トルネオVコードレス(VC-CL1500/VC-CL500)の特徴
●強い吸引力を持続できるバーティカルトルネードシステム(従来から)
●床に落ちているゴミの有無が分かるゴミ残しまセンサー(従来から)
●自走式+吸込口の幅が広くなったラクトルパワーヘッド(前モデルから)
●ゴミの圧縮率が向上したトルネードプレス(New)
●エアブロー機能をスタンダードモデルにも搭載(New)
2018年8月1日に東芝ライフスタイルからスティックコードレスクリーナーの新モデルとしてトルネオVコードレス[VC-CL1500][VC-CL500]の2機種が発売された。東芝は2014年から毎年[トルネオVコードレスシリーズ]の新モデルを投入しており、今回のトルネオVコードレスは第5弾目のモデルとなる。
トルネオVの特長は年配の人でも扱える軽い操作性と、ダイソンのように吸引力が持続する2段式サイクロン構造のバーティカルトルネードシステム。新モデルでは前モデルから採用されている自走式で吸込口を広く取った[ラクトルパワーヘッド]に加え、新たにゴミの圧縮率が1/3に向上した新機能[トルネードプレス]を搭載した。
VC-CL500とVC-CL1500の違いってなに?
[フルスペック]と[スタンダード]の違いは本体色と付属品
●「スタンダードモデル」と「フルスペックモデル」の違いはアタッチメント
●床だけ掃除をしたいなら価格が安い「スタンダードモデル」がおすすめ
●幅広い掃除をしたいなら付属品が豊富な「フルスペックモデル」がおすすめ
●「スタンダードモデル」にもエアブロー機能が搭載されるようになった!?
2015年以降のトルネオVコードレスから[フルスペックモデル][スタンダードモデル]の2機種をラインアップするようになった。
双方の違いは[本体色]と[付属品の有無]となる。本体のスペックはどちらのモデルも同じとなるため、掃除機を選ぶポイントとなる「吸引力」「使用時間」「充電時間」「吸引力」「重量」等の仕様は同じとなる。
従ってフロア(床)のみの掃除が用途であれば、価格が安い[スタンダードモデル]。フロアだけでなく寝具・卓上・自動車内など幅広く掃除をしたい場合は、アタッチメントが豊富な[フルスペックモデル]を選ぼう。
今回発売された新モデルも[フルスペックモデル]と[スタンダードモデル]の2機種をラインアップ。
それぞれの違いは前述したように[本体色]と[アタッチメントの有無]となっており、それ以外の性能はまったく変わらないので、床の掃除以外で使用しないのであれば安価な[スタンダードモデル(VC-CL500)]を選べばOKだ。
床の掃除だけでなく、布団やシーツなどの寝具から自動車内の掃除もしたいのであれば、布団ノズルや延長ホースが付属されている[フルスペックモデル(VC-CL1500/)]をモデルと選ぶとよいだろう。
VC-CL500とVC-CL1500が軽い理由
力の弱い女性や年配の人におすすめできるほど軽い
機種名 | 発売日 | 重量 |
VC-CL100 | 2014年 | 2.3kg |
VC-CL1200/VC-CL200 | 2015年 | 1.9kg |
VC-CL1300/VC-CL300 | 2016年 | 1.9kg |
VC-CL1400/VC-CL400 | 2017年 | 1.9kg |
VC-CL1500/VC-CL500 | 2018年 | 1.9kg |
トルネオVコードレスと言えば軽さにこだわっており、高価格帯のスティック機の中では軽い操作性で定評がある。そのため、当サイトでは高機能タイプの軽いコードレスクリーナーを探している人には[東芝のトルネオVコードレス]や[シャープのラクティブエア]でおすすめしているほどだ。どちらも軽さにウェイトを置いているシリーズとなる。
軽さの秘密は、VC-CL1200以降のモデルには軽くて丈夫なグラスファイバー樹脂が採用されており、本体に延長管とヘッドを装着した状態の重量は1.9kg。この重量は人気のダイソンV10より680gも軽い重さとなる。また、延長管やヘッドも競合メーカーに比べると軽くなっており、ヘッドを上げ下げする動作を繰り返しても手に負担がかかりにくい。
楽な姿勢で握れる「らくわざフリーグリップ」
トルネオVコードレスは2015年に発売されたVC-CL1200以降、手首や肘を曲げずにヘッドを前後に動かせるラウンド形状のハンドルを採用。さらにVC-CL1300以降のモデルは手元に集中している重たいバッテリー、モーター、ダストカップの配置が見直され、ヘッドを持ち上げた時にVC-CL1200より手にかかる負担が約3割軽減されている。手で握るハンドルを支点として、中心に配置したモーターの左右にバッテリーとダストカップをバランスよく配置しているため、軽さを重視する場合はVC-CL1300以降のモデルを選ぼう。
吸引力(吸込仕事率)はどれくらい?
日立やパナソニックには劣るが吸引力の持続力は国内メーカー№1
軽さと使いやすさを追求してきたトルネオVコードレス。これまで初代モデルから18Vのバッテリーを採用しており、21.6Vのバッテリーを搭載しているパナソニックや日立のモデルに比べると吸引力はどうしても劣る。
このため、トルネオVは延長管の内径を細くすることで吸込口の風速を高めたり、フィルターが目詰まりしにくく、強い吸引力を持続できる2段式サイクロン方式のバーティカルトルネードシステムを採用しパワー不足を補っている。
木材を切断した際に発生する小さくて軽いオガクズは、ヘッドの全幅分を1ストロークでしっかり吸引することができた。1mm前後の小さなゴミではあるものの、この程度の大きさであればダストカップ内で遠心分離することができ、どれだけ吸引しても吸引力は低下しにくい。前年モデルと同様に吸込口の幅を広くとったワイドタイプのヘッドを採用しているため、従来のトルネオVより効率よく掃除がすることができるうえ、バッテリーの節電にもつながるのは高ポイントだ。
静電気によってフローリングに付着する超微細な小麦粉は、オガクズのように1ストロークでヘッドの全幅分を吸引することはできなかったが、吸い込み幅分はしっかり集じんしながら吸引することができた。小麦粉のような粉じんはフィルター目詰まりの原因となるが、トルネオVはダイソンと同じ「2段式サイクロン」を採用しているため、ダストカップ内で捉えられなかった粉じんを上段に配置された円錐形サイクロンで強力に遠心分離。微細なゴミを掃除しても吸引力が低下することなくストレスフリーで掃除を続けることができる。
カーペットの表面に付着した小麦粉はしっかり集じんすることができたが、擦り込んで散布したため、奥深くに入り込んだ小麦粉を完全に集じんすることはできなかった。動画では分かりにくいが、ヘッドを何度もストロークさせても、黒いカーペットは薄っすら白く汚れた状態のまま。ちなみに、7:04で取りこぼした小麦粉を吸引した掃除機は「ダイソンV10シリーズのAnimal」である。トルネオVでカーペットをしっかり掃除したい場合は、ヘッドを十字方向がけしたほうがよいだろう。
木材の切り屑やシュレッダーの紙クズは、比較的軽い部類のゴミに入るので1ストロークで吸引することができる。しかし、床一面に散り積もっていたりすると、回転ブラシの部分で空回りしたり、弾き飛ばすることがあるため、何度かヘッドを前後にストロークささせる必要があった。ちなみに、このようなゴミが大量に落ちている場合は、マキタのような回転ブラシが付いていないノーマルヘッドを採用しているローエンド機の方が効率が良かったりする。
米粒のように嵩のあるゴミは問題なく吸引することができるパワーがあるものの、吸込口で高速回転するブラシに弾き飛ばされたり、空回りすることがあるため、落ちているゴミの量が多いと取りこぼしが多くなった。基本的に回転ブラシが搭載されていると、どこのメーカーを使っても同じような結果になるが、パナソニックのiTのようにブラシの回転を止める機能を搭載すれば解決できるため改善を期待したい。
我が家は猫と一緒に生活しているため、猫が食事をする場所やトイレ周りにはドライフードや砂が毎日転がっている。毎日、数粒程度しか落ちていないので、ヘッドをゴミに対してかぶせるようにすれば問題なく吸引することが可能である。しかし、ペット用の餌やトイレの砂のような固形のゴミが動画のように大量に落ちていると、遠くに弾きとばしてしまうことが多々あった。また、ゴミの高さが5mm以上あるとヘッドの全面で押し出してしまったり、ゴリゴリと乗り上げることがあるので、床を傷つける原因となるので、ゴミの量が多かったり、高さが5mm以上あるゴミはヘッドを外して吸い取りたい。
前年モデルのヘッドと同様にヘッドの前側には「開閉式のバンパー」が採用されている。壁にヘッドを押し当てるとバンパーが閉まり、吸込口の風速が高まるため、壁にゴミを追い込む吸い方をすると、壁際のゴミもきっちり取りこぼしなく吸引することができた。
我が家で一番吸い取りにくいゴミがカーペットに絡みついた猫の抜け毛だ。東芝によるとヘッドのブラシの素材は従来モデルと変更がないとのことだが、2016年に発売された「VC-CL1300/VC-CL300」以前のモデルのほうが”硬いブラシ(赤)”が採用されているので、カーペットにおけるペットの毛の集じん性能は劣った感じがする。エチケットブラシを配置するだけでも集じん力はずいぶん変わるのだが、自走式なのでなるべく負荷をかけたくないので難しいのかもしれない。フローリングに落ちているペットの毛は問題なく集じんできるが、ペットと生活されていて、カーペットを敷いている面積が広い場合は、「ダイレクトドライブクリーナーヘッド」が搭載された「Dyson Animal」のほうがおすすめである。
新モデルのヘッドと床との隙間は約4mm。当サイトの検証では約4mmまでの高さのゴミならヘッドを滑らせる動作で吸引することができた。ただし、ゴミが硬い固形物(ペット用の餌やトイレの砂等)だと、4mm以下のゴミでも遠くに弾き飛ぶこともあった。
ラクトルパワーヘッド(モータヘッド)の特徴
発売日 | モデル名 | ヘッド幅 | ヘッド重量 | 延長管重量 |
2015年 | VC-CL1200/200 | 22cm | 398g | 218g |
2016年 | VC-CL1300/300 | 22cm | 384g | 187g |
2017年 | VC-CL1400/400 | 27cm | 383g | 183g |
2018年 | VC-CL1500/500 | 27cm | 383g | 180g |
グラスファイバーを採用してるからヘッドを持ち上げる動作も軽い
トルネオVコードレスは同じハイエンド機を販売している競合メーカーの製品と比べると本体重量が1.4kgと軽いうえに、重たいモーターやバッテリーをバランスよく配置しているので、従来モデルから軽いスティック機として人気。さらに、2015年に発売されたモデルから[本体][延長管][ヘッド]に軽くて丈夫なグラスファイバーを採用しており、ヘッドを持ち上げする動作を繰り返しても手が疲れにくく、軽い操作性でも定評がある。
コード式のキャニスター掃除機と違い、コードレスクリーナーで家中丸ごと掃除をしていると、「階段」「敷居」「フローリング」「カーペット」「マット」の境目などに様々な段差が存在するので、ヘッドの持ち上げを繰り返していると手や肘がだるくなってくるデメリットが存在する。高価格帯のハイエンド機を販売しているメーカーの製品でヘッドの上げ下げを繰り返しても手首がだるくなりにくいのが、東芝の「トルネオV」とシャープの「ラクティブエア」だ。
例えば、同年に発売された「ダイソンV10Fluffy」の全体重量が2.58kgなのに対して、トルネオVとラクティブエアは2kgを切る軽さ。コードレス掃除機の場合、キャニスター掃除機と違ってヘッドを床から持ち上げると全体重が手にかかるため、500g以上という差はかなり大きい。ちなみにVC-CL1500/VC-CL500の延長管とヘッドの合計重量が460gなのに対して、ダイソンV10 Fluffyは1kgもあるので、ヘッドを持ち上げると延長管の先に鉛をつけてるかのように重たく感じる。
前年モデルから「ワイドタイプ」+「自走式」を採用!
トルネオVコードレスのモーターヘッドと言えば、使い勝手のいい軽量タイプのヘッドが特長であったが、コンパクトであるがために広範囲のフロアを効率よく掃除ができないデメリットも存在した。1部屋掃除するだけであれば問題はないが、家中の部屋を掃除するとなると大変であった。
2017年に発売されたVC-CL1400/VC-CL400からは、ヘッドの幅を広く取ったワイドタイプを採用。吸込口の幅を17.6cmから21.2cmに広げたことにより、広範囲の場所の掃除も従来モデルより効率よく掃除をすることができるようになった。ワイドタイプになっても、ヘッドや延長管の重さは軽いまま。
さらには、軽い力でヘッドを滑らせることができる自走式『ラクトルパワーヘッド』を採用。従来ヘッドは自走式が採用されておらず、吸込口が床に張り付いて前後に滑らせにくい欠点があったが、比較的新しいモデルはフローリングや走行が重くなりがちなカーペット上でも軽い力で動かせるようになった。
ブラシは「除菌効果」+「お手入れの手間が軽減」
●ブラシにフッ素加工が加えられたから、綿ゴミや汚れが付着しにくい
●静電気を制御するAgブラシを搭載したから、微細なゴミの除去率が向上
トルネオVコードレスのモーターヘッドが改良されたのは、ゴミを効率よく吸引できる「吸込口幅」や、軽い力でスイスイと滑らせる「自走式」だけではない。前年モデル(VC-CL1400/VC-CL400)から、回転ブラシにも新たな特長が加わったのだ。
ブラシにはフッ素加工が施されたことにより、ブラシに綿ゴミや汚れが付着しにくくなった。このため、定期的に行っていたヘッドのお手入れの手間が軽減。メンテナンス性の高さで選ぶなら、2017年以降のトルネオVコードレスは強い味方となる。
さらにブラシや床面の静電気の発生を抑えるためのAgブラシ(銀糸)を採用したことにより、ブラシに付着したゴミ離れをよくし、フローリングから微細なゴミをしっかり集じん。検証では床面に付着するような小麦粉も綺麗に除去したうえ、床面はピカピカになった。
さらには、床面の菌を拭き取る効果もあり、ヘッドを往復させた箇所の床の菌を約99%除去するという。小さい子供がいる家庭やペットとお住まいの家庭では、迷わず除菌効果のある2017年以降のトルネオVコードレスを選びたいところだ。
VC-CL1500/VC-CL500のフィルターが目詰まりしにくい理由
2段式サイクロンは微細なゴミも遠心分離できるから目詰まりしにくい
●2段式サイクロン構造は微細なゴミも遠心分離できる
●トルネオVコードレスは2段式サイクロンを採用してる
●フィルターが目詰まりしにくいから吸引力が持続する
●吸引力が持続するからフィルターのお手入れ頻度が軽減
●カップ・サイクロン・フィルターを水洗いできるから衛生的+経済的
基本的に家電メーカーが出している高価格帯のコードレスクリーナーの集じん方式は「紙パック式」と「サイクロン式」の2種類に大別される。そして、大半のメーカーは吸い込んだ空気とゴミを遠心力とフィルターで分離する「サイクロン式」を採用。実はこのサイクロン方式には「1段式サイクロン」と「2段式サイクロン」の2種類のシステムが存在するのだ。
「1段式サイクロン」は大きなゴミをダストカップ内で遠心分離できるものの、微細なゴミを遠心分離する能力が低い。ダストカップ内で遠心分離できなかった微細なゴミは全てフィルターで捕集するため、すぐにフィルターが目詰まりしやすく、吸引力が低下しやすい欠点が存在する。
一方の「2段式サイクロン」はダストカップ内で遠心分離できなかった微細なゴミを強い遠心力が発生している複数の円錐形サイクロン部で強力に遠心分離。フィルターが目詰まりしにくく、強い吸引力が持続するため、面倒なフィルターのお手入れから解放されるメリットは大きい。
トルネオVのバーティカルトルネードシステムは2段式サイクロン
②ダストカップ内で遠心分離できなかった微細なゴミを遠心分離
③サイクロンで捉えられなかった超微細なゴミを捕集
東芝のトルネオVコードレスは第一弾目となるモデルから「バーティカルトルネードシステム」を採用しており、このシステムはダイソンと同じ2段式サイクロン構造となっている。そのため、フィルター目詰まりの原因となる微細なゴミも遠心分離できるため、強い吸引力を維持する能力が高く、毎日掃除をしても面倒なフィルターお手入れは月に一度で十分となる。すぐに吸引力が低下してイライラする人や、フィルターのお手入れが億劫だと感じている人にはおすすめだ。
ヘッドから吸い込んだ空気をダストカップ内の周りを回転するように取り入れることで、遠心力を発生させ大きなゴミや髪の毛は遠心分離される。ダストカップ内で遠心分離できない微細なゴミは中央に配置されているメッシュ部を通り抜け、パワフルな遠心力が発生している円錐形サイクロンによって捉えられダストカップ内に回収される。ダイソンにない利点は、サイクロンやダストカップが小さいので本体重量が軽い。また、全てのパーツを水洗いできるため、メンテナンス性が高く衛生的。
新モデルは「トルネードプレス」が追加されたからゴミ圧縮率が向上
●ゴミ捨て時の埃の舞い上がりが低減(衛生的になる)
●ネット部へのゴミ付着が低減(簡単にお手入れできる)
従来モデルから大きな変化がなかったバーティカルトルネードシステム。新モデルではゴミの圧縮率を向上する目的のために配置されたシェードの外周に、新たに螺旋形状のブレード(羽根)が設けられた。
ダストカップ内では外壁を回転する風の流れと、上に向かって空気が出ていく上昇気流が発生している。このダストカップ内の外壁を回転する風が螺旋形状のブレードに沿って下向きに流れることで、シェード内に発生している上場気流の風速が高まり、従来モデルよりゴミを圧縮率が約16%向上。
ゴミ圧縮率が向上したから埃が舞い上がりにくくお手入れも簡単
写真は4部屋+階段+廊下を掃除した際に吸引したゴミだ。トルネードプレスによって圧縮されたゴミはキノコをひっくり返したような形に成形されていく。家は抜け毛の多いペットを飼っているので、集じん容量(0.2L)の日立やシャープのモデルだと1日でダストカップが一杯になってしまう。
しかし、集じん容量(0.2L)が同じトルネオVコードレスだと、ペットの毛、髪の毛、埃は写真のよう塊に圧縮。毎日行っていたゴミ捨ては、2日に1回のゴミ捨てに低減された。ペットがいない一般家庭だとゴミを捨てる頻度はさらに低減されるだろう。
ゴミの捨て方は簡単?埃は舞い上がらないの?
ランニングコストがかからなかったり、吸引力が持続するなどのメリットがあるサイクロン掃除機。しかし、コードレスはゴミを溜められる集じん容量が小さいため、毎日掃除をしているとこまめなゴミ捨てが必要となる。コードレスクリーナーの市場が伸長傾向にあるいま、ゴミ捨てを簡単かつ手軽に行えたり、ゴミ捨て時に埃の舞い上がりや飛び散りが低減されているポイントを重視するユーザーも少なくない。
トルネオVコードレスは従来モデルからゴミの捨て方は変わっていない。本体からダストカップをワンタッチで取り外すことが可能となっているが、ダイソンのようにカップ下にある開閉式のフタをワンタッチで開けてゴミを落とす仕様ではないため、ゴミ捨てボタンを押してダストカップカバーを取り外すちょっとした一手間がかかる。しかし、カップ内に溜まったゴミをそっと捨てられるので埃が舞い上がりにくい。
また、前述したトルネードプレスによってゴミがしっかりと圧縮されるため、埃の飛び散りが低減されるだけでなく、ネット部へのゴミの付着も低減し、面倒なお手入れから解放されるメリットも存在する。
フィルターのお手入れはどのように行うの?
●フィルターのお手入れ頻度は一ヶ月に一度で十分
●フィルターは押し洗いして流水で汚れを落とす
トルネオVコードレスに採用されているフィルターは、目詰まりしたゴミをブラシで除去することができない。しかしながら、東芝は唯一コードレス掃除機にダイソンと同じ「二段式サイクロン構造」を採用しているメーカー。フィルター目詰まりの原因となる微細なゴミまでも遠心分離することができるため、吸引力が低下しにくい特長を持っている。そのため、ゴミを捨てるたびにフィルターのお手入れをするのが面倒な人におすすめのスティック機である。
前述したとおり、微細なゴミも遠心分離でき、フィルターが目詰まりしにくい「二段式サイクロン構造」を搭載しているので、毎日掃除をした場合、ダイソンと同じようにフィルターのお手入れ頻度は一ヶ月に一度で十分である。フィルターはダストカップカバーとサイクロン部のあいだに配置されており、ワンタッチでダストカップカバーを取り外すことができるので、説明書を見なくても簡単にフィルターを外して水洗いすることができる。
臭いの原因となるサイクロンやダストカップは水洗いできる?
トルネオVと同じ2段式サイクロンを採用しているダイソンは、埃や微細な粉じんによるフィルターの目詰まりを防ぐことができ、吸引力を下げることなく使い続けることができる特長を持っている。しかし、ダストカップ内で遠心分離できなかった粉じんは、円錐形サイクロンで遠心分離されるため、長いあいだ使い続けていると大量の粉じんがサイクロン内部に付着するのだ。
ダイソンはサイクロン内部のお手入れは不要だと言っているが、この大量の粉じんが原因で排気が臭くなったりするので、定期的に強い風を吹き出すエアーダスター、コンプレッサー、ブロワーなどのツールを使ってサイクロン内部に付着した粉じんを吹き飛ばしたり、わりばしに濡れた布などをくくりつけてサイクロン内部をお手入れするユーザーが存在する。
トルネオVのダストカップセットは、上から[カバー][フィルター][ダストカップカバー(サイクロン)][シェード][カップ]5つのパーツで構成。水洗いと分解が禁止されているダイソンの製品と違い、ゴミの通るパーツは工具不要で簡単に分割することが可能。さらに全てのパーツを水洗いすることができるのでダイソンよりメンテナンス性が高い。
運転音はうるさくないの?音の大きさはどれくらい?
「標準モード」ならアパートでも躊躇せずに使えるくらい静か
●「強モード」は従来モデルより甲高い音が軽減されてる
●「ダイソンV8」より静かに感じた(高音が耳につかない)
コードレス掃除機を販売している家電メーカーは騒音値[dB(デジベル)]を公表していないため、実際に聞き比べてみないと、どこの掃除機が静かなのか判断することが難しい。そこで当サイトでは、VC-CL1500と比較的新しいトルネオVコードレス、そして吸引モードが同じ2段階で、静音性が向上したダイソンV8と運転音を比較してみた。
モデル | 標準モード | 強モード |
VC-CL1300 | 71dB | 75dB |
VC-CL1400 | 68dB | 73dB |
VC-CL1500 | 69dB | 72dB |
Dyson-V8 | 68dB | 78dB |
各モデルの「標準モード」の騒音値を比較すると数値に大きな差はなかったものの、ダイソンV8に比べるとトルネオVコードレスのほうが「キーン」という甲高い音が軽減されており静かに感じた。ダイソンの比較的新しいモデルは従来モデルに比べると、かなり甲高い音が軽減されているが、東芝と比べるとトルネオVコードレスのほうが静音性は、個人的に上と感じた。
比較的新しいトルネオV同士と比較すると「強モード」の騒音値に大きな違いは見られなかったが、体感では新モデルのほうが甲高い音が少し軽減されているように感じた。近所の家の生活音が聞こえてこない一軒家であれば、いつでも気軽に使える音量だが、生活音が聞こえてくるアパートで時間が遅いときなどは、音の静かな「標準モード」で掃除をしたほうがよいだろう。
「連続運転時間」や「充電時間」はどれくらいなの?
充電時間は少し長いが、マンションや戸建てなら丸ごと掃除できる
●強モード:(8分)
●標準モード:(20~25分)
●自動モード:(8~20分)
●強モードで使用時間が足りない場合は自動モードがおすすめ!
トルネオVコードレスの充電時間は歴代モデルから約5時間と変わり続けていない。競合メーカーの充電時間は約3.5時間のモデルが多いので、トルネオVコードレスの充電時間は比較的遅い部類といえる。実際に使用してみても5時間という充電時間は非常に長く感じ、掃除の途中に充電が切れるとすぐに掃除を開始することができないのがネックとなる。
連続使用時間は2015年のモデルから変わっておらず、[標準モード]が20~25分、[自動モード]が8~20分、[強モード]が8分となっている。強モードで畳1枚の広さを20秒かけて掃除した場合、6帖の広さの部屋を4部屋分しか掃除することができないため、3LDK全ての部屋を掃除すると途中で充電がきれることがあった。
このため、途中でバッテリー残量がなくなるような広さを掃除する場合は、ゴミの有無で吸引力の強さが変わる[自動モード]を使用するようにした。[自動モード]は節電効果が高いため、「途中でバッテリーがきれたらどうしよう…」焦りながら掃除をしなくてもよくなり、しっかり掃除することができるようになった。
モデル名 | 発売日 | 充電回数 |
VC-CL100 | 2014年 | 2,100回 |
VC-CL1200/200 | 2015年 | 2,000回 |
VC-CL1300/300 | 2016年 | 2,000回 |
VC-CL1400/400 | 2017年 | 3,100回 |
VC-CL1500/500 | 2018年 | 明記しなくなる |
充電回数はどれくらいで寿命がくるの?
東芝のトルネオVコードレスと言えば、歴代モデルから充電回数が2,000回以上と表示しているため、バッテリーが長寿命というイメージがあった。しかし、この充電回数はゴミの有無によって吸引力が変わる[自動モード]を6分使用したときの回数で、ユーザーが誤解を招くため新モデルでは充電回数を表示しなくなった。
毎日、バッテリーが空になるまで使用した場合は、一般的なコードレス掃除機と同じように約2年ほどでバッテリーの寿命がくると考えたほうがよいだろう。実際に従来モデルの口コミやレビューを見ると、公開されている充電回数より早く寿命がきたという批判レビューが目立っている。
モデル名 | バッテリー代 | 技術料 | 合計(税込) |
VC-CL1200/200 (2015年) | 13,000円 | 2,100円 | 16,308円 |
VC-CL1300/300 (2016年) | 13,000円 | 2,100円 | 16,308円 |
VC-CL1400/400 (2017年) | 13,000円 | 3,800円 | 18,144円 |
VC-CL1500/500 (2018年) | 8,000円 | 3,800円 | 12,744円 |
※発売当初に調べた価格
バッテリーの交換料金はどれくらいかかるの?
これまでのトルネオVコードレスのバッテリー代は電圧が18Vなのに(13,000円)と割高であった。しかし、今年の新モデルはどういうわけか従来モデルより38%も安くなり(8,000円)に変わった。
ただし、トルネオVコードレスは本体に内蔵されているバッテリーを自分で交換することができないため、バッテリーを交換する場合は、最寄りの「東芝サービスステーション」か「家電量販店」に本体を持ち込む必要がある。この時に、バッテリー代だけでなく技術料(3,800円)もプラスされ、バッテリー交換にかかる合計費用は(12,744円税込)となる。
バッテリーの交換方法は簡単なの?
トルネオVコードレスの内蔵式バッテリーを交換する場合、従来モデルと同じように「東芝サービスステーション」や東芝の製品を扱っている「家電量販店」に本体を持ち込む必要があるため、手間・工賃がかかるのがネックとなる。なお、修理にかかる期間は約一週間ほど。家電量販店から東芝のサービスステーションに運んだ場合、店舗によっては手数料がとられることがあり。
最近、国内の競合メーカーである「パナソニック」や「日立」の一部のモデルは、「シャープ」のようにバッテリーを購入すれば、自分で交換することができるように「着脱式バッテリー」に変更されている。多くのユーザーが経済的に手間をかけることなく、自分でバッテリーを交換できることを希望していると思うので、来年モデルではセルフ交換できる仕様に変更されることを期待したい。
バッテリーの「使用時間」「充電時間」「交換費用」を重視するなら、シャープのラクティブエアのほうがおすすめ
トルネオVコードレスの軽さ(1.9kg)に魅力があるものの、「充電時間」「連続運転時間」「バッテリーの交換費用」に不満がある人には、シャープから販売されているラクティブエアシリーズのモデルがおすすめである。本体に延長管とヘッドを取り付けた重量はトルネオVを凌駕する1.5kg。
さらに、ワンタッチで取り外せる着脱式バッテリーが採用されているため、予備バッテリーを用意することで使用時間を2倍に引き延ばせる。さらには、充電器で充電するため約80分という短い時間でフル充電することが可能。
バッテリー(BY-5SB)はAmazonや楽天市場で単品注文することができ、自分で交換することもできるので経済的だ。従来モデル(EC-A1R、EC-A1RX)は音がうるさいので、運転音が低減された2018年モデル(EC-AR2S、EC-AR2SX)がおすすめだ。前者はバッテリー2個、後者はバッテリー1個が付属されている。
VC-CL1500/VC-CL500の収納方法と充電方法
立てかけて収納できるの?スタンドは付属されてないの?
●立てかけるには「壁掛け用ホルダー」を壁に固定する必要あり
●「壁掛け用ホルダー」は壁に穴をあけないと固定できない
●壁に穴をあけられない場合は「クリーナースタンド」を利用する
トルネオVコードレスは[2015年モデル]まで充電スタンドが付属されており、本体と延長管を分割して立てかけて充電する必要があったが、新モデルを含む[2016年モデル]以降はダイソンのような「壁掛け用ホルダー」タイプに変更された。このため、本体と延長管を分割することなく、手軽に掃除機を出し入れすることができるようになったものの、壁掛け用ホルダーは壁にネジ止めしないと固定することができないため、壁に穴を開けられない家庭では省スペースに収納することが難しくなった。
そこで当サイトでは、壁が穴をあけにくい素材であったり、賃貸住宅などで壁に傷をつけられない場合は、「クリーナー専用スタンド」や「ディアウォール」の使用をおすすめしている。実はトルネオVコードレスとダイソンの壁掛け用ホルダーのネジ穴は同じ位置に開いているため、ダイソン専用のスタンドが流用することができるのだ。予算を抑えたい場合は、安価なハンガータイプのスタンドやディアウォールの使用をおすすめする。「トルネオVコードレスに使えるおすすめのスタンド」からはこちらからどうぞ。
どのように充電するの?立てかけて充電できるの?
●壁掛け用ホルダーを使わないと立てかけて充電できない
●本体を床に置いて充電すると場所をとる
●壁に穴をあけられない場合はクリーナースタンドがおすすめ
トルネオVコードレスの充電方法は、2015年以前のモデルは充電スタンドが採用されていたため、本体を充電スタンドに収納すると同時に充電を開始することができたが、壁掛け用ホルダーが採用された[2016年モデル]から、ACアダプターのプラグを本体のプラグ接続口に差し込んで充電しなければいけなくなった。
ダイソンやパナソニックのスティック機の場合は、本体を壁掛け用ホルダーに差し込むとプラグが本体に自動で差し込まれ充電が開始されるが、トルネオVコードレスの場合は本体を壁掛け用ホルダーを差し込んだ後、さらにプラグを本体に差し込む必要があるため、ちょっとしたひと手間がかかるのがネックとなる。
壁掛け用ホルダーを使わない場合は、本体を横にして床に置いて充電する必要があるため、場所をとるデメリットが存在する。壁に穴をあけずに省スペース収納しながら充電したい場合は、上の収納方法で前述したように「トルネオVコードレスに使えるスタンド」をおすすめしたい。
VC-CL1500/VC-CL500の付属品
アタッチメントは単品注文できないので用途にあったモデルを選ぼう
2018年に発売されたトルネオVコードレスはアタッチメントの有無の違いで「VC-CL1500(フルスペック)」と「VC-CL500(スタンダード)」の2種類が発売。本体やモーターヘッドの仕様はどちらも同じとなるため、コードレス掃除機を選ぶポイントとなるスペック(吸引力・使用時間・充電時間・重量)は同じとなる。
今年のモデルからスタンダードモデルにも「エアブローノズル」が付属されており、全てのラインナップにゴミを吹き飛ばすエアブロー機能を搭載。床メインで掃除をするなら価格が安いスタンダード(VC-CL500)。フロアだけでなく寝具の掃除や棚や狭い場所の掃除を重点的に掃除したい場合は、「布団用ブラシ」と「延長ホース」が付属されているフルスペック(VC-CL1500)を選ぶとよいだろう。