価格com.トレンドサーチから引用 Copyright (c) Kakaku.com, Inc. All Rights Reserved.
2017年12月に火がついた「CL107FDSHW」
去年(2016年)の10月頃に新しく発売されたマキタのスティックコードレスクリーナー「CL107FDSHW」は、価格COMのトレンドサーチで調べてみたところ、大手家電メーカーが販売している本格的な掃除ができる高価格帯のハイエンド製品をゴボウ抜き。2017年12月12日、わずか2ヶ月で掃除機売れ筋ランキングの首位をキープし続けていた「ダイソンV8フラフィー」を抜き去り1位となった。現在、CL107FDSHWの売上は落ちているが、1月から品切れ状態が続いているのが原因ではないだろうか。
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CL107FDSHWの最安値
CL107FDSHWの売上は、キャズムを越えマジョリティーの層に浸透してきた12月から、さらに売上は伸びると予想されたが、1月17日にどの店舗も在庫が切れてしまい注文することができなくなった。現在は入手困難のため価格を2万円以上で販売しているショップもあるが、火がつくまえの最安値は13,200円ほどで販売されているようなので、経済的に購入したいのであれば、在庫が普及して13,000円ほどまで価格が下がるのを待ったほうがよいだろう。
ちなみに、わたしは「CL107FDSHW」に付属されている「バッテリー(BL1015)」と「充電器(DC10SA)」を持っていたので、本体のみで販売している「CL106FDZW」と「CL107FDZW」を9月に4080円と5,236円で購入した。おそらく楽天市場で一番安いショップを探して購入しているはずなので、CL107FDの本体のみの最安値は5,000円ほどだろう。現在は本体のみの商品も売り切れとなっている。
うろ覚えであるが、この頃、セット品である「CL107FDSHW」は12,000~13,000円ほどで販売されていたと記憶している。バッテリー(BL1015)と充電器(DC10SA)を単品で購入する1万円以上するので、セット品は随分安いなと感じた記憶もある。
CL107FDSHWが人気になった理由
2016年9月に発売されたマキタの「CL107FDSHW」が、価格COMの掃除機 人気売れ筋ランキングの1位となり話題となっている。最近は当サイトでもCL107FDSHWに関する質問が多い。CL107FDSHWを販売しているマキタは、電動ドライバーなどの電動工具を販売する大手メーカー。同社の電動工具に搭載されているバッテリーで使用できるスティック型コードレス掃除機を販売しており、マキタクリーナーを仕事で使う業者から多くの採用実績があり人気が高い。また、同社は家庭用向け(7.2V~10.8Vシリーズ)の製品も販売しており、一部の一般の方からも大きな支持を得ている。
しかし、今回、不動の首位を維持してきた「ダイソンV8フラフィ」を追い抜き、1位に浮上したマキタの「CL107FDSHW」は、電圧10.8Vのバッテリーを搭載し、回転ブラシが備わっていないノーマルヘッドを装備した、いわゆるちょいがけ用に最適なサブ掃除機だ。ダイソンなどの海外勢や国内の各大手電機メーカーが販売している電圧21.6V以上のバッテリーや、回転ブラシが備わっているモーターヘッドを搭載したメインのかわりになりうる本格的な掃除ができる製品より劣る「CL107FDSHW」がなぜ入手困難となるほど人気となったのか要因となっているものをまとめてみた。
ダメ主婦やダメ夫を「やる気」にさせるほど軽い
マキタのような電動工具メーカーは、「7.2V」「10.8V」「14.4V」「18V」と4種類の電圧のバッテリーを搭載したコードレス掃除機を販売しており、特に7.2V/10.8V家庭用モデルは、吸込仕事率が14.4/18Vの業務用モデルに劣るものの、本体重量が1kg前後と非常に軽く、軽さを重視したユーザーから人気が高い。ちなみに最近、歌舞伎役者の海老蔵氏の家でもマキタが使われてることを知った。
人気となっている「CL107FDSHW」の本体重量は重さ(1.1kg)、標準の床用ヘッドの重さは(139g)と、「本体」「延長管」「ヘッド」の重さを合計しても、1.5Lのペットボトルより軽い重量となっている。本体は1000mlの牛乳パックくらいの重さ、床用ヘッドの重さは単一電池と同じ重さなので、力のないお年寄りや子供でも高い場所を軽々と掃除できるほど軽い。さらにワンタッチスイッチが採用されているので、トリガースイッチのように指が痛くなる心配もない。
一方、ダイソンのような高価格帯のハイエンド機だと、電圧の高い重たいバッテリーや、モーターやブラシを回転させる専用モーターを配置したモーターヘッドを搭載しているので、どうしてもマキタほど軽量にできない。ハンディタイプのスティック掃除機は、重心が手元に集中するため、本体の質量が重たいと手首に負担がかかりやすく、また、モーターヘッドも重たいとヘッドを上げ下げしたときに手首に負担がかかりやすい欠点も存在する。
わたしは各メーカーのコードレス掃除機を50本近く使ってきたが、お菓子の食べこぼしなどを発見したり、毎朝、床の掃除をざっとするときは、迷わずマキタのような電動工具メーカーのような軽いコードレス掃除機を手にとる。どれを使ってもコードレス式なのだからサッと掃除ができるはずなのだが、ダイソンのような高級タイプは、手元に重たいバッテリーやモーターが配置されているため、少しでも面倒さを感じサッと掃除がしずらくなってくるのだ。例えば、誰でも倒せるレベル1のスライムが目の前に現れたとして、重たいバスタードソードを引っ張り出してきて倒すより、軽いヒノキのこん棒でサクっと倒すのと同じ感じだろうか。
電動工具メーカーのコードレス掃除機は、高級タイプのハイエンド機に比べると軽く、ヘッドがコンパクトな設計になっているため、取り回しやすく使い勝手がいい利点がある。また、毎日床に発生する髪の毛や塵・埃のようなゴミは、回転ブラシが付いていないノーマルヘッドのマキタでもストレスがかかることなく吸引することができるのだ。わたしは毎日、部屋だけでなく階段や廊下もマキタのようなローエンドタイプのコードレス掃除機で掃除をしている。
ちなみに、わたしはコードレス掃除機を購入してから、毎日掃除をするようになったが、もともと、掃除機をかける頻度は、1~2週間に一度かけるくらいの大雑把な人間であった。また、アレルギー体質でもないので、マキタのようなちょいがけ用サブ掃除機で、目に見えるゴミさえとれればよしと考えている。
しかし、マキタのようなローエンドタイプの掃除機では、床用ヘッドに回転ブラシが搭載されていないので、目に見えない微細なハウスダストやカーペットやラグの奥深くに入り込んだゴミがとれない。なので、1週間に1回は本格的な掃除ができるモーターヘッドを搭載したハイエンド機で掃除にするようにしている。
10.8Vなのに18Vの業務用コードレス掃除機より吸引力が強い
コードレス掃除機を選ぶときに一番重要視する仕様といえば、吸引力の指標となる吸込仕事率ではないだろうか。やはり、固形のゴミをストレスなく一発で吸引するには強い吸引力が必要となる。基本的に国内の大手電機メーカーの製品は吸込仕事率を非公表にしているところが多いが、電動工具メーカーの製品は吸込仕事率を公表しているため、各モデルの吸込仕事率を比較すればひとめで吸引力の強いモデルが分かるのだ。
実は人気となっている「CL107FDSHW」の吸込仕事率は32W。国内の競合メーカーである日立工機やリョービの同クラスの製品より吸引力が強いだけでなく、同社の14.4Vや18Vの業務用シリーズのモデルより吸込仕事率が高くなっている。この同社の業務用シリーズに匹敵するほどの強い吸引力が、人気となった大きな要因と考えている。
ちなみに、これまでマキタの10.8Vシリーズのモデルで、一番吸引力が強い製品は通販生活限定で販売されているモデルであった。新しい製品が発売されても通販生活のモデルより吸込仕事率をあげない暗黙のルールが存在するのかと思っていたが、「CL107FDSHW」は通販生活限定で販売されている最新のマキタターボ(CL103DX)より吸引力が強くなっている。
紙パック式だから埃も舞い上がらせずに簡単にゴミ捨てができる
マキタのような電動工具メーカーが販売しているカプセル式の製品は、流行りの空気とゴミを遠心分離する「サイクロン式」ではなく、吸い込んだゴミを直接フィルターで受け止める「フィルター式」が採用されているため、こまめにゴミ捨てができる利点があるものの、ちょっと掃除をしただけでフィルターの外側に大量の埃やゴミが付着する欠点が存在する。
さらに、フィルター表面に付着した塵や埃は簡単に落とすことができないため、ゴミを捨てるたびにダスター刷毛等で履き落とさなければいけないのだ。この際に手間がかかるだけでなく、埃や塵が周辺に舞い上がりやすいので、頻繁に行うフィルターのお手入れや水洗いが、わたしのように億劫だと考えている人も多いのではないだろうか。
一方、紙パック式のモデルだとゴミを捨てる際、カプセル式のように埃が舞い上がったり、面倒なフィルターのお手入れをする必要がないため、簡単かつ衛生的に捨てられるメリットがある。紙パックのランニングコストがかかる欠点もあるものの、アマゾンで10枚セットが500円ほどで販売されており、1枚50円ほどなので躊躇することなく交換することができる。ちなみに、わたしが質問をした「カスタマー Q&A」によると、一ヶ月に5枚も消費する人はいませんでした。
ちなみに、同クラス(10.8V)で人気がある従来製品の「CL102DW」も紙パック式であるが、わたしは個人的にあまりこのモデルを評価をしていなかった。確かに紙パックは簡単かつ衛生的にゴミが捨てられるものの、10.8Vシリーズのモデルは吸引力が弱いので、紙パックにゴミが少しでも溜まってくると著しく吸引力が低下したからだ。なので、これまで紙パック式のコードレス掃除機を家で使うのであれば、吸引力が強いマキタの業務用シリーズの紙パック式モデルをおすすめしていた。
ところが、新しく発売された10.8Vの「CL107FDSHW」は、前述したように従来の14.4V/18Vシリーズの業務用モデルより吸引力が強いのだ。小さい紙パックなのでゴミが溜まってくると吸引力が低下するのは避けられないが、従来の「CL102DW」より強い吸引力が持続するので、わたしの家ではメイン機とサブ機のコードレス掃除機を使っているが、軽くてゴミ捨てが簡単にできる「CL107FDSHW」はサブ機として採用。やはり吸引力がそこそこ強く、ゴミ捨てが簡単にできるメリットは大きく、バッテリーが余っているので、正直もう1台購入しようかと考えているくらいである。
最新のバッテリーと充電器を採用しているから、約22分で充電完了!
「CL107FDSHW」のバッテリーはワンタッチで取り外すことができ、充電器にセットをして充電ができるセパレート・チャージが採用されている。同じセパレートチャージが採用されている従来モデルの「CL100DW」「CL102DW」も人気がかなり高かったが、「CL107FDSHW」のバッテリーと充電器は最新の電動工具に採用されているものが付属されているため、稼働時間がアップしただけでなく、充電時間も大幅に短くなっている。
マキタの従来の10.8Vシリーズの電動工具やコードレス掃除機には差込式のバッテリー(BL1013)が採用されていた。このバッテリーはセル(電池)部分が製品の本体の中に収まる設計になっているため、バッテリーの容量を増やすことができなかった。バッテリーの容量が増やせない状態で、吸込仕事率をあげると、稼働時間を犠牲にしないといけないため、おそらくBL1013で使用できる新製品はもう発売されないかもしれない。
一方、新しい「CL107FDSHW」に搭載されているスライド式バッテリーは、セル部分が本体の外側に配置されているため、従来の(BL1015-1.5Ah)より容量が増えている。そのため、容量の違うバッテリーも別販売されており、例えば、(BL1040-4.0Ah)のバッテリーを装着して使用すれば、従来モデルの連続使用時間より倍以上に引き延ばすことも可能だ。ちなみに、今後も容量の違うバッテリーの種類が増えるとわたしはみている。
モデル | 稼働時間 | 充電時間 |
CL107FD 新製品 | 標準モード:25分 強モード:12分 ハイパワー:10分 | 約22分 |
CL102FD 従来製品 | 強モード:13分 弱モード:21分 | 約50分 |
従来製品の充電器は約50分の充電時間で、「強モード:13分」「弱モード:21分」の掃除をすることができた。一方、「CL107FDSHW」の付属されている充電器は急速充電に対応しているため、大手電機メーカーが真似できないほどフル充電するほどスピードが早く、わずか22分という短い充電時間で、「ハイパワー:10分」「強モード:12分」「標準モード:25分」の掃除ができる。ちなみに、大手電機メーカーがフル充電するのに要する時間は3~5時間なので、約22分でフル充電するマキタなら途中で電池の残量がなくなっても安心だ。
セパレート・チャージ式が採用されている製品のメリットはバッテリーの容量を増やしたり、充電時間が短くなるだけではない。バッテリーを簡単ワンタッチで本体から取り外すことができ、急速充電器で充電することができるため、予備バッテリー(BL1015)を用意すれば、連続運転時間を2倍に引き延ばすことができるのだ。広範囲の掃除をする用途で1つのバッテリーで掃除が終わらない場合は、予備バッテリーを交換しながら使えば、途中で充電が切れてもすぐに掃除を開始することができるので安心だ。
ちなみに高価格帯のハイエンド機を販売している大手家電メーカーのシャープの製品もセパレート・チャージ式を採用しており、マキタのような電動工具メーカーのように、充電時間(80分)が早く、予備バッテリーを用意すれば大幅に稼働時間を延長することができる。また、バッテリーを経済的に自分で交換することができるメリットもある。シャープは他のハイエンド機を販売している家電メーカーよりバッテリーの価格が安いので、バッテリーの交換代を抑えたい場合はおすすめである。
●紙パック式だから簡単かつ衛生的にゴミが捨てられる
●容量が増やせるバッテリーだから稼働時間を大幅に延長できる
●急速充電器だからわずか20分で満充電できる
まとめ
いかがだったでしょうか、CL107FDSHWが入手困難になるほど人気になり、売れ筋ランキングで1位になったのは、上記の要因が大きいと思います。ちなみに、CL107FDSHWには従来製品に搭載されていなかった「LEDライト」も搭載されています。そして、現在価格が定価(20,000円)近くになっているのは品薄状態が続いているからなので、少しでも安く購入したいのであれば、価格が13,000円まで落ち着くのを待ったほうが良いでしょう。
余談であるが、マキタのバッテリー式のキャニスター掃除機やロボット掃除機を見て思うことがあり、マキタはシャープと仲が良いようなので、フィルター式のモデルには、シャープのFREEDに採用されている、埃を舞い上がらせずにゴミ捨てやフィルターのお手入れが簡単にできるダストカップを採用すれば「CL107FDSHW」並に人気がでるのではないだろうか。