18Vの2号機(GAS18V-1)は、吸引力が持続するサイクロ方式を搭載!
前モデルと大きな違い
- ●空気とゴミを遠心分離する“サイクロン方式”を採用
- ●ゴミ捨てとフィルター手入れが簡単になった
- ●押しやすい“大型スイッチ”を採用
- ●本体を引っかけたり、自立させられる“フック形状グリップ”を採用
- ●吸引モードが2段階から1段階に
- ●床を照射する“LEDライト”不採用
BOSCH(ボッシュ)から、同社のプロ用電動工具に使用されている外付けタイプの18Vリチウムイオンバッテリーを採用したスティックタイプのコードレスクリーナー(GAS18V-1)が2018年6月に発売された。
同社初となるスティックコードレスクリナー(GAS 18V-LI)を発売してから、5年ぶりとなる2代目のモデルの最大の特徴は“2ステージローテーションエアフロー”を採用しており、前モデルよりフィルターの目詰まりによる吸引力低下が軽減されているという。
今回、吸引力といった基礎的なスペックから、前モデルの悩みであったうんざりするフィルターお手入れから本当に解放されるのか検証を行ってみた。
BOSCH(ボッシュ) 18Vコードレスクリーナー GAS18V-1
[GAS 18V-1]の[GAS 18V-1H]違い
POINT
- ●GAS 18V-1は(セット品)だから価格が高い
- ●GAS 18V-1Hは(本体のみ)だから価格が安い
- ●18Vシリーズの電動工具を持ってる人のために(本体のみ)を販売している
「GAS 18V-1」と「GAS 18V-1H」違いは、[充電器]と[バッテリー]の有無に違いがあるのみで、本体の仕様(スペック)や付属されている専用ツール(アクセサリー)は同じである。前モデルからの乗り換えであればGAS 18V-1Hは(本体のみ)を購入するとよいだろう。
GAS 18V-1は(セット品)のため、本体に加えて[充電器]と[バッテリー]と[専用ツール]が標準付属されている。一方のGAS 18V-1Hは(本体のみ)となっているため、本体に加えて[専用ツール]は付属されているが、[充電器]と[バッテリー]が同梱されていない。
なぜこのように[セット品]と[本体のみ]がされているのかというと、基本的に大手電動工具メーカーのバッテリー式掃除機は、同社の電動工具に使用されているバッテリーが採用されている。そのため、電動工具を持っているユーザーのために本体のみの販売を行っているのだ。
GAS 18V-1の吸引力(吸込仕事率)
前モデルより吸引力が持続するようになった!
POINT
- ●前モデルより新モデルのほうが吸引力が弱い
- ●新モデルはサイクロン式だから吸引力を持続できる
- ●吸引モードの切り替えができなくなった
コードレス掃除機を選ぶ際に一番重要視する仕様が、ゴミを吸い上げるパワーの目安となる吸込仕事率だ。毎日掃除機がけをしていて、ペットの餌やトイレの砂のような固形のゴミを軽々吸い上げる吸引力がないとストレスとなるため、重たいゴミを吸い上げるパワーと強い吸引力を維持できるスタミナは重要となる。実際にGAS 18V-1を使い色々なゴミを吸引した動画を撮ってみた。
大鋸屑のような微細な小さなゴミはヘッドを何度もストロークさせなくても、ほぼワンストロークで吸引することができた。ただし、木材や石膏ボードなどを加工する際に発生する粉のようなゴミを吸引すると一回の掃除でフィルターが目詰まりした。
GAS18V-1のヘッドと床との隙間は、マキタや日立工機のような国内メーカーのモデルに比べると狭くなっているため、木材の切り屑のような不定形なゴミは量が多いとヘッドの全面で押し出すことがあった。大鋸屑のようにワンストロークで効率よく吸引することができないため、ゴミに対してヘッドをかぶせるようにして吸引した方が良いだろう。
カーペットやラグの表面に落ちているゴミは難なく吸引することができたが、繊維に絡みついたり、奥深くに入り込んだゴミは完全に吸引することができなかった。こういったゴミは基本的に回転する硬いブラシが搭載されたモーターヘッドでないと効率よく集じんすることができない。
ペットのドライフードやトイレの砂のような嵩のあるゴミも軽々と吸い上げることができた。固形のゴミは100パーセントダストカップ内で遠心分離されるため、簡単にゴミ捨てを行うこともできた。これらのゴミは我が家の床に落ちているゴミの中で重たい部類に入るが、サイクロンユニットを装着してもストレスフリーで吸い上げることができた。
スイッチを入れて本体の吸込口に手を当てみると、あきらかに前モデルより吸引力が弱い感じがした。そこで、「風速計」で吸込口に差し込みどれくらいの風速が発生しているのか測ってみると、前モデルのほうが強い風速が発生していた。
指が疲れない押しやすい大型スイッチ
新モデルは前モデルのように吸引モードを切り替えるスイッチが無くなり、ON/OFFスイッチのみを搭載。スイッチはトリガースイッチのように指で押し続ける必要のないボタン式スイッチを採用、連続作業に最適だ。前モデルもハンドルを握る親指の位置にスイッチがあったため押しやすかったが、新モデルはさらに大型のボタンが採用されており、スイッチを片手で簡単に切り替えるようになっている。
GAS 18V-1の集じん方式
フィルターが目詰まりしにくいサイクロン式を採用
ローテーションエアフロー 3つのメリット
- ●サイクロン式だから→フィルターが目詰まりしにくい
- ●フィルターが目詰まりしにくいから→強い吸引力を維持できる
- ●強い吸引力を維持できるから→フィルターお手入れの手間も少ない
新モデルの集じん方式は2ステージ方式のローテーションエアフローが採用されており、ヘッドから吸い込んだ空気とゴミを2ステージ(ダストフィルター部&回転気流ユニット部)で遠心分離しダストカップに回収する仕組みとなっている。
ダイソンなどと同じ二段構造のサイクロン方式になっているため、フィルターが目詰まりしにくい特長を持っている。そのため、強い吸引力を持続することができるだけでなく、面倒なフィルターのお手入れの手間も少なくなるメリットも。
前モデルはすぐにフィルターが目詰まりしてうんざりだった
前モデル(GAS18V_LI)のデメリット
- ●すぐにフィルターが目詰まりする
- ●フィルターのお手入れ頻度が多かった
- ●ゴミ捨て時にちょっとした一手間がかかった
前モデルのGAS18V_LIは、新モデルのようにダストカップのふたをぱかっとワンタッチで開けてゴミを捨てる仕様でないうえ、ダストカップにフィルターが取り付けられていたため、ゴミを捨てる際はダストカップからフィルターを取り外してゴミを捨てるという一手間がかかった。
さらに、吸い込んだ空気とゴミをダストカップ中央に配置されているフィルターで分離していたため、微細なゴミを吸引するとすぐにフィルターが目詰まりし吸引力が低下していた。他社からサイクロンアタッチメントが発売されたとき真っ先にボッシュに取り付けたほどだ。
そして、厄介なことに[フィルターシール]に[HEPAフィルター]と[フィルターカバー]が組み付けられていたため、毎回フィルターのお手入れがうんざりするほど面倒なうえ、ゴミが手に触れたり、埃が舞い上がったりと不衛生であった。毎日掃除をした場合、早い頻度でメンテをするはめに。
2ステージ方式ローテーションエアフローの仕組み
大きなゴミは1ステージで遠心分離される
1ステージ(ダストフィルター)まずはじめに、ヘッドから吸い上げられたゴミは、ダストフィルター周りにある壁面から侵入し、ルーレットの円盤上で回転するボールのように勢いよく回りながらダストカップに回収される。
1ステージでは強い遠心力が発生しており、ゴミが壁面に押し付けられた状態で回転しながらダストカップに落ちていく。
微細なゴミは2ステージで遠心分離される
2ステージ(回転気流ユニット)1ステージで遠心分離できなかったフィルターに目詰まりするような微細なゴミは、空気と一緒にダストフィルターのメッシュを通り抜けて、下に配置されている2本の回転気流ユニットへ均一に侵入し、遠心分離される。
2ステージでは、1ステージよりさらに強い遠心力が発生しており、遠心分離された微細なゴミはくるくる回転しながら先細った方へ落ちていく。回転気流ユニットが円錐形なのは、直径が小さいと回転するスピードが加速し、遠心力が増すからである。
遠心分離できなかった微細なゴミはフィルターに捕集される
ペーパーフィルター回転気流ユニット上部の壁の周りに侵入した微細なゴミは、円錐形のサイクロン内部を螺旋状に回りながら底部に落ち、空気は上に向かって排出される。回転気流ユニット上部にはプリーツ状に加工されたペーパーフィルターが配置されているため、2ステージを微細なゴミがくぐり抜けたとしても、排気口から排出されず捕集することができる。
GAS 18V-1のゴミの捨て方
ふたをワンタッチで開けて捨てられるようになる
POINT
- ●ゴミ捨てはワンタッチでフタを開けて捨てられる
- ●フタは開放ボタンを押すと開く
- ●ゴミを溜めすぎるとダストカップ内部で挟まりやすいのでこまめに捨てる
ダストカップと2つの回転気流ユニットに溜まったゴミはワンタッチでフタを開けて捨てることができる。ダストカップ底にあるフタを開ける場合は、サイドにある[ふた開放ボタン]を押す。フタを閉じる場合はフタを元の位置に戻してカチッと音がすれば閉めることができる。
前モデル(GAS 18V-LI)のようにわざわざ本体からダストカップを取り外し、さらにダストカップからフィルターを取り外してゴミを捨てる必要がなくなったので、簡単にゴミ捨てが行えるようになった。
ただし、ダストカップ内にたくさんゴミが溜まると、回転気流ユニットとダストカップのあいだに綿埃のようなゴミが挟まることがあったので、こまめにゴミ捨てを行ったほうがよいだろう。
私の環境ではゴミで満杯にならなくとも、猫の毛が回転気流ユニットとダストカップのあいだに引っかかりやすく細い棒で取り除く必要があった。後述するが、ペットの毛や綿埃が多い環境の場合は、マキタのサイクロンユニットを装着したほうが、面倒なお手入れから解放されるのでおすすめである。
GAS 18V-1 フィルターの取り外し方とお手入れ方法
手を汚さずに簡単に取り外せるようになった
新モデルのフィルターは前モデル(GAS 18V-LI)と違い、簡単かつ衛生的に取り外せるようになっている。前モデルのフィルターはダストカップの中に配置されていたため、ゴミが手に触れたり、埃が舞い上がる欠点が存在したのだ。
さらに、フィルターはプリーツ状にして濾過面積を増やした“ペーパーフィルター”が採用されており、お手入れがしやすい平たい形状に変更されている。
ただし、前モデルに採用されていた空気清浄機にも使用されている”HEPAフィルター”ではないため、綺麗な空気を排出する排気性能は前モデルのほうが上と考えたほうがよいだろう。
フィルター以外は全て水洗いできる
ダストカップセットは[ダストカップ][ダストフィルター][回転気流ユニット][ペーパーフィルター]4つのパーツで構成されており、フィルター以外は全て水洗いすることができる。4つのパーツは全て切り離すことができるため、風通しの良い場所で乾かしておくと半日で乾かすことができた。
フィルター(型番:2608000664)は消耗品となっており、Amazonや楽天市場などのネット通販で約800円ほどで単品販売されている。水洗いすることはできないが、集じん方式をサイクロン方式に採用したことにより、フィルターが目詰まりしにくいようになったため、前モデルより交換頻度は下がるだろう。
家ではペット(長毛種の猫)を飼っており、毎日大量の抜け毛が床に落ちているため、毎日掃除がけをしている。この抜け毛がダストカップフィルターに絡みつきやすく、定期的(3日に1回)にお手入れする必要があった。
ちなみに、上の写真はダストフィルターを一週間お手入れしていない状態で、たくさんの抜け毛が絡みつき毛糸のようになっている。
ただし、ダストフィルターは前述したように簡単に取り外すことができるうえ、絡みついたゴミもストレスフリーでサッと除去できる。むしろ大量のペットの毛がダストカップに侵入すると、ゴミ捨て時に中で引っかかって取り出すのに手間がかかるのでプラスに働いている。
GAS 18V-1にサイクロンアタッチメントは装着可能?
ゴミ捨てやメンテナンスが面倒だと感じている人におすすめ
ここにタイトル
- ●ダストカップ(本体側)にゴミが侵入しにくくなる
- ●フィルターが目詰まりしにくくなる
- ●フィルターのお手入れから解放される
- ●フィルターの交換頻度が減る
- ●ごみ捨てがさらに簡単になる
- ●ゴミ捨て時に埃が舞い上がりにくい
現在、ボッシュと同じ電動工具メーカーのマキタが発売した[サイクロンアタッチメント]が人気となっており、同社のスティックコードレス掃除機に装着して使用しているユーザーが増えている。一部のユーザーに人気があるのは上記の6つのメリットがあることから、BOSCHの製品にもつけられるのか気になる人も多いのではないだろうか。
当サイトでは前モデル(GAS 18V-LI)と新モデルに取り付けられるか試してみたが、マキタとボッシュの製品は吸込口の口径がほぼ同じなため、取り付けて使用することができた。ただし、新モデルより前モデルのほうが吸引力が強いため、吸引力を少しでも重視するのであれば、新モデルより前モデルを選んだほうが個人的にはよいと感じた。
実は、サイクロン方式に変えるアタッチメントは最初にリョービが販売している。当サイトではどちらも装着して長く検証を行ってきたが、他メーカーの製品に装着する場合は、マキタの製品のほうがグラつかず安定感があるため、後発で発売されたマキタのほうがおすすめである。実勢価格も大きな差はない。
双方のアタッチメントの違いを比較したページは「マキタの「サイクロンアタッチメント」とリョービの「サイクロンユニット」の違いを比較」の記事からどうぞ。
GAS18V-1のバッテリーと充電器
短い充電で使える時間が長い「プロ用リチウムイオンバッテリー」
POINT
- ●バッテリー:GBA18V(3.0Ah) → 連続使用時間は約21分
- ●充電器:AL1860CV → 充電時間は約35分
- ●本体からバッテリーを外して充電器で充電する
- ●バッテリーはBOSCHのプロ用(18V)電動工具にも使用できる
セット品であるGAS18V-1には、電圧が18Vの外付けバッテリーと、急速充電できる充電器が標準付属されている。バッテリーも充電器も同社のプロ用電動工具にも採用されているモデルのため、18Vシリーズのプロ用電動工具に装着して使用することも可能となっている。新たに電動工具を購入してバッテリーを使い回す場合は、本体のみで販売されているモデルを購入するとよいだろう。
GAS18V-1にはバッテリーは容量が3.0Ahの〔GBA18V3.0Ah〕が付属されており、一回の充電で約21分掃除することができる仕様となっている。一般家庭で掃除機に費やす時間は20分以下の場合が多いと言われ、実際に掃除をしてもみても3LDK全ての部屋を掃除することができた。掃除する範囲が狭い場合は掃除をするたびに充電をする必要はないと考えてよい。
GAS18V-1に付属されているフレキシブルホース
新モデルには従来モデルに付属されていなかった先端にノズルを取り付けられる「フレキシブルホース(延長ホース)」が標準付属されている。
前モデルで本体にノズルをつけて高い場所や棚の掃除をしていると、本体が重さですぐに手がだるくなることと、狭い場所の掃除がしにくい欠点が存在した。
一方、新モデルの場合は本体にフレキシブルホースを装着すれば両手を使い掃除ができるため、高い場所にたまった埃や、車内の手が届きにくい狭い場所を掃除ができるようになり、掃除がラクラク簡単に。
家では猫と暮らすようになってから、すぐに棚や家電などの上に毛が溜まるようになったが、フレキシブルホースに別販売品の[丸型ブラシ(1619PA5261)]をつけると力を入れずに簡単に除去できるようになった。やはり本体を左手で鞄のように持って掃除ができるので楽だ。ちなみに棚のような平たい場所を掃除するなら、マキタの[棚ブラシ(A-37552)]のほうが吸引力が強くて角も掃除がしやすいのでおすすめである。
また、この丸型ブラシは硬いブラシが植毛されているので、キャットタワーや絨毯マットに絡みついたペットの抜け毛を簡単に絡み取ることができた。柔らかいブラシのほうが好みの場合は、動物の毛が採用されている[マキタのラウンドブラシ]を使用するといいだろう。首も回転するので使い勝手もいい。マキタとボッシュの吸込口のサイズはほぼ同じなので「マキタの全ノズル」を流用することができる。
GAS 18V-1の収納方法
GAS 18V-1専用の壁用ホルダーの使用レビュー
新モデルは前モデル(GAS 18V-LI)の本体にあったストラップがついていないため、フックなどに引っ掛けて立てかけて収納することができなくなった。そのかわり、ハンドルがフック形状になっているため、本体を自立させたり、家具などに引っかけて収納することができるようになっている。
しかし、どこにでもハンドルを引っ掛けられるわけではなく、棒状になったものや椅子の背もたれのような所にしか引っかけることができない。また、本体が自立するといっても延長管とヘッドを取り外した状態ではないと省スペースに収納できないため、コードレス掃除機のメリットであるサッと取り出して掃除することができなくなってしまう。
そこで、サッと取り出して掃除をしたい場合は、アクセサリもまとめて収納が出来るGAS 18V-1専用の壁用ホルダー(2608000668)を使うとよいだろう。なぜなら、壁用ホルダーは延長管をつけた状態でも収納することができるため、ちょっとした手間をかけることなく手軽に掃除をすることができるからだ。
ただし壁用ホルダーは壁にネジ止めして固定する必要があるため、壁にネジ穴をあけられない賃貸アパート・マンションなどの環境であれば、他社のハンディタイプのスティック掃除機を立てかけて収納できるクリーナースタンドを使用するとよいだろう。
ボッシュの歴代モデルの仕様(スペック)がひと目で分かる比較表は上のボタンからどうぞ。今お使いのモデルとの比較にも役立ちます。