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ダイソンのV10やV11のフィルターが目詰まりしやすいって本当?

差出人: L様
題名: ダイソンのハンディー掃除機について。V10はめづまりしやすいのでしょうか?

メッセージ本文:
新しいV11は高くて買えないのでV10の買い物を考えてるのですがV10のフィルターがめづまりしやすい欠陥があるのは本当でしょうか?V10を使ってる方のブログで読みました。V8を選んだほうが無難でしょうか?御願いします。


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V10/V11はV7/V8よりフィルターが目詰まりしやすい?

まとめ

◉V10とV11は従来モデルよりフィルターが目詰まりしやすい
◉V10とV11は他社の製品と比べると強い吸引力を維持できる
◉ダイソンは1日1回使用した場合、月1回フィルター洗浄を推奨
◉月1回フィルター洗浄をした場合、お手入れの頻度は従来モデルと変わらない
◉月に1回フィルターを丸洗いする場合はV10/V11を選んでも後悔しない
◉なるべくフィルターのメンテをしたくない場合はV7/V8のほうがおすすめ

V10とV11は従来モデルより目詰まりしやすい

ダイソンが2018年に発売したスティック型コードレスクリーナー(V10)は、従来モデルと比較するとフィルターが目詰まりしやすいです。V10のフィルターが目詰まりしやすい口コミも散見されるため、当サイトが所持している本機の個体差ではなくまぎれもない事実だと思います。また、V10と同じサイクロンシステムを採用している2019年モデル(V11)も、V10と同様にフィルターが目詰まりしやすくなっており、改善されていません。

他社の製品と比べると空気とゴミの分離能力が高い

ただし、フィルターが目詰まりしやすいというのは、同社のV8以前の従来モデルと比較した話しです。例えば、他メーカーの製品にフィルターがすぐに目詰まりしてしまう小麦粉を大量に吸わせると、すぐに吸引力が虫の息となりますが、V10/V11は強い吸引力を維持することができます。また、V10やV11で毎日一ヶ月ほど掃除をしても、体感では吸引力が落ちたという感じはせず、ストレスになるほど吸引力が弱くなることもありません。

月1回フィルター洗浄する場合はV10やV11でも後悔しない

ダイソンはコードレス掃除機を毎日使用した場合、月1回のフィルター洗浄することを推奨しております。V10やV11が従来モデルより目詰まりしやすいと言っても、強い吸引力は1ヶ月使用しても余裕に持続するため、メーカーが推奨している通り、1ヶ月に一度にフィルターを水洗いする場合は、メンテナンスの頻度は従来モデルと変わりません。ただし、V10/V11と従来モデルのフィルターの汚れ具合には大きな差があります。

なるべくフィルター洗浄をサボりたい場合はV7やV8がおすすめ

クリアビンやフィルターが直線的に配置された最新フォルムが気に入っていたり、掃除機のフィルターを月に一回は水洗いする場合は、比較的新しいV10やV11を選んでもあまり大きな問題にはなりません。フィルターの水洗いにうんざりしていて、吸引力が低下するまでお手入れをしたくないという場合は、フィルターが汚れやすいV10やV11より、V7やV8のほうがおすすめです。V8はV7より連続運転時間が長く、吸引力も少し強くなっています。V7はバッテリーの容量が小さいため、V8より少し軽くなっています。

–返信した内容ここまで–

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V10やV11のフィルターが目詰まりしやすい要因は何か?

ダイソンのV10やV11って本当に目詰まりしやすいの?

なにが原因か分からないので従来モデルとの違いを記しておきたい。

V10とV11はフィルターの目詰まりの原因となる微細なゴミの分離性能が従来モデルより劣ってしまったが、V10/V11と従来モデルの変更点は多いため、なにが原因で目詰まりを防ぐことができなくなってしまったのかよくわからない。当然メーカーも新しいモデルが従来モデルより分離性能が劣ったと言うはずもなく。ここでは備忘録として新しいV10/V11と従来モデルの違いを記しておきたい。

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V10やV11のフィルターが目詰まりしやすい要因(空気の流入口の違い)

空気とゴミが流入してくる場所が変わった

ダイソンの歴代モデルが吸い込んだ空気とゴミはダストカップに真っ直ぐ侵入し、曲面した円柱のクリアビンの壁に接触していた。ここが一番最初に物理的接触する発生する場所となっている。クリアビン内で発生している遠心力により、吸い込んだゴミは曲面した壁にピッタリ押さえつけられながら回転して落ちていく。

ゴミが回収されるクリアビンを直線的に配置したV10とV11は歴代モデルと違い、ヘッドから吸い込んだ空気とゴミが流入する場所がクリアビンの中央になっているのだ。このため、従来モデルより吸い込んだゴミがシュラウドのメッシュを通り抜けやすいのではないか?という意見が散見されている。

V10やV11のフィルターが目詰まりしやすい要因(風路の曲がり)

クリアビンに流入する前で風路が直角に曲がっている

クリアビン内では目に見えるような大きなゴミや、上部に配置された円錐形のサイクロンが苦手な不定形のゴミが遠心分離される。クリアビンに侵入したゴミは、物理の法則で曲面の壁を曲がるときに加速される。そして、クリアビン内で発生している遠心力によって、壁面に押し付けられながら下に落ちていく。一方重量が0に近い空気はこの問題がないので壁面に圧することなく、クリアビンの中央に配置されているシュラウド(網目)から楽々と外に出ていくことができる。

V10とV11はクリアビンに侵入する前に空気が直角に曲がる設計になっているため、遠心力が強くなる要因となる風速が損失されていると考えられる。また、従来モデルより吸引力が強くなったと言っても、使用頻度の高い[標準モード]は歴代モデルと同じ28WA(V11は非公開)。クリアビン内で発生している遠心力は従来モデルよりV10/V11のほうが弱くなっているのではないだろうか。このため、これまでクリアビン内で遠心分離していたゴミが従来モデルよりシュラウドを通り抜けやすいのかもしれない。

V10やV11のフィルターが目詰まりしやすい要因(サイクロン数)

サイクロンテクノロジー(サイクロンの数)が違う

DC62からV8までのモデルには円錐形のサイクロンが15個の「2ティアーラジアルサイクロン」が採用されていた。しかし、V10とV11にはサイクロン数が1つ減った14個の「ラジアルルートサイクロン」が採用されている。

サイクロン数が減ったことにより、微細なゴミを分離する能力が従来モデルより下がったと思われる人もいるかもしれないが、DC35/DC45に採用されていつあサイクロン数が6個のルートサイクロンもかなり優秀だったので、サイクロン数が問題ではないように思う。

V10のフィルター

2つのフィルターが一体化した

ダイソンのコードレス掃除機は2015年に発売されたV6から、差込式の「プレモーターフィルター」だけでなく、アレルギーの原因となる花粉なども捕集することができる「ポストモーターフィルター」が本体後部に配置された。このため、V6以降のモデルは排気性能が向上しており、掃除機の排気の臭いやアレルギーで悩んでいる人にはV6以降のモデルをおすすめしている。

V10やV11も従来モデルと排気性能は同等であるが、「プレモーターフィルター」と「ポストモーターフィルター」が一体化したため、従来モデルとサイクロンの設計が異なっている。クリアビン、サイクロン、モーター、フィルターが直線的に配置されて構造が変化したことにより、フィルターが目詰まりしやすい原因になっている可能性も否めない。

V10やV11のフィルターが目詰まりしやすい要因(サイクロン収集部分)

サイクロンで遠心分離したゴミの収集場所が狭い

基本的にダイソンの掃除機はクリアビン内で捕らえきれなかった微細なゴミは、クリアビン上部に配置されている円錐形のサイクロンで遠心分離している。円錐形になっている理由は直径が小さくなるとゴミが回転するスピードがさらに加速されるからだ。このため、ダイソンの象徴でもある脳みそのようなサイクロン部分ではクリアビン内よりさらに強い遠心力が発生しており、空気中に浮遊するような微細な粉じんまでもが、サイクロンの加速力とあいまって円錐の底に引き落とされ収集される。

この微細なゴミが収集される場所はクリアビンの中央部に配置されており、クリアビン内で再び飛散してシュラウドを通り抜けないように、クリアビンのフタを開けてゴミを捨てるまで密閉された状態となっている。この収集される場所がV10とV11は従来モデルより狭くなっており、飛散した微細なゴミがフィルターに到達している可能性も否めない。また、本体を叩くと粉じんの塊が落ちてくることがあった。

Dyson V10とV11のフィルター目詰まり

フィルターに付着するゴミの種類

◉綿埃
◉猫の毛
◉オガクズ

家の場合、家中を掃除して一ヶ月くらいするとフィルターの表面に猫の毛綿埃がびっしり付着する。理論上は煙に含まれる微粒子でさえ重力の対象となって遠心分離するはずであるが、不定形な埃や繊維は減速しやすいため、ダイソンは速度が落ちないようにサイクロンを先細りした円錐形サイクロンを採用している。このダイソンの象徴でもあるゴミの鉄壁を短期間でこれだけくぐりぬけてくるということは、やはりサイクロン部分に問題があるように思う。(写真撮り忘れ、宿題

ちなみに上のフィルターの写真は当サイトで行っている吸引力テストを行った後に撮影したものだ。クリアビンがMAXラインに到達する量のオガクズを10回吸引させただけでフィルターにはこれだけのオガクズが付着していた。これまで、ダイソンの歴代モデルを実機レビューしてきたが、吸引力テストでこんなにフィルターが汚れたのはV10やV11のみである。2020年モデルには改良を期待したい。

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