CL140FDRFW、CL141FDRFW、CL142FDRFW
家庭用モデルとは比較にならないほど吸引力が強い
マキタが2009年3月に発売した「CL140FDRFW」は、同社の電動工具に使われている「14.4Vリチウムイオンバッテリー」が搭載されたスティック型コードレス掃除機です。これまで14.4Vのバッテリーが採用されているコードレス掃除機を発売していないので、14.4Vシリーズでは初となるモデルになります。
モデル | スイッチ | 集じんタイプ | 吸引力 | 連続使用時間 充電時間 |
CL140FDRFW-セット CL140FDZW-本体 | 強:25W | 強:20分 充電時間:22分 | ||
CL141FDRFW-セット CL141FDZW-本体 | 強:25W 弱:9W | 強:20分 弱:40分 充電時間:22分 | ||
CL142FDRFW-セット CL142FDZW-本体 | 強:25W 弱:9W | 強:20分 弱:40分 充電時間:22分 |
各モデルの違いは「スイッチ」と「集じん方式」
その後、2010年3月に「CL141FDRFW」、2010年10月に「CL142FDRFW」を発売しました。この3種類のモデルは、「スイッチ」と「集じん方式」に違いがあり、本体に搭載されているモーターとバッテリーや、付属されている充電器は同じなので、吸引力の目安となる「吸込仕事率」や、バッテリーの「充電時間」は同じになります。
「LEDライト」と「ラバーグリップ」が備わっている
CL140FDRFW、CL141FDRFW、CL142FDRFWには、7.2V~10.8Vの家庭用モデルと違い、ハンドルにはラバーグリップが採用されているので握りやすくなっています。さらに、暗い場所や家具下に落ちているゴミを確認しやすいLEDライトも搭載されています。また、本体にバッテリーと充電器が同梱されたセット品だけでなく、「本体」と「バッテリー」と「充電器」が単品でも販売されています。
吸引力(吸込仕事率)
●CL140FDRFWの吸引動画はこちらから
●CL142FDRFWの吸引動画はこちらから
モデル | スイッチ | 集じんタイプ | 吸引力 |
CL140FDRFW | 強モード:25W | ||
CL141FDRFW | 強モード:25W 弱モード:9W | ||
CL142FDRFW | 強モード:25W 弱モード:9W |
メイン掃除機として使う人が多いほど吸引力が強い
「CL140FDRFW」、「CL141FDRFW」、「CL142FDRFW」の強モードの吸込仕事率は25Wもあるので、同年に発売された7.2Vや10.8Vシリーズのモデルと比べると、比較にならないほど吸引力が強くなっています。ちなみに「CL140FDRFW」に弱モードがないのは、スイッチを指で引くトリガースイッチなので、吸引力のモードが切り替えられないからです。
上は、わたしが愛用している「CL141FDRFW」で、木材の切り屑を吸引した動画ですが、平たい床面だけでなく、家庭用モデル(7.2V~10.8Vシリーズ)が効率よく吸い取れない絨毯生地の上に落ちているゴミも効率よく吸引することが出来ました。他のモデルもCL141FDと吸込仕事率が同じなので、同等の吸引力があります。
動画の最後では(2:30)、10円玉、10円玉、500円玉をそれぞれ10枚ずつ吸引していますが、家庭用モデル(7.2V~10.8Vシリーズ)よりも、磁石に吸い付けられるように勢いよく吸引することが出来ました。このことから、嵩のある木屑が落ちている建築現場・工房や、ペットの餌・砂のような固形のゴミをメインで吸引する用途では最適のモデルといえるでしょう。ただし、紙パック式は集じん容量がカプセル式より少ないので、大量にゴミを吸引する用途では不向きです。
パワーの強い業務用モデルですが、家電メーカーのハイエンドタイプのように床用ヘッドに回転ブラシが備わっていないので、カーペットやラグの繊維に絡みついている長いゴミ(髪の毛・糸くず)や、繊維の奥深くに入り込んだ取りにくいゴミを集じんするのが苦手になります。カーペットを敷いている面積が広い家庭では、ヘッドの接地面にブラシのついた「じゅうたん専用ノズル」を装着することをおすすめします。
集じん方式
モデル | スイッチ | 集じんタイプ |
CL140FDRFW | ||
CL141FDRFW | ||
CL142FDRFW |
「CL14」から始まるラインナップには、「カプセル集じん式」と「紙パック式」2種類の集じんタイプがあります。それぞれ特徴が異なるため、使う人の用途やライフスタイルに合ったものを選びましょう。
カプセル集じん式の特徴
「CL140FDRFW」「CL141FDRFW」の集じん方式は「カプセル集じん式」が採用されており、吸い込んだ空気とゴミをフィルターで分離しカプセルの中にゴミを回収するため、定期的に紙パックを購入する費用がかからないメリットがあります。また、カプセルは回すだけで簡単に取り外すことができ、こまめにゴミ捨てが行なえるため、吸引力が低下してもお手入れをすればすぐに復活させられます。
当初、14.4V/18Vシリーズのモデルのフィルターは、家庭用モデルと同じ(プレフィルター+フェルト素材フィルター)が採用されていましたが、2014年にマイナーチェンジされたモデルには(高機能フィルター)が採用されており、新しいフィルターは表面に付着したゴミをスルッと落とすことができる上に、目詰まりした塵もダスター刷毛で掃い落とすことができます。なので、面倒な水洗いお手入れをする頻度が少なくなりました。
紙パック式の特徴
「CL142FDRFW」の集じん方式には「紙パック式」が採用されています。「CL140FDRFW」「CL141FDRFW」に採用されている「カプセル集じん式」だと、ゴミ捨を捨てる際に大量の埃が舞いあがる欠点があります。また、ゴミの溜まるダストカップ内にフィルターが配置されており、フィルターにゴミが付着しやすい構造になっているため、ゴミを捨てる度にフィルターのお手入れをする必要があります。(このお手入れをする際にも埃が舞いあがります。)
紙パック式は一般的なキャニスター掃除機のように、紙パックの中にゴミを回収することができるため、カプセル集じん式のモデルより、埃を舞い上がらせず+手間をかけることなくゴミ捨てが行なえます。しかし、コードレス掃除機の紙パックは集じん容量が小さく、あまりゴミを溜められないため、ゴミが溜まってくると吸引力が低下しやすい欠点もあります。また、定期的に紙パックを購入する費用もかかります。紙パック(A-48511)は10枚で500円前後で販売されており、マキタの全モデルに共用することが可能です。
スイッチの種類
モデル | スイッチ | 集じんタイプ |
CL140FDRFW | ||
CL141FDRFW | ||
CL142FDRFW |
トリガースイッチとワンタッチスイッチの特徴
14.4Vのラインナップには「ワンタッチスイッチ式」と「トリガー式」のスイッチが採用されたモデルがあります。ワンタッチスイッチのモデルは「カプセル集じん式」と「紙パック式」の集じん方式を選べますが、トリガースイッチのモデルは「紙パック式」のモデルがないため、集じん方式は「カプセル集じん式」しか選ぶことが出来ません。
トリガースイッチは掃除をしているあいだは、親指でスイッチを引き続けなければいけないため、作業などで継続的・断続的に部分的な掃除をする用途や、目についたゴミだけを吸引するちょいがけ用として最適です。また、こまめにON/OFFすることができるため節電効果もあります。
しかし、マキタの製品レビューには、トリガースイッチを引いている指がだるくなってくるという口コミも多いため、この1台で広範囲の掃除をする場合や、長時間スイッチをONにしていなければいけない用途では、一度ボタンを押せばスイッチがONになる「ワンタッチスイッチ」のほうが適しています。
ちなみに、ワンタッチスイッチは吸引モードを2段階に切り替えられることが可能で、弱モードにすると吸引力は落ちますが、埃や髪の毛のようなゴミは吸引するパワーがあるうえ、夜にスイッチを入れても同居人の迷惑にならないほど稼動音も静かになります。
充電器とバッテリーの仕様
バッテリー|連続使用時間 約20分
CL140FDRFW、CL141FDRFW、CL142FDRFWには、「BL1430」というバッテリーが標準付属されており、約22分の充電で「強モード」の場合約20分、「弱モード」で約40分の連続運転が可能です。バッテリーはワンタッチで本体から取り外し充電ができる「セパレートチャージ式」が採用されているため、予備バッテリーを購入することにより、稼働時間を延長させることも可能です。
バッテリーの種類
マキタのような電動工具メーカーはバッテリーを単品で販売しており、現在、容量(Ah)の違う14.4Vリチウムイオンバッテリーが、5種類販売されています。標準付属されているバッテリーは容量が3.0Ahのバッテリー(BL1430)なので、それ以上の容量のバッテリーを装着することで、充電時間が長くなりますが、稼動時間を延長させることが可能です。逆に容量の少ない1.5Ahのバッテリー(BL1415)を装着すると、充電時間と稼働時間が短くなりますが、バッテリーの質量が軽いため手首にかかる負担を軽減することが出来ます。
充電器|充電時間(約22分)
CL140FDRFW、CL141FDRFW、CL142FDRFWには、「DC18RC」という充電器が標準付属されており、充電方法は、本体から取り外したバッテリーを充電器にセットして充電します。この充電器(DC18RC)は、バッテリーをファンで冷却しながら効率よく充電することができる急速充電器なので、約22分という短い時間でフル充電することが出来ます。
一般的な家電メーカーのハイエンドタイプの製品は充電時間に3~5時間も要するため、バッテリーの残量がなくなるとすぐに掃除を開始することが出来ない短所があります。マキタのような電動工具メーカーは、バッテリーを短時間で満充電できる強みを持っているため、途中でバッテリーの残量がなくなってもすぐに掃除を開始することが可能です。
ちなみに、「DC18RC」は14.4Vだけでなく18Vのバッテリーも充電することが可能です。従って、2台目に18Vシリーズのモデルを購入する場合は、本体とバッテリーを購入したほうが経済的です。