徹底的に使って分かったCL107FDSHWとCL108FDSHWの違い
- 重量の違い
- 集じん容量の違い
- 吸引力の違い
- 集じん方式の違い
- 高機能フィルター
- サイクロンアタッチメントの特徴
- 排気性能の違い
マキタの充電式クリーナーから軽いモデルを選ぶとすれば、評判の高い10.8VシリーズのCL107FDSHWとCL108FDSHWで迷う人が多いと思いますが、どちらが自分にぴったりの1台なのか分からない人も多いのではないでしょうか。このページでは使う人の用途や属性に合ったモデルが選べるように、ぜひ知ってほしいポイントを上記の7つにまとめてみました。
重量の違い
基本的にマキタが公式サイトやカタログに掲載している充電式クリーナの質量は、本体にバッテリーを搭載した数字となる。実際はその数字にストレートパイプとクリーナーヘッドがプラスされた重さがスティック時の合計重量となる。
CL107FDSHW | 重量 | CL108FDSHW |
約920g | 本体 | 約830g |
約210g | バッテリ | 約210g |
約115g | パイプ 隙間ノズル収納時 | 約115g |
約135g | ヘッド | 約135g |
約1,380g | 合計 | 約1,290g |
合計重量を測定してみるとCL107FDSHWが約1,380g、CL108FDSHWが約1,290gとなりました。少しでも軽いモデルを選びたい場合はCL108FDSHWが最適ですが、個人的には約100gという差は双方を持ち比べてみてもわかりにくい重さなうえ、1.5kg以下という重量は女性やご年配の方でも軽々と持てる重さなので、重量より自分に合った集じん方式のモデルを選ぶことをおすすめします。
集じん容量の違い
ゴミを溜められる集じん容量はCL107FDSHWの紙パックが330mL、CL108FDSHWのカプセルが600mLと大きな差があるため、集じん容量を重視したい場合は迷わずCL108FDSHWを選びましょう。
紙パックは簡単かつ衛生的にゴミが捨てられる利点があるものの、抜け毛の多いペットを飼っている家庭ではあっというまに一杯になってしまうサイズです。一日にゴミを吸う量が多い用途ではカプセル式を選んだほうが無難です。
後述するゴミを遠心分離するサイクロンアタッチメントを装着すると、本体側にゴミが流入しにくくなるため、どちらを選んでも集じん容量が400mLとなります。このため、アタッチメントを装着して使用するのであれば、どちらも集じん容量は一緒になると考えたほうがよいです。
吸込仕事率(吸引力)の違い
CL107FD | 運転モード | CL108FD |
5W | 標準 | 5W |
20W | 強 | 20W |
32W | パワフル | 30W |
WEB上では「CL107FDSHWのほうが強い」「CL108FDSHWのほうが強い」という意見もあれば、「体感ではどちらも同じ」という意見も散見されます。
筆者も後者の意見と同じで、吸引力の指標となる最大吸込仕事率はCL107FDSHWのほうが強いですが、体感ではこの2Wの差では体感で感じることは難しく、どちらも同等のパワーだと感じました。
しかし、本体にパイプとヘッドを装着して猫砂を吸ったとき、どちらもゴミを吸えば吸うほど吸引力は低下するものの、著しく猫砂を吸い上げるパワーが低下したと感じたは、紙パック式のCL107FDSHWでした。
また、カプセル式のCL108FDSHWは紙パック式のCL107FDSHWと違い、カプセルを開けてそのままゴミを捨てることができるため、こまめにゴミ捨てを行うことで吸引力を維持しやすいメリットも存在します。
紙パックの中にゴミが溜まってきても埃や塵のような軽いゴミは最後まで吸引することができます。しかし、ゴミが集じん容量に達するまで米粒やペットの砂のような重たいゴミを吸引したい場合はカプセル式のCL108FDSHWのほうがおすすめです。標準付属されているフィルターより、後述する高機能フィルターのほうがフィルターが目詰まりしにくいのでおすすめです。
集じん方式の違い
CL107FDSHWとCL108FDSHWの大きな違いは集じん方式となり、マキタからは[紙パック式]と[カプセル式]のモデルが用意されています。ここが選ぶ上で一番重要なポイントとなるので、各集じん方式のメリットとデメリットの違いをしっかり把握しましょう。
ちなみに、同社から別売されている「サイクロン式アタッチメント」を接続することで、集じん方式をサイクロン式に変えることができます。紙パック式とカプセル式のマイナス要素を縮小させることができるアタッチメントなので特徴を理解しておきたい。
CL107FDSHWに採用されている紙パック式は、ゴミに触らずにパックごと捨てられるので、簡単にゴミ捨てが行えます。また、粉じんを舞い上げることなくゴミを捨てられるので衛生的です。
ただし、紙パックは消耗品なのでランニングコストがかかります。また、こまめにゴミ捨てができないうえ、ゴミを溜められる集じん容量が小さいため、紙パックにゴミが溜まると吸引力が低下します。
CL107FDSHWには紙パックのほかに付属されている「ダストバッグ」をセットすることも可能です。ダストバッグは消耗品の紙パックと違い、水洗いして繰り返し使用することができるため、ランニングコストを抑えることができます。
ただし、紙パックのデメリットでランニングコストを抑えるかわりに、ゴミに触れずに簡単かつ衛生的に捨てられる利点が損なわれるので、ダストバッグをメインで使おうと考えているのであれば、後述するカプセル式を選んだほうが無難です。
CL108FDSHWに採用されているカプセル式は、フィルターを水洗いして繰り返し使用できるため、紙パック式のようにランニングコストがかかりません。さらにゴミを溜められる集じん容量が大きいうえ、こまめにゴミ捨てを行うこともできるため、強い吸引力を持続させることもできます。
その他に、別売されているHEPAフィルターを装着できるため、キレイな空気を排出させることも可能です(後述)。
ただし、カプセル式はダストカップに溜まったゴミを捨てる際に粉じんが舞い上がりやすくなります。また、フィルターにゴミが付着しやすい構造になっているため、ブラシなどで除去しようとするとさらに粉じんが舞い上がります。不衛生なゴミ捨てと、お手入れに手間がかかるので、長く使用しているとゴミ捨てが億劫になってきます。
CL108FDSHWに付属されているフィルターは目の粗い不織布のフィルターが採用されているため、フィルター目詰まりとなる粉じんがフィルターの奥深くに入り込み、ブラシ等で除去することができません。このため、フィルターが目詰まりするとゴミ捨てを行っても吸引力が低下したままとなり、水洗いをしないとフィルター目詰まりが解消されません。
別売されている高機能フィルターは不織布のフィルターより目が細かくなっているため、フィルターが目詰まりしにくくなっています。また、生地はサラッとした肌触りになっているため、フィルター表面に付着したゴミもブラシで簡単に除去できます。フィルターが目詰まりしにくくなり、面倒な水洗いする頻度が低減されるため、ゴミ捨て時のストレスが軽減されます。従来の高機能フィルタより、形状が崩れにくい高機能フィルタEXのほうがおすすめです(CL108FDとも互換性あり)。
集じん方式をサイクロン式にできるサイクロンアタッチメント
マキタから別売されているサイクロンアタッチメントを装着することで集じん方式をサイクロン式にすることができます。サイクロン式アタッチメントを装着することで、重量が約350g重たくなることと、家具の下のような狭い場所で取り回しが悪くなる欠点が存在があるものの、吸い込んだ空気とゴミをダストケース内で遠心分離することができるため、前述した紙パック式とカプセル式のマイナス要素を解消することができます。
遠心分離されるからランニングコストを大幅に節減
サイクロンアタッチメントを紙パック式のCL107FDSHWに装着すると、吸い込んだゴミのほとんどがサイクロンアタッチメントのダストケースに回収されるため、紙パックの消耗品費用が大幅に節減されます。
また、サイクロンアタッチメントのダストケースは紙パックよりゴミを溜められるうえ、ゴミはダストケース内に発生する遠心力によって小さく圧縮されるため、ゴミを溜められる集じん容量が大幅にアップします。
フィルタが目詰まりしないから強い吸引力が持続
紙パック式もカプセル式もフィルターへと空気が流れる構造になっているため、ゴミが溜まると空気の流れが悪くなり吸引力が低下する欠点が存在します。吸引した空気とゴミを遠心分離するサイクロンアタッチメントを装着することで、大小のゴミが本体側に流入しにくくなるため、吸引力が持続するメリットがあります。
ワンタッチで着脱できるからゴミ捨てが簡単かつ衛生的
紙パック式はゴミ捨てが簡単になる特長がありますが、紙パックを取り外してゴミ箱に捨てて、新しい紙パックと交換する手間を考えると、サイクロン式アタッチメントのゴミ捨てのほうが簡単に行えます。また、カプセル式に比べるとダストカップを開けた際に舞い上がる粉じんを大幅に低減されるうえ、面倒なフィルターお手入れからも解放されます。
排気をキレイにできるHEPAフィルター
マキタから別売されているHEPAフィルタ(A-68965)は花粉・黄砂・PM2.5のようなハウスダストより小さな微粒子(0.3μm)を99.97%以上捕集する性能があるため、掃除機の排気でアレルギー症状がでる人や、小さなお子様がいる家庭では既存のフィルターと組み合わせて使用することをおすすめします。
HEPAフィルターは同社のカプセル式モデルのみの対応となっているため、紙パック式のCL107FDSHWは排気をクリーンにすることはできません。排気性能を重視したい場合は、空気清浄機にも採用されているHEPAフィルターを装着できるCL108FDSHWを選びましょう。
マキタのカプセル式と紙パック式モデルにスモークマシンのスモークを吸わせてみましたが、どちらもスモークが排気口から漏れる結果となりました。しかし、カプセル式に装着できるHEPAフィルターを装着するとスモークの漏れはなくなり排気がキレイになりました。
マキタ愛好家のおすすめ10.8Vシリーズ
長年マキタを愛用している筆者のおすすめは、10.8Vシリーズであれば紙パック式の「CL107FDSHW」がおすすめです。なぜなら、毎日掃除をするため、ゴミ捨てをする頻度が多く、ゴミ捨て時の塵の舞いあがりや、面倒なフィルタお手入れにストレスを感じるからです。
この欠点を解消できるのが別売品の「サイクロンアタッチメント」なので、サイクロンアタッチメントを装着して使用するのであれば、重量が軽くて吸引力が維持しやすいCL108FDSHWのほうがおすすめです。
ちなみに同クラス(10.8V)の紙パック式モデルには、CL107FDSHWより吸込仕事率の高いモデル(マキタ・ターボ60)もラインナップされています。着脱式バッテリに拘らないのであれば、マキタターボ60もおすすめです。
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