V11の脂肪をこそぎ落とした「Dyson Digital Slim™」
Dyson Digital Slimの最大の特長(V11シリーズとの違い)!
- 25%軽量化+20%小型化「本体」
- 40%小型+軽量化「Slim Fluffy™クリーナーヘッド」
- 15%小型化「Hyperdymium™モーター」
- 5%小型化「高効率スクロールサイクロン」
- 19%小型化「一体型フィルター」
- 約8cm短縮化・0.6mm細径化「ストレートパイプ 」
- クリアビンの集じん容量(0.54L→0.3Lダウン)
- ローラが簡単に取り外せるクイックリリース式エンドキャップ
- ハンドルの細径化
- トリガースイッチの形状変更
- ワンタッチで取り外せる「着脱式バッテリー」
- 光る「LED隙間ノズル」付属(Fluffy+/Fluffyproのみ)
- クリアビンが水洗い可能に
2020年6月22日にダイソンのスティック型コードレスクリーナーの新シリーズ「Dyson Digital Slim(ダイソンデジタルスリム)」が発売された。Dyson Digital Slimには[Orijin][Fluffy][Fluffy+][Fluffy pro]の4機種がラインナップされており、それぞれの違いは本体色や付属品の有無となっている。
Dyson Digital Slimコードレスクリーナーの最大の特長は、前モデル(V11)より20%小型化+25%計量されたこと。2kg以下の小型軽量化を達成したにも関わらず、軽量Hyperdymium™モーターと再設計された11個のサイクロンにより、ダイソンならではのパワフルで変わらない吸引力を一貫。
現在のダイソンの象徴ともなっている「ソフトローラークリーナーヘッド」は前モデルより40%小型化+40%軽量化したことにより、力の弱い女性でも軽い力でヘッドを前後にストロークさせたり、方向転換することが可能に。また、20%薄くなったことにより家具下の奥まで簡単に届くという。
その他にV11シリーズに採用されていた液晶ディスプレイを引き継いでおり、掃除中に残りの連続運転使用時間がリアルタイムで正確に分かり、トラブルが発生したときの解決方法なども表示。さらにバッテリーには着脱式が採用されており、予備バッテリーを用意することで長時間の掃除も可能に。
デジタルスリムは高い吸引性能を持ちながら、V10やV11より小型化・軽量化を目指し開発されたモデルとなっており、最上位機種はこれまでと変わらずV11シリーズとなっている。
このページでは22日に「ダイソン公式Instagram」を通して生配信された新製品発表会の情報を分かりやすく解説。さらに実際に購入して使ってみた体験レビューも逐一追記していきたい。
Dyson Digital Slimシリーズの種類
それぞれの違いは付属品と本体色!
2020年6月22日に発売された新モデルは、モデル名がDyson Digital Slimから始まる[Origin][Fluffy][Fluffy+][Fluffy Pro]の4機種がラインナップされている。
それぞれの違いは、「付属品」の有無や「本体カラー」となっており、今後も同シリーズから新しいモデルがラインアップされることがあるかもしれないが、基本的に本体やストレートパイプの色や付属品に違いがあると考えておくとよいだろう。
「Origin」はシリーズの中で一番付属品が少ないモデルのため、用途が床の掃除や目についたゴミや食べこぼしを吸引する程度であれば、価格が一番安いOriginが経済的である。充電用ドックは同梱されていないが、収納用ブラケットが付属されているので、壁にネジ止めすれば本体を壁に立てかけて収納するこが可能。他社が販売している安価な「クリーナースタンド」を購入すれば、壁にネジをあけられない環境でも省スペースに収納することができる。
「Fluffy」は本体を立て掛けて収納できる「充電ドック」に加え、従来の標準付属品であった「隙間ノズル」「コンビネーションノズル」「ミニモーターヘッド」の専用ツールが同梱されている。ミニモーターヘッドは布製品の掃除にも使えるので、布団などの寝具、ソファー、車内の掃除をしたい場合はFluffyがおすすめである。車内の狭い場所や家の高い場所を掃除したい場合は、別販売されている「延長ホース」があるとなお便利。
「Fluffy+」は本体を立て掛けて収納できる「充電ドック」に加え、家中の掃除ができる専用ツールがすべて同梱されているモデルである。隙間ノズルは他のモデルと違い、LEDを搭載しておりゴミの有無がわかりやすい。コードレス掃除機一台でフロアから家中のありとあらゆる場所をまるごと掃除したい場合は、迷わず専用ツールが豊富なFluffy+が最適である。
直販ショップ限定で購入できる「Fluffy Pro」も「Fluffy+」と同様に本体を立て掛けて収納できる「充電ドック」に加え、専用ツールがすべて同梱されている。また、新しく採用された「着脱式バッテリー」があらかじめ2つ用意されているため、一回の充電で連続運転時間が足りないという場合は、Fluffy+よりFluffy Proのほうがおすすめである。ゴールドカラーが好みでない人は、fluffy+と公式で単品販売される予定の「予備バッテリー」を注文する選択肢もある。
従来モデル用の通電箇所のあるツールと互換性を失う!
基本的にダイソンに付属されている専用ツールは公式サイトやAmazonのような通販サイトから注文することができるため、後から必要になっても買い足すことが可能。新モデル専用の「クリーナーヘッド」「ミニモーターヘッド」「LED隙間ノズル」は現段階では注文できない。今後故障以外で単品注文できるのかは不明。
気をつけたい点、新モデルは(V7/V8/V10/V11)専用の電気を通さない専用ツール(コンビネーションノズル等)との互換性はあるが、モーター駆動の「ミニモーターヘッド」「クリーナーヘッド」や、電気を通す「LED隙間ノズル」とは差込口の形状が異っているため、従来ツールの流用を考えいている場合は注意されたし。
わたしは専用ツールがすべて付属されているオレンジのFluffy+を購入。予備バッテリーは付属されていないが、今後「公式サイト」や「話そうダイソンお客様相談室」から注文することが可能になるようなので、後から必要になった場合は買い足す予定である。
充電ドックは専用ツールの収納性が低いまま!
V11シリーズから、自立式の収納+充電できるダイソン専用の充電ドック付きモデルがラインアップされたことは喜ばしいことであったが、「ツールクリップ」を充電ドックのポールに取り付けたとしてもアタッチメントを3個しか収納できず、収納性は低いまま。Digital Slimの充電ドック付きモデルは高額なうえ、ポール部分に収納スペースがあることを考えるとダイソンの収納性が低いスタンドにはV11と同様に不満が残った。
そこで、わたしはV11の充電ドックや収納用ブラケットに使用していたサードパーティ製の「収納ホルダー」をDigital Slimの充電ドックに取り付けて収納箇所を増やすことに。ぐらつきはあるものの、ツールを一箇所にまとめられることができ、腰を曲げて取り出さなくてすむので気に入っている。通電箇所のある「LED隙間ノズル」や「ミニモーターヘッド」しっかり差し込むことができないため、向きを変えるなど工夫が必要である。
ダイエットに2年間も費やした新型フォルムのダイソン
歴代モデルの中で最軽量(1.9kg)!
DC45:2.3kg「少し重たくなったが使用時間が延びたからいいか」
DC62:2.03kg「軽くて強くなった!フィルタ着脱も簡単!Dysonすごい!」
V6:2.34kg(Fluffy)「少し重くなったけど排気が綺麗になったから仕方ないか」
V8:2.61kg(Fluffy)「ごみ捨て簡単になったのは嬉しいがさらに重くなった…」
V7:2.47kg(Fluffy)「V8より軽くなったけどDC時代に比べるとまだ重たい…」
V10:2.58kg(Fluffy)「重いうえでかい…女性やお年寄りには勧めにくい」
V11:2.72kg(Fluffy)「なんでこんなぶくぶく太っていくんだ!」
Digital Slim:1.9kg「今までで一番軽い!なんぞこれ!?」New!
当初、高機能タイプのスティックコードレスクリーナー市場で軽量化に特化したメーカーといえば、東芝のトルネオVコードレスのみだった。当時、ハイエンドのスティック機で2kgを切るということは非常に珍しかったが、今では2kg以下の軽量化したモデルをラインアップしてるところも多く、メーカー各社、吸引力が強いモデルと本体が軽いモデルの二択を選択できるのが主流となってきている。
Dyson Digital Slimも本体にストレートパイプとクリーナーヘッドを装着した重量が1.9kgという軽さになっており、同社の中で最も軽量な一台となっている。去年発売された日本の住居に合わせて作られた軽量化モデル(V7 Slim/2.2kg、V8Slim/2.15kg)よりも軽いことを考えると、新型フォルムの最軽量化はエンジニアにとって難題だったようで、2年の歳月と2,331の試作品を要したという。
Dyson Hyperdymium™モーター
進化したサイクロンテクノロジー
上のサイクロン機構は左が前モデル(V11)、右がDyson Digital Slim™で採用されたサイクロンである。新しいサイクロンでは渦巻き状のインレットを導入し、吸気口が広がったことでより多くの空気をサイクロン無いに取り込むことが可能になったという。
また、曲線的な吸気口を採用したことで、サイクロン内で空気がよりスムーズに流れる設計になったため、サイクロンコーンの並びを変更することができ、11個のサイクロンコーンを狭いスペースに配置することが可能に。これらの改良により、小型化しながらもパワフルな吸引力や分離効率を実現したという。
小型化+軽量化したクリーナーヘッド
従来のVシリーズのFluffyモデルに標準装備されていた人気の「ソフトローラークリーナーヘッド」は、40%小型化+40%軽量化され、「Slim Fluffy™クリーナーヘッド」として新しく設計され、Dyson Digital Slimのコードレスクリーナーに標準装備されている。軽量化と耐久性を高めるため、ブラシバーには航空機にも使用される丈夫で軽いアルミニウム素材を採用。これによりブラシバーの直径を29%細径化することができ、ゴミの集じん力はそのままで、より軽くて薄い丈夫なブラシバーを実現している。
小型化・軽量化されたことで、従来ヘッドより軽い力でヘッドを前後に動かすことができ、手首を軽くひねるだけで簡単に方向転換させることが可能。女性やペットがいる家庭でも好評だったブラシに抜け毛が絡みにくい特長や、大小のゴミを同時に吸い取れるストレスフリーな特長も健在なうえ、従来より20%薄くなったことで、さらに低い家具の下も奥までしっかり掃除ができる新たな特長も兼ね備えている。
ハンドルが握りやすくなりグリップ感が向上
既に新モデルを手にして持ってみたが、軽い力でヘッドの上げ下げ・方向転換・前後に滑らすことができ、一度使うと従来には戻れなくなるほど。従来のDCシリーズやVシリーズより軽くてコンパクトになっているので、ダイソンユーザーも驚くこと間違いなし。また、重たいサクロンやクリアビンが直線化されたフォルムなので、従来フォルムのV7 SlimやV8 Slimより体感重量も軽く手に負担がかからない。
ただし、発表会では伝えられなかったが、新モデルの質量が軽くなっている要因は、バッテリーの電圧を25.2V→18Vに下げたことや、クリアビン(集じん容量が)0.54L→0.3Lに小さくなっていることもある。歴代モデルより低い電圧でどこまでパワーを引き出せるのか、ゴミがすぐに一杯になりやすいクリアビンの分離性能など不安になる要素も残る。
小型化しながらも優れた吸引力や分離効率を実現したのは本当か
CMやキャッチコピーなどのマーケティング戦略により、ダイソン=「他のどの掃除機よりも吸引力が強い」というイメージがあるが、現在の成熟したコードレスクリーナー市場ではダイソンに匹敵・ダイソンを超える吸引力を持つ製品が存在し、ダイソン一強の時代は終わっている。現在のダイソンが他社より優れている大きく特長の1つは、紙パックやフィルターの代わりに遠心力で空気と微細なゴミを分離する独自のサイクロン技術を搭載していることである。
新モデルは本体を小型化するため、前モデル(V11)よりサイクロン部を5%小型化+サイクロン数は14個から11個に削減されたが、サイクロン部に渦巻き状のインレットを導入したことで吸気口が広がり、より多くの空気とサイクロン内に取り込むことが可能になったという。V11に引けをとらない毎分120,000回転するHyperdymium™モーターの搭載と、サイクロン部に曲線的な吸気口を採用したことで、コーン内に入る空気がスムーズに流れるようになり、小型化しながらも優れた吸引力や分離効率を実現しているという。
最上位モデル(V11)や軽量モデル(V8 Slim)と吸引力を比較してみた!
メーカー各社が公表している吸引力の指標となる吸込仕事率は、クリーナーヘッドを取り外した状態で計測するため、ヘッドの設計によって吸込仕事率が弱くてもゴミの集じん力が優れている場合がある。Digital Slimが標準装備しているクリーナーヘッドは、ヘッドと床との隙間が狭い設計になっているため、隙間が広いヘッドに比べると溝に落ちているゴミの集じん力は高くなる。大きなゴミも同時に吸い取れるのは、広い開口部と柔らかなフェルトローラーを採用しているからである。ヘッドの設計によって吸引力が弱い「エコモード」で運転してもゴミの除去率が高いのは評価できる(つづく)。
隙間をコーキングで埋めて密封した容器に掃除機を接続して真空度を測定していたところ、容器を破損させるようなモンスタークラスが登場(現パナソニックやダイソンのフラッグシップモデル)。そこで、空気を流入させる穴をあけ、その空気が入り込んでくる流入口に風速計を設置。これで容器を破損させずに容器の真空度と風速を測定。同じ条件で測定すれば風速と真空度の高いモデルが吸引力が強いことになる。
検証ではやはり想像していた通り、電圧の高いバッテリーを搭載している去年発売された軽量モデル(V7 Slim/V8 Slim)のほうが吸引力が高い結果となった。さらに電圧の高いバッテリーを搭載しているV11は他のどのモデルより吸引力が高い結果となった。ちなみに風速が3も変わると体感でも吸引力が強いことが分かるほど。
このことから、新モデルのヘッドと同じ特徴を持つソフトローラークリーナーヘッドを搭載しているモデルの中から吸引力を重視したい場合は、V11やV8 Slimのほうがおすすめである。吸引力を妥協してでも軽さにウェイトを置きたい場合は迷わず腕に負荷がかからない設計で、体感重量が軽くなったDigital Slimのほうが最適。
Digital Slimは去年の軽量モデル(V8 Slim)と違い、運転時間が秒単位で分かる「液晶ディスプレイ」や、長時間の掃除ができる「着脱式バッテリー」を採用しているため、掃除機に費やす時間が長い人は迷うところ。ちなみにV11からも2020年に「着脱式バッテリー」を採用したモデル(Dyson V11 Absolute Extra
最上位モデル(V11)や軽量モデル(V8 Slim)と分離能力を比較してみた!
新モデルにシナモンパウダーを吸わせてみても、新品のフィルターは真っ白のままであった。次に本体を横・上方向に傾けながらシナモンパウダーを吸引してみたところフィルターはチョコレートのように茶色く染まった。同じように旧フォルムのV8 Slimで吸わせてみたところフィルターは新モデルほど顕著に汚れなかった。
V10/V11/Digital Slimの分離性能は従来モデルと変わらず優れているのだろうが、サイクロンとクリアビンを直線的に配置したことで、少しでも本体を傾けると、一度クリアビンに回収した微細なゴミが飛散しやすい角度になりフィルターに流入していると推測。
対策はこまめなゴミ捨てとサイクロンを下方向に向けた状態で使用するのがベストだが、その状態を保ちながらスティックタイプで高い場所やハンディタイプで棚などを掃除することは不可能なので、床以外の掃除をする人には難しい操作となる。
一ヶ月ほど使ってから追記したいが、Digital Slimはおそらく毎日使っていると、前モデルのV10やV11のようにフィルターが一ヶ月ほどで目詰まりが発生して肉眼で確認できるほど汚れてくるだろう(上動画参照)。ダイソンのマニュアル通り、一ヶ月に1回フィルターを水洗いするのであれば新モデルでも問題ないが、長期間(3ヶ月~5ヶ月)フィルターのお手入れをしたくない場合は、ジョウロのような形状をした従来モデルのほうがおすすめである。
小型化した「Slim Fluffy™クリーナーヘッド」のパフォーマンスは低下してないのか?
従来 ソフトローラークリーナーヘッドとの違い!
40%軽量化・20%薄くなったSlim Fluffy™クリーナーヘッド
- 幅 250mmのまま
- 重量 763g→412g
- 高さ 60mm→46mm
- 奥行き 105mm→80mm
- ローラの直径 47mm→36mm
- ヘッドの端までギリギリ吸える溝が設けられる
Digital Slim™の軽量開発において、クリーナーヘッドの軽量化と小型化も重要な課題な一つだったという。同シリーズのラインナップには従来のソフトローラークリーナーヘッドより、40%軽量化・20%薄くなった「Slim Fluffy™クリーナーヘッド」が標準装備されている。
ヘッドを40%の軽量化+20%の薄型設計にするために、航空機のボディにも用いられる軽くて丈夫なアルミニウム素材をブラシバーに採用。また、ブラシバーがしっかり回転するようにモーターはバーの中心部に内蔵。これらの再設計により従来のFluffyに採用されていたソフトローラーより直径が29%小さくなったにもかかわらず、パフォーマンスはそのままだという。
Slim Fluffy™クリーナーヘッドの吸引力+集じん力を検証
15%小型化した毎分12,000回転する「Hyperdymium™モーター」、パフォーマンスはそのままで5%小型化した「高効率サイクロン」、そして40%小型、軽量化した「Slim Fluffy™ クリーナーヘッド」を搭載した新モデルのDigital Slim™。
前モデルのV11と新モデルをボクシングに例えると重量級のヘビー級から軽量級のフライ級に転生したわけだが、果たしてダイソン独自の優れた吸引力やヘッドの集じん性能はそのままなのか、色々なゴミを吸引して検証を行ってみた。
検証ではフローリングやカーペットに散布した小麦粉・米・ペット用の餌&砂・シュレッダーにかけた紙・猫の毛・髪の毛をクリーナーヘッドを装着した状態で吸引。基本的に運転モードは家で使用頻度の高い[標準モード(中)]だが、吸い取れなかったゴミはMAXモードで再チャレンジ。
フローリングは床を拭き取るナイロンフェルトと静電気を逃がすカーボンファイバーブラシによって、素足でも心地良いほど床面を綺麗にすることができた。カーペットでは硬いブラシが搭載されていないため、深部に入り込んだゴミを掻き出す集じん力が低い。現行機種にはカーペットに特化した「ダイレクトドライブクリーナーヘッド」が付属されたモデルが用意されていないため、カーペットからより多くのハウスダストを除去したい場合は、「ミニモーターヘッド」が付属されたモデルを選びたい。
米粒のように少し嵩のあるようなゴミは、フローリング・カーペット共にヘッドを滑らせる動作で集じんしながら吸引することができた。量が多いとソフトローラー部で空回りして前から吹き出してくる米粒がでてきたが、何度も吹き出してくるわけではないので、特に問題と感じなかった。
一般的なパワーヘッドだとヘッドの前側で押し出してしまうペット用の餌やトイレ砂のような大きな固形ゴミも、米粒同様にヘッドを滑らせる動作で効率よく集じんしながら吸引することができた。ほぼ高確率でソフトローラーに飲み込まれて吸い上げられていくので、ゴミに対してヘッドを上から被せるながら吸引する必要がないのも嬉しいポイント。
シュレッダーにかけたような平たくて細長いゴミは量が少ないと問題なく吸引できたが、量が多くなるにつれクリーナーヘッドのローラーとカバーとあいだで引っかかるものがでてきた。ただし、新モデルは従来モデルと違い、クリーナーヘッドを簡単に分解できるため、引っかかったゴミはストレスフリーで簡単除去できる。このような形状のゴミが床一面に落ちている場合は、クリアビン内の空気が曲がる吸気口部分に高確率で詰まってしまうため、一度に大量にする用途では新モデルは不向きだと感じた。
フローリングに落ちている髪の毛はショートヘアーやロングヘアー共に効率よく吸引することができた。カーペットの場合はヘッドを何度か往復させないと集じんできない場合がありやや不満。一般的なパワーヘッドと違って髪の毛がローラーに絡みにくく、ブラシバーに絡みついたお手入れが不用になるのは高ポイント。髪が絡みにくいといっても、美容室のように床一面に落ちた髪の毛を大量に吸引するとローラーに絡みつくので注意。
クリーナーヘッドの前側・横側共に米粒のような大きさのゴミであればストレスフリーで吸引することができたが、ゴミが小さくなればなるほど取りこぼしが目立ち、ヘッドを何度もストロークさせる必要があった。塵のような肉眼で確認できないゴミは必ず壁際に溜まっていくので、定期的に標準付属された「コンビネーションノズル」で掃除したい。
ゴミ捨てやフィルターのお手入れは簡単なまま?
ゴミの捨て方
Digital Slimのゴミ捨ては非常に簡単になっており、レバーを押し下げるだけでゴミを捨てることができる。V7シリーズから前モデルに採用されているスクレイパーもクリアビンの中に配置されているため、クリアビン内に詰まったゴミをしっかり押し出してサポート。
従来モデルよりクリアビンが小さくなっているため、抜け毛の多い猫がいる我が家では2日でクリアビンのMAXラインにゴミが到達。ゴミ捨てを怠ると、何度もクリアビンをスライドさせないと詰まったゴミを落とせなかった。こまめなゴミ捨てを心がけたい。
本体は小型+軽量になったものの、クリアビンも小型化しているため、集じん容量が0.54Lから0.3Lにダウン。ゴミがMAXラインを超えると、前述したように詰まったゴミを押し出すのに手間取ったり、フィルターの目詰まりの原因となる微細なゴミが飛散しやすくなるので、従来モデルよりゴミ捨てはこまめにおこなったほうがよさそうだ。
ゴミ捨て時に舞い上がる埃の対策か、掃除機で吸い取ったゴミをゴミ箱に直接に入れるのに抵抗があるのか、ナイロン袋にゴミを捨てるユーザーをYoutubeでみかけることがあった。新モデルはクリアビンが直線的に配置されているうえ、V10やV11よりクリアビンが小さいので小さいナイロン袋でもゴミが捨てやすかった。
フィルター+クリアビン+サイクロンのお手入れ方法
簡単に交換できる着脱式バッテリーを採用
- バッテリー交換が工具レスでワンタッチで行える
- 予備バッテリーを用意することで運転時間を延ばせる
2020年に発売された「Dyson Digital Slim」コードレスクリーナーには、新たにワンタッチで簡単にバッテリー交換ができる着脱式バッテリーが採用された。ボタンひとつで瞬時にバッテリーを着打することができるため、予備の着脱式バッテリーを用意することで最大80分間の使用が可能になったという。予備の着脱式バッテリーは「Fluffy Pro」にのみ標準付属されているが、Dyson Digital Slimを持っているユーザーなら、あとから公式から単品注文することも可能となっている。
着脱式バッテリーのメリット
バッテリーの充電方法
- 「充電アダプター」を本体(バッテリー部)に差し込む
- 「収納用ブラケット」に差し込む
- 「充電ドック」に差し込む
- 取り外したバッテリーを上記3つの方法で充電可能
新モデルの充電方法は従来どおり、上記の3方法で充電することが可能となっている。前述したとおり、新モデルにはワンタッチで簡単に着脱できる「着脱式バッテリー」が採用されており、取り外したバッテリーを従来の方法で充電することも可能となっている。
これまで通り、「収納用ブラケット」や「充電ドック」は「充電アダプター」と組み合わせて使用。収納用ブラケットは全てのモデルに標準付属されており、充電ドックはOrigin以外のモデルに同梱されている。「充電ドック」が不用な場合は安価なOriginを選ぶとよいだろう。
液晶ディスプレイで何がわかるの?
各運転モードの残り運転時間が秒単位で分かる!
新モデルには前モデル(V11)にも採用されていた「液晶ディスプレイ」を搭載しており、液晶ディスプレイ上にある赤いボタンを押すことで、[エコ][中][強]の3つの運転モードに切り替えることが可能。さらに運転中は使用している運転モードの残りの運転時間が秒単位で表示されているため、掃除の途中でバッテリーが切れてしまう不安がなくなる。
トラブルの解決方法を表示(取説いらず!)
液晶ディスプレイではリアルタイムで残り運転時間がわかるだけでなく、トラブルが発生したときの解決方法も表示される。例えば、フィルターが正しく装着されていなかったり、フィルターが目詰まりしてお手入れが必要だったりしたときにアニメーションでお知らせ。その他に、ゴミが通気孔に詰まって運転できなくなっても、どこにゴミが詰まっているのかアニメーションでお知らせしてくれるため、トラブルが発生してもいちいち取扱説明書を見る手間も省ける。
コメント
22日新型楽しみですね。
楽しみですね!
おそらくEngadget(中国版)で紹介されているものと同じかと思われます。
バッテリー単品のモデルがV11の価格より下がると嬉しいです。
https://tw.mobi.yahoo.com/trendr/engadget_traditional_chinese_794/dyson-digital-slim-handheld-vacuum-cleaner-080045476.html