どんどん増えていく激安中華コードレスクリーナー
現在、Amazonの「コードレス掃除機」の検索結果で上位を席巻している製品が、ダイソンのフォルムに似ている中華製の格安スティック勢。去年は販売しているメーカーを把握していたが、現在は、色々なメーカーから類似製品が販売されているうえ、ラインナップも増えて把握しきれない状態。
去年のこれらのメーカーの特徴は、「レビューしているユーザー名が日本人の本名」「日本語がちょっとおかしい」「短期間に大量のレビューがつく」「評価の数が4桁もあるのに星5つだったり」と、サクラレビューまみれの怪しい中華製品という認識をしていて手をだそうとは思わなかった。
ところが、最近、Youtubeで掃除機の動画を視聴していると、関連動画でDibeaのような安価な高機能タイプのスティックコードスクリーナーをレビューしているユーチューバーの動画が散見されるようになった。動画を見ていると評価もそこまで悪いものではなく、軽くて取り回しもよさそうだ。
そこで、ダイソンユーザーの自分もダイソンのモデルと比較しながら、ダイソンの偽物と言われている安価な中華コードレスクリーナーの実力を検証してみることに。
Dibea D18改良型とダイソンを比較しながらレビュー
Dibea D18改良型を購入するまき
今回購入した中華モデルはDibeaのD18(改良型)で、価格はAmazonや楽天市場で1万円ちょっとで販売されていた。このモデルの本体はジョウロのような形状になっており、旧フォルムのダイソンとよく似ている。
さすがにダイソンのフラッグシップ機と比較するのは可哀想なので、同じようなクリーナーヘッドを標準装備しているV7 Slimと比較してみることに。本物を登場させて比較するのでモノマネ歌合戦のようだ。
後で知ったことだが、DC18は2019年モデルとなり、2020年モデルもすでに発売されているようだ。2020年モデルはダイソンの新型フォルムに似ており、初めて見たときは笑ってしまった。
ちなみに、Panasonic(パナソニック)に名前を似せてきているProscenic(プロセニック)の最新モデルもダイソンの新型フォルムにそっくりとなっている。
ただし、どちらの新モデルも従来モデルに比べると価格が2倍以上になっており、実勢価格は24,000~27,000円。中華メーカーの最大のメリットであるリーズナブルな価格が失われているようだ。
中華メーカーのコードレス掃除機は大半がサクラレビュー!?
ちなみにDibeaやProscenicの製品をサクラレビューがわかるサクラチェッカーにかけると、ほとんどの製品がサクラ度80%という信憑性にかける結果となった。
ツイッターでも「掃除機 レビュー 募集」と検索すると、中華メーカーの掃除機を無償提供するかわりに高評価のレビュー依頼の募集をしている業者が散見される。
また、架空アカウントから他人の住所を使って注文後、コストのかからない商品(種子等)を送料無料で発送。発送の実績作って購入者レビューをつけるブラッシングも流行っているという。
なぜこんなことを中国の業者をしているのかというと、Amazonの検索結果の一列目に販売している商品を表示させて、販売押し上げの効果を狙っているようだ。
一方の我が家で愛用しているマキタやダイソンのサクラ度はレビュー数が多いにも関わらず0%という結果であった。ちなみに、日本の大手家電メーカーなどの生活家電もサクラ度は0%に近い結果となっている。
安価なハイエンド機であればAnkerのほうがおすすめ!
個人的に前述した中華メーカーの少し割高になった新モデルを買うなら、モバイルバッテリーなどの製品でブランド力を高めてきているAnkerの2020年モデル[Eufy HomeVac S11 Go]を選んだほうが無難のように思う(次回レビューしたい)。
これまでAnkerのモデルは使い勝手が悪いスタンドタイプなうえ、バッテリー交換ができないため、おすすめしてこなかったが、2020年モデルはダイソンのような重心が手元にある「ハンディタイプ」を採用したうえ、ワンタッチで取り外せる「着脱式バッテリー」を採用しているからだ。
さらに価格はDibeaやProscenicの新モデルより安い17,800円。保証期間も中華メーカーは基本的に1年なのに対して、Ankerは18ヶ月と6ヶ月も長いメリットも。さらには、Ankerの会員(無料)になれば、保証期間が24ヶ月に延長されるため、壊れやすいモーターヘッドやバッテリーが故障しても安心だ。
スイッチの違いを比較
吸引力の違いを比較してみた
吸い込んだ空気とゴミの分離性能の違い
Dibea D18の集じん方式は紙パックなどのランニングコストがかからない「サイクロン方式」が採用されている。そこで、フィルターの目詰まり原因となる超微細なゴミ(粉じん)に見立てたシナモンパウダー(20g)を遠心分離性能をダイソンの中で一番サイクロン数が少ないDC45と比較してみた。
サイクロン構造の違い
ゴミ捨ての違い
基本的にサイクロン掃除機はダストカップ内の中央にメッシュのフィルター(シュラウド)が配置されている。このメッシュ部に髪の毛・ペットの毛・綿埃のようなゴミが絡みつきやすいため、定期的にお手入れが必要となるのだが、D18はシュラウドのお手入れをする場合、本体、モーター、フィルター、ダストカップ、シュラウドを分割しないといけないので非常に面倒だと感じた。
パワーヘッド(モーターヘッド)の違い
バッテリーの電圧が格下のダイソン(Digital Slim)に比べると吸引力は弱かったものの、ヘッドのブラシパワーはかなり強い部類だと感じた。家庭のフローリングに落ちているゴミであれば、固形のゴミは除いて全て掻き浮かせながら吸引することができるだろう。ブラシパワーは指で押さえつけても止まらないことから、モーターに負荷のかかる毛足の長いカーペットを掃除しても勢いよく回転する。ダイソンのように静電気の発生を抑えるカーボンブラシは採用されていないが、毛量の多い柔らかいナイロンブラシが採用されているので、特に気にならない。
ブラシバーには柔らかいナイロンブラシとやや硬めのナイロンブラシを搭載。カーペットに頑固に絡みついた猫の毛(アンダーコート)をダイソンのV7 SlimやFluffyに標準装備されている「カーボンファイバーブラシ搭載モーターヘッド」のように効率よくキレイに集じんすることができた。
クリーナーヘッドは力を入れずに前へとぐんぐん進む自走式ではないものの、ヘッドの後ろ側には大きな車輪(ローラー)が搭載されているため、ダイソンのクリーナーヘッドより、軽い力でヘッドを前後に滑らせることができた。
ちなみに自走式は硬いブラシを搭載できないため、カーペットからゴミを掻き出す集じん力が低下する欠点が存在。このため、ヘッドをゆっくり引きながら掃除をしないといけなくなるが、このヘッドはそんな面倒な裏技を使用する必要はなかった。
パワーヘッドに搭載されている回転ブラシはワンタッチで簡単に取り外すことができる。家では回転ブラシに猫の毛が絡みつきやすいので、ストレスフリーで回転ブラシを取り外せるのは高ポイント。ダイソンも最近のモデル(V8 Slim/Digital Slim™)は、簡単にブラシバーを取り外せるようになったものの、それまでは硬貨を使わないとブラシバーを取り外すことができなかったのでストレスに感じていた。
排気性能や気密性の違い
DibeaとDysonの掃除機にスモークマシーンのスモークを吸わせて、排気性能と密閉性を違いを比較してみた。スモークの粒子は肉眼では見えないハウスダストように小さいので、フィルターの捕集効率や本体の気密性が低ければ、煙が排気口や各パーツの継ぎ目から漏れ出てくるという。
運転音(騒音値)の違い
Dibea D18 | 運転モード | Dyson V7 |
79dB | 標準 | 75dB |
84dB | 強 | 84dB |
Dibea D18とDysonの運転音(騒音値)を比較してみた。比較したDysonのモデルはV7シリーズ。DysonはV7以降のモデルは運転音がこもった音になっており、従来シリーズと比べて甲高い音が耳につかなくなっている。標準モードの騒音値はD18のほうが大きい結果となったが、体感ではV7ほうが甲高い音が耳について不快に感じた。強モードでは騒音値は同じ結果になったが、体感ではDibea D18のほうが甲高い音が不快に感じた。ちなみに大きな音をだせない時間帯に使用する場合はエコモードが搭載されたV10/V11/Digital Slimがおすすめである。
収納+充電方法の違い
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