アイコン | モデル名 | 発売日&仕様 |
DC35 レビュー記事 | 発売日:2011年2月 吸込仕事率:通常28W/MAX65W | |
DC45 レビュー記事 | 発売日:2012年9月 吸込仕事率:通常28W/MAX/65W | |
DC62 レビュー記事 | 発売日:2013年10月 吸込仕事率:通常28W/MAX100W | |
DC74 レビュー記事 | 発売日:2014年10月 吸込仕事率:通常28W/MAX100W | |
V6 レビュー記事 | 発売日:2015年5月 吸込仕事率:通常28W/MAX100W | |
V8 レビュー記事 | 発売日:2016年5月 吸込仕事率:通常28W/MAX115W | |
V7 レビュー記事 | 発売日:2017年5月 吸込仕事率:通常21W/MAX100W | |
V10 レビュー記事 | 発売日:2018年3月 吸込仕事率:省電力13W/通常28W/MAX130W |
目次 メニュー | ||
特徴 | ダイソンがサイクロン方式にこだわる理由 | |
吸引力 | ダイソンのコードレスクリーナーをよくCMで見るけどそんなにいいの?吸引力を徹底調査 | |
ゴミの捨て方 | ダイソンはダストボックスの底にフタが付いているから、他のメーカーより、ゴミの捨て方が簡単 | |
フィルター お手入れ方法 | フィルターは引き抜くだけだから簡単に着脱可能。分離能力が優れているから、お手入れの頻度も少ない | |
ノズル一覧 | 掃除の用途が広がる専用ツール!ダイソンのクリーナー本体に装着できるノズル・アクセサリの特徴をまとめたページです。 | |
性能比較表 | コードレスクリーナーの〔主要スペック〕〔モーター〕〔サイクロンの種類〕〔付属品〕が一目で分かる性能比較表 | |
多くのゴミを吸い取る4つのテクノロジー | ||
ダイソン デジタルモーター | パワフルな吸引力を発生させる毎分最大110,000回転する350Wのダイソンデジタルモーター(DDM) | |
サイクロン テクノロジー | フィルターに到達する前に微細なゴミを分離する!吸引力が落ちにくい独自のサイクロンテクノロジー | |
ヘッドの種類 | フローリングや絨毯から多くの微細なゴミを取り除くためにカーボンとナイロンのブラシを組み合わせた3種類の床用ヘッド | |
バッテリー | 21.6Vのリチウムイオンバッテリー(ニッケルマンガンコバルトバッテリー)により、高い吸引力が続きます |
ダイソンの吸引力とダストピックアップ率を検証
カーボンファイバーブラシ搭載モーターヘッド
「カーボンファイバーブラシ搭載モーターヘッド」は、ダイソンが採用している床用ヘッドの中でスタンダードなモデルです。このモーターヘッドは、DC35/DC45/DC62/V6 Motorheadに標準装備されており、どのモデルも標準モードの吸込仕事率(吸引力)は同じ(28WA)です。動画では標準モードで色々なゴミを吸い取っています。
微細なゴミ 粉塵 | ブラシバーにゴミを掻きだす能力が高い「ナイロンブラシ」と静電気により床に付着した微細なゴミを除去できる「カーボンファイバーブラシ」が配置されているので、微細なゴミを除去する能力は非常に優れていた。 | |
大鋸屑 | 少量であれば問題なく吸い込むことができたが、木屑の量が多く積もっていると、ヘッド前面で押し出したり、ヘッド内部で空周りして弾き飛ばすことがあった。木屑の多く出る工房や建築現場では、ノーマルヘッドでダイレクトに吸引するマキタや日立工機ほうが効率よくゴミが吸引できます。 | |
切削屑 | ||
硬貨 | 硬貨のような重たくて硬いもの吸い込むとクリアビンが傷だらけになったり、破損することがあるので、吸い込まないほうがよいでしょう。 | |
ペットの砂 | カーボンファイバーブラシ搭載モーターヘッドですと、ヘッドと床の隙間が狭い設計のため、嵩のある固形のゴミを前に押し出したり、回転ブラシで前後に弾き飛ばしたり、ヘッドの内部で空周りすることがあった。なので、ゴミに対してヘッドをかぶせるようにしないと吸い取れません。このような固形のゴミは家には散らばっていないので、個人的にはあまり気になりませんでした。しかし、このような固形のゴミがヘッド前面で押し出さずに、ヘッドと床の隙間に噛んだとしたら、ストローク(前後動作)させたときに床に傷がつくこともあるので注意が必要です。 | |
ペットフード | ||
絨毯 | モーターで強力回転させているブラシバーには、硬めのナイロンブラシが配列されているので、絨毯やラグに絡まっているゴミや繊維の深くに入り込んだゴミを掻きだす能力は優れています。しかし、毛足の長いカーペットやラグでは、ヘッドを前後に動かしづらい欠点もあります。この欠点を克服しているのが「ソフトローラークリーナーヘッド」です。 | |
ラグ |
ソフトローラークリーナーヘッド
「ソフトローラークリーナーヘッド」は、2014年に発売されたDC74に初めて搭載され、2015年に発売されたV6 Fluffyにも採用されています。
このヘッドの大きな特徴は、柔らかく大きな全幅ローラーと広い開口部によって、従来のヘッドでは前面に押してしまっていた、ヘッドと床の隙間に入らない大きなゴミもストローク動作で吸い取ることが出来ることです。また、ローラーは、柔らかいフェルトに覆われているので、床に傷をつけにくい設計になっています。
動画では「標準モード」で色々なゴミを吸い取っています。V6とDC74シリーズのラインナップの「標準モード」の吸込仕事率は28WAなので同じ吸引力です。
ダイレクトドライブクリーナーヘッド
「ダイレクトドライブクリーナーヘッド」は、2015年に発売された(V6 Animalpro)に標準装備されているヘッドです。DC62に標準装備されている「カーボンファイバーブラシ搭載モーターヘッド」より、ブラシパワーが75%アップしています。
同じ素材の「ナイロンブラシ」と「カーボンファイバーブラシ」が2列に配置されていますが、ブラシの長さは短くなり、ナイロンブラシの硬さは歯ブラシのように硬くなっています。そのため、カーペットを掃除した際のダストピックアップ率(ゴミほ除去率)はトップクラスです。
動画撮影宿題:
ダイソンの吸引力って本当に強いの?
ダイソンの吸い込み仕事率は低い
ダイソンの吸引力についてネットで調べてみると「吸引力が強い」という書きこみもあれば、「吸引力が弱い」という反対の書きこみもよく見られます。ダイソンのキャニスター掃除機やコードレス掃除機の吸い込み仕事率を見ると、国内メーカーの紙パック式掃除機の吸い込み仕事率より低くなっています。
しかし、一般的な人は吸引力の強い掃除機と言えば、大半の方が「ダイソン」と答えるでしょう。なぜ「ダイソン=吸引力の強い掃除機」というイメージを持っている方が多いのかというと、それはダイソンのマーケティング戦略が優れているからだと思います。
ダイソンの巧みなマーケティングCM
わたしはあまりTVを見ませんが、たまに夕食時にダイソンのCMを見かけます。この時に必ず頭に残るのが「競合と比較しているゴミの吸引シーン」と下記の「キャッチコピー」です。
- 他のどの掃除機よりも確実にゴミを吸い取ります
- コード付き掃除機よりも多くのゴミを吸い取る。
- 吸引力の変わらない、ただひとつの掃除機
- 最も多くのハウスダストを取り除く布団クリーナー
- 他のコードレスクリーナーの 10倍の吸引力
広告成果の8割はキャッチコピーで決まると言われています。ダイソンのCMのキャッチコピーや映像にはUSP(独自の売り)が含まれています。「他に掃除機がたくさんあるのに、何故ダイソンを購入しなければいけないのか?」この理由こそがUSPです。
この興味を引く「キャッチコピー」と真実を裏付けているかのような「競合の掃除機と比較している映像」を同時に見せられると、普通の人は吸引力の強い掃除機なんだなと思い込んでしまうのではないでしょうか。わたしもダイソンは吸引力が強いんだろうなと思っていました。
「ダイソン=吸引力が強い」この図式を作り上げた戦略はすごいですが、実際にダイソンの掃除機の吸い込み仕事率を見てみると、国内メーカーの紙パック掃除機より低い数値になっています。しかし、CMや新機種発表会のデモンストレーションでは、競合のコードレス掃除機やキャニスター掃除機より、多くのゴミを吸い取っていたりします。
ダイソンが多くのゴミを吸い取る理由
吸い込み仕事率(吸引力)が高いからといって、多くのゴミを吸い取るとは限らない
日本では掃除機の吸引力を示す数値として「吸込仕事率」が用いられますが、吸引力が強いからと言って掃除機の性能が高いわけではありません。どんなに吸引力が強くても、床やゴミの種類によって吸い取れないものもでてきますし、「ダストピックアップ率(除去率)」は床用ヘッドの性能に左右されます。
また、紙パック式やフィルター式の掃除機は、掃除をする度にフィルターの繊維に微細なゴミが目詰まりして吸引力が低下します。たった100gのゴミで吸込仕事率は40%の低下すると言われています。ダイソンのサイクロン掃除機は、ゴミの分離能力が優れているため目詰まりしにくくなっています。さらに床用ヘッドにはモーター駆動でパワフル回転するブラシも搭載されています。
CMや発表会のデモンストレーションでダイソンより吸引力の高い掃除機がゴミを吸い取れていないのは、紙パックやフィルターの目詰まりにより、途中で吸引力が低下しているからです。また、床用ヘッドにモーター駆動の回転ブラシが搭載されていない掃除機で比較していることもあります。ヘッドの性能が低かったり、半端な吸込仕事率の掃除機が比較されるといじめられてしまいます。
吸い込み仕事率=ゴミの除去率ではない
日本工業規格(JIS 規格)を満たした掃除機には、「吸い込み仕事率」を表記するように義務付けられています。「吸い込み仕事率」は吸引力の目安となるので、国内メーカーは高い吸い込み仕事率をアピールしますが、掃除機は吸引力が強いからと言って多くのゴミを吸い取るわけではありません。ゴミの除去率は床用ヘッドの性能に左右されます。
フィルターや紙パックは目詰まりすると吸引力が落ちる
吸い込み仕事率を測定する試験では床用ヘッドが装着されていません。掃除をするときは床用ヘッドを取り付けるので、吸い込み口が分散され吸引力は落ちます。さらに紙パック式やフィルター式の掃除機は、吸い込んだ空気とゴミを直接フィルターで受け止めて分離しているので、ゴミが溜まるにつれて吸引力も低下します。
吸引力だけでは吸い取れないゴミ
ゴミや床の素材には種類があります。平たい床面に落ちている大きなゴミを吸い取る場合は、吸引力が強い掃除機の方が適していますが、フローリング表面や溝に付着している微細なゴミ、カーペットに絡みついたゴミや奥深くに入り込んだゴミは、吸引力が強くても吸い取ることが出来ません。また、静電気で張りついたゴミはナイロンブラシでは効率よく取れません。
回転ブラシがゴミの除去率を高くする
これらのゴミを吸引するには、ヘッドに回転するブラシが必要になります。回転ブラシは「空気の力」と「モーターの力」によって回転させるタイプがありますが、吸い込んだ空気で回している「タービンヘッド」は、カーペットの掃除では回転数とパワーが低下してしまうので、モーターで回転させている「モーターヘッド」より劣ります。ダイソンのヘッドにはモーターヘッドが採用されており、カーボンブラシとナイロンブラシが配置されているので、フローリングやカーペットから多くのゴミを描きだしてくれます。
ダトピックアップ率の高いモーターヘッド
なぜ、ダイソンの掃除機が吸い込み仕事率の高い掃除機より、多くのゴミを吸い取っているのかというと、標準装備されているモーター駆動のヘッドのダストピックアップ率(集じん能力)が優れているからです。標準装備の床用ヘッドは、モーター駆動で硬い「ナイロンブラシ」と静電気を抑える「カーボンファイバーブラシ」を配置させたブラシバーを強力回転させています。
サイクロンテクノロジーが優れているから吸引力が落ちにくい
また、紙パック式やフィルター式の掃除機は、吸い込んだ空気とゴミを直接フィルターで受け止めているので、目詰まりしやすく吸引力が低下しますが、ダイソンのサイクロンテクノロジーはゴミと空気の分離能力が優れているので目詰まりしにくい設計になっています。そのため、ゴミがいくらクリアビンに溜まっても吸引力が低下しにくくなっています。
古いモデルも吸引力は同じ
ダイソンのコードレスクリーナーで比較的新しいモデルを発売順に並べると〔DC62-2013年〕〔DC74-2014年〕〔V6-2015年〕になりますが、このモデルには新しい技術「デジタルモーターV6」「2ティアーラジアルサイクロンテクノロジー」と「21.6Vのリチウムイオンバッテリー」が搭載されているので、実は(吸い込み仕事率)や連続使用時間は同じになっています。
それぞれモデルの性能にどんな違いがあるのかというと、標準装備されているヘッドや排気性能に違いがあるだけです。DC61より以前に販売されたモデルは(MAXモード)の吸い込み仕事率が弱くなっているので、吸引力重視で選ぶ場合はおすすめしません。吸引力重視で予算を抑えたい場合は、最新機種と同等の吸引力を持っている〔DC62〕や〔DC61〕がおすすめです。
※〔DC61〕はハンディークリーナーなので、延長ホースや床用のモーターヘッドは付属されていません。