メーカー | モデル | 吸込仕事率 |
マキタ | CL180FD(2009年) | 30W |
日立工機 | R18DSAL(2014年) | 40W |
リョービ | BHC-1800(2015年) | 60W |
紙パックなのに吸引力がイナズマ級だから「BHC-1800」を使うとマキタ掃除機に戻れなくなる
吸引力の強いコードレス掃除機といえばマキタと言われた時代がありましたが、最高峰、18Vシリーズのラインナップは2009年生まれと少しばかり年をとっています。
2014年に日立工機から全面的にパワーアップしたR18DSALが発売され、このモデルは同クラス(18V)のマキタの掃除機を凌駕するほど吸引力が強いものでした。
そして、2015年にリョービから発売された18VのBHC-1800は、あのマキタを凌駕した日立工機のR18DSALをさらに圧倒する吸引力を誇っています。
電動工具メーカーのツールは他社と同等のスペックだとしても実際に使ってみると性能に大きな差があることもあり、基本的に自分はメーカーが公表しているスペックは信じていません。
しかし、この三社のコードレスクリーナーを実際に手にとって使ってみましたが、リョービの吸込仕事率60Wは間違いなく本物です。正直、こんなに早く日立工機のネガキャンをする日が来るとは思っていませんでした。
床を掃除したときの吸引力は家電メーカーの高級タイプより強い
リョービのBHC-1800より吸込仕事率を超えるコードレス掃除機は家電メーカーのハイエンドモデルに存在しますが、メーカーが掃除機の吸込仕事率を測るときは床用ヘッドを外した状態で計測します。すなわち、ブラシを配置した幅広い床用ヘッドを装着すると吸引力をロスすることもあり、吸込仕事率が高いからといって吸引力が強いとは限りません。
リョービのような電動工具メーカーが採用している床用ヘッドは、とてもコンパクトなうえ回転ブラシを搭載していないので、18Vクラスの業務用モデルで床用ヘッドを装着して掃除をしていると、吸引力が家電メーカーより強く感じます。(特に日立工機やリョービ)。なので、床に落ちている目に見えるゴミ(埃、髪の毛やペットの餌や砂のような固形のゴミ等)を効率よく吸い取ることができます。
ただし、吸引力が強くてもノーマルヘッドでは苦手なゴミの種類もありまして、カーペットの奥深くに入り込んだ微細なゴミや絡みついたゴミはノーマルヘッドが採用されている電動工具メーカーやローエンドタイプのコードレス掃除機ではうまく吸引できないことがあります。また、フローリングに小麦粉や片栗粉(ハウスダスト擬似)をばらまくと分かりますが、床表面に付着してしまった粉をノーマルヘッドで完全に吸い取るのは困難です。(床表面が薄っすら白く汚れる)
これらのゴミはブラシをモータ駆動で回転させているモーターヘッドを標準装備している家電メーカーのハイエンドモデルでないと効率よく吸い取れません。なので、吸込仕事率の数値が高いからといって多くのゴミの除去率(ダストピックアップ率)が高いとは限らないのです。
サイクロンユニットを装着できるから、紙パックの購入費用がかからない
コードレス掃除機の集じん方式がカプセル式派の方は、紙パックは購入費用がかかったり、吸引力が低下しやすいので毛嫌いするかもしれませんが、リョービのBHC-1800はサイクロンユニットが標準付属されているので、紙パック式でありながらサイクロンユニットのダストケースにゴミを回収することができます。
紙パックなのに吸引力が低下しにくい
サイクロンユニットを装着すると遠心力によってゴミと空気をダストケース内で分離できるので、紙パックにはゴミが搬送されず吸引力が低下しにくくなっています。ちなみにBHC-1800は吸引力が強すぎるので、マキタの紙パック式モデルと違って紙パックがゴミで一杯になっても吸引力はかなり強いです。
回収したゴミは埃を舞い上がらせずにゴミを捨てられる
さらにカプセル式のモデルはゴミを捨てる際に埃が舞い上がりやすく、フィルターに付着したゴミや微細なゴミを除去するのが面倒ですが、サイクロンユニットのダストケースに回収したゴミは埃を舞い上がらせることなく脱着&ゴミ捨てが行えます。
BHC-1800の欠点
アパートだと運転音が壁ドンされるレベル
BHC-1800はパワーが強いぶん、稼動音もかなりうるさいです。というか、建築現場などで使用される業務用なので家庭内で使うような配慮はされていないようです。自分が握ったコードレス掃除機の中で一番爆音で、昔、おじいちゃんおばあちゃんの家にあったような昭和レトロな掃除機並みに音が大きいです。
吸引モードを弱モードに切り替えても夜は使えないレベルの音の大きさです。隣の生活音が聞こえてくるような壁の薄いアパートの環境で使用すると近所迷惑になるかと思います。
ゴミストッパーと紙パックの間から埃が漏れる
マキタの紙パック式コードレス掃除機は、新型ゴミストッパー(バルブステー)が採用されるまで、ゴミストッパーと紙パックのわずかな隙間から埃が漏れていました。なので、ゴミを捨てるたびに紙パックが配置されている場所やフィルターに飛散した埃を除去しなければいけませんでした。
リョービのBHC-1800もゴミストッパーと紙パックのあいだに隙間ができるようで、マキタと同じように埃が漏れてしまい、紙パックが配置されている場所やフィルターにチリ・埃が飛散します。この埃漏れは紙パックとゴミストッパーの間に厚紙を噛ませることで解消されましたが、衛生的かつ手軽にゴミ捨てができないと紙パックの意味がないので、マキタのように改良してほしいものです。(厚紙を噛ませる方法は「BHC-1800の埃漏れ対策」という記事をご覧ください)
吸引力が強すぎてヘッドが床に張りつく
BHC-1800は吸引力が強すぎて床の素材によってはヘッドが床に張りつく力が半端なくて、ヘッドを前に動かしづらくなるので手に負担がかかる場合があります。(特にカーペット、パズルマット、シート系の床)この欠点は、マキタの「じゅうたんノズルDX」を装着することにより解消されます。
マキタが新しく発売したじゅうたんノズルDXは腰の強いナイロンブラシの代わりに、エチケットブラシとフワフワとした細いナイロンブラシを床との設置面に配列しているので、手に力をかけることなくヘッドを前後にスイスイ動かせるようになります。
2000円と少し高いですがフローリングやカーペットにも使え、エチケットブラシがついているので、床表面に付着した微細な見えないゴミも掃いとれるおすすめです。
発売されて日が経ってないので高い
マキタや日立工機の18Vシリーズのセット品は2万円台で購入できます。バッテリーの容量が低いものと抱き合わせて売っているセット品や、バラ(単品)で本体、バッテリーを購入し、充電器を急速充電に対応してないものや中古を購入すればさらに安く買うことも可能です。
一方、リョービのBHC-1800はアマゾンや楽天市場だと3万円前後します。ちなみに自分が購入したときは26,000円だったので価格の変動が激しいです。価格が高い要因は、「発売日がわりかし最近」「サイクロンユニット標準付属」「4.0Ahの大容量バッテリー標準付属」色々考えられますが、もう少し安いほうがうれしいですよね。まだまだ下がるのかな。