしなくてもヘッドを方向転換させることができるので、ヘッドを引く動作のみでの掃除はそれほど苦ではない。
Omni-glideを一週間ほど使っていると、カーペット上でヘッドを前に進ませる動作でもソフトローラーを止めずに掃除機をかけられるようになった。自然とヘッドを上から押さえつけない持ち方を取得したようだ。
どのような持ち方をしているのかというと、上のイラストのようにハンドルを持っている手の人差し指を支点とし、母指球で下方向に押さえつけるとヘッドを上から押さえつける力が低減されるというもの。
ただし、人差し指と母指球は繋がっているため、イラストような力の加え方は難しい。支点(人差し指)と力点(母指球)を意識して、手首を上方向に曲げてみたほうが感覚的に分かりやすいかもしれない。
マスターすると動画のようにヘッドを押し引きさせてもソフトローラーが停止しなくなった。ただし、テコを利用しているとはいえ、前腕を使って手首を上に曲げているため、カーペットを敷いている面積が広いと腕が疲れやすい。また、毛足が長いカーペットやラグだとかなり力が必要となり、男の私でもきつかった。
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