DC35 vs DC45
DC35とDC45は予算を抑えたい場合におすすめ
2015年に発売されたダイソンのV6シリーズのラインナップも発売当初に比べるとずいぶんと安くなりましたが、中には価格が5万円以上する機種もあるので、国内メーカーのキャニスター掃除機の価格を考えるとまだまだ高価に感じます。なので、予算を抑えたい場合、4万円以下の「DC35」や「DC45」の機種が選択肢に入るかと思います。
DC35とDC45はサイクロン上部の色が違うだけで、外見は全く同じなので何処に違いがあるのか分からない方も多いかと思います。このページではDC35とDC45の違いを分かりやすくまとめているので、どちらにしようか迷っている方の参考になれば幸いです。
機種名 | 標準モード | MAXモード |
DC35 | 28WA | 65WA |
DC45 | 28WA | 65WA |
DC62/DC74 | 28WA | 100WA |
吸込仕事率(吸引力)
掃除機といえばやはり吸引力が一番気になると思いますが、DC35とDC45は同じ「デジタルモーターV2」と「ルートサイクロン技術」が採用されているので、どちらも〔標準モード〕と〔MAXモード〕の吸込仕事率は同じです。
ちなみに比較的新しい機種(V6/DC74)の〔標準モード〕の吸込仕事率は「28WA」なので、DC34/45は新しい機種と同等の吸引力があります。ただし、新機種の〔MAXモード〕の吸込仕事率は、「100WA」もあるので、DC35やDC45に比べると35WAほど高くなります。
〔標準モード〕と言っても吸引力は強く、モーターヘッドの回転ブラシのスピードも〔MAXモード〕と変わらないので、フローリングやカーペットを掃除するには十分な能力があります。それに〔MAX〕モードは約5分ほどしか使えないので、フロアの掃除ではあまり使いません。
モーターヘッド
ダイソンの標準装備されている床用ヘッドはモーター駆動のヘッドなので、ブラシを吸い込む風でなくモーターの力を利用して強力に高速回転しています。DC35とDC45は本体だけでなく、このモーターヘッドも非常によく似ていますが、DC45のモーターヘッドのブラシパワーは2倍に改良されています。
回転スピードは同じだけど、負荷がかかった際に回転スピードが落ちにくい
DC35とDC45の回転ブラシは1分間に最大1,500回転します。なので、どちらもブラシの回転スピードは互角ですが、供給電力がDC35:15W、DC45:30Wと2倍になっているのでブラシパワーはDC45のほうが強くなります。
DC45はブラシパワーが強くナイロンブラシの密度が狭いので集じん性能(ダストピックアップ率)はDC45のほうが高くなります。ブラシパワーが強いと回転ブラシに負荷のかかるような「絨毯」や「ラグ」を掃除すると回転スピードが落ちにくくなり、特にカーペットにおける集じん性能が向上します。
フローリングではブラシに負荷がかからないので回転スピードが落ちませんし、ブラシバーに配置されているカーボンブラシの密度は同じです。なので、静電気が発生するような平たい床面の場合は、どちらも集じん性能に大差はないでしょう。
機種名 | 標準モード | MAXモード | 充電時間 |
DC35 | 13分 | 6分 | 3.5時間 |
DC45 | 20分 | 8分 | 5.5時間 |
DC62/74/V6 | 16~17分 | 6分 | 3.5時間 |
連続使用時間/充電時間
DC35とDC45はバッテリーの容量が変わっています。ダイソンのバッテリーの容量は(mAh)と単位で表されており、基本的にバッテリーの容量の数字が大きいほど、掃除機の連続使用時間が長くなります。
上の写真のバッテリーの底面を見ると、DC35のバッテリーの容量は、DC45より小さいことが分かります。なので、よく床の掃除で使われる〔標準モード〕の連続使用時間は、DC45のほうが7分も長くなっています。
ちなみに、比較的新しい機種(DC64/DC74/V6)の連続使用時間は16~17分なので、モーターヘッドを装着して使用した連続使用時間は、DC45が現行機種の中で最も長い機種となります。(2015年調べ)
DC35とDC45の重さは同じ
本体にバッテリー、延長ホース、モーターヘッドを装着した場合の重量は、DC35が約2.2kg、DC45が約2.3kgとどちらも大差はありません。DC45はバッテリーの容量が増えて2倍のブラシパワーがあるので重たくなっているイメージがありますが、DC45からニッケルマンガンコバルト技術が採用されたリチウムイオンバッテリーが搭載されているので、本体もバッテリーもDC35と同じ大きさと軽さを維持しています。
ちなみにDC45には改良されたリチウムイオンバッテリーが搭載されただけであって、DC35も同じリチウムイオンバッテリーが搭載されています。なので、従来のニカドバッテリーのように、継ぎ足し充電をしても劣化する短所はありません。メモリー効果の影響を受けなかったり、自己放電率が低いという長所も同じように持っています。
サイクロンテクノロジー
DC35とDC45は同じルートサイクロンが搭載されています。そのため、吸い込んだゴミと空気を分離する能力は同等です。ゴミの捨て方もどちらも同じで、クリアビン底部にある赤いレバーを押してゴミを捨てるだけなので簡単です。
比較的新しい機種に比べると古いサイクロンテクノロジーが搭載されていますが、古いといってもこれはジェームズ・ダイソン氏が5,000台もの試作品を作って開発した技術なので、ゴミの分離能力は他社のサイクロン掃除機より優れています。
ゴミの分離能力が優れているとフィルターが目詰まりしにくいので、吸引力が低下しにくくなります。紙パック式やフィルター式のコードレス掃除機を使ってすぐに吸引力が弱くなった経験はありませんか?ダイソンの掃除機を使うと吸引力が弱くなるイライラから解放されます。
空気中に浮遊するような微細なゴミも分離
ダイソンの掃除機はクリアビン上部にある円錐形の5つのサイクロンでベビーパウダーのような小さなゴミも分離するので、毎日掃除をしてもなかなか吸引力が落ちません。吸引力が落ちないということはフィルターが目詰まりしていないので、面倒で汚いフィルターのお手入れを頻繁にしなくてもよくなります。
フィルターの取り外し方は本体上部にある「青いボタン」を押して、本体からサイクロン部を取り外します。次に本体とサイクロン部の間にあるフィルターを取り外し水ですすぎ洗いするだけなので、ダストボックスに組みつけられたフィルターのお手入れより簡単です。
運転音の大きさ
DC35とDC45は同じモーターとルートサイクロンが搭載されているので、音の大きさは同じだと思っていましたが、個人的にDC35のほうがわずかに音が小さく感じました。動画ですと分かりにくいかもしれませんが、ダイソンのコードレス掃除機の運転音は、「モーターの音」+「空気を吸い込む音」+「笛の音」が聞こえてきます。ダイソン掃除機のサイクロン部は複雑なので、掃除機が笛を吹いているような音が聞こえてきます。
この笛の音が2ティアーラジアルサイクロンの構造より、単純なルートサイクロンの方が小さいのですが、なぜかDC45よりDC35のほうが笛のような音が小さいです。騒音値は似たような数値かもしれませんが、甲高い音は耳につくのでDC35のほうが静かに感じました。
ちなみに最後の機種は運転音が30%軽減されたV6です。甲高い音がしますが、全体の音は小さくなっていることが分かります。
機種名 | 標準モード | MAXモード | 充電時間 |
DC35 | 13分 | 6分 | 3.5時間 |
DC45 | 20分 | 8分 | 5.5時間 |
DC62/74/V6 | 16~17分 | 6分 | 3.5時間 |
選ぶ最大のポイントは使用時間/充電時間
わたしは、この連続使用時間がDC35とDC45どちらを選ぶかの最大のポイントだと思います。わたしの場合、毎日2つの部屋と廊下を掃除していますが、DC35の連続使用時間(13分)でバッテリーの容量を使い切らずに掃除が終わります。
しかし、家全体をDC35で掃除をすると途中でバッテリーの残量が無くなってしまうので、広範囲の掃除をする場合はDC45のほうを選ぶと思います。なので、一度家にある掃除機で何分で掃除が終わるのか、時間を計ってから選ぶことをお勧めします。
ちなみにDC45はブラシパワーが2倍ありますが、掃除をするフロアの種類はフローリングです。なので、回転ブラシにあまり負荷がかからないので、大してブラシの回転スピードは変わりません。途中、絨毯マットなども掃除をしますが、〔MAXモード〕に切り替えれば集じん能力があがるので、DC35でもカーペットから絡みついたゴミや奥深くに入り込んだゴミもかきとる能力があります。
まとめ
いかがでしょうか、DC35とDC45の違いは連続使用時間/充電時間とモーターヘッドのブラシパワーに違いがあります。モーターやサイクロン技術は同じものが搭載されているので、吸込仕事率や本体の質量に差はありません。自分の家ととよく相談して決めましょう。
ワンルームのように13分内で終わる狭い環境であれば、DC35を購入したほうが経済的です。連続使用時間が少しでも長いほうがいい場合はDC45のほうがよいでしょう。ただし、DC45は充電時間が5.5時間とDC35より2時間長くなる短所があります。
DC35やDC45のラインナップは複数あります。それぞれの付属されている「専用ツール」に違いがあります。「ダイソンの性能比較表」では、掃除機の性能やテクノロジーだけでなく、付属されている専用ツールも一目で分かるので後悔しない機種を選ぶことが出来ます。購入を考えている方は是非参考にしてみてください。