エレクトロラックスからハンディタイプのスティック機が登場
スタンドタイプとハンディタイプの違い
コードレス掃除機の老舗メーカーであるエレクトロラックスといえば、床下近くに重心を配置したスタンドタイプの製品が特徴的でしたが、2022年からダイソンのように重心を手元に集中したハンディタイプの製品をラインナップするようになりました。
当初は日立やパナソニックもスタンドタイプの製品を販売しており、すぐにハンディタイプを主力に切り替えましたが、エレクトロラックスだけでは、2004年から17年間スタンドタイプを貫いていたのでUltimateHome 900(EFP91835)が発売されたときは衝撃的でした。
スタンドタイプのメリット
- 自立するので一時的に置ける
- 体感重量が軽いから手が疲れない
- インテリアに調和するデザイン
重心が下にあるスタンドタイプは本体が自立するので、お掃除中に物を動かすなど手を止めたいときがあるシーンで便利です。
また、重たいパーツを床で支える設計だと、本体が重たくても手にかかる重さは数百グラム。手にかかる負荷が非常に小さいため、長時間掃除を続けても腕がだるくなりにくいメリットがあります。
その他にエレクトロラックスの家電は、「魅せ家電」とも言われ、掃除機を部屋に置いても生活感を感じさせないデザインが特徴的です。
スタンドタイプのデメリット
- 段差が多いと腕がだるくなりやすい
- ごちゃついたエリアでは使い勝手が悪い
- 高い場所の掃除ができない(スティック時)
しかし、スタンドタイプは重量が重たいモデルが多いうえ、重心が下にあるためヘッドを上げ下げする動作が多いと腕がだるくなりやすいデメリットがあります。
このため、床に物置が少ないスペースを清掃するには向いていますが、狭い部屋に床置きの家具や家電が多い我が家では同社のエルゴラピードやエルゴパワーは使いにくかったです。
また、重心が下に配置されていると頭の高さまで持ち上げることが難しいので、高い場所の掃除ができないのもネックでした(一部のモデルは高い場所の掃除ができるアタッチメントを付属)。
ハンディタイプのメリット
- 狭い場所でも取り回しやすい
- 高い場所の掃除もできる
- ヘッドの上げ下げが楽
ハンディタイプのスティック掃除機は手元に重心があるため、スタンドタイプより本体の重さを感じやすいデメリットが存在します。ただし、床を掃除する際はハンディクリーナーに延長管(パイプ)を装着するため、机や椅子など脚でごちゃついたエリアも掃除がしやすくなります。
また、手元に重心があると本体を高く持ち上げやすいので、軽い力で高い場所の掃除も行えます。その他に、ヘッドの上げ下げがスタンドタイプより楽に行えるので、段差や階段が多い日本の住環境や、急な方向転換が多くなる雑多な部屋の清掃もストレスなく掃除ができます。
ハンディタイプのデメリット
- 腕が疲れやすい
- 自立しない
ハンディタイプはモーター・バッテリー・ダストカップなどの重たいパーツが手元に集中しているため、腕に負荷がかかりやすいのがネックとなります。狭いスペースであれば問題となりませんが、広範囲を掃除すると腕がだるくなりやすいです。
また、スタンドタイプのように自立しない設計がストレスとなることも。例えば、掃除中に物を移動させたり、来客などで掃除を中断したい際に掃除機を自立させて置くことができないので、地面に置いたりするなどちょっとした一手間がかかります。
基礎的スペックの違い
吸引力(吸込仕事率)の違い
エレクトロラックスのコードレスクリーナーは吸込仕事率を開示していないため、搭載されているバッテリーの電圧を目安にするしかありません。
双方のバッテリーの仕様を比較するとUltimateHome 900(EFP91835)のほうが電圧の高いバッテリーを搭載しているうえ、バッテリー1つの駆動時間が短くなっているため、パワーにウェイトを置いた製品だと考えられます。
実際にUltimateHome 900(EFP91835)のプレスリリースには、エレクトロラックス史上最高の吸引力で従来製品(Pure Q9/Well Q7/Well Q6)と記載されているのに対して、UltimateHome 700(EFP71525/EFP71524)では、従来製品やEFP91835との試験結果は記載されていません。
吸引力を作り出すモーターやバッテリーはUltimateHome 900(EFP91835)のほうが大きいので重量は重たくなりますが、吸引力を重視する場合は迷わず(EFP91835)を選ぶとよいでしょう。
重量の違い
重量はハンディ時・スティック時どちらもUltimateHome 700のほうが軽くなっています。パワーと軽さはトレードオフの関係にあるため、パワフルなモーターやバッテリーが搭載されているUltimateHome 900(EFP91835)に比べると吸引力は見劣りしますが、軽さにウェイトを起きたい場合はUltimateHome 700(EFP71525/EPF71524)のほうが最適です。
UltimateHome 900(EFP91835)の2.88kgは競合製品のパワー重視タイプのモデルと比べても重たい部類にはいります。メーカー各社もパワータイプと軽量タイプの製品を用意するのが当たり前になりましたが、軽量タイプのほうが人気がある印象があります。
連続運転時間と充電時間の違い
1つのバッテリーの連続使用時間を比較するとUltimateHome 700のほうが長いですが、UltimateHome 900(EFP91835)は予備バッテリーが付属されているので、2つのバッテリーを使用すれば2倍の運転時間になります。
ただし、UltimateHome 700も着脱式バッテリーが採用されているため、予備バッテリーを用意することで運転時間を2倍に延長することが可能です。UltimateHome 700用バッテリー(ZE167)は、6月下旬販売開始予定となっております。
充電時間はUltimateHome 900(EFP91835)のほうが、約2時間早くなっています。スタミナや充電時間のスピードを重視したい場合は(EFP91835)のほうが向いています。
EFP91835の充電ステーションは予備バッテリーを充電することができるので、わざわざバッテリーを本体から着脱して充電する手間が省けます。充電は本体に装着しているバッテリーから充電がはじまり、その充電が完了してから予備バッテリーの充電が開始されます。
集じん容量の違い
ダストカップの集じん容量はUltimateHome 900(EFP91835)のほうが100mL大きくなっています。掃除をする度にこまめにゴミを捨てる場合は、UltimateHome 700の300mLでも問題となりませんが、一度に吸うゴミ量が多い場合や、ゴミが一杯になるまで捨てない人はゴミ捨て回数の頻度が少なくなるEFP91835のほうが適しています。
YouTubeなどでダストカップにゴミが一杯になった状態で掃除機を使用している人を見かけることがありますが、空気とゴミを遠心分離する能力が低下し、フィルターが目詰まりしやすくなるので、こまめにゴミ捨てを行うことをおすすめします。
機能の違い
パイプ伸縮
UltimateHome 900(EFP91835)にはパイプが伸縮する機能が搭載されている一方で、UltimateHome 700(EFP71525/EPF71524)共にパイプは伸縮しないため、全長の調整を行うことができません。
パイプ伸縮機能が搭載されていると、使う人の身長に合わせてパイプの長さが調整できるので楽な姿勢で清掃が行なえます。また、パイプを短くすることで段差の多い階段を楽に掃除できたり、パイプを最大まで伸ばすことでより高い場所の清掃も行えるメリットも存在します。
ブラシロールスクリーン機能
基本的にエレクトロラックスのパワープロマルチサーフェス ノズルには、足でスイッチを踏んで回転ブラシをお手入れする「ブラシロールスクリーン機能」が搭載されているのが特徴ですが、UltimateHome 700(EFP71525)にはブラシロールスクリーン機能が搭載されていません。
パワープロマルチサーフェス ノズルは硬いナイロンブラシが搭載されており、カーペットからゴミを掻き出す集じん力が高い特長を持っていますが、ゴミが絡みつきやすいのがネックとなります。このため、カーペットに絡みついた髪の毛やペットの毛を掻き出す用途では、毛絡み除去機能が搭載されているUltimateHome 900(EFP91835)を選んだほうがお手入れ頻度が減ります。
スプレー噴射
UltimateHome 900(EFP91835)の大きな特徴はスプレーボトルを本体に取り付けることで、スプレーボトルから水を噴射することができます。EFP91835に付属されている床を拭き掃除ができるパワープロモップノズル使用中に水を床に噴射することでしっかり汚れを取ることができます。
ロールインロールアウト
UltimateHome 900(EFP91835)は掃除機を充電ステーションから簡単かず力をいれずに取り出したり、片付けすることができます。本体は充電ステーションにマグネットで固定されているため、本体を滑り出しながら出し入れすることができるからです。
UltimateHome 700(EFP71525/EPF71524)は、一般的な製品のように本体を持ち上げながら充電ステーションから出し入れする必要があるので、掃除機の出し入れにちょっとした一手間や力が必要となります。
UltimateHome 700が受け継いでる機能
前述した機能はUltimateHome 900(EFP91835)にしか採用されていませんが、その他の床のタイプに合わせて吸引力を自動調整する[オートモード]、直感的に操作できる[インタフェイス]、ヘッドをかがまずに取り外せる[フットリリース]、充電ステーションからボタン1つでハンディクリーナーとして使える[クイックリリース]などの機能はUltimateHome 700(EFP71525/EPF71524)にも受け継がれています。
付属品の違い
パワープロモップノズル
UltimateHome 900(EFP91835)には、標準で床の水拭きができるパワープロモップノズルが付属されています。回転する水拭き用回転モップは着脱することが可能で洗濯して繰り返し使うことができます。フローリングをしっかり掃除したい場合は、パワープロモップノズルがついた(EFP91835)のほうが最適です。
ただし、UltimateHome 700用のパワープロモップノズル(ZE168)も別売されているので、後で必要になったときに購入することも可能です。さらに今UltimateHome 700(EFP71525/EPF71524)を購入するとパワープロモップノズルがもらえるキャンペーンが開催されているので、床を水拭きしたい場合は2023年4月10日までに注文し、同年4月20日までに製品登録するとよいでしょう。
UVベッドノズル
UltimateHome 900(EFP91835)とUltimateHome 700(EFP71525)には、アレルゲン除去率の高いUVライトを搭載したベッドノズルが付属されているので、布団などの寝具やソファーなどのファブリック製品を清潔に清掃したい場合は、UVベッドノズルが付属されたモデルを選ぶとよいでしょう。
現在、UVベッドノズルは別売されていませんが、後から注文可能になるかもしれません(公式ページの[アクセサリー・消耗品・パーツ]から確認してください)。
予備バッテリー
UltimateHome 900(EFP91835)には予備バッテリーガ付属されているので、長時間の清掃にも対応します。さらに充電ステーションは予備バッテリーも単体で充電するこができるので、わざわざ本体からバッテリーを取り外して充電する手間もかかりません。
UltimateHome 700(EFP71525/EPF71524)専用の予備バッテリー(ZE167)も販売される6月下旬に販売される予定なので、予備バッテリーを用意することで使用時間をより長くすることができます。ただし、充電する際は本体に取り付けて充電する必要があります。
UltimateHome 700/900にも付属されてるアタッチメント
UltimateHome 700(EFP71525/EPF71524)とUltimateHome 900(EFP91835)のアタッチメントの違いをまとめた比較表です。床掃除だけをしたい場合はUltimateHome 700の下位モデル(EPF71524)を選ぶとよいでしょう。
コードレス掃除機で布団などの寝具も掃除したい場合はUVベッドノズルが付属されている(EFP71525)(EFP91835)を選ぶと良いでしょう。前者のほうが軽く、後者のほうがパワーやスタミナがあります。
エレクトロラックス社から販売されている各シリーズの比較表は下記のリンク先からどうぞ。基礎的なスペックから付属されているクリーナーヘッドやアタッチメントがひとめでわかります。
参考サイト
•『UltimateHome 700』(EFP71525/EFP71524)プレスリリース
•『UltimateHome 900』(EFP71525/EFP71524)プレスリリース
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