VC-CL200とVC-CL1200の特徴
第2弾モデルがスマートになって登場
東芝が2015年3月に発売した「VC-CL200」と「VC-CL1200」は、トルネオVコードレス シリーズの第2弾目となるスティック型コードレス掃除機となります。「VC-CL200」は下位モデル、「VC-CL1200」は上位モデルとなります。それぞれ2色ずつカラーバリエーションがあり、付属品が異なるだけでデザインや本体仕様は同じとなります。
2014年2月に発売された「VC-CL100」は、ガンダムが装備していたビームライフルのような重量感のある形状をしており、使い勝手が悪そうでありました。それに比べると、後継モデルである「VC-CL200」と「VC-CL1200」は、ずいぶんとスリムな形状な上に、重心バランスも見直され使い勝手がよくなっています。
「VC-CL200」と「VC-CL1200」の違い
2015年モデル トルネオVコードレス | VC-CL200(赤,白) 下位モデル | VC-CL1200(黒,緑) 上位モデル |
充電台 | ○ | ○ |
すき間ノズル | ○ | ○ |
丸ブラシ | ○ | ○ |
洋服布用ブラシ | × | ○ |
ふとん用ブラシ | × | ○ |
付属品用ホース | × | ○ |
「VC-CL200」と「VC-CL1200」の違いは、付属品(専用ツール)に違いがあるだけなので、本体デザインは同じになります。吸引力、ダストピックアップ率、連続使用時間、充電時間等の仕様(スペック)も同じになります。
どちらも「すき間ノズル」と「丸ブラシ」が標準付属されているので、床と卓上だけを掃除する用途であれば価格の安いスタンダードモデルの「VC-CL200」を購入したほうがお買い得です。
床だけでなく、寝具、衣類、ベッド、ソファー、自動車内など幅広く掃除をしたい場合は価格が高くなってしまいますが、「ふとん用ブラシ」「洋服布用ブラシ」「付属品用ホース」が同梱されている上位モデルの「VC-CL1200」のほうがおすすめです。
VC-CL200とVC-CL1200の吸引力
ダイソンの新モデルに搭載されているモーターと同じ回転数
東芝のラインナップは吸引力の目安となる吸込仕事率を公表していませんが、VC-CL200/VC-CL1200には、毎分最大11万回転(ダイソンV8と同等)する「ハイパワーDDファンモーター」を搭載している上に、フィルターの目詰まりによる吸引力低下が発生しにくい「2段式サイクロン構造」が採用されているため、ヘッドを取り付けた状態の吸引力は不満がないほど強いものとなっています。
上の動画はVC-CL1200で色々なゴミを吸引した動画です。VC-CL200もVC-CL1200と同じ本体とヘッドなので、吸引力やダストピックアップ率(ゴミの除去率)に違いはありません。
一般家庭の床に落ちているような小くて軽いゴミなら軽々と吸い上げていくので掃除をしている際にストレスはかかりませんでした。ただし、ヘッドと床のすき間がダイソンのヘッド並みに狭くなっている設計(10円玉の厚さほど)になっているため、少しでも嵩のあるゴミはヘッドの前面で押し出してしまうことがありました。
動画(1:01)でも、少しでも嵩のあるような木材の切り屑や、ペットの餌・砂を効率よく吸い取れていないことが分かるかと思います。ただし、一般家庭の床にこのようなゴミは大量に落ちていないので、大して気にする必要はないと思います。固形のゴミが目に入れば、ゴミに対してヘッドをかぶせるようにすれば簡単に吸引することができます。
逆にペットの餌・砂のような固形のゴミを大量に吸引する用途であれば、ノーマルヘッドが採用されている電動工具メーカーのコードレス掃除機のほうがおすすめです。なぜなら、回転ブラシがゴミを弾き飛ばしてしまい効率よく吸引できないからです。
センサーが付いてるから自動で吸引力がアップする
VC-CL200とVC-CL1200には、従来モデル(VC-CL100)には無かった新機能(ゴミ残しまセンサー)が追加されています。床には目に見えない微細なゴミ(ハウスダスト、アレルゲン)が無数に落ちており、自動モード時に微細ゴミの有無をセンサーが見分けて自動で吸引力をアップしてくれます。ゴミがない場所では吸引力は弱まるので節電効果もあります。
ランプで微細なゴミの有無を知らせてくれるからゴミを取りこぼさない
床に落ちている目に見えない微細なゴミを吸ってるあいだは、手元にあるランプが点灯して教えてくれるので、小さなゴミの取りこぼしがなくなります。(点灯動画を見る)また、センサーをチェックする癖をつけておけば、微細なゴミが溜まりやすい場所や、取り除きにくい場所も把握することができます。綺麗好きな方や嫁さんをいびりたい場合に役立ちます。
モーターヘッド
床に優しいモーターヘッドを搭載しているから、床を傷めずゴミを掻き取る
ローエンドタイプの製品に標準装備されている「ノーマルヘッド」は、回転ブラシが搭載されていないため、嵩のあるゴミ(ペットの餌・砂)が吸いやすいく、また髪の毛やペットの毛が絡みつかないという長所があります。しかし、モーター駆動の回転ブラシが搭載されていないため、床に付着した目に見えない微細なゴミや、カーペットに絡みついた髪の毛や奥深くに入り込んだゴミを掻きだす能力が低いという短所もあります。
ハードブラシ | 絨毯奥やフローリング溝に入り込んだゴミを掻きだす | |
セミソフトブラシ | フローリングや畳の表面に付着している微細なゴミを拭き取る | |
ソフトブラシ | 絨毯表面に付着した微細なゴミを取り除く(フローリングには接触しない) |
VC-CL200/VC-CL1200には、モーターヘッドが標準装備されており、螺旋状に配列されている3種類のブラシ(トリプルファイバーブラシ)が高速回転するため、フローリングの表面に付着している目に見えないハウスダストや、溝(目地)に入り込んだゴミを掻き出しながら吸引することができます。また、特にノーマルヘッドが苦手としているカーペットに絡みついた髪の毛や奥深くに入り込んだゴミを掻き出しながら吸引することも出来ます。
ブラシパワーは前モデルより3倍強力
高速回転するブラシバーには、3種類のブラシが植毛されており、ブラシパワーは前モデル(VC-CL100)より、約3倍もパワーアップしています。正直、ダイソンやエレクトロラックスなどの海外勢の製品に比べるとブラシパワーは弱いですが、配列されているナイロンブラシは柔らかいものが採用されているので、毛足が多少長いカーペットを掃除してもブラシの回転スピードが弱くなる感じや、止まるといったことはありませんでした。個人的にカーペットを傷めない(毛羽立せない&抜かない)ので、東芝の回転ブラシのほうが好みです。ただし、硬いブラシが採用されている製品より、カーペットのダストピックアップ率(ゴミの除去率)は落ちます。
髪の毛のような長いゴミが絡みつきやすい
高性能のモーターヘッドにも短所があり、ブラシが回転しているために、髪の毛、糸くず、ペットの毛、カーペットの繊維のような長いゴミがブラシに絡みつきやすく、定期的にこのゴミを除去する面倒なお手入れが必要になります。
当サイトで紹介している製品の中には、スマートヘッドが搭載されている日立、Fluffyヘッドが搭載されているダイソンのように髪の毛が絡みつきにくいモーターヘッドもあります。また、エレクトロラックスのように、ブラシに絡みついた髪の毛をカットしてくれる機構が搭載されたモデルもあります。
東芝の現行機種は、ブラシに長いゴミが絡みやすく、これらのゴミを簡単に取り除く機構がありません。そのため、ロングヘアーの家族がいる家庭や、ペットを飼っている家庭、カーペット面積が広い環境ですと、定期的にブラシのお手入れが必要になります。回転ブラシは工具不要で簡単に取り外せるので、ヘッドのお手入れする際は回転ブラシを取り外してから、カッターやハサミなどでカットして取り除いたほうが手っ取り早いでしょう。(ブラシの取り外し方は上の動画をご覧ください)
VC-CL200とVC-CL1200の集じん方式
「2段式サイクロン構造」だから、国内の競合メーカーより吸引力が低下しにくい。
サイクロン方式には、「1段式サイクロン構造」と「2段式サイクロン構造」の2種類があり、「1段式サイクロン構造」は微細なゴミを分離する能力が低いので、すぐにフィルターが目詰まりしてしまい吸引力が低下しやすい欠点があります。
現在(2016/7)国内大手家電メーカーから販売されているコードレス掃除機は、東芝以外は「1段式サイクロン構造」を採用しており、フィルターが目詰まりしにくい「2段式サイクロン構造」を採用しているのは国内だと「東芝」だけです。ちなみに海外メーカーだと「ダイソン」や「ブラックアンドデッカー」の製品にも採用されています。
従って、国内の競合メーカーより、フィルターの目詰まりによる吸引力低下が発生しにくくなっているので、ゴミを捨てるたびにフィルターのお手入れをする必要がなくなります。ただし、同じ「2段式サイクロン構造」を採用しているダイソンの製品に比べると、吸引した空気とゴミの分離能力は劣っています。
ゴミの捨て方
ゴミの捨て方は非常に簡単です。「本体からダストカップセットの取り外す」「ダストカップセットからダストカップの取り外す」この2手間は上の動画を視聴していただければ分かると思いますが、ボタンを押せばワンタッチで取り外せるので、お年寄りや子供でも一度ゴミ捨てを行なうと次回から説明書不要で捨てられます。
ただし、面倒だなと思う点もありました。はじめにダストカップ内で目に見える比較的大きなゴミを空気を分離されます。ここで遠心分離できなかった超微細なゴミは2段目のサイクロンに運搬され遠心分離されます。ダイソンと違い2段目のサイクロンで遠心分離された微細なゴミは、ダストカップの上部に回収されます。
ここで回収された微細なゴミはゴムパッキンとダストカップあいだに入り込んでしまうので、ゴミを捨てる際にブラシで除去しなければいけません。また、ダストカップの中央にある圧縮ゾーンにも早い段階で埃・塵が付着するのでお手入れが必要です。国内の競合メーカーよりフィルターが目詰まりしにくい強みを持っていますが、このお手入れが面倒な上に、埃が舞いあがり不衛生なため、個人的に改良してほしいと思いました。
フィルターのお手入れ方法
前述の通り、国内メーカーの製品に比べると「2段式サイクロン構造」を採用しているため、フィルターは目詰まりしにくくなっています。しかし、元祖サイクロン掃除機のメーカー(ダイソン)の製品と比較すると、吸引した空気とゴミの分離性能は劣ります。そのため、毎日掃除をする場合ですと、一ヶ月に1~2回はお手入れをしたほうがよいでしょう。
わたしはフィルターを水洗いするのが面倒なので、定期的に別の掃除機でフィルター表面に付着しているゴミを吸い取っています。(1:13)フィルターの汚れや排気のニオイが気になる場合は、迷わずダストカップセットと一緒に水洗いしたほうがよいでしょう。
サイクロンやダストカップを水洗いできるから衛生的
東芝と同じ「2段式サイクロン構造」を採用しているメーカーにダイソンの製品がありますが、ダイソンの現行機種(2016調べ)は、ダストカップとサイクロン部分を水洗いすることが禁止されています。そのため排気のニオイが気になりだすと、エアーダスターやブロワーでサイクロン内部に蓄積した粉じんを吹き飛ばさなければいけません。
一方、東芝のVC-CL200やVC-CL1200は、フィルターだけでなく、ダストカップやサイクロン部分も全て丸洗いすることが出来るため、サイクロン内部に粉じんが蓄積したり、排気のニオイが気になっても水洗いすることにより、衛生的に使い続けることが出来ます。ダイソンユーザーのようにエアーダスターやブロワーなどを購入してサイクロン内部の粉じんを吹き飛ばす必要もありません。
ちなみに、ダストカップ、サイクロン、フィルターはベランダで乾かせば1日で乾きますが、サイクロンは内部が1日で乾かないことがあったので早く乾かしたい場合は扇風機に当てながら乾かしたほうがよいでしょう。乾かしているあいだに本体を充電することも可能です。
VC-CL200とVC-CL1200の重さ
体感重量の軽さは2015年高級モデル(ハンディタイプ)の中でトップクラス
VC-CL200とVC-CL1200は、軽量で強度のある素材(グラスファイバー)を本体、延長管、モーターヘッドに採用しているため、従来モデル(VC-CL100)より、約0.4kgも軽い1.9kgとなっています。また、重たいバッテリーとモーターをハンドルの前後にバランスよく分けて配置しているため、体感重量も軽くなっています。そのため、長時間使用しても手首に負担がかかりません。
ハイエンドタイプのコードレスクリーナーは、ローエンドタイプよりパワーがアップし、モーターヘッドを搭載しているため、どうしてもモーター、バッテリー、モーターヘッドが重たくなります。しかし、VC-CL100は、重心バランスが見直され、軽くて丈夫な素材が採用されているため、わたしが今まで(~2016/7)使ったコードレス掃除機(ハンディ型のハイエンドタイプ)の中で一番体感重量が軽い。
「VC-CL200」と「VC-CL1200」の充電台
コンパクトに収納しながら充電が行なえるから邪魔にならない
前モデルVC-CL100に付属されていた充電台は健在で、VC-CL200やVC-CL1200にも掃除機本体や延長管をコンパクトに収納することができる充電台が標準付属されています。セパレートチャージ式が採用されている製品や、充電台が付属されていない製品は、バッテリーを取り外して充電器に差し込んだり、充電アダプターのプラグを掃除機本体に差し込むという一手間が必要になるものの、東芝のトルネオV コードレスシリーズは、収納と同時に充電が行なえるのが魅力となっている。
収納や掃除ををする際は、本体に装着している延長管を着脱する一手間がかかるものの、高さ約80cm、幅約28cmと狭い部屋やクローゼットの片隅でコンパクトに収納することができます。トルネオV コードレスのように、重心が上にあるハンディタイプのスティック型コードレス掃除機には、充電スタンドが別売りになっている製品も多いので、充電台がデフォルトで同梱されているのははありがたい。
充電台は延長ホースを差し込めるホルダーが左右についているため、どちら側のホルダーに差し込んで収納することができます。ただし、右側のホルダー位置は高い場所に配置されているため、右側に差し込んで収納すると高さが約86cmになってしまいます。(左側のホルダーに収納すると高さ約80cm)
ノズルを充電台に収納できるから無くして探し回る心配もなし
VC-CL200やVC-CL1200には、「丸ブラシ」や「すき間ノズル」が標準付属されており、充電台の左右にこの専用ノズルを収納することができます。こういった専用ノズルは何処に置いたのか分からなくなってしまうことがよくありますが、充電台に収納しておく癖をつけておけば無くしてしまって探し回る心配もないでしょう。
ちなみに、VC-CL1200には、「丸ブラシ」や「すき間ノズル」の他に、「ふとん用ブラシ」「洋服布用ブラシ」「付属品用ホース」も付属されていますが、これらの専用ツールは充電台に収納することができないのが少し残念に感じました。
「VC-CL200」と「VC-CL1200」のバッテリー仕様
吸引モード | 強モード | 自動モード | セーブモード |
連続使用時間 | 約6分 | 約6分~20分 | 約20分~25分 |
充電時間と連続使用時間
VC-CL200とVC-CL1200は約5時間の充電で、「弱モード」の場合約20~25分、「強モード」の場合約6分の連続運転が可能となります。「自動モード」の連続運転時間は、床に落ちている目に見えない微細なゴミの有無で吸引力が自動で変わるため約6分~20分となります。※「弱モード」はマニュアルやスイッチには「セーブモード」と記載されています。
バッテリー残量が空になった状態から満充電するまで約5時間かかるため、他メーカーの最新機種に比べると充電時間が長い部類に入ります。そのため、掃除の途中で充電がなくなると長い間掃除を開始することが出来ないので、広範囲を掃除する場合は、ゴミの有無によって吸引力が自動調整され節電できる「自動モード」に切り替えて掃除をしたほうがよいでしょう。
2000回の充電できるから高寿命
わたしの収集情報によるとコードレス掃除機のリチウムイオンバッテリーは毎日使用して充放電を繰り返した場合、約2~3年のあいだに寿命が訪れます。バッテリーは寿命がくると買い直さなければいけない上に、リチウムイオンバッテリーは高額なのでお財布の負担になります。
一方、東芝のVC-CL200やVC-CL1200は、前モデルのVC-CL100と同じバッテリー(CL1-P)が搭載されており、充電回数が2000回と一般的なバッテリーより約4倍も長寿命になります。毎日満充放電して使用した場合ですと5年以上、2日に1回の充放電の場合ですと10年以上も持つ計算になります。
バッテリーの交換方法と交換費用
VC-CL200とVC-CL1200は本体にバッテリーが内蔵されているため、自分で交換することは出来ません。自分でバッテリー交換できる知識があっても、東芝はバッテリーを単品で販売していないので入手が難しくなります。
技術料 | 部品代 | 合計 |
約2,100円 | 約13,000円 | 15,100円(税抜) |
そのため、バッテリーを交換する場合は、製品を購入した販売店、もしくは最寄の東芝サービスステーションへ持ち込みしなければいけません。バッテリーの交換料金を調べると(2016年調)、技術料:約2,100円、バッテリー代:約13,000円、計:約15,100(税別)と、他メーカーに比べると決して安い価格とはいえません。しかし、前述の通り充電回数が2,000回と他メーカーより頭一つ抜けているので個人的に高い額だとは感じません。(家で使った場合10年以上持つ計算になるため)
VC-CL200とVC-CL1200の付属品の違い
本体スペックは同じだから用途にあったものを選ぼう
VC-CL200とVC-CL1200には、標準付属品の「充電台」「すき間ノズル」「丸ブラシ」が付属されています。VC-CL1200の上位モデルには、標準付属品に加え3点の専用ツール(「ふとん用ブラシ」「洋服布用ブラシ」「付属品用ホース」)と、これらの専用ツールを収納できる「応用付属品収納バッグ」が付属されています。
どちらも本体のスペック(仕様)は同じなので、床だけの掃除で使うのであれば、価格の安い下位モデルの「VC-CL200」を購入したほうが経済的です。床だけでなく、布団などの寝具・衣類やカーテン・車内など幅広い用途で使いたいのであれば、価格は高くなるが上位モデルのほうがおすすめです。
2015年モデル トルネオVコードレス | VC-CL200 下位モデル | VC-CL1200 上位モデル |
充電台 | ○ | ○ |
すき間ノズル | ○ | ○ |
丸ブラシ | ○ | ○ |
洋服布用ブラシ | × | ○ |
ふとん用ブラシ | × | ○ |
付属品用ホース | × | ○ |
応用付属品収納バッグ | × | ○ |