V7のアニマルプロは毛足が長めのラグでもローラーが回転する
ダイソンのスティッククリーナー「V6」や「V8」シリーズから出ているアニマルプロ(Animalpro)のモーターヘッド(パワーヘッド)は、カーペットの集じん能力が他のどのモデルよりも優れているものの、毛足が長かったり、毛足が太いラグを掃除すると、回転ブラシが停止しやすい短所も存在する。
しかし、V7のアニマルプロは、いつも回転ブラシを停止させてしまう負荷のかかるラグを掃除してもブラシは勢いよく回転しつづけた。現在、ダイソンのスティック機のフラッグシップモデルはV8、パワーやスタミナは一番強い。一方、V7はV6とV8の中間機なのでブラシパワーがV8よりアップしたとは考えにくい。
ぱっと見、違いはわからない。
ヘッドの吸込口面に大きな違いがあり、V8はゴムヘラがついているが、V7はフェルトが貼られていた。ゴムヘラは取りこぼしたゴミをせき止めるので取りこぼしが少なくなるが、「ダイレクトドライブクリーナーヘッド」の場合、集じん力が優れているので必要ないように思える。
V7の吸込口が狭くなっているのは、標準モードの吸込仕事率がV8より低いので、吸込口の内部圧力を高め吸気風を強くしてカバーしているのではないだろうか。これらの改良されたポイントとブラシが毛足が長めのラグの上でも回転したことは関係ないように思える。
V7は、いつも回転ブラシが止まってしまうラグの上も問題なく掃除ができたので、不思議に思い、V7とV8のヘッドを取り外してにらめっこしながら比べていると、ナイロンブラシの植毛密度に違いがあることがわかった。
ダイソンの「ダイレクトドライブクリーナーヘッド」のナイロンブラシは他社の製品より硬く太いので、カーペットにおける集じん性能がすぐれているものの、ヘッドに内蔵されているモーターに負荷がかかりやすい。
V7の赤いナイロンブラシの本数はV8より明らかに少なくなっており、カーペットを掃除したときに負荷がかからなくなっているようだ。おそらくこれが大きな要因だろう。ちなみに、柔らかいカーボンファイバーブラシにも違いがあり、V7のほうが短くなっていた。
毛足の長いラグに入り込んだゴミは「アニマルプロ」でも綺麗にできない!?
ちなみに、上のような毛足の短いカーペット(絨毯)は、アニマルプロに標準装備されている「ダイレクトドライブクリーナーヘッド」なら、同社のどのヘッドよりも綺麗に集じんすることができます。しかし、下のように毛足が長かったり・撚られたラグだと、絡みついたゴミや奥深くに入り込んだチリを綺麗に集じんすることができませんでした。
わたしは掃除機より吸引力が強い集塵機も持っていますが、どんなにパワーのある掃除機をつかっても下のタイプのラグを綺麗に掃除することができませんでした。一度キャニスター掃除機で掃除をして、物干し竿にラグを干してハタキで叩いてもらうと分かるかと思いますが、奥深くに入り込んだハウスダスト(白い塵が舞う)はかなり残っています。
もし、ハウスダストが原因でアレルギーに悩まれているのでしたら、毛足の短いカーペットに変えたほうがよいと思います。ちなみに、ラグに絡みついたダンボールの小さい切り屑や木くずは洗濯しても絡みついたままでした。見た目はおしゃれで肌触りもいいですが、ゴミがかなり溜まっており、この上で寝転がったりするのは不衛生だと思います。