PR

自動ゴミ収集ドックを搭載したEVOPOWER SYSTEM iQ+の実機レビュー

ストレスフリーな掃除機を徹底追及したEVOPOWER SYSTEMの最上位シリーズ「iQ+」

ようやくダイソンキラーできそうなモデルが登場!

シャークが2020年より発売している日本の住宅向けに開発したEVOPOWER SYSTEMから、利便性を重視した最高峰モデル(EVOPOWER SYSTEM iQ/iQ+)が2022年9月に発売されました。

筆者はSHARK初となる自動ゴミ収集ドックを搭載した「EVOPOWER SYSTEM iQ+」が気になったので、実際に購入して使い心地はどうなのか詳しくレビューします。

ゴミ捨てや運転モードの自動化で掃除機がけのハードルが下がる

EVOFLEXEVOPOWEREVOPOWER SYSTEMEVOPOWER SYSTEM IQ+
2018年2018年~2020年~2022年
あまり人気がでなかった
後継機なし
ハンディ市場でシェア1位EVOPOWERのスティックタイプ
軽い操作性で人気が高い
EVOPOWER SYSTEMの最上位
自動ゴミ収集ドック搭載

ダイソンが火付け役となったスティック型コードレス掃除機のブーム。今ではキャニスター掃除機の代わりとして使われるようになり、メーカー各社から独自の特徴を打ち出した製品が続々と発売されています。なかでもダイソンの人気は高く、スティック型コードレス掃除機部門で高いシェアを獲得しています。

しかし、日本と同じくトップシェアを握っていた米国において、ダイソン一強を打ち破ったメーカーがあります。それが今回レビューするIQ+を発売したシャークニンジャです。アメリカでは「ダイソンキラー」の異名を持つ同社は、2018年に日本のコードレスクリーナー市場に殴り込みをかけました。

コードレスクリーナーに軽さや簡単なお手入れが求められ始めた2018年にシャークが発売した重たくてゴミ捨て時の手間がかかるEVOFLEXは人気に火がつきませんでしたが、同年に発売されたEVOPOWERはハンディー市場でシェア1位を獲得しました。

2020年にEVOPOWERにストレートパイプとパワーヘッドを搭載したスティックタイプのEVOPOWER SYSTEMも軽い操作性で定評があり、毎年マイナーチェンジしたモデルがラインアップされているほど人気が高いシリーズとなります。

今回発売されたEVOPOWER SYSTEM IQ+はEVOPOWER SYSTEMシリーズの最上位となり、最大の特徴は掃除機本体が吸引したゴミを充電スタンドのダストカップに吸い出してくれる自動ゴミ収集機能を搭載していることです。

今後、メーカー各社のダストカップ式のハイエンド機にもゴミ自動収集付きがスタンダードになりそうなほど便利な機能なので、コードレス掃除機の買い替えを検討している場合、推しのメーカーが自動ゴミ収集ドック付きのモデルを発売するまで待ったほうがよいかもしれません。

EVOPOWER SYSTEMのiQとiQ+の違い

EVOPOWER® SYSTEM iQ+シリーズEVOPOWER® SYSTEM iQ
CS851JMVAEモデルCS851JCP
CS851JBR
2022年9月22日発売日2022年9月15日
モーヴグレイカラーバリエーション(色)コッパー


ハイブリッドパワークリーン
クリーナーヘッド


ハイブリッドパワークリーン
ソフトローラー

パワーフィン

iQセンサー

IQモニター

ダブルLEDライト

基礎的スペック
510 x 67 x 86.5(ハンディ時)
1040 x 258 x 114(スティック時)
サイズ
高さ×幅×奥行(mm)
510 x 67 x 86.5(ハンディ時)
1040 x 258 x 114(スティック時)
約0.9kg(ハンディ時)
約2.0kg(スティック時)
重量約0.9kg(ハンディ時)
約2.0kg(スティック時)
エコモード:約62分 ※1
エコモード:約50分 ※2
iQモード:約14~62分 ※1
iQモード:約14~50分 ※2
ブーストモード:約14分 ※1
ブーストモード:約14分 ※2
連続運転時間エコモード:約62分 ※1
エコモード:約50分 ※2
iQモード:約14~62分 ※1
iQモード:約14~50分 ※2
ブーストモード:約14分 ※1
ブーストモード:約14分 ※2
約3.5時間充電時間約3.5時間
11.1Vバッテリー電圧11.1V
特徴
ゴミ自動収集

簡単ごみ捨て

FLEX機能

リリースボタン

バッテリー残量表示

フィルター式集じん方式フィルター式
(セルフ交換可)着脱式バッテリー

(セルフ交換可)
付属品
ブラシ付き隙間用ノズル
ペットマルチノズル
布団ノズル
ミニモーターヘッド
2個バッテリー2個
自動ゴミ収集ドック
充電ドック

「EVOPOWER SYSTEM iQ」と「EVOPOWER SYSTEM iQ+」の大きな違いは、自動ゴミ収集機能の有無となります。

EVOPOWER SYSTEM iQには、従来と同じ本体を収納+充電できる充電ドックが付属されているのに対し、EVOPOWER SYSTEM iQ+の充電ドックには自動ゴミ収集機能が搭載されています。

その他に本機の色が異なる点もありますが、本機の基礎的スペックや、標準付属されているアタッチメントは同じなので、ゴミ収集機能が不要な場合は、割安なEVOPOWER SYSTEM iQを選んだほうが経済的です。

従来のEVOPOWER SYSTEMにない新機能

1⃣IQテクノロジー

自動で吸引モードを変更するIQモード

  1. 「IQモード」とは?
  2. ゴミ量に応じて吸引力を自動調整
  3. ゴミ量に応じてブラシの回転速度を自動調整
  4. 運転モードを切り替えることがなくなる
  5. バッテリー残量が長持ちする

動画で視聴する

IQ/IQ+シリーズのモデルの運転モードには[IQモード]が新たに搭載されており、IQモード使用時はIQセンサーが微細なゴミの量まで検知して、吸引力とブラシロールの回転スピードを自動で調整してくれます。

使用感想

運転モードは[弱モード]と[ブーストモード]に切り替えることもできますが、IQモードはゴミの有無に合わせてパワーを自動制御してくれるので、他の運転モードに切り替える手間がなくなり、お掃除がより楽になりました。また、バッテリーの節電効果が高いのでバッテリーの残量も気にならなくなりました。

色でゴミ量がわかるIQモニター

動画で視聴する

  1. 「IQモニター」とは?
  2. 本体とヘッド部分に配置されてる
  3. 床に落ちているゴミ量を可視化
  4. ゴミの取りこぼしを防ぐ
  5. より短時間で効率よく掃除ができる

ハンディー部分とヘッド部分には[IQモニター]が配置されており、床に落ちている目に見えない微細なゴミまで検知して、ゴミの量をスクリーンに表示された色で確認することができます。

目に見えないカーペットの深部に入り込んだ塵から、家具下に溜まった埃まで可視化するため、ゴミの取りこぼしを防ぎます。

エコモードやブーストモード中はIQモニターに色は表示されません。

本体部分のモニタヘッド部分のモニタ状態

ゴミ量が少ない
弱モード/低速回転

ゴミ量が中位
中モード/中速回転

ゴミ量が多い
強モード/高速回転
使用感想

IQモニターは信号機と同じ緑・黄・赤の3色で表示されるので、しっかり掃除をしなければいけないエリアとキレイになったエリアがわかりやすかったです。また、手元に点灯するランプを配置している競合の製品と違い、目線の先(床下)にもモニターが配置されているので、ゴミ量が確認しやすいのも嬉しいポイント。

2⃣ダブルLEDヘッドライト


IQ/IQ+はEVOPOWER SYSTEM初となるダブルヘッドライトを搭載しています。明るい白色LEDが薄暗い場所や影になった場所に落ちているゴミを取りこぼさずに掃除できます。

マキタ菌

ヘッドのLEDライトは14灯も搭載されているのでかなり明るいですが、ダイソンのグリーンレーザーで照射されたゴミの影のほうが大きいので、ゴミの有無が確認しやすかったです。ライトは床下近くに配置したほうが、ゴミの影の長さが大きくなるので、目に見えにくい微細なゴミがはっきりとわかります。LEDの数や明るさに拘るより、なるべく光がゴミの横から当たるように配置すると可視化の質をあげられそうだと感じました。ただし、ダイソンの本体にはライトが搭載されていないので、ハンディ時はシャークのほうがゴミの取りこぼしが少ないです。1灯ですがかなり明るいです。

3⃣自動ゴミ収集ドック

自動ゴミ収集ドックとは?

IQ+シリーズには、IQや従来シリーズに付属されている本体を収納+充電できる充電ドックと違い、自動ゴミ収集機能が搭載された充電ドックが付属されています。

掃除後にダストカップやパイプを取り外したり、ひと手間かかるゴミ捨てが不要になります。また、ゴミ捨て時の塵の舞い上がり、本体や手がゴミで汚れてしまう不衛生から解放されます。

使用感想

コードレス掃除機はキャニスター掃除機より気軽に掃除ができるようになったとはいえ、掃除後に手間のかかるゴミ捨てやお手入れが必要な製品は時間を奪われてしまうので、簡単なゴミ捨てができない製品には不満がありました。しかし、IQ+を使い始めてから、ゴミ捨て時のダストカップや延長管を外す手間がなくなっただけでなく、ゴミ捨て頻度も1日に1回から月に1、2回になったので、もう手動でゴミ捨てを行う製品に戻れないほど依存度が高いです。一回の掃除で吸引するゴミ量が多かったり、集じん容量の大きさに関わりなくこまめにゴミ捨てを行う人は、IQより自動ゴミ収集ドック付きのIQ+をおすすめします。

自動収集ドックの使用方法

自動ゴミ収集ドックは掃除機本体をドックに収納すると、掃除機のダストカップ内に回収されたゴミの自動収集が開始され18秒間持続します。自動ゴミ収集が完了すると、掃除機本体に装着されているバッテリーの充電が開始されます。

ドックのノズルストッパーに吸引口があり、本体が正しく収納されると吸引が始まり、その際に本体のダストカップの腹部にあるフタが開き、ゴミがドックへと吸い出される仕組みになっています。


このノズルストッパーはワンタッチで取り外せるので、ゴミがドックのダストカップに移送される途中で詰まったとしても、簡単にゴミを取り除くことができます。


自動ゴミ収集ドックの吸引力は、本体のブーストモードくらいパワフルなので、ダストカップ内でゴミがひっかかりさえしなければ、たいていのゴミは楽々と移送させることができます。
自動収集中の騒音値を測定すると84dBありました。この数値は静音化されていないキャニスター掃除機の強モードに匹敵する音の大きさです。個人的に収集時の音は18秒間で終わるので気になりませんが、誰もが同じ部屋にいるとうるさいと感じるような大きな音です。家は毎日掃除をするので猫は一週間ほどで慣れてしまいましたが、最初は音に驚いて逃げていました。

自動ゴミ収集ドックの音はうるさい?OFFにすることはできる?


ロボット掃除機のハイエンド機は、自動ゴミ収集ドック付きがスタンダードになりました。そんな自動収集機能付きのロボット掃除機の口コミでは「ゴミ収集時のドックの大きな音が気になる」という意見が散見されます。そこで、シャークの自動ゴミ収集ドックも音がうるさいのか、ドックの騒音値を測定してみました。

マキタ菌

気になる自動収集中の騒音値を測定すると84dBありました。この数値は静音対策されていないキャニスター掃除機の強モードに匹敵する音の大きさです。個人的に収集時の音は18秒間で終わるので気になりませんが、誰もが同じ部屋にいるとうるさいと感じるような大きな音です。

ドック上部にある「自動ゴミ収集停止ボタン」を押すと、ゴミ自動収集機能をオフにすることができます。

また、「自動ゴミ収集停止ボタン」を2秒間長押しすると、手動で自動ゴミ収集を開始することができます。

マキタ菌
筆者は大きな音をだしたくない早朝や夜中に掃除機を使うことがあるので、自動収集機能をOFFにできるボタンはありがたかったです。パナソニック(MC-NS10K)の自動ゴミ収集ドックと違い、ゴボタンが押しやすい箇所にあるのも嬉しいポイントです。欲を言えば、ボタンを押すときに腰をかがめないといけないので、ボタンをノズルストッパー上部に配置してほしかったです。

自動ゴミ収集ドックの吸引力検証

自動ゴミ収集ドックが搭載されたことで筆者が懸念していたのは、「本当に本体のダストカップの中のゴミをドックのダストカップに移送できるのだろうか?」ということ。

特にダストカップ内で圧縮されたペットの抜け毛や綿埃は引っかかりやすいので、実際に家の床に落ちているゴミをダストカップ一杯にしてドックに吸わせるテストを行ってみました。

ダストカップ内でひっかかりやすい長毛種の猫の抜け毛は問題なく吸い出されます。動画では3日間自動収集しなかった猫の毛で検証しましたが、圧縮されて固くなった毛の塊を吸い出しました。一般家庭で使用した場合、自動ゴミ収集機能をONにしておけば、ゴミがひっかかったことは一度もないです。

続いてもダストカップ内でひっかかりやすい髪の毛。ロングヘアー(60cm)とショートヘアー(5cm)ミックスしたゴミを、いとも簡単に吸い出すことができました。髪の毛は猫の毛のように小さく圧縮されて硬くならないので、どれだけ溜まってても簡単に吸い出せそうです。

家の床に落ちているゴミの中で一番嵩があって重たいトイレ用の猫砂も簡単に吸い出すことができます。ただし、動画のようにダストカップ一杯にすると、猫砂が石垣の石のように噛み合って吸い出せないことがありました。このようにゴミがひっかかっている場合は、本体を軽く叩きながら自動収集させると、うまく吸い出すことができました。一度に大量のゴミを吸引する場合は、ゴミが半分ほど溜まったときに自動収集したほうがよいでしょう。

オガクズのような微細なゴミも簡単に吸い出せましたが、ペット砂と同じようにダストカップ一杯になるまで溜めると、本体を軽く叩かないと吸い出せないことがありました。また、メッシュフィルターを通り抜けたもの全て吸い出すことはできませんでした。

メッシュフィルターを通り抜けた微細なゴミはプリーツフィルターに捕集されます。本体を軽く叩きながら自動収集するとプリーツフィルター表面に付着したゴミを吸引することはできましたが、溝に入り込んだゴミまで除去することはできませんでした。このため、ごみ捨てからは解放されますが、定期的なフィルターのお手入れは必要になります。

使用感想

検証では猫砂だけ一回で吸い出せなかったものの優秀な結果でした。日々の床掃除ではダストカップにゴミが一杯になる前に自動収集されるので、ゴミを一回で移送できなかったことはほぼないです。ただし、爪楊枝のような棒状のものを吸引すると、本体のダストカップ内で引っかかりやすかったです。

自動ゴミ収集ドックのサイズ


気になる自動ゴミ収集ドックのサイズを測定してみると、幅280mm×奥行256mm×高さ720mm。自動ゴミ収集ドックは場所をとるイメージがあったのであまり乗り気ではなかったのですが、箱から取り出してみると予想以上に小さいです。ドック本体の大きさは家庭用の電動シュレッターくらいコンパクト。床の接地面積もA4ノートより少し大きいくらいなので、床に物置が多い自分の部屋に設置しても邪魔だと感じませんでした。


アタッチメントを収納できるアクセサリードックを自動ゴミ収集ドックに取りつけた場合は幅が451mmになります。アクセサリードックを収集ドックに組みつけると、手を使わずにアタッチメントを付け外しできるメリットがあるので、収納スペースに余裕がある場合はアクセサリードックを自動ゴミ収集ドックに組みつけたい。収納スペースに余裕がない場合はアクセサリードックだけ別のところに置くとよいでしょう。

自動ゴミ収集ドックのゴミの捨て方

自動ゴミ収集ドックのダストカップは最大1ヶ月分のゴミをためておくことができます。自動ゴミ収集ドックのダストカップにゴミが収集された際には、ゴミの蓄積量が楕円形の小窓から見えるようになっています。小窓が一杯になった状態がMAXラインとなり、ダストカップ内のゴミを捨てる目安となります。

動画で視聴する

自動ゴミ収集ドックのダストカップを取り外すには、ドックの右端にあるダストカップリリースボタンを押しながらダストカップを引き出します。


動画で視聴する
ダストカップ内のゴミを捨てるには、オレンジ色のリリースボタンを押します。ダストカップのフタが開き、ダストカップ内のゴミが放出されます。ゴミの舞い上がりが気になる場合はゴミ袋などの中でフタを開きます。

使用感想

非開示の自動ゴミ収集ドックの集じん容量を測ってみると、牛乳パックと同じ約1.0Lでした。各家庭のゴミ量によってゴミ捨ての目安は変わりますが、抜け毛が多い長毛種の猫(1匹)がいる我が家では、月に2回はゴミ捨てが必要でした。集じん方式がダストカップ式なので、①ランニングコストがかからない。②ゴミ捨ての目安がわかりやすいなどのメリットがあります。ゴミ捨て時に埃や塵が舞い上がりやすいのがネックとなりますが、うんざりするゴミ捨てが月に1度になるメリットは大きいです。ドックのゴミ捨てに衛生面や簡単さを求める場合は、紙パック式の自動ゴミ収集機を搭載した製品のほうが適しています。

自動ゴミ収集ドックのフィルターのお手入れ方法


動画で視聴する
ダストボックスにある金属製の網目(メッシュ部分)から通り抜けた微細なゴミは、水洗い可能な[フォームフィルター]と[フェルトフィルター]に捕集されます。

2つのフィルターはドック正面から見て左側上部に配置されており、取り外すにはフタを開けて、ハンドルでフォームフィルターを持ち上げ、下にあるフェルトフィルターを取り外します。

マキタ菌
ドックは吸引口からフィルターへと空気が流れるため、フィルターが目詰まりしやすい構造になっています。使用頻度やゴミ量にもよりますが、猫がいる我が家で毎日使用した場合、月に1回はお手入れが必要でした。ロボット掃除機を販売しているRoborockがフィルターが目詰まりしにくいサイクロン式の自動ゴミ収集ドックを採用しているので、フィルターのお手入れ頻度を減らしたい場合はサイクロン式を採用した製品が登場するまで待ったほうが良いかもしれません。


動画で視聴する
前述した[フォームフィルター]と[フェルトフィルター]をくぐり抜けた目に見えないゴミはHEPAフィルターによって捕集されます。

HEPAフィルターはドック正面から見て右側面に配置されており、取り外すにはフィルターカバーを取り外して、紐を掴んで引き抜きます。

マキタ菌

空気清浄機にも採用されているHEPAフィルターのおかげで排気口から不快な臭いはしません。HEPAフィルターは水洗いできないので、硬い床に叩きつけて塵を除去する必要がありました。

従来機から継承されている便利機能

IQ+は先述した[IQテクノロジー][LEDライト][自動ゴミ収集ドック]以外は、従来のEVOPOWER SYSTEMらしい特徴を多く継承しています。

高い掃除能力を実現した「ハイブリッドパワークリーン」


IQ/IQ+のクリーナーヘッドのブラシロールには、EVOPOWER SYSTEM ADVに採用されていたソフトローラーとパワーフィンを組み合わせたハイブリッドパワークリーンが搭載されています。


ナイロンフェルトに覆われたソフトローラーは床に隙間なく密着し、一度のストロークでより多くのゴミを床から取り除きます。その他に一般的なパワーヘッドに採用されているナイロンブラシより、床の汚れを拭き取る効果が高い特長を持っています。


ゴム製のパワーフィンはカーペットの奥に入り込んだ微細なゴミを掻き出したり、叩き出したりして取り除いてくれます。ブラシレスなので髪の毛やペットの毛が絡みつきにくくなっています。


一般的なヘッドより開口部が広くなっており、固形のゴミが噛みにくい設計になっています。このため、比較的嵩のあるゴミ(米粒・ペットの餌・トイレ用の砂)もヘッドを滑らせる動作で吸引することができます。


モーターをブラシロールに内蔵したことで、モーターに負荷のかかる絨毯を掃除しても減速しにくいほどパワフルです。また、ヘッドの奥行きが短くなり、コンパクトなパワーヘッドを実現してるため、ヘッドの可動性もよく、バツグンに小回りが効きます。


水洗いできるブラシロールは工具レスで簡単に取り外してお手入れすることができます。ブラシロールを取り外すには、ヘッドの左端にある「ブラシロール取り外しボタン」を押しながら、ブラシロールを左方向に引っ張り出します。

自分の力で進もうとするブラシロールのおかげで、ヘッドがぐんぐんと前に進みます。フローリングだけでなく、ヘッドが張りつきやすいジョイントマットや絨毯上でも軽い力でヘッドがスイスイ進む掃除はラクチンでした。

カーペット
ゴミおがくず米粒カリカリ猫砂髪の毛猫の毛
フローリング
使用感想

自走式でないダイソンに使い慣れていたので、自走アシスト力の強さに驚きました。フローリングだけでなく引っかかりが多い絨毯や畳も軽い力で掃除をすることができます。自走式はヘッドを引くときに力が必要になりますが、ころがり摩擦が小さくなる大きな車輪が手助けしてくれます。

 

自走式はヘッドを前方向に押す動作のときに床との摩擦が低減されるため、特にカーペットからゴミを掻き出す集じん力が低下する欠点が存在しました。このため、カーペット上ではヘッドをゆっくり手前に引くようにするとゴミを強力に吸い取る集じん力が向上しました。

 

大小のゴミもソフトローラーと広い開口部のおかげで同時に吸引することができました。検証動画では弾き飛ぶゴミも見られましたが、家の床の掃除をしていて狭いエリアに固形のゴミが大量に落ちていることはないので、普段使いで固形のゴミが弾き飛んでいくことはほとんどないです。

 

ブラシレスのヘッドはカーペットの集じん力が低いのではないかと不安でしたが、パワーフィンが深部に入り込んだゴミを叩き出しているのか、微細なゴミもしっかり吸引してくれます。髪の毛やペットの毛も美容室の床のように大量に落ちていなければ普段使いで絡みつきにくいです。

 

ただし、硬いナイロンブラシが搭載されていないので、頑固に絡みついたペットの毛を掻き出すことが難しかったです。ペットの毛が頑固に絡みつきやすいカーペットを敷いている住環境では、エチケットブラシが搭載された布団用ノズルを使ったほうが効果的でした。

立ったまま家具下の掃除ができる「FLEX機能」

  1. ボタン1つでパイプが曲がる
  2. 立った姿勢で家具下の掃除ができる
  3. パイプがぶつかる脚付き家具の下の掃除ができる
  4. スペースがなくても奥まで掃除ができる

IQ/IQ+にはEVOPOWER SYSTEMの上位モデルに採用されていたFLEX機能が搭載されています。パイプの裏面にある「ロック解除ボタン」を押すと、パイプをL字に曲げることができるため、立ったままの姿勢で家具の下の掃除が楽に行えます。その他に、家具前に掃除機を倒すスペースがなくても、家具下の掃除がしやすいメリットがあります。

マキタ菌

ぎっくり腰になってからというもの、杖を使わないと立ったり座ったりできないほど腰痛がひどかったので、普段使いしていたマキタやダイソンでは家具下の掃除が困難でした。しかし、FLEX機能や自動ゴミ収集機能のおかげで、腰や膝を深く曲げなくても家具下の掃除をしたり、ゴミ捨てが行えるようになったので、IQ+は腰痛持ちに最も優しいコードレス掃除機だと感じました。

ワンタッチでハンディになる片手で「リリースボタン」

IQ/IQ+はハンドル根本の両側にあるつまみを押すことで、簡単に本体とパイプを切り離してハンディクリーナーとして使うことができます。またドックに収納した状態から片手でハンディ形状にして、アタッチメントを着脱することも可能です。

マキタ菌

家の床を掃除しているとヘッドが入らないエリアがたくさんあるので、ハンディ形状に変更するシーンが多々あります。ダイソンだとアタッチメントを装着しないとゴミを吸いにくいので、ハンディ時のアタッチメント交換がストレスでした。IQ+はワンタッチでハンディ形状にできるうえ、本体吸口は斜めにカットされているので、そのままハンディクリーナーとして使えてストレスフリーです。本体吸口はゴムで覆われているので、床や家具にあたっても傷がつきません。

長時間の掃除に対応「着脱式バッテリー×2個つき」

IQ/IQ+はワンタッチで取り外せる着脱式バッテリーが採用されています。2つのバッテリーが標準付属されているので長時間の掃除にも対応します。スタンドには充電ドックが2つ搭載されており、スタンド1台で2つのバッテリーを同時に充電することができます。

エコモードIQモードブーストモード
約62分 ハンディ時
約50分 スティック時
約14~62分 ハンディ時
約14~50分 スティック時
約14分 ハンディ時
約14分 スティック時
マキタ菌

予備バッテリーが付属されているので、残りの運転時間を気にせずに掃除をすることができました。バッテリーの残量がなくなっても、すぐに予備バッテリーに交換して掃除を開始できるので安心です。ただし、節電効果の高いIQモードを使用すると、1つのバッテリーで家中を掃除することができるので、予備バッテリーを使う機会は少なかったです。

マキタ菌

着脱式バッテリーなのでバッテリーに寿命がきてもセルフ交換することができます。交換用バッテリー(XSBT330AS)の価格は4,400円なので、消耗品を割安で販売する良心的なメーカーです。
マキタ:10.8V/1.5Ah(\5,000↑
シャーク:11.1V/3.0Ah(\4,400↑

マキタ菌

バッテリーはハンドル部分に差し込むため、ハンドルの直径は一般的な製品より太くなっています。滑り止めとなるラバーパッドが採用されていないので、手が乾燥していると本体を持ち上げたときにスッポリ抜けそうになることがありました。このため、力の弱い人が使う場合はラケット用のグリップテープを巻いたほうがよいと思います。

ゴミに触れずワンタッチゴミ捨て

手元にあるゴミ捨てボタンを前方にスライドさせるだけで簡単にゴミ捨てが行なえます。ダストカップのフタは勢いよく開くため、ゴミ捨て時に埃や塵が舞い上がりやすいです。ダストカップを手で抑えながら開くと塵の舞い上がりを軽減できます。

マキタ菌

SHARKのゴミの捨て方は非常に簡単な部類に入ります。しかし、自動ゴミ収集機能を体験すると、その簡単なゴミ捨てですら億劫に感じるほど便利です。衛生的なゴミ捨てや簡単なゴミ捨てを重視したい場合は、IQシリーズのモデルより、自動ゴミ収集ドックが付属されているIQ+を迷わずおすすめします。


底部のフィルターリリースボタンを押すと、ダストカップとフィルター容器を引き出すことができます。ダストカップとフィルターは水洗いすることができるので衛生的です。フィルターを取り外すにはフィルター容器からフィルターを引き出します。

マキタ菌

メーカー各社に要望をだすなら、本体のゴミ捨てだけでなく、フィルターのお手入れも面倒な作業の1つなので、今後、自動ゴミ収集機能でフィルターの目詰まりも解消してくれる製品が登場すると、さらにストレスがカバーされそうだと感じました。

プリーツフィルターは完全に乾くまで2日ほどかかることがありました。そのあいだは掃除ができなくなるので、毎日掃除をする場合は予備フィルターの購入したほうがよかったです。交換用フィルターはSharkの公式オンラインストアやSharkが出店している楽天市場店で注文可能できます。

(付属アタッチメント)使った感想

本体吸口

本体吸口は斜めにカットされているので、目についたゴミはアタッチメントをつけずにそのまま吸引することが多かったです。

ブラシ付き隙間用ノズル

クリーナーヘッドが入らない狭い場所や、ゴミが入り込んでいる奥まった場所の掃除に便利でした。しかし、基本的にアタッチメントが必要になったら、ドックまで取りに行かないといけないので、本体にアタッチメントを収納できるホルダーがあれば便利だなと感じました。

ブラシ付き隙間用ノズルはブラシを出したり引っ込めたりすることができます。ブラシ付きにすると傷をつけたくない物や、埃や塵が頑固に付着している狭い場所の掃除に便利でした。ただし、ブラシはやや硬めなので、ピアノのような光沢のあるものに使うと微細な傷がついて曇ってしまうかもしれません。

ペットマルチノズル

吸口のまわりに硬いナイロンブラシが植毛されているので、布団などの寝具やファブリック製品(布製品の家具)に付着した吸引力だけでは除去できない微細なゴミの除去に便利でした。ブラシの硬さは玄関タイルについた泥汚れなども除去できる硬さです。

また、ブラシの腰が強いので、カーペットやペットタワーに使うと深部に入り込んだゴミを掻き出すこともできます。ただし、ペットの毛や髪の毛がブラシに絡みつきやすいので、掃除後は必ずゴミを除去するお手入れが必要です。

布団ノズル

カーペット・寝具・ファブリック製品に絡みついた埃やペットの抜け毛の除去に便利でした。エチケットブラシが前側と後側についているので、効率よくペットの毛などを絡め取ることができます。絡め取った毛はエチケットブラシに絡みつきますが、ノズルを前後に動かしていると簡単に除去できるので、布製品に絡みついたペットの毛の掃除には前述したペットマルチノズルより布団ノズルのほうが適しています。

ミニモーターヘッド

クリーナーヘッドにも搭載されているゴミが絡みつきにくいパワーフィンを搭載したブラシロールがモーター駆動で回転します。高速回転するパワーフィンはゴミを叩き出す効果があるので、寝具やファブリック製品の深部に入り込んだハウスダストの吸引に便利でした。カーペットやキャットタワーに絡みついたペットの毛を集じん力は低いので、布製品に絡みついたペットの毛には、前述したエチケットブラシが搭載された布団ノズルのほうが最適でした。

シャークのIQ+を使った感想のまとめ

大手国内メーカーが販売している1.5kg以下の軽量タイプに比べるとやや重たくなりますが、普段使っているダイソンのハイエンド機に比べると手にかかる負荷が小さいうえ、素早くハンディクリーナーとして使えるリリースボタンで使い勝手や取り回しの良さを発揮しました。

また、本体をスタンドに置くと、筆者が一番苦だと感じていたダストカップに溜まったゴミ捨てを自動的に収集する機能はかなり満足度が高いです。毎日掃除をした後にゴミ捨てしないといけないほど猫の抜け毛が多いので、うんざりするゴミ捨てから解放されたのは嬉しいです。

さらに予備バッテリーや家中まるごと掃除ができるアタッチメントがついてるのも嬉しいポイント。床以外の掃除のモチベーションを上げてくれます。シャークからラインナップされている製品の付属品やスペックがひとめでわかる一覧表は下記のリンク先からどうぞ。

コメント

  1. 小河郁哉 より:

    自動ゴミ収集はいいですが、自動収集についているヘパフィルターは交換しないといけないんですかね。

  2. 匿名 より:

    ご返信ありがとうございます。
    そのような要因で変わることもあるのですね。納得が行きました。
    自動ゴミ収集ドックが必要かどうかで悩んでいたのですが、後付け出来る機能でもないので、ドック付きのものにしようかと思います。ありがとうございました。

  3. 匿名 より:

    初めまして、とてもためになる記事ありがとうございます。
    iQモデルはADVと比較して吸引力が最大19%アップと謳われているのですが、バッテリー電圧もブースト時の稼働時間もADVと変わっていないようです。
    ここが原因で吸引力が変わったんじゃないか?と思われる部分はありますでしょうか?
    それとも、自社テストと書いてあるのであまり信用しない方がいい数字なのでしょうか?

    • マキタ菌 より:

      コメントありがとうございます。
      メーカー各社のプレスリリースを見ていると、バッテリーの仕様や運転時間に変更がなく、従来機より吸引力が向上している場合、1⃣モーターの(羽根車/固定翼)の仕様が変わったり、2⃣吸排気の経路(ヘッド・パイプ・ダストカップ等)が最適化されていることが多いです。
      自動ゴミ収集ドック/LEDライト/自動モード/IQモニターが不要であれば、ADVシリーズの選択は経済的だと思います。
      ブラシレスモーターと同じパワーヘッドが採用されている去年のフラッグシップ機なので、床のダストピックアップ率はIQに拮抗すると思います。