BOSCHユーザーが待ちに待ったスティックコードレス掃除機(1号機)
POINT
- ●BOSCH初となるスティックコードレス掃除機
- ●電動工具に使用されているバッテリーを搭載
- ●GAS 14.4V-LIH(14.4V-リチウムイオンバッテリー)
- ●GAS 18V-LIH(18V-リチウムイオンバッテリー)
2013年6月3日にBOSCH(ボッシュ)から、初となるスティックコードレスクリーナーが発売された。どちらも同社のプロ用電動工具に採用されているリチウイムイオンバッテリーを装着して使用することができ、バッテリーの電圧はGAS 14.4V-LIHが(14.4V)、GAS 18V-LIHが(18V)となっている。国内の競合メーカー(マキタ、日立工機、リョービ、パナソニック電工)がプロ用モデルを発売して約3年。後発で発売されたBOSCHのモデルを実際に購入しガチ検証を行ってみた。
[GAS18V-LI]と[GAS18V-LIH]の違い
POINT
- ●GAS14.4V-LIH(電圧14.4V)(本体のみ)
- ●GAS18V-LIH(電圧18V)(本体のみ)
- ●GAS18V-LI(電圧18V)(セット品)
今回プロ用モデルから発売されたモデルは[GAS14.4V-LIH][GAS18V-LIH][GAS18V-LI]の3種類。
GAS14.4V-LIHは電圧が14.4Vのリチウムイオンバッテリーが採用されているが本体のみの販売となっているため、BOSCHの14.4Vシリーズの電動工具を持っていない場合は、単品販売されている充電器とバッテリーを購入する必要がある。(バッテリーと充電器の種類一覧はこちらのページからどうぞ。)
[GAS18V-LIH]と[GAS18V-LI]はどちらも同じ本体であるが、[GAS18V-LIH]は本体のみとなっているため、BOSCH(プロ用)の18Vのリチウムイオンバッテリーと充電器を持っていない場合は、どちらも同梱されているセット品の[GAS18V-LI]を選ぶとよいだろう。
ハンディークリーナーとしても使えるから幅広い掃除ができる
GAS18V-LI(H)とGAS14.4V-LIHは、延長管(ストレートパイプ)を取り外せばハンディクリーナーとしても使用することができる。本体吸込口は斜めにカットされているため、目に見えるゴミであればノズルを装着しなくても吸引することが可能である。
また、付属品の[床用ヘッド]や[スキマノズル]を装着して使用することもできるため、家の階段掃除から車内の掃除まで幅広く使用することができる。その他に別販売品の[丸型ブラシ]を装着すれば、凸凹とした入り組んだ場所の掃除をすることも可能だ。
GAS18V-LI(H)とGAS14.4V-LIHのスイッチ方式
押しボタン式だから指が疲れない&LEDライトが照射
POINT
- ●押しボタン式のパネルスイッチが採用されている
- ●吸引モードを2段階に切り替えられる
- ●使用中はLEDライトが床を照射する
GAS18V-LI(H)とGAS14.4V-LIHのスイッチ方式は、連続運転に向いている押しボタン式のパネルスイッチが採用されている。赤い電源ボタンでON/OFFすることができ、上のHigh/Lowボタンで吸引力の強弱を2段階に切り替えることが可能となっている。
GAS18V-LI(H)の吸込仕事率(吸引力)
マキタや日立工機と同等クラスの吸引力
ここにタイトル
- ●GAS 18V-LI(H)の吸込仕事率(32W)
- ●GAS 14.4V-LIHの吸込仕事率(29W)
●体感ではマキタの上位モデルよりあきらかに上
●日立工機をかもれるパワーを持っている
現在(2017年)、国内の大手電動工具メーカーから販売されている18Vのスティックコードレス掃除機の吸引力を順位付けすると、毎日掃除機を使ってる私の体感では(リョービ(BHC-1800)>日立工機(R18DA)>マキタ)の順番となる。
今回、検証を行った18Vの[GAS 18V-LI(H)]は、市場で人気のマキタよりゴミを吸い上げる力は強く、日立工機の上位機種かもれるほど強い吸引力であった。検証動画でも我が家で落ちている一番重たい猫砂も一瞬で吸い上げるほど。
14.4VのGAS 14.4V-LIHも[GAS 18V-LI(H)]と比較すると吸引力の目安となる吸込仕事率の数値に大きな開きがないことから、パワーの面ではどちらもストレスがかからずに掃除をすることができるだろう。
イメージ画像 | ゴミ | 備考 |
大鋸屑 | 1ストロークでほぼ吸引することができる。 | |
切削屑 | 山盛りになっていなければ、 1ストロークでほぼ吸引することができる。 | |
硬貨 | 10.8Vのようにしんどい感じもない。 重たい500円効果も吸い上げることができた。 | |
ペットの砂 | 軽々と吸い上げることができた。 しかし、ヘッドと床の隙間が狭いため ゴミに対してヘッドかぶせながら吸引する必要あり | |
ペットフード | ||
切削屑 絨毯 | 表面に落ちているゴミは問題なく吸引できた 奥深くに入り込んだ微細なゴミの集じん能力は低い |
大きな固形のゴミはヘッドをかぶせないと吸い取れない
GAS14.4V-LIHとGAS18V-LI(H)のゴミの捨て方
紙パックが不要だから経済的
[14.4V-LIH]や[GAS 18V-LI(H)]の集じん方式は、吸い込んだ空気とゴミをフィルターで分離する方式が採用されている。
回収したゴミはダストカップに溜まり、本体から取り外して捨てられるので、紙パックのようにランニングコストもかからず経済的だ。
さらにフィルターは空気清浄機などにも使用されている[HEPAフィルター]を搭載しており、アレルギーの原因となる花粉などの微細な粉じんも捕集することができる。
フィルターのお手入れ方法
フィルターの取り外し方
[14.4V-LIH]と[GAS 18V-LI(H)]のフィルター部は3つのパーツで構成されており、[フィルターシール]に[HEPAフィルター]と[フィルターカバー]が組み付けられている。
BOSCH(ボッシュ) バッテリークリーナー用HEPAフィルター 2607432049
HEPAフィルターのお手入れ方法HEPAフィルターの溝に粉じんが大量に詰まるため、ダスター刷毛のような毛先の細いブラシを使って除去することをおすすめする。ブラシを使っても溝に挟まったゴミが除去できない場合は、硬いもので軽く叩いて振動を発生させれば落とすことができた。お手入れをする際に埃や塵が舞いあがってしまって不衛生なので、ゴミの舞いあがりを抑えたい場合は、ブラシノズルをつけた別の掃除機で吸引しながら取り除いたほうがよいだろう。
一度BOSCHに付けたら外せなくなる!マキタのサイクロンアタッチメント
サイクロンアタッチメント 3つのメリット
- ●BOSCHの面倒なフィルターお手入れから解放される
- ●ゴミ捨てが簡単になり、埃が舞い上がらなくなる
- ●消耗品(HEPAフィルター)の交換頻度が減り経済的
Amazonや楽天市場などの通販サイトで[14.4V-LIH]と[GAS 18V-LI(H)]の口コミやレビューを見ていると、吸引力・稼働時間・充電時間といった基礎的な面では満足しているユーザーが多いものの、ゴミ捨てやフィルターのお手入れが面倒という批判的な書き込みが多く存在する。
実際にダストカップに溜まったゴミはフィルター部を取り外さないと捨てられないため、すぐに面倒くさくなってきた。さらにフィルターがすぐに目詰まりしやすいため、頻繁にフィルターのお手入れをしなければいけない。フィルターをお手入れするときは、手が汚れたり、埃が舞い上がりやすいため煩わしいメンテの1つ。
そんな面倒なゴミ捨てお手入れで悩んでいる人におすすめなのが、マキタから発売された[サイクロンユニット(A-67169)]である。これを装着すると大半のゴミがサイクロンユニットのダストケースに回収されるため、フィルターが目詰まりしにくくなるのだ。(レビュー記事は「マキタから発売されたサイクロンアタッチメント(A-67169)の使用レビュー」からどうぞ。)
フィルターが目詰まりしにくくなると、吸引力が持続するだけでなく、フィルターのお手入れをする頻度が下がり、面倒なメンテンスから解放されるメリットも。さらにダストケースはワンタッチで取り外すことができるため、手を汚さずストレスフリーでゴミ捨てが行えるように。さらには、ダストケースが細長い形状になっているため、ゴミ捨て時に塵や埃が舞い上がりにくい。
GAS18V-LI(H)とGAS14.4V-LIHのバッテリーと充電器
プロ用電動工具と同じバッテリーだから使いたいときにすぐ使える
POINT
- ●GAS18V-LI(本体+バッテリー+充電器)
- ●GAS18V-LIH(本体のみ)
- ●GAS14.4V-LIH(本体のみ)
- ◉BOSCHの充電器とバッテリーの種類は「こちらのページ」からどうぞ
GAS18V-LI(H)とGAS14.4V-LIHには、同社のプロ用シリーズの電動工具にも使用されているリチウムイオンバッテリーと充電器が採用されており、家電メーカーに負けない早い充電スピードと、家中まるごと掃除ができるスタミナを持っている。
18Vシリーズのプロ用電動工具を持っている人は、本体のみの[GAS18V-LIH]を選ぶとよいだろう。バッテリーと充電器を持っていない場合は、本体に加え、バッテリーと充電器が同梱されている[GAS18V-LI]を選びたい。
14.4Vシリーズのバッテリーが採用されている[GAS14.4V-LIH]は本体のみでしか販売されていないため、プロ用シリーズの14.4Vのリチウムイオンバッテリーと充電器を持っていない場合は、それぞれを単品で購入する必要がある。
「充電時間」と「連続使用時間」使いたいときにすぐ使える
POINT
- ●バッテリーは外付けタイプ
- ●充電は本体からバッテリーを外して充電器で行う
- –
- ●GAS18V-LI(H)の稼働時間は強モード約27分(3.0Ah使用時)
- ●GAS18V-LI(H)の充電時間は約35分(3.0Ah使用時)
- –
- ●GAS14.4V-LIHの稼働時間は強モード約17分(2.6Ah使用時)
- ●GAS14.4V-LIHの充電時間は約30分(2.6Ah)
本体に加え(バッテリー+充電器)がセットになった[GAS18V-LI]には、容量が3.0Ahのリチウムイオンバッテリー(A1830LIB)と、14.4Vと18Vのリチウムイオンバッテリーを充電できる充電器(AL1860CV)が同梱されている。
AL1860CVはA1830LIBを約35分でフル充電することができ、AL1830LIBを装着したクリーナーは(High:約27分、Low:約60分)連続運転することができる。
14.4VシリーズのGAS14.4V-LIHには、前述したように充電器とバッテリーが同梱されていないため、AL1860CVとバッテリーを購入する必要がある。ちなみに、2.6Ahの(A1426LIB)を使用した場合、約30分でフル充電することができ、(High:約17分、Low:約45分)連続運転することができる。
工具不要!ワンタッチで取り外せる外付けバッテリー
外付けバッテリー 3つのメリット
- ●外付けバッテリーだから→充電器で急速充電できる
- ●外付けバッテリーだから→バッテリーが劣化しても買い換えるだけ
- ●外付けバッテリーだから→本体を好きな場所に収納できる
基本的に電動工具メーカーのスティックコードレス掃除機はバッテリーが外付けなのが特長。BOSCHも電動工具のスライド式バッテリーを掃除機に採用しているため、本体からバッテリーをワンタッチで着脱することができる。
そのため、家電メーカーが販売している高機能タイプの製品に比べると、急速充電できる充電器でバッテリーを充電できるため充電時間が圧倒的に早い。
また、バッテリーの持ちが悪くなったりして寿命がきたときも、わざわざメーカーに修理をださなくても、自分で新しいバッテリーを買い換えればよい。
その他に、バッテリーを本体から取り外して充電器で充電できるため、邪魔になる本体の収納場所がコンセント場所に縛られず、好きな場所に収納できるというメリットも存在する。
バッテリーの残量が分かるランプ
バッテリーには残量が分かるインジケーターが搭載されており、ランプの左にあるボタンを押すことにより、残量がどれくらいあるのか知ることができる。バッテリーはリチウムイオンバッテリーが採用されているため、残量が残っている状態で充電してもメモリー効果の影響をうけたりしないので安心だ。
急速充電器なのに充電音は図書館並みに静か
競合メーカー(マキタ、日立工機)の急速充電器を使用するとバッテリーを冷やすファンが回転するため、同じ部屋にいると耳障りな音がする。(充電中の動画はこちら)、騒音値は50dB台なので換気扇が回ってるくらいの音の大きさである。
一方、BOSCHの充電器で充電した場合、急速充電するにも関わらず不快な音はしなかった。騒音値を測定してみると約35dBと夜中の郊外と同じくらいの騒音値なので、1mも離れると人の耳が聞き取れるような音はしないと思ってよいだろう。
[14.4V-LIH]と[GAS 18V-LI(H)]の収納方法
省スペースに収納する方法
POINT
- ●BOSCHの専用ホルダー(壁にネジ止めする必要あり)
- ●他社のクリーナースタンド(壁にネジ止めする必要なし)
[14.4V-LIH]と[GAS 18V-LI(H)]の本体後部にはストラップが付いているため、フックにかけるなどすれば省スペースに収納することが可能だ。ストラップを利用せずに立てかけて収納する場合は、同社が販売しているの壁用ホルダー(1619PA5263)を利用するとよいだろう。しかし、壁用ホルダーは壁にビス止めして固定する必要があるため、壁に穴を開けられない環境であれば、他社が販売している[クリーナースタンド]を使用するとよいだろう。