アニマルプロはダストピックアップ率(ゴミ除去率)が高い
ダイソンが販売しているコードレス掃除機の〔V6シリーズ〕と〔V8シリーズ〕には、ペットに特化した〔Animalpro〕というモデルがラインアップされています。モデル名にアニマルという単語が入っているだけあり、何処のサイトを見てもペットを飼っている家庭には〔Animalpro〕を推奨しています。また、最近TVで露出の多い愛犬家と同時に潔癖症である坂上忍さんも、ダイソンのアニマルプロを使用しているそうです。
ダイソンのアニマルプロは、わたしがこれまで使用してきたコードレス掃除機の中で、特にカーペットにおける集じん性能が一番優れています。なので、カーペットを敷いている面積が広い家庭で、ハウスダストによるアレルギーに悩んでいる人や、カーペットの奥深くからより多くの微細なゴミを吸い取りたい方にはアニマルプロのモデルをおすすめしています。
ペットを飼っていてもフローリングメインの場合はFluffyの方がおすすめ
しかし、フローリングや畳の場合は、Fluffyモデルに搭載されている「ソフトローラークリーナーヘッド」でも、ペットの毛や微細なゴミを集じんする能力があります。また、このヘッドのローラーは柔らかいフェルトに覆われており、ペットの抜け毛や髪の毛が絡みにくくなっているので、面倒なブラシのお手入れから解放される利点もあります。
さらに、ローラーが柔らかいフェルトに覆われている分、ペットのよだれや人の皮脂などの汚れを拭き取る能力も優れています(もちろんフェルト部分は取り外して水洗い可能)。一方、アニマルプロに搭載されている「ダイレクトドライブクリーナーヘッド」は、ローラーに硬いナイロンブラシとカーボンファイバーブラシしか植毛されていないので乾拭き効果がありません。
そして、フローリングや畳のような平たい床面や絨毯マットの上では、「ソフトローラークリーナーヘッド」のほうが、手に力を入れることなく前後に動作させやすくなっているので、個人的にはペットを飼っていても家の床がフローリングメインの場合は、AnimalproよりFluffyモデルのほうがおすすめです。
アニマルプロは集じん性能が優れているぶん、カーペットを傷つけやすい
アニマルプロのヘッドには、タワシのように太くて硬いナイロンブラシ(拡大画像)が採用されているので、アニマルプロに搭載されている「ダイレクトドライブクリーナーヘッド」は、ダイソンの中で最もカーペットの生地を痛めやすいヘッドとなります。ネット上の書き込みでよくダイソンは絨毯の毛を刈り取ると書き込みされていますが、本当にアニマルプロのヘッドだけは絨毯やラグの毛を刈り取ってしまいます。
上の動画が非常に分かりやすいです。この動画のおばさまはアニマルプロやアブソリュートに同梱されている「ダイレクトドライブクリーナーヘッド」でラグの掃除をしていますが、クリアビンに溜まっているのはゴミだけでなく、ラグから刈り取った繊維も含まれているのがよく分かるかと思います。実際に繊維を刈り取る量は、カーペットの毛の長さ・種類・状態によって変わります。
ただし、ダイソンのアニマルプロは、カーペットのダストピックアップ率(ゴミの除去率)が非常に優れているモデルです。ゴミが溜まるクリアビン(ダストカップ)の中を見ると大量にとれた謎粉の量を見て驚くはずです。なので、カーペットメインを掃除する家庭で、アレルギー持ちの家族の方が居たり、動物を飼われている家庭ではアニマルプロのほうがおすすめです。
アレルギーやハウスダストを気にしているのであれば、毛足の長いカーペットは敷かないほうがいい
ちなみに、わたしがこれまで使用してきたコードレス掃除機の中で、毛足の長いラグやカーペットから完全に微細なゴミや絡みついたゴミを掻き出す掃除機は存在しません。毛足が芝生のようなもふもふしたカーペットやラグはお洒落です。しかし、黒い生地の毛足が長いカーペットやラグを床に敷くと分かりますが、どんなモーターヘッドでも繊維に絡みついた小さなゴミを取り除くことは困難です。
床は毎日掃除をしていても、埃・チリやハウスダストが溜まります。もし、アレルギーで悩んでいるのであれば、微細なゴミが取り除きにくいカーペットやラグは敷かないほうがよいと思います。どうしても敷きたいのであれば、ゴミがヘッドの回転ブラシで掻き出しやすい毛足の短いタイプを敷いたほうがよいと思います。
ペットを飼っている家庭にはV6とV8どちらがおすすめ?
クリアビンで捕らえるのが苦手な種類のゴミがある
V6シリーズとV8シリーズのモデルは、従来モデルに搭載されていないポストモーターフィルター(HEPAフィルター)が搭載されているので、空気清浄機並みに綺麗な空気を排出します。従って、どちらも排気性能が同じなので、掃除機の排気のニオイが気になる方や動物アレルギーの方は予算にあったモデルを選んだほうがよいと思います。
ゴミの中にはクリアビン底面にとどまることが苦手な種類のゴミも多くあります。その中に綿埃や髪の毛のような不定形なゴミがあり、このようなゴミはシュラウドのメッシュ部分にまとわりつくことがあります。また、遠心力によって綿菓子のようなかたまりとなった犬の毛がシュラウドとクリアビンの間に挟まることもあります。
V6シリーズではシュラウドにまとわりついたゴミはクリアビンを取り外してブラシで除去しなければいけませんでした。また、シュラウドとクリアビンのあいだに挟まったゴミは棒状のものでこそぎ落とすかクリアビンを取り外さなければ取り除けません。
ダイソンの掃除機はゴミ捨て方は簡単ですが、上の動画を見ていただければ分かると思いますが、クリアビンの中のお手入れに手間がかかります。1年中毛が抜けるような種類のペットですと、あっという間にクリアビンの中はゴミで一杯になるはずなので、ゴミ捨てが億劫になります。
面倒なお手入れから解放されたいならV8
新しく発売されたV8は、このようなゴミをゴミを捨てる際に、ゴム製スクレイパーでこそぎ落としながらゴミ箱にドサッと落としてくれます。クリアビンの中のゴミはこまめに捨てないと目詰まりや吸引力低下の原因となります。そのため、頻繁にゴミ捨てを行わなければいけなくなるので、予算に余裕があるのであれば、ゴミを捨てる際にクリアビンの中のお手入れが同時に行える機構が加わったV8シリーズのほうがおすすめです。
・通常モードの稼働時間が倍近くアップしている
・バッテリーの残量がLEDランプでわかる
・運転音(騒音値)が静かになっている
・アニマルプロのブラシパワーが40%アップしている
V8シリーズとV6シリーズの違いは、ゴミが簡単に捨てられる機構以外にも、上記のような違いもあります。詳しくは知りたい場合は「ダニでも分かるダイソンのV6とV8の違い」をご覧ください。
編集手帳
アニマルプロのカーペットの集じん力は魅力的だけれど、カーペットを傷めるのはちょっと…という方には、「V6シリーズのMotorhead」や「2014年に発売されたDC62」もおすすめです。どちらも吸引力や連続使用時間は同じですが、V6シリーズには「ポストモーターフィルター」が搭載されているので、排気性能が前モデルのDC62より向上しています。
このモデルにはスタンダードな「カーボンファイバーブラシ搭載モーターヘッド」が装備されており、このヘッドのブラシバーに植毛されているナイロンブラシは、「ダイレクトドライブクリーナーヘッド」より長く柔らかいものが採用されています。なので、アニマルプロより、集じん力は劣りますが、カーペットの生地を傷めにくくなっています。ちなみにこのヘッドは、フラフィ(fluffy)に搭載されている「ソフトローラークリーナーヘッド」より、カーペットにおける集じん力が上です。
軽くてコンパクトだから取り回しやすいが、新しいヘッドより効率的が劣る
「カーボンファイバーブラシ搭載モーターヘッド」は、コンパクトで軽い上にヘッド(ブラシ)の幅が狭いので、他のヘッドより使い勝手がよくなる反面、広い部屋を掃除する場合はブラシバーが全幅タイプの「フラフィ」や「アニマルプロ」のヘッドより作業効率が劣ります。