R36DA(SC)の実機レビュー
業界初となる36Vのスティックコードレスクリーナー
2020年10月22日に工機ホールディングス株式会社の電動工具ブランド[HiKOKI(ハイコーキ)]から、新しいコードレスクリーナーが発売された。新モデルは集じん方式が異なるR36DA/R36DA(SC)の2機種がラインナップされており、どちらも業界初となるパワフルなマルチボルト蓄電池(36V⇔18V)を搭載したモデル。マルチボルト蓄電池は18Vシリーズの電動工具にも使用可能。
同社によると建設現場などでは、さらなる強い吸引力だけなく、吸引力の持続性やクリーンな排気が求められているという。そこで新モデルではマルチボルト蓄電池(36V⇔18V)と高回転ブラシレスモーターを搭載。業界で一番強い吸込仕事率(155W)を実現したモデルと、排気が綺麗で吸引力が持続する2段サイクロン+高性能HEPAフィルターを搭載したモデルをラインナップ。
ついに発売された業界初となる36Vシリーズの充電式クリーナー!ハイコーキやリョービが頑張ってくれないとマキタがサボるので、マキタの40Vmaxと同等のバッテリーが搭載されたR36DAの発売は非常に嬉しいニュース。このページではR36DAの特徴を分かりやすく解説しながら実機レビューします。
[R36DA]と[R36DA(SC)]の違い
R36DA | モデル | R36DA(SC) |
強:155W 標準:65W 弱:35W | 吸込仕事率 | 強:90W 標準:50W 弱:25W |
ダストケース | 集じん方式 | 2段サイクロン |
560mL | 集じん容量 | 1室:400mL 2室:100mL |
ろ布製 ハイクリーンフィルタ | フィルター | HEPA製 高性能HEPAフィルタ |
1.6kg | 重量 ヘッド/延長管除く | 1.8kg |
強:15分 標準:30分 弱:60分 | 連続使用時間 | 強:15分 標準:30分 弱:60分 |
R36DAとR36DA(SC)の本体・バッテリー・延長管・床用ヘッドは同じとなっている。双方の相違点は集じん方式となっており、R36DAはダストケース内に配置されたフィルターで直接ゴミを捕集する[ダストケース集じん方式]なのに対し、R36DA(SC)は吸い込んだ空気とゴミを遠心分離する[サイクロン方式]となっている。
また、R36DA(SC)は空気清浄機などに採用されているHEPAフィルターを採用しているため、R36DAが採用している濾布製のハイクリーンフィルタより綺麗な空気を排出する。このため、フィルターが目詰まりしにくく、排気が綺麗なのはR36DA(SC)となるが、R36DAのほうが吸引力の指標となる吸込仕事率は圧倒的に高い。
(XP)と(NN)の違い
形名 | 本体 | バッテリ | 充電器 |
NN | ○ | × | × |
XP | ○ | ○ | ○ |
R36DAとR36DA(SC)には、(XP)と(NN)が付くモデルがラインナップされており、(XP)はバッテリーと充電器が付属されているが、(NN)は本体のみ(延長管・ヘッド含む)となっている。このため、同社の36Vリチウムイオンバッテリーと充電器を所持している人は(NN)、初めて36Vシリーズの充電クリーナーを購入する人は(SC)を選びたい。
筆者はフィルターが目詰まりしにくいR36DA(SC)を選びました。以前、R36DAと同じ集じん方式のマキタや日立工機のモデルを使っていて、ゴミを捨てる度にフィルターに付着したゴミを除去することが面倒だと感じたからです。サイクロン式は風路が増えたり、空気を曲げることで吸引力が低下するデメリットがあるものの、R36DAは2段サイクロン式ユニットを取り付けた状態で吸込仕事率が90Wもあり、その強い吸引力が長く持続することを考えると、吸引力の低下と+200gの重量は妥協することができました。
HiKOKI最高戦力の36Vリチウムイオンバッテリー搭載!!!
R36DAやR36DA(SC)はハイコーキが展開するマルチボルトシリーズ初となるコードレスクリーナーだ。マルチボルトシリーズに採用されている蓄電池は、同社の電動工具に採用されている中で一番電圧の高い36Vのリチウムイオンバッテリー。国内の電動工具業界ではこのクラスのスティックコードレスクリーナーは初の登場となっている。
電圧とは電気を押し出す力。すなわちより強力なモーターを高速回転させることができるマルチボルト蓄電池を搭載したR36DAから始まるモデルは、これまで同社や競合が販売してきた7.2V/10.8V/14.4V/18Vのコードレスクリーナーとは比較にならないほど強い吸引力を引き出すことができる最上位モデルとなっている。
また、R36DAに採用されているマルチボルト蓄電池は、同社が展開する36Vの電動工具だけでなく、18Vの電動工具にも使い回すことができるため、これまで18Vシリーズを愛用してきたユーザーは乗り換えやすくなっているのも嬉しいポイント。競合であるマキタも40Vmaxシリーズ(36V)を展開しているが、18Vシリーズの電動工具と互換性がなく不満が残る。
R36DAのセット品に標準付属されている36Vバッテリー(BSL36A18)は、前述した通り同社が展開する18Vシリーズの電動工具とも互換性があります。バッテリーの容量は36Vの電動工具に装着した場合、3.6V/2,500mAhのセルを10個直列につないだ状態なので(36V/2.5Ah)。18Vの電動工具に装着したときは3.6V/2,500mAhのセルを2個並列×5個直列に切りかわるので、BSL1850(18V/5.0Ah)のバッテリーと同等になります。
高回転ブラシレスモーター搭載
新モデルでは同社のスティックコードレスクリーナー初となる高回転ブラシレスモーターが搭載され、エネルギー変換効率と耐久性が大幅に向上されている。高回転ブラシレスモーターは1分間に73,000回転し、モーターの耐久性は18Vシリーズのブラシモーターと比べて2倍以上に向上。
前述した36Vのリチウムイオンバッテリーと高回転ブラシレスモターの搭載により、強モード時での吸込仕事率は従来の18Vシリーズより約3.9倍も強くなっている。その吸引力の強さは電動工具メーカーのマキタ・リョービ・パナソニックなどの大手競合メーカーを凌駕するほどだ(後述)。
業界最強の吸込仕事率(吸引力)
ハイコーキ R36DA | ハイコーキ R36DA(SC) | リョービ BHC-180 | マキタ CL281FD | ダイソン V10 |
強:155W 標準:65W 弱:35W | 強:90W 標準:50W 弱:25W | 強:90W 中:50W 弱:35W | パワフル:60W 強:42W 標準:15W | 強130W 通常28W エコ13W |
これまでハイコーキを含め国内の競合である電動工具メーカー(マキタ・リョービ等)のフラッグシップ機は18Vのバッテリーを搭載したモデルだったため、2倍の電圧の36Vバッテリーを搭載したR36DAの吸込仕事率は、競合の最上位モデルを凌駕した吸引力となっている。
その吸引力の強さは、高機能タイプのコードレスクリーナー(Dyson V10)のMAXモードを超えるほどパワフル。さらにその圧倒的パワーを15分間も使用することができるスタミナも兼ね備えている。本体のみのパワーだと家電メーカーのフラッグシップ機をかもれるレベルだ。
ただし、吸引力の持続力に特化した[2段サイクロン式ユニット]を装着したR36DA(SC)は、ダストケース集じん方式のR36DAに比べると吸引力が約4割低下する。それでも、去年吸引力が一番強いリョービのフラッグシップ(BHC-180L5)と同等なので、どんなゴミもストレスフリーで吸引できる。
1段サイクロン式ユニットの吸引力感想
業界一強い吸込仕事率は笑顔になるほどパワフル。もはや標準装備されているコンパクトなヘッドにはオーバースペックかと思うほど強く、吸い込む空気の力を利用してブラシを回転させているタービンヘッドを別販売したり、ありあまるパワーをスタミナに振ったほうがよいのではと思うほど。吸い込んだゴミがフィルタに流れる構造になっているため、ゴミを吸えば吸うほど空気の流れが悪くなり吸引力は低下するのだが、パワーが強すぎてダストカップが一杯になるまで重たい固形のゴミも吸い続けた。
1段サイクロン式ユニットの吸引力感想
ダストケース集じん方式に比べると吸込仕事率が約2割低下するようだ。ただし、前述したゴミを吸えば吸うほど吸引力が低下する構造のダストケース集じん方式と違い、フィルターが目詰まりしにくくなり、強い吸引力が持続することや、ゴミ捨てが簡単になるはメリットは大きい。その他に2段サイクロン式ユニットより、ユニットがコンパクトで軽量になるため、取り回しやすいのも高ポイント!
2段サイクロン式ユニットの吸引力感想
ダストケース集じん方式に比べると、吸込仕事率が約4割低下することと、サイクロンユニットの重量が1段サイクロンに比べると約200g重たくなるデメリットが存在。しかし、それでも吸込仕事率は90Wもあるので、家の床をストレスフリーで掃除をすることができた。ただし、一度にたくさんの米粒やペットの砂のような固形のゴミを吸引する用途では、ダストケース集じん方式や1段サイクロン方式のほうが格段に素早く吸い取ることができたこから、用途によってはやや物足りなさを感じるかもしれない。
スイッチ方式
R36DAはパネルスイッチ方式が採用されており、ボタンを一度押すことでスイッチのON/OFF操作が可能。運転と同時にLEDライトが点灯。
ボタンは[強ボタン][標準/弱ボタン][切ボタン]の3種類が手元の配置されており、ハンドルを握った状態で素早く操作することができる。
従来シリーズ(14.4V/18V)に採用されていた指で引くことでON/OFFが行えるトリガー式モデルは36Vシリーズにはラインナップされていない。
選べる3つの集じん方式
新モデルは従来のダストケース集じん方式を採用したR36DAと、2段サイクロンとHEPAフィルターを採用したR36DA(SC)の2モデルがラインナップされている。
また、2020年12月に1段サイクロン式ユニット(0037-6495)を別販売しており、本体にダストケースやサイクロンユニットを装着することで集じん方式を変更することができる。
ダストケース集じん方式
- 一番吸引力が強い(吸込仕事率:155W)
- 本体が軽くて小型になり取り回しやすい
- 一番フィルタが目詰まりしやすい
- ゴミ捨て毎にフィルタ手入れが必要
- 排気性能が低い(HEPAフィルタ装着可)
R36DAのダストケース集じん方式は、吸い込んだゴミをダストケースの中に配置されているハイクリーンフィルターで捕集。サイクロン式に比べると風路の容積が小さいうえ、空気を曲げずに直線的に流れる構造になっているため、業界最強の吸引力(155W)で固形ゴミも効率的に吸引できる。
ただし、後述するサイクロン技術で空気とゴミを遠心分離するユニットと違い、吸込口からフィルターへと空気が流れる単純な構造になっているため、ゴミが溜まると吸引力が低下しやすいのがネックとなる。その他にゴミを捨てる度に粉じんが付着したフィルターをお手入れする必要がある。
2段サイクロン式ユニット
- ダストケース集じん方式より吸引力が約4割低下
- 吸込仕事率:90W
- 一番フィルタが目詰まりしにくい
- デフォルトで排気がクリーン
- 本体が重い+長くなるので取り回しにくい
R36DA(SC)の集じん方式はサイクロン方式になっており、本体に2段サイクロン式ユニットが装着されている。ダストケース集じん方式と違い、空気と大きなゴミを1段目のダストケース内で遠心分離後、フィルター目詰まりの原因となる微細なゴミを2段目の小型サイクロン(10気筒)で遠心分離。吸引力がダストケース集じん方式に比べると約4割低下するが、面倒なフィルターなお手入れしなくても強い吸引力が持続するメリットは大きい。
また、3段目には空気清浄機にも採用されている高性能(HEPA)フィルターを配置しているため、肉眼では捉えにくい粉じんも捕集することができる。このため、排気性能はハイクリーンフィルターを採用しているR36DAより、HEPAフィルターを採用しているR36DA(SC)のほうが向上しており、キレイな空気を排出する。ちなみにR36DAもハイクリーンフィルターとHEPAフィルター(372726)を組み合わせて排気性能を向上させることが可能。
1段サイクロン式ユニット
- ダストケース集じん方式より吸引力が約2割低下
- 吸込仕事率:120W
- 2段サイクロン式ユニットより軽くて取り回しやすい
- HEPAフィルタを装着できないから排気性能が低い
- フィルターが2段式より目詰まりしやすい
- 濾布フィルタを外すと手入れが楽になった
2020年12月にR36DAに取り付けられる1段サイクロン式ユニットが別販売された。2段サイクロン式ユニットに比べるとフィルターは目詰まりしやすくなるが、吸引力の低下は約2割ほどで済むうえ、軽くて取り回しやすいメリットがある。(2段サイクロン:重量480g/吸込仕事率90W、1段サイクロン:重量280g/吸込仕事率120W)。
一般的な1段サイクロンに配置されているメッシュフィルター部に、布製のフィルターがかぶせられているため、意外に目詰まりしやすいのがネックとなる。不織布のフィルタを取り外すとフィルターのお手入れは楽になった(詳細記事)。
ダストケース 375157 | 990円 | |
1段サイクロン式ユニット 0037-6495 | 3,000円 | |
2段サイクロン式ユニット 0037-6496 | 3,500円 |
R36DAから始まるモデルはすべて同じ本体なので、単品販売されているダストケースやサイクロンユニットを購入することで、後から集じん方式を変更することが可能です。今後、ネット通販でも取り扱うショップが増えてくると思いますが、見つからない場合はハイコーキの製品を扱うホームセンター等で上の型番を伝えれば取り寄せてくれます。
R36DAにマキタのサイクロンアタッチメントを装着することも可能でした。個人的にはゴミ捨ては外付けサイクロンのほうが簡単なので、頻繁にゴミ捨てを行う用途では外付けサイクロンのほうがおすすめです。取り付け方法と注意点は上の動画か、こちらの記事をご参照ください。
連続使用時間
モデル名 | R36DA | RD36DA(SC) |
連続使用時間 | 強:15分/標準:30分/弱:60分 | 強:15分/標準:30分/弱:60分 |
R36DAとR36DA(SC)は同じ本体とバッテリーが付属されているため、各運転モードの連続使用時間は同じとなっている。
付属されているバッテリー(BSL36A18/容量:36V-2.5Ah 18V-5.0Ah)を装着した場合の使用時間は強モード:約15分/標準モード:約30分/弱モード:約60分。
新モデルは同社の電動工具にも使用されている着脱式バッテリーが採用されているため、予備バッテリーを用意することで長時間の掃除にも対応できる。
現在、R36DAに使用できる36Vのバッテリーは上記の5種類がラインナップ。基本的に容量が大きいモデルのほうが使用時間が長くなり、重量は重たくなる。
バッテリー後部には残量表示ランプが搭載されており、電池残量表示スイッチを押すことでおおまかに残量を確認することができる。
バッテリー残量が25%未満で掃除が終わった場合、次回の掃除の途中で残量が0になることがあるので、充電を忘れないようにしたい。
ダイソン並の強モードの吸込仕事率が約15分も使用できるのはかなりの高ポイント。強モードのまま(6帖/4部屋)をまるごと掃除をすることができました。約30分使用できる標準モードを使用すれば、掃除をするたびに充電を行う必要もなかったです。
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バッテリー残量が確認できる表示ランプは、マキタ同様にいちいちスイッチを押して確認するのが面倒だと感じました。使用中に残量表示ランプが点灯されるように改良してもらえると、使用中に突然充電が切れることも少なくなるのでありがたい。
充電時間と充電方法
モデル名 | R36DA | R36DA(SC) |
充電時間 | 約25分 | 約25分 |
付属されている充電器(UC18YDL2)で充電した場合、実用充電(約19分)/満充電(約25分)という短時間で充電が可能なため、途中で充電が切れてもすぐに掃除を開始することができる。
冷却ファン付きの急速充電器のため、家電メーカーの製品に比べると充電音が少し大きいものの、睡眠時にでも充電しなければ、個人的にはあまり気にならない騒音値である。
ハイコーキの18V/36Vの電動工具に使用されている着脱式バッテリーがクリーナーに装着されているため、バッテリーは本体からワンタッチで取り外すことができる。取り外したバッテリーを充電器に差し込めば充電を行うことができる。
急速充電器で充電するため、充電時間が家電メーカーの製品より早いことや、本体収納場所が電源周りに縛られないメリットがあるが、普段電動工具を使用していない人からすると、バッテリーの着脱充電が一手間と感じる人も多いかもしれない。
R36DAに使用できる36Vバッテリーは、14.4V/18Vバッテリー専用の充電器でも充電することが可能です。このため、従来の充電器を持っている場合は、本体とバッテリーを単品で購入したほうが、従来の18Vから36Vの新モデルに経済的に乗りかえられます。写真の充電器はカタログにも掲載されなくなった古い充電器(UC18YSL2)です。
収納方法
本体後部にフックに引っ掛けることができるストラップがついているため、壁にフックをネジ止めすれば壁に立て掛けて使用することができる。
壁に傷をつけたくない場合は同社が販売しているコードレスクリーナー用スタンド(0037-5347)を使用すれば、壁に穴をあけずに好きな場所にクリーナーを設置することができる。
R36DAとR36DA(SC)のヘッドは奥行きがそれほどないため、他社が販売しているクリーナースタンドを流用することも可能でした。メーカーが販売しているスタンドのデザインが気に入らなかったり、収納性を重視したい場合は、サードパーティー製のスタンドを使用するとよいでしょう。
重量
R36DA ダストケース集じん | R36DA+(0037-6495) 1段サイクロン | R36DA(SC) 2段サイクロン |
約1.6kg+270g | 約1.6g+270g | 約1.8kg+270g |
重量を測定するとメーカーのカタログに記載している重量と同じであった。ただし、メーカーが記載している重量は、隙間ノズルが収納されたストレートパイプとクリーナーヘッドの重量(約270g)が含まれていない本体重量(電池含む)。このため、記載されてる重量に250mlの缶ジュースの重さがプラスされると考えるとよいだろう。
R36DAの重量を数字で見ると軽いイメージを抱くかもしれないが、36Vの高電圧バッテリーを搭載しているため、大手家電メーカーの軽量重視タイプに比べるとずっしりとした感じがある。ただし、同年に同社から発売された18Vシリーズ(約1.7kg)と比べると同等の重さなので、36Vシリーズだからといって特別重いわけでもない。
フィルターが目詰まりしやすいのがネックとなりますが、軽量重視ならダストケース集じん方式のR36DAが最適です。R36DA(SC)の重量や取り回しの悪さが気になる場合は、別売の1段サイクロン式ユニットを装着することをおすすめします。1段サイクロン式ユニットは黒い濾布フィルタを外したほうが、フィルタのお手入れがしやすかったです。
ダストケース集じん方式のゴミ捨て
R36DAのダストケース集じん方式の場合、ダストケースを回してそのままゴミを捨てるだけ。しかし、吸い込んだ空気とゴミが吸口からフィルターに流れる構造になっているため、フィルタにゴミが付着しやすい。
このため、ゴミを捨てる度に面倒なブラシを使ったフィルタ手入れが必要となる。従来モデルにも採用されていたフィルタについたゴミをこそぎ落とす除じんブレードが搭載されているが、目詰まりした粉じんまでは除去しきれない。
競合であるマキタのカプセル式モデルもR36DAと同じ集じん方式だが、メーカー各社の製品を80台近く使った筆者から言わせると、どちらもゴミ捨て時に手間のかかる時代遅れ(昭和)の集じん方式である。
2016年にリョービが販売したゴミ捨てが簡単になる「サイクロンアタッチメント」をマキタに取り付けることが流行ったことを考えると、やはりダストケース集じん方式のゴミ捨てや面倒なお手入れに不満を持っている人は多いのではなかろうか。
1段サイクロン式ユニットのゴミ捨て
1段サイクロン式ユニットの場合も、ダストケースと同様にダストケースを回してそのままゴミを捨てるだけとなる。構造上、ゴミを吸えば吸うほど吸引力が著しく低下するダストケース集じん方式と違い、強い吸引力が持続するのは嬉しいポイントだ。
しかし、ダストケース内に配置されたフィルターが不織布のため、付着した微細なゴミをブラシで除去することが困難であった。ただし、1層目の濾布製のフィルターに付着した塵はブラシで除去しやすいため、フィルターのお手入れが面倒だと感じた場合は、黒の不織布を取り外して使用するとよいだろう。
2段サイクロン式ユニットのゴミ捨て
2段サイクロン式ユニット式の場合、ダストケースの着脱がラッチ式になっているうえ、延長管を取り外す必要もないため、ごみ捨ては3タイプの中で一番簡単だと感じた。
また、2重サイクロン構造になっているため、一般家庭の掃除ではフィルターは目詰まりしにくく、フィルターのお手入れの頻度も大きく軽減されるのも嬉しいポイント。
ダストケースAに配置されているメッシュフィルターは半回転させれば取り外すことができるので、ゴミが絡みついても簡単に除去することができた。
ただし、2段目のサイクロンコーンが遠心分離した粉じんがダストケースAの穴部や、ダストケースBの溝に付着しやすいため、ゴミや塵を取り除くことが物臭な筆者はうんざりした。
R36DA+マキタサイクロン
ゴミ捨て時のお手入れが面倒だと感じた場合は、R36DAのダストケース集じん方式にマキタのサイクロンアタッチメントの組み合わせがおすすめだ。
ダストケースはラッチ式で簡単着脱できるうえ、延長管を取り外さなくてもゴミが捨てが行えるのでごみ捨ては簡単。ハイコーキの1段サイクロン式ユニットと違い、樹脂製のメッシュフィルターが採用されているため、塵が付着する箇所が少なく、ゴミをすてる度に面倒なお手入れをする必要もない。
ただし、ハイコーキのように一体式サイクロンユニットではなく、外付けのサイクロンユニットとなるため、机の脚周りのような場所では使い勝手が悪いのがネックとなる。またハンディー時はサイクロンを取り外す必要があるため、ユニットの着脱するのにちょっとした一手間がかかる。
その他のモデルと比較する
ハイコーキのその他のモデルと比較したい場合は、同社の各シリーズのモデルのスペックをまとめた性能比較表からどうぞ。ご質問等があればお気軽にコメント欄からお問い合わせください。
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