ダイソンで排気クリーンなモデルはどれか検証!
フィルターの捕集効率が低かったり、本体の気密性が低いと微粒子でアレルギーのおそれ ひょんなことから元ホストでYouTuberの動画を見ていると、その人は押入れから布団を取り出したときに舞い上がる埃や、布団を天日干したときに付着する花粉で目から涙がでてかゆくなると話していた。アレルギー体質の人はそこまでも敏感なのかと、アレルギー持ちの人のSNSを観察してみると、掃除機から排出されるハウスダストで喘息やアレルギーの症状がでて悩んでいる人もいるようだ。
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実際に東京都が行った電気掃除機のフィルトレーションテストでも、テスト用の塵を掃除機に吸引させると、微粒子を捕集すると謳っている製品では10~165万個、一方、そうした表示のない製品は12~120万個の粒子を排出している結果となっている。さらに掃除機から排出された微粒子は換気を行っても1時間ほど浮遊し、呼吸時に期間を通り抜けて気管支や肺に達し、アレルギー症状や健康への影響が懸念されるという。
ダイソンの新製品発表会のデモンストレーションでアレルギー症状の原因となるハウスダストに見立てたスモークマシーンの煙をフィルトレーションをして綺麗な空気を排出するシーンを見せたモデルはV6のみ。以前からダイソンの旧モデルや新モデルの排気性能や気密性が気になっていたこともあり、歴代モデルに粒子の小さいスモークを各モデルに吸わせて、排気がクリーンなモデルを調べてみた。
検証はダイソンV6のデモンストレーションと同じように排気の可視化を試みるためスモークマシーンを使って、使用頻度の高い「標準モード」でスモークを10秒間吸引させる(10秒間で部屋は真っ白になるほどの噴出量)。ダイソンによるとスモークマシーンから排気される粒子サイズは0.25µm~60µmなので、白い煙が排気口や各パーツの継ぎ目から漏れ出てこなければ、花粉(60µm)のようなアレルゲンをフィルターが多く捕集しているということになる。
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DC35/DC45シリーズ サイクロン:ルートサイクロン(6気筒)
フィルター:プレフィルター(楕円形状)
採用モデル:DC35/DC45/DC30/DC31/DC34/DC43
動画で視聴する DC35はダイソン初のスティックタイプのコードレスクリーナー。DC45はバッテリーの容量が増えてスタミナとパワーが増えた後継モデル。DC30/DC31/DC34/DC43はストレートパイプとクリーナーヘッドが付属されていないハンディクリーナーとなる。
どちらも同じルートサイクロンと楕円形のプレフィルターを採用。フィルターは本体とサイクロン部を分割して着脱するため、新しいモデルより一手間がかかるが、空気とゴミを遠心分離する性能は新しいモデルにも負けないほど高くフィルターは目詰まりしにくい。
スモークマシンのスモークを吸わせてみたところ、すぐに本体後部の排気口から勢いよく吹き出してしまった。その勢いはカメラの後ろにいる筆者にも瞬時に到達するほどで、これだと掃除機が吸い上げたハウスダストはすぐに部屋全体に充満するのではないかと思うほど。
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DC62/DC74シリーズ サイクロン:2ティアーラジアルサイクロン(15気筒)
フィルター:プレフィルター(差込式)
採用モデル:DC61/DC62/DC74
動画で視聴する DC62から新しいサイクロンテクノロジー(2 Tier Radial™(ティアーラジアル) サイクロン)が採用され、微細なゴミを遠心分離する6個のサイクロンコーンは15個に増えた。楕円形のフィルターは筒状に変更されて、本体から簡単に着脱できるようになっている。DC62と同じ本体のDC74は、現在ダイソンの象徴ともなっている「
ソフトローラークリーナーヘッド 」を標準装備。
スモークマシンのスモークを吸わせたところ、本体後部の排気口からスモークが吹き出してきた。ただし、サイクロン数が増えて遠心力が強くなっていることが原因なのか分かりかねるが、前述したルートサイクロンほど煙は勢いよく吹き出してこなかった。どちらにせよハウスダストはダダ漏れと思われる。ブラシパワーと吸引力がパワーアップした名機なだけに残念な結果となった。
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V6シリーズ サイクロン:2ティアーラジアルサイクロン(15気筒)
フィルター:プレフィルター(差込式)+ポストモーターフィルター(1号)
採用モデル:
V6 動画で視聴する
V6シリーズは従来モデル(DC62/DC74)に搭載されていた2 Tier Radial™(ティアーラジアル) サイクロン)に加え、空気清浄機にも採用されている0.3ミクロンの微細な粒子を99.97%捕らえる「ポストモーターフィルター(HEPA)」を採用。また、V6シリーズからカーペットに特化した「
ダイレクトドライブクリーナーヘッド 」を標準装備したモデルもラインナップされるように。
V6にスモークマシンのスモークを吸わせたところ、HEPAフィルターが配置された本体後部の排気口から煙はでてこなかった。排気口からだけでなく、各パーツの継ぎ目からもスモークが漏れ出てこないことから密閉性の高さも伺える。掃除機の排気でアレルギー症状がでる場合は、排気がクリーンなポストモーターフィルターが搭載されているV6以上のシリーズを選んだほうがよさそうだ。
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V7/V8シリーズ サイクロン:2ティアーラジアルサイクロン(15気筒)
フィルター:プレフィルター(差込式)+ポストモーターフィルター(2号)
採用モデル:V7/V8
動画で視聴する V8は前モデル(V6)に採用されていたプレフィルター(差込式)と2 Tier Radial™(ティアーラジアル) サイクロン)を搭載しているが、ポストモーターフィルターは互換性がなくなった別物。V6よりさらに高用量のバッテリーを搭載しているため、最大吸引力と連続使用時間が大きく向上。さらには、クリアビンに詰まったゴミを押し出す機構が搭載されてゴミ捨てが簡単に。V7はV8よりバッテリー容量が小さくなっており、質量は軽くなっているものの、パワーとスタミナが落ちた廉価版だ。
V8にスモークマシンのスモークを吸わせてみたところ、V6と同じようにフィルターの捕集効率と本体の気密性は不変のまま。従来モデルよりさらにゴミ捨てを行いたい場合は、シュラウドの側面にゴミをこそぎ落とすスクレイパーが搭載されているV7以降のシリーズがおすすめだ。なお、どちらも古いシリーズとなるが、2019年に日本人の背丈や住居に合った軽量版のモデル(V7 Slim /V8 Slim )も新たにラインアップされている。軽さや使いやすさを重視したい場合はSlimがおすすめだ。
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V10/V11シリーズ サイクロン:ラジアルルートサイクロン(14気筒)
フィルター:プレフィルター/ポストモーターフィルター(一体型)
採用モデル:V10/V11
動画で視聴する V10 からはサイクロンとクリアビンの位置が直線的に配置され、本体フォルムがピストルのような形状に変化。これによりサイクロン上部に配置されていた筒状のプレフィルターと本体後部に配置されていたポストモーターフィルターは一体化。どちらも従来モデルにはなかったバッテリーを節電できる「エコモード」を搭載しており、最長連続運転時間が大幅に向上している。
V11 はV10と違い、液晶ディスプレイを搭載しており、連続使用時間が秒単位でリアルタイムに表示される。
V11にスモークマシーンのスモークを吸わせてみたところ、排気口や各パーツの継ぎ目から煙は漏れ出てこなかった。実はサイクロンとクリアビンの位置が直線的に配置されているシリーズは、ジョウロのような形状をしていた従来モデルに比べると、フィルターが目詰まりするスピードが早くなる欠点があるため、少し煙が漏れ出てくるのではないかと不安だったが、一体化したフィルターが肉眼では見えない微粒子をしっかり捕集しているようだ。重さを気にせず、さらなる吸引力を求める場合はV10やV11がおすすめだ。
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Digital Slimシリーズ サイクロン:高効率スクロールサイクロン(11気筒)
フィルター:プレフィルター/ポストモーターフィルター(一体型)
採用モデル:Digital Slim™
動画で視聴する Dyson Digital Slim™ は2020年に発売された新モデルとなり、V11より25%軽量化+20%小型化したシリーズとなる。クリーナーヘッドもV11のソフトローラークリーナーヘッドより40%小型・軽量化されているうえ、ストレートパイプも約8cm短くなっているため、平均身長が欧米より低い日本人や、力の弱い女性やお年寄りにも最適。従来と同じ一体化されたフィルターを搭載しているが、フィルターは少しコンパクトになっており、前モデル(V11)のフィルターと互換性を失っている。
Digital Slim™にスモークマシンのスモークを吸わせてみたところ、煙が各パーツの継ぎ目や排気口から漏れ出てくることはなかった。現在、ダイソンコードレス機の(最上位モデル)となるV11の詳細な残り運転時間やトラブルの解決方法をアニメーションでお知らせしてくれる「液晶ディスプレイ」や、歴代モデル最高の吸引力を手に入れたいけど、本体やクリーナーヘッドの重さや全長が気になる場合は、吸引力を妥協してアジア人向けに作られた軽量タイプのDigital Slimを選んだほうが無難である。
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この記事で行っているテストを動画で見たい方はこちらからどうぞ!
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